追い出された令嬢は無双する

霜月

文字の大きさ
上 下
11 / 22

連行と魔法

しおりを挟む
王城かー。身元は安全かもねー。じゃなくて。

「は!?」

「は、とは?」

「平民が王城なんて行ってもいいんですか!?」 

「はい。王城と言っても、そのなかにある魔法館なので。」
いやいいのかよ。

「それに、許可してもらいました。」
あ、そーいや連絡してたなー。

「私にどういう用なんですか?」

「それはついてから言います。あ、すいません焼き鳥5本ください。500マニーでいいですか?」

「あいよー。まいどあり。」

「どうぞ。」

「ありがとうございます。」
とりあえず食べよう。うん。現実逃避じゃないよ?あ、そだ。

「あの、すみません。」

「何ですか?」

「お、お手洗い行ってきてもいいですか?」

「あ、はいどうぞ。」

「ありがとうございます。多分5分くらいで戻ります。」

よし、思考時間ゲット!トイレ行って考えよう。


呼ばれた理由で考え付くのは、
・コン吉
・|鉄の処女(アイアンメイデン)
だ。
鉄の処女は本当のこと言うとコン吉の魔力量が多いのがバレるから、鉄の処女の発動のための魔力量を300くらいにして、詠唱をつけよう。弱体化もさせよう。3000にしてたのはこの魔法が知られても無闇矢鱈に使われないようにもあるけど、強いからいっぱいいるってのももちろんあるのだ。
でもコレ無属性魔法だから使える人めっちゃいそうなのはいっか。
あ、私のステータスに偽造かけとこ。


「お待たせしました。」


「いや、あまり待っていないから大丈夫だ。では行こう。」
口調変わったな。
偉そうだなぁ、おい。


「着いたぞ。」

「大っきい…」

「ここが魔法館で、右奥が騎士館だ。」

「そうなんですか。」

「う、ううん…」

あ、少年が起きた。

「あの、すいません。」

「何だ?」

「少年が起きました。」

「そうか。」

「あの、そういえば彼って誰ですか?」

「騎士見習いの中で三位の伯爵家の次男だ。今日は休みだったんだがな。」

「そうなんですか。」
以外とすごい奴だった。はくしゃく。
てか身元明かしていいのか騎士よ。
身元バラされてるぞ少年よ。

「じゃ、座って待っていてくれ。しばらくすれば来るはずだ。」

「分かりました。」
私とまあイケメン騎士さんの一人と魔術師さん4人になった。

ーー10分経過

「まだですか?」
「たぶんもうすぐ来る。」
今は1時だ。

ーー20分経過

「まだですか?」
「もう来るはずだ。もう少し待ってくれ。」ちょっと苛立ってる?

ーー30分経過

「本当まだですか?」
「あと少し。本当にあと少しで来るはずだからあと少し。あと少しだけ待ってくれ。」
焦ってる感じ。

ーー40分経過

「からかってるんですか?」
「すまない。本当にすまない。だからお願いだ。待ってくれ!」
土下座された。

「やあやあやあこんにちは!副魔術師のニコルだよーん、ってカイ何してんの?ついに目覚めたとか?」

あ、この騎士カイっていうんだ。てか副魔術師のニコルさんってかるそーな人だな。
でもイケメンだ。

「ああ?何が目覚めただ。誰のせいだと思ってんだ誰の。40分も遅れやがって。」

「あーごめんごめん。ちょっと昨日実験したあと寝て、起きたら部屋がジャングルみたいになっててさー。それで片付けた…夢を見たんだ。
その後連絡が来たけど、それに出た後ジャングルの掃除に戻っちゃって、ついさっきまで掃除してたんだ。」

「つまり寝坊じゃねぇかぁ!しかも二度寝?いいご身分しやがって!」

「あははっごめんごめん。で、本題はいろーよ。」

「チッ…まあいい。連絡した通り、お前ら魔術師にこいつのペットの魔法について聞きたいんだ。」

「ふうん…実際に第2訓練場で見せてもらっていい?お嬢さん。」

もしかしてお嬢さんって流行ってんの?

