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第2章 解けない謎解き
第2話 薬人を殺さず薬師人を殺す
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由緒ある修道院は、貴族の華やかな庭園に咲く花とは違う。
力が抜けてしまってボンヤリすると、整然と植えられている清楚な花たちが風に揺れていた。
中庭のベンチに座ると南国にしては、少しだけ涼やかな風が吹いている。
『エテルネルでは、もう秋の風だろうか。
元気に暮らしてるかな』
青い空が広がり、風に流れていく白い雲を眺める。
そして、祖国にいる人たちの顔を思い浮かべていた。
顔を上に挙げて太陽が眩しく、目を細めていると声がしてきた。
「エリザベット様とは、私は同じ年齢。
妹の貴女は、5歳下。
私には…、親友と呼べる友が1人いたわ」
この親友が鍵を握っていると、プリムローズたちはレニアの話に耳を傾ける。
「友人と私が中心になって、第1王子に近寄る令嬢たちを追い払っていた。
あんな酷い行為すら、話していると懐かしい。
ヘレン、貴女も手伝ってくれていたわね」
友人の身分は、子爵令嬢。
エリザベットの指示に従う理由がこれにあった。
しかも、彼女の想い人はなんと現在の侍従長でもあったのだ。
「亡き王妃様に仕えていた。
侍従長の家柄。
エリザベット様を王妃にと、望んでいたわ。
彼の家族全員の宿願であった」
彼の家には、亡き王妃の肖像画が何枚も飾ってあった。幼い頃から、この話を何度も聞かされていたのだろうか。
『家族みんなで、彼を洗脳していたんだわ。
侍従長が偏った考えになるのも、こうなっても無理もないと思う』
プリムローズは胸の中で、自身に言い聞かせていた。
「お姉様が、彼を好きだったのかと思ってました。
だって、婚約話にも耳を貸さず。
勝手に決めて、王宮に仕えたでしょう!?」
妹の思い込みに、姉はため息をつく。
「恋愛とか、婚姻に興味はなかった。
働いてみたいと、あの頃は思っていたの」
「メイドと仲良かったのは、家を出たかったからー。
お姉さまが婚約しないと、私も婚約しずらなかったのよ」
軽く頭を下げて、「ごめんなさい」と小声で気まずそうに謝る。
そして、この後を続ける。
「友人は彼を追って王宮勤めをするって聞いて、私も一緒について行くって言ったわ。」
まさか、あんな事が起きるとは…」
ガバッと両手で覆うって顔を押さえたまま、小さな声で懺悔をしてきた。
ひとつ目は、王弟夫妻が馬車に乗って事故で亡くなった件である。
「王妃になる可能性がなくなり、王弟殿下エリック様にはアリス様がいらっしゃる。
次に王に近い方は、ベルナドッテ公爵の御嫡男。
お二人は、周辺の思惑通り婚姻しました」
『うん、そこまでは私が考えていた通りに進んでいる』
予想の範囲で、安堵して聞いていられたプリムローズ。
「私たちも、婚姻の御披露目に出席してましたものね。
あれから、お姉さまとは今日まで会わずにいたわ。
私とマルクスとの婚姻の式には、勤めが忙しいと出席してくれなかったわよね」
自分の婚姻式を見てもらえなかったのが、彼女は悲しかったみたいだ。
妹は姉に、その時の恨み言を言っていた。
姉リリアンヌの時は絶対に行こうと、今この場でプリムローズは誓った。
「貴女の式に出席しなくて悪かったわ。
王宮で働くって、結構大変で苦労したのよ。
それに、両親や貴女にアレコレ言われたくなかったから」
レニア様の友人は、好きな彼の為に懸命に仕えた。
二人は仲良く助け合い勤めていたが、ある日馬屋で王弟殿下夫妻が王宮に来た時に車輪になにかをしている男を見てしまった。
「近道になって、馬屋の脇を突っ切るのが早かった。
馬車でコソコソしていたから、私たちはちょっと気になっていたの。
後日、王弟夫妻が馬車の事故でお亡くなりになり。
その御子息も、拐かされ行方知れずにー」
二人は侍従長見習いの彼に話すか迷っていたが、事故扱いにされたので話さず秘密にする事に決めたのだ。
「それからなのよ。
陛下に側室を娶って、世継ぎを周辺が煩くなってきた。
王妃様に仕えていた私たちは、毎日不穏な中で気遣い過ごしていたわ」
「主人の王妃様には、夫の陛下に新しい女性ができるんですものね。
ピリピリだってするわよ」
妹は姉の苦労を思いやり、肩を優しく抱く。
慰める表情は、ますます暗く重苦しい。
「他国の者で口出ししますが、側室はどの国にもいます。
祖国エテルネルでは、最近側室がご懐妊しました。
ですが、王妃様は大層喜んでいます。
まるで、本当の姉妹みたいにしてますよ」
姉はプリムローズの言葉を無視して、話の続きを始める。
「コホン、そうですか。
我が王妃様も陛下のお立場を考えて納得し、側室様をお迎えしました。
王妃様も側室様も、ご懐妊の兆しが一向にみえないのです」
『ハハハ、そりゃそうだ!
