追い出された令嬢は無双する

霜月

文字の大きさ
上 下
19 / 22

レッツクッキング

しおりを挟む
「なずなちゃんクッキーング!

今日作るのは~、ドン!

クッキーでーす!

今日はこれに、いろいろな効果をつけちゃうよ~?

講師兼ナレーションはなずな、助手はマタドールちゃん、試食係、兼合いの手はコン吉でお送りしまーす!」

「コココン!」

さて今の時刻は午後9時。

近所迷惑を考えずハイテンションでお送りしております。

あ、防音結界張ってるからね!


いやあ、キッチンが部屋にあるって凄いですよね!

流石に包丁は無かったけど、そんぐらい魔法で何とかなるってものです!

え、魔法が使えるのかって?

学校側が安全と判断した魔法は使えるようになってるんですよ!

凄いね!

一人部屋にしてよかったね!


私は、食べるのが好きだ。

美味しいものを食べるのも、作るのも好きだ。

このマシュマロボディも、その食欲と製作欲の結果。

ケアは欠かさずしているため、むにむにスベスベの白い肌。

のはずだが。

最近、どうも太りすぎてしまった。

ニキビ。

ニキビだ。

そう思春期の少年少女の敵ニキビだ!

今はまだ一つだが、奴はじきに増えてくる。

肌も少し脂ギッシュ。

いかん。

これじゃあマシュマロボディじゃあ無くただのデブになってしまうっ!

さっき風呂に入った後恐る恐る体重計に乗った。

65キロ。

私は身長が155cmある。

つまり155÷65で…約2.3センチあたり1キロ。

筋肉を鍛えている方だと言っても、1キロあたり約2cm。

10歳で65kg。

だめだ。

これはぽっちゃりボディではない。

デブだ。

デブだ!

これは由々しき事態。

私は、痩せることを決意した。


入学式では写真を撮る。

初々しい新入生たちの中に、

狐を連れたデブ。

絶対やだ。

入学式は明日だが、私の手にかかれば明日までに55キロになれる。

我、神ぞ?天災ぞ?

天からの災害と書いて天災。うん。マチガッテナイ。


こういう時は、運動するとか、食事制限とか、サウナとか、サプリとか、いっぱいある。

運動はいつもしているし、サプリは売ってないし、食事制限は(私の中では)邪道だし、何より即効性がない。

もっとすぐ効くやつだ。

そう、神々 (一人だけど)の|混沌(カオス)。

☆KA☆MI☆NO☆TI☆KA☆RA☆


「まずぅー、スキルで新しい植物の種を作りま~す。
チョチョイのチョイ、でホラ完成!
そしてこれを育てまーす!
魔法をかけて~
スリー、トゥー、ワン、はい!
立派な果実になりました☆」

「コンコン。」

「つぅーぎぃーにぃー。
このまま食べてもいいのですが、クッキーにしまーす!
ここで何と既に!
マタドールちゃんが生地を用意してくれています!
あ、マタドールと言っても闘牛士じゃないよ!そこんとこ大事!」


このマタドールちゃん、作った。

私の手持ちはスライムとスマホと狐。

ひとがたがいなぁい!

そんな私の思いから生み出された子、マタドールちゃん。

ひとがたならどんな姿も思いのまま、マタドールちゃん!

ひとがたなら、どんな大きさにでもなれます!

ひとがたなら、どんな色にでも!

ひとがたなら、どんなこともできる!

うん。

ひとがたにこだわって作ったの。

その結果ですが何か?

そう、これが

「KA☆MI☆NO☆TI☆KA☆Rグフォッ」

「ココンッ」


まあそんな茶番は置いといて。


「生地に、すりおろした植物を練り込みまーす!
そして、形を整えて焼いたら完成でーす!」

マタドールちゃんに焼いてもらう。

魔法なので10分あれば焼ける。便利!


「と、焼いている間に。
お薬を作りまーす!
とある植物の葉を取り出しまーす。
そして、すりつぶしまーす!
…ふう。
すり潰せたら、その植物の油、アルコール、水と一緒に混ぜまーす!
…よーく混ぜたら、これで完成!
おっと、クッキーも焼きあがったようです!」

「こ、これは~!
見事なきつね色!素晴らしい!excellent!」

「さて、お味のほどは~?
…んん!ほろ苦くて美味しい!
これを1食べて、顔を洗い、お薬をつけまーす。
ビニールシートをベッドにしきまーす。
そして睡眠!goodnight!」

寝る。歯はちゃんと磨いたよ。


「おっはようございます!
ビニールシートは汗やフケまみれです!きちゃない!
さあお風呂へレッツゴー!」

私が作った植物は、新陳代謝超活性化機能があるものだ。

新陳代謝を上げてフケなどを出し、さらにそれに消費するエネルギーを無駄な脂肪から取る。

ちなみにビニールシートはその場で圧縮&廃棄した。


「さて気になる体重は~?
おおっ!55kg!
ニキビもない!
素晴らしい!
流石です!」

さあいざ行かん、入学式!
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

【完結】もう…我慢しなくても良いですよね?