「いいですよ。何か生き物を用意してもらっていいですか?それと、私はお嬢さんではなく平民です。」

「名前なんてーの?」

「なずなと言います。」

「そっか。なずなちゃん、仮入隊試験用のワイルドドックでいいかい?」

「はい。ではワイルドドックにアイアンメイデンを使えばいいんですか?」

「うん。それと、出来れば後でその魔法について教えてくれない?」

「いいですよ。でも、これでは倒れないので後で他の魔法で倒させてもらってもいいですか?」

「うんいーよ。」



第2訓練場についた。闘技場よりかなり広い。
周りには騎士さん達や、魔術師さんっぽい人達や、おじいさんがいる。見に来たっぽい。そして、10m前に檻に入ったワイルドドックがいる。


「さっきとは他のこを出していいですか?
さっきの魔法は使えるので。」

「いーよ。」

スマホをポケットから出した。護身用と暇つぶしのためいつも持っている。
ペット、というか、従魔?(テイムしてるモンスターをこう呼ぶらしい)で、名前は林檎。
こっちの国に来た日に作ったんだお。
いや、万能魔法便利っすね。

「えっと、それは?」

「従魔ですが何か?」

「従魔には珍しい姿だね。それに召喚しないんだ?」

「ま、いいでしょ?さっさと始めましょう。」

「はいはーい。」

周りの人達は離れていって、ニコルさんが檻を開けた。

「開始!」

「林檎、
愛の処刑人よ。我を糧に敵に悪夢を。
|鉄の処女(アイアンメイデン)!」

スマホから光が出る。
その光に、ワイルドドックが包まれた。
我を糧にだと自分の魔力から全て負担、敵をも糧にだと相手の魔力も使うようにした。

あ、ちなみに詠唱つけたら主人が唱えなきゃダメらしいよ。喋れる従魔ならいらないけどね。林檎は喋れるけど、やっぱここはね。

2分くらいだった。

「解除!」

アイアンメイデンが崩れて何もなかったかのように戻り、ワイルドドックが落ちてきた。とどめだ。

「林檎、圧縮。」

「…!」

圧縮は、時空属性だ。空間をいじる。
ワイルドドックが圧縮され、術が終わると全身から血を吹き出しながら落ちた。南無。

「終わりましたよー。」

「えげつねぇ…。」

「そっかー。すごいね、この魔法。」

「ありがとうございます」

「んじゃ説明して?」

「いいですよ。質問に答える形でいいですか?」

「うん。おーい、メモ持ってきてくれない?」

「どうぞ。」

「ん。ありがとー。んじゃ質問いくねー。椅子どうぞ。」アイテムボックスから出したのかな?

「はい。」

「その魔法は誰が作ったの?」

「私です。」

「へー。見かけによらず怖い魔法作るねー。属性は?」

「無属性です。」

「ふーん。消費魔力は?」

「300です。」

「思ったより少ないねー。どんな魔法なの?」

「側にある使えるもので内側に針がびっしり針のついたアレを作って、閉じこめ、刺しながら治癒をし続けます。」

「うっわーほんとえげつないね。質問は終わり。その魔法、|こっち(エルヘイド)に譲ってくれない?」

「どう使うんですか?」

「主に拷問かな。」

「いいですよ。ついでに、悪い子のお仕置き用の無音の押入れもどうですか?」

「どんな魔法だい?」

「暗~い空間に閉じ込めれられ、音もしないところに術者が解除するまでいれられます。体感時間は10倍少し長くなりますね。中の音は外に聞こえますよ?」

「おお、いいね。じゃあ、譲ってもらって本当にいいのかい?」

「いいですよ。」

「ありがとう。よかったら魔術師長に会わない?」

「いやいいです。」

「遠慮しないでよー。あそこにいるし。」

「えっ!?」

しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

【完結】もう…我慢しなくても良いですよね?

アノマロカリス
ファンタジー
マーテルリア・フローレンス公爵令嬢は、幼い頃から自国の第一王子との婚約が決まっていて幼少の頃から厳しい教育を施されていた。 泣き言は許されず、笑みを浮かべる事も許されず、お茶会にすら参加させて貰えずに常に完璧な淑女を求められて教育をされて来た。 16歳の成人の義を過ぎてから王子との婚約発表の場で、事あろうことか王子は聖女に選ばれたという男爵令嬢を連れて来て私との婚約を破棄して、男爵令嬢と婚約する事を選んだ。 マーテルリアの幼少からの血の滲むような努力は、一瞬で崩壊してしまった。 あぁ、今迄の苦労は一体なんの為に… もう…我慢しなくても良いですよね? この物語は、「虐げられる生活を曽祖母の秘術でざまぁして差し上げますわ!」の続編です。 前作の登場人物達も多数登場する予定です。 マーテルリアのイラストを変更致しました。