陛下が子を授からないように、変なお茶を飲んだのですもの。
聞いた時は馬鹿なの!?って、お祖父様と共に呆れ以上に嫌悪したよ』
口に出すのは憚れて、プリムローズは胸中でひとり突っ込むしかない。
「侍従長見習いの彼が、陛下から特別なお役目を頂きました。
それは若くして玉座についた為か、不眠症になられてしまったのです」
その不眠症を治すため、特別なお茶を飲むことになる。
それはとても高価で、それの管理とお茶出しを命じられたのだ。
「周辺に知られたくない陛下は、秘密裏にそれを頼んできたのです。
共通の仲間である友人に、その手伝いをお願いしてきた」
「共通の仲間とは何ですか?
エリザベット様を、王妃にする仲間ですか?!」
プリムローズはハッキリさせたかったのか、姉であるレニアに質問をする。
「最初はそうだったかも…。
でも、それは叶わなかった。
このまま子が恵まれず、王弟の子も…。
そうなれば、エリザベット様の息子が玉座に座れると考えたのかもしれない。
彼はどこまで思っていたのかは、私は分かりません」
王妃も側室も王が密かに飲むお茶が気になり、どうしても飲みたくなった。
頼んでも飲ませて貰えず、隠れて友人の彼女に直接頼んできた。
『まさか、侍従長でなく。
友人の彼女が、知らずに飲ませていた』
プリムローズは喉が鳴り、心臓はドクンと音を立てる。
「お茶が美味しく淹れられないと、練習で茶葉を使用していた。
薄かったり濃かったりして、彼女は陛下にお小言を言われていたのです」
子爵令嬢出身で、何もかもメイドに任せているのかもしれない。
不慣れだとしても、それは仕方ないだろう。
「その練習用の茶葉で、王妃様や側室様にお茶をお出ししていたのね」
妹ヘレンは姉の話し方で確信して言うと、彼女は頷き決定的な言葉を放った。
「ええ、そうよ!
彼女は陛下の特別な茶葉で、内緒で飲ませてしまった。
それがどんなお茶と知らずに、けっして飲ませてはいけない方々にー」
心は悲鳴をあげて泣きそうになり、喉元を絞められているように声を詰まらせた。
「レニアお姉さま」
抱き締めて擦る背中は、罪の深さに震えが止まらない。
友人は茶葉の在庫管理まで任されるようになり、足りなくなると発注し受け取りまでしていた。
「彼女がまだ現れないと、彼らは油断したのね。
受け渡しの方々が、茶葉の効能を話していた。
彼らは、王が気に入らない妃たちにお茶を飲ませていると思い込んでいたの」
「辛いなら、話さなくても構いません。
また、今度にしてもー」
震えが収まらない姉が、このままでは倒れてしまう。
姉が壊れてしまうと、どうしたらいいのかと恐怖が込み上げる。
「そこで知ってしまった。
子供が出来にくくなってしまう。
茶葉だったことをー」
衝撃を受けた友人は、この日から様子がだんだん変になっていく。
レニア様は友人にどうしたのかと何度も尋ねて、そして全てを知ってしまった。
「許せなかった。
あの男は、それを知りつつも彼女に役目をさせていたのかと怒りを感じていた」
友人は彼に勇気を出し、受け取った時に聞いてしまった話をする。
「でもね…、間違いだった。
陛下は、彼にも本当の事を話してなかった。
頻繁に飲ませていなければ、きっと大したことはないからと口止めをした。
忘れるように、彼女に何度も言い聞かせていたわ」
心苦しく、もう王宮に居られないと言い出した。
私は友人の事を、ベルナドッテ公爵に嫁いだエリザベット様に相談したの。
彼女からは、ベルナドッテ公爵で働かせると手紙が送られてきた。
「【薬人を殺さず薬師人を殺す】。
薬自体は人を殺さないが、その薬を与えた人の判断で人が死ぬこともあるという言葉です」
「嫌味を言うのね。
彼女は、そんなつもりはなかったのよ。
これだけは分かってあげて」
「本人に聞いてみないと分からないわ。
その友人は、どうなさっているの?!」
静かにやり取り考察すると、イヤな予感がしてくる。
自分が考えている彼女でないことを、祈る思いでプリムローズもレニアの次の言葉を待った。