アノマロカリス
ファンタジー
マーテルリア・フローレンス公爵令嬢は、幼い頃から自国の第一王子との婚約が決まっていて幼少の頃から厳しい教育を施されていた。 泣き言は許されず、笑みを浮かべる事も許されず、お茶会にすら参加させて貰えずに常に完璧な淑女を求められて教育をされて来た。 16歳の成人の義を過ぎてから王子との婚約発表の場で、事あろうことか王子は聖女に選ばれたという男爵令嬢を連れて来て私との婚約を破棄して、男爵令嬢と婚約する事を選んだ。 マーテルリアの幼少からの血の滲むような努力は、一瞬で崩壊してしまった。 あぁ、今迄の苦労は一体なんの為に… もう…我慢しなくても良いですよね? この物語は、「虐げられる生活を曽祖母の秘術でざまぁして差し上げますわ!」の続編です。 前作の登場人物達も多数登場する予定です。 マーテルリアのイラストを変更致しました。

いっとう愚かで、惨めで、哀れな末路を辿るはずだった令嬢の矜持

空月
ファンタジー
古くからの名家、貴き血を継ぐローゼンベルグ家――その末子、一人娘として生まれたカトレア・ローゼンベルグは、幼い頃からの婚約者に婚約破棄され、遠方の別荘へと療養の名目で送られた。 その道中に惨めに死ぬはずだった未来を、突然現れた『バグ』によって回避して、ただの『カトレア』として生きていく話。 ※悪役令嬢で婚約破棄物ですが、ざまぁもスッキリもありません。 ※以前投稿していた「いっとう愚かで惨めで哀れだった令嬢の果て」改稿版です。文章量が1.5倍くらいに増えています。

余命1年の君に恋をした

パチ朗斗
恋愛
主人公の名前は千堂 蓮翔(せんどう れんと)、田舎の高校に通う高校2年生だ。彼の町には樹齢1000年もの桜が生えている。蓮翔はいつもその桜の木に頭を下げてから出掛けていた。 蓮翔はいつも通り、桜の木の方に向かうと、近くの空き地に1人の少女が倒れていた。

悪役断罪?そもそも何かしましたか?

SHIN
恋愛
明日から王城に最終王妃教育のために登城する、懇談会パーティーに参加中の私の目の前では多人数の男性に囲まれてちやほやされている少女がいた。 男性はたしか婚約者がいたり妻がいたりするのだけど、良いのかしら。 あら、あそこに居ますのは第二王子では、ないですか。 えっ、婚約破棄?別に構いませんが、怒られますよ。 勘違い王子と企み少女に巻き込まれたある少女の話し。

悪役令嬢の逆襲

すけさん
恋愛
断罪される1年前に前世の記憶が甦る! 前世は三十代の子持ちのおばちゃんだった。 素行は悪かった悪役令嬢は、急におばちゃんチックな思想が芽生え恋に友情に新たな一面を見せ始めた事で、断罪を回避するべく奮闘する!

あなたを忘れる魔法があれば

美緒
恋愛
乙女ゲームの攻略対象の婚約者として転生した私、ディアナ・クリストハルト。 ただ、ゲームの舞台は他国の為、ゲームには婚約者がいるという事でしか登場しない名前のないモブ。 私は、ゲームの強制力により、好きになった方を奪われるしかないのでしょうか――? これは、「あなたを忘れる魔法があれば」をテーマに書いてみたものです――が、何か違うような?? R15、残酷描写ありは保険。乙女ゲーム要素も空気に近いです。 ※小説家になろう、カクヨムにも掲載してます

婚約破棄されたら魔法が解けました

かな
恋愛
「クロエ・ベネット。お前との婚約は破棄する。」 それは学園の卒業パーティーでのこと。 ……やっぱり、ダメだったんだ。 周りがザワザワと騒ぎ出す中、ただ1人『クロエ・ベネット』だけは冷静に事実を受け止めていた。乙女ゲームの世界に転生してから10年。国外追放を回避する為に、そして后妃となる為に努力し続けて来たその時間が無駄になった瞬間でもあった。そんな彼女に追い打ちをかけるかのように、第一王子であるエドワード・ホワイトは聖女を新たな婚約者とすることを発表する。その後はトントン拍子にことが運び、冤罪をかけられ、ゲームのシナリオ通り国外追放。そして、国外へと運ばれている途中に魔物に襲われて死ぬ。……そんな運命を辿るはずだった。 「こんなことなら、転生なんてしたくなかった。元の世界に戻りたい……」 あろうことか、最後の願いとしてそう思った瞬間に、全身が光り出したのだ。そして気がつくと、なんと前世の姿に戻っていた!しかもそれを第二王子であるアルベルトに見られていて……。 「……まさかこんなことになるなんてね。……それでどうする?あの2人復讐でもしちゃう?今の君なら、それができるよ。」 死を覚悟した絶望から転生特典を得た主人公の大逆転溺愛ラブストーリー! ※毎週土曜日の18時+気ままに投稿中 ※プロットなしで書いているので辻褄合わせの為に後から修正することがあります。

冤罪をかけられた上に婚約破棄されたので、こんな国出て行ってやります

真理亜
恋愛
「そうですか。では出て行きます」 婚約者である王太子のイーサンから謝罪を要求され、従わないなら国外追放だと脅された公爵令嬢のアイリスは、平然とこう言い放った。  そもそもが冤罪を着せられた上、婚約破棄までされた相手に敬意を表す必要など無いし、そんな王太子が治める国に未練などなかったからだ。  脅しが空振りに終わったイーサンは狼狽えるが、最早後の祭りだった。なんと娘可愛さに公爵自身もまた爵位を返上して国を出ると言い出したのだ。  王国のTOPに位置する公爵家が無くなるなどあってはならないことだ。イーサンは慌てて引き止めるがもう遅かった。

処理中です...