いっとう愚かで、惨めで、哀れな末路を辿るはずだった令嬢の矜持

空月
ファンタジー
古くからの名家、貴き血を継ぐローゼンベルグ家――その末子、一人娘として生まれたカトレア・ローゼンベルグは、幼い頃からの婚約者に婚約破棄され、遠方の別荘へと療養の名目で送られた。 その道中に惨めに死ぬはずだった未来を、突然現れた『バグ』によって回避して、ただの『カトレア』として生きていく話。 ※悪役令嬢で婚約破棄物ですが、ざまぁもスッキリもありません。 ※以前投稿していた「いっとう愚かで惨めで哀れだった令嬢の果て」改稿版です。文章量が1.5倍くらいに増えています。

余命1年の君に恋をした

パチ朗斗
恋愛
主人公の名前は千堂 蓮翔(せんどう れんと)、田舎の高校に通う高校2年生だ。彼の町には樹齢1000年もの桜が生えている。蓮翔はいつもその桜の木に頭を下げてから出掛けていた。 蓮翔はいつも通り、桜の木の方に向かうと、近くの空き地に1人の少女が倒れていた。

悪役断罪?そもそも何かしましたか?

SHIN
恋愛
明日から王城に最終王妃教育のために登城する、懇談会パーティーに参加中の私の目の前では多人数の男性に囲まれてちやほやされている少女がいた。 男性はたしか婚約者がいたり妻がいたりするのだけど、良いのかしら。 あら、あそこに居ますのは第二王子では、ないですか。 えっ、婚約破棄?別に構いませんが、怒られますよ。 勘違い王子と企み少女に巻き込まれたある少女の話し。

悪役令嬢の逆襲

すけさん
恋愛
断罪される1年前に前世の記憶が甦る! 前世は三十代の子持ちのおばちゃんだった。 素行は悪かった悪役令嬢は、急におばちゃんチックな思想が芽生え恋に友情に新たな一面を見せ始めた事で、断罪を回避するべく奮闘する!

あなたを忘れる魔法があれば

美緒
恋愛
乙女ゲームの攻略対象の婚約者として転生した私、ディアナ・クリストハルト。 ただ、ゲームの舞台は他国の為、ゲームには婚約者がいるという事でしか登場しない名前のないモブ。 私は、ゲームの強制力により、好きになった方を奪われるしかないのでしょうか――? これは、「あなたを忘れる魔法があれば」をテーマに書いてみたものです――が、何か違うような?? R15、残酷描写ありは保険。乙女ゲーム要素も空気に近いです。 ※小説家になろう、カクヨムにも掲載してます

婚約破棄されたら魔法が解けました

かな
恋愛
「クロエ・ベネット。お前との婚約は破棄する。」 それは学園の卒業パーティーでのこと。 ……やっぱり、ダメだったんだ。 周りがザワザワと騒ぎ出す中、ただ1人『クロエ・ベネット』だけは冷静に事実を受け止めていた。乙女ゲームの世界に転生してから10年。国外追放を回避する為に、そして后妃となる為に努力し続けて来たその時間が無駄になった瞬間でもあった。そんな彼女に追い打ちをかけるかのように、第一王子であるエドワード・ホワイトは聖女を新たな婚約者とすることを発表する。その後はトントン拍子にことが運び、冤罪をかけられ、ゲームのシナリオ通り国外追放。そして、国外へと運ばれている途中に魔物に襲われて死ぬ。……そんな運命を辿るはずだった。 「こんなことなら、転生なんてしたくなかった。元の世界に戻りたい……」 あろうことか、最後の願いとしてそう思った瞬間に、全身が光り出したのだ。そして気がつくと、なんと前世の姿に戻っていた!しかもそれを第二王子であるアルベルトに見られていて……。 「……まさかこんなことになるなんてね。……それでどうする?あの2人復讐でもしちゃう?今の君なら、それができるよ。」 死を覚悟した絶望から転生特典を得た主人公の大逆転溺愛ラブストーリー! ※毎週土曜日の18時+気ままに投稿中 ※プロットなしで書いているので辻褄合わせの為に後から修正することがあります。

冤罪をかけられた上に婚約破棄されたので、こんな国出て行ってやります

真理亜
恋愛
「そうですか。では出て行きます」 婚約者である王太子のイーサンから謝罪を要求され、従わないなら国外追放だと脅された公爵令嬢のアイリスは、平然とこう言い放った。  そもそもが冤罪を着せられた上、婚約破棄までされた相手に敬意を表す必要など無いし、そんな王太子が治める国に未練などなかったからだ。  脅しが空振りに終わったイーサンは狼狽えるが、最早後の祭りだった。なんと娘可愛さに公爵自身もまた爵位を返上して国を出ると言い出したのだ。  王国のTOPに位置する公爵家が無くなるなどあってはならないことだ。イーサンは慌てて引き止めるがもう遅かった。

処理中です...