追い出された令嬢は無双する

霜月

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ヒロインちゃんvs先生

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寮に戻ってきた。

やっぱり1人はいいなー。

え、そんなことを思ってるから孤神なんだって?

わ、私は気が合わない子と過ごすくらいならぼっちの方がいいんだよね~。

う、嘘じゃないよ?

「コン吉~。私ってぼっちじゃないよね~?」

コン吉は何も答えなかった。


グッドモーニング。

ヒロインちゃんと先生がバトっちゃう予定の朝がきた。

制服に着替えて、コン吉の毛を梳く。
もちろんカバンも持っている。

「た~べものが~私を~待って~いるぅ~♪」

食堂へレッツゴー。


食堂につくと、もう既に何人もの学生がいた。

私はA定食とサンマもどきを頼み、席に座る。

「いただきます。」

「コンコココン。」

私たちは朝ごはんを食べ始める。ちなみにサンマはコン吉の分だ。

サンマの骨は既に取られている。そんなんじゃ強くなれないゾ☆

とそれは置いといて。

何十年前かにお貴族様が魚の骨が喉に刺さったと怒って~

それがまた身分の高い人だったからそれからずーっと骨が取られてるらしいですぅ~

ここだけの話ぃ~

故郷 (怒)の何代か前の王子様だそうですぅ~

まあ骨が取れない貴族が多かったからみんな喜んでたらしいんだけどね。

食べ終わった。美味しゅうございました。

「ごちそうさまでした。」

「コンコンコッコココン。」

学校へしゅっぱーつ!


教室に着いた。でも人が全然いない。

「今闘技場で面白いことやってるらしいぞ。」

「おー、見に行こうよ!」

とは今私の後ろを通った3年生カップルの話だ。

決め付けるなって?

恋人つなぎお揃いのキーホルダーニコニコ笑顔半径10センチ以内の距離顔が似ていない

カップルじゃなきゃなんなんだ。ん?



闘技場に着いた。

ヒロインちゃんと先生が真ん中に立っている。

どうやらまだ始まっていないようだ。

できるだけ前の方の見れる場所へ行こうとする。

だが、ぽっちゃり女子のマシュマロボディで通れる場所は生憎無く、一番後ろで立ち見になった。ちくせう。

だが私にはこれがある。

「ちゃっちゃちゃーん。魔法~!」

私の肩に乗っていたコン吉が怪訝そうな顔で覗き込む。

ふっふっふ。魔力を目に込めると、遠くの景色も見えるのだ。透視だ。視力強化だ。
身体強化のひとつだね。

これをかければ、ヒロインちゃん達のバトルがよく見える。

にゃはははは。完璧!

ま、魔力を込めたのはメガネにだけどね。取り外しできる方が楽な気がして。今度メガネ改造しよ。

コン吉も私の真似をして目に身体強化をかけたようだ。

アイテムボックスからポップコーンを出す。塩味だ。

コン吉にもポップコーンをやる。喜んで食べるのは可愛いが、カスを肩に落とすのはやめていただきたい。フケみたいではないか。

やらなければいい話なんだけど、コン吉はこれが好きだからね。あげないのは酷な話だ。


バトルが始まった。まず先生がヒロインちゃんにウォーターボールを放つ。

ポップコーンおいひい。

ヒロインちゃんはそれを避け…転んだ。

その隙にすかさず先生がウォーターボールを打ち込もうとする。が、私が威圧で先生の動きを止めた。

そこにヒロインちゃんがツインテールを振り乱しながらファイアーボールを打つ。

先生が倒れ、ヒロインちゃんの勝ちとなった。

それを見届けた私は、教室に帰ることにした。

ポップコーンは食べきった。



なんで先生の邪魔をしたのかって?

そんなの思い出したからだ。

何百回かに一回、先生に負けて攻略対象の一部が来なくなることがあった。

その代わりに隠しキャラが出現するのだが、そいつのルートがまた厄介で。

少しでも関わると、全ルートでこの世界終了のお知らせ。

一番悪いのは、先生に負けた事で自信をなくし、力を求めているヒロインちゃんが、悪魔と契約する。

闇落ちルートだ。

そんなののせいでまた死ぬなんて嫌だ。いや、神だから死なないのかもしれないけど。

まぁ、面白くないじゃないか。


多分ヒロインちゃん達のバトルのせいで、帰宅命令が出された。

寮に戻ったら料理しよう。

ダジャレじゃないよ。ほんとだよ。

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