どうしてか、手から汗が滲む。
拳を握り、掌に爪が食い込んだ。
質問した妹ヘレンが、衝撃を受ける番になるのだった。
力が抜けてしまってボンヤリすると、整然と植えられている清楚な花たちが風に揺れていた。
中庭のベンチに座ると南国にしては、少しだけ涼やかな風が吹いている。
『エテルネルでは、もう秋の風だろうか。
元気に暮らしてるかな』
青い空が広がり、風に流れていく白い雲を眺める。
そして、祖国にいる人たちの顔を思い浮かべていた。
顔を上に挙げて太陽が眩しく、目を細めていると声がしてきた。
「エリザベット様とは、私は同じ年齢。
妹の貴女は、5歳下。
私には…、親友と呼べる友が1人いたわ」
この親友が鍵を握っていると、プリムローズたちはレニアの話に耳を傾ける。
「友人と私が中心になって、第1王子に近寄る令嬢たちを追い払っていた。
あんな酷い行為すら、話していると懐かしい。
ヘレン、貴女も手伝ってくれていたわね」
友人の身分は、子爵令嬢。
エリザベットの指示に従う理由がこれにあった。
しかも、彼女の想い人はなんと現在の侍従長でもあったのだ。
「亡き王妃様に仕えていた。
侍従長の家柄。
エリザベット様を王妃にと、望んでいたわ。
彼の家族全員の宿願であった」
彼の家には、亡き王妃の肖像画が何枚も飾ってあった。幼い頃から、この話を何度も聞かされていたのだろうか。
『家族みんなで、彼を洗脳していたんだわ。
侍従長が偏った考えになるのも、こうなっても無理もないと思う』
プリムローズは胸の中で、自身に言い聞かせていた。
「お姉様が、彼を好きだったのかと思ってました。
だって、婚約話にも耳を貸さず。
勝手に決めて、王宮に仕えたでしょう!?」
妹の思い込みに、姉はため息をつく。
「恋愛とか、婚姻に興味はなかった。
働いてみたいと、あの頃は思っていたの」
「メイドと仲良かったのは、家を出たかったからー。
お姉さまが婚約しないと、私も婚約しずらなかったのよ」
軽く頭を下げて、「ごめんなさい」と小声で気まずそうに謝る。
そして、この後を続ける。
「友人は彼を追って王宮勤めをするって聞いて、私も一緒について行くって言ったわ。」
まさか、あんな事が起きるとは…」
ガバッと両手で覆うって顔を押さえたまま、小さな声で懺悔をしてきた。
ひとつ目は、王弟夫妻が馬車に乗って事故で亡くなった件である。
「王妃になる可能性がなくなり、王弟殿下エリック様にはアリス様がいらっしゃる。
次に王に近い方は、ベルナドッテ公爵の御嫡男。
お二人は、周辺の思惑通り婚姻しました」
『うん、そこまでは私が考えていた通りに進んでいる』
予想の範囲で、安堵して聞いていられたプリムローズ。
「私たちも、婚姻の御披露目に出席してましたものね。
あれから、お姉さまとは今日まで会わずにいたわ。
私とマルクスとの婚姻の式には、勤めが忙しいと出席してくれなかったわよね」
自分の婚姻式を見てもらえなかったのが、彼女は悲しかったみたいだ。
妹は姉に、その時の恨み言を言っていた。
姉リリアンヌの時は絶対に行こうと、今この場でプリムローズは誓った。
「貴女の式に出席しなくて悪かったわ。
王宮で働くって、結構大変で苦労したのよ。
それに、両親や貴女にアレコレ言われたくなかったから」
レニア様の友人は、好きな彼の為に懸命に仕えた。
二人は仲良く助け合い勤めていたが、ある日馬屋で王弟殿下夫妻が王宮に来た時に車輪になにかをしている男を見てしまった。
「近道になって、馬屋の脇を突っ切るのが早かった。
馬車でコソコソしていたから、私たちはちょっと気になっていたの。
後日、王弟夫妻が馬車の事故でお亡くなりになり。
その御子息も、拐かされ行方知れずにー」
二人は侍従長見習いの彼に話すか迷っていたが、事故扱いにされたので話さず秘密にする事に決めたのだ。
「それからなのよ。
陛下に側室を娶って、世継ぎを周辺が煩くなってきた。
王妃様に仕えていた私たちは、毎日不穏な中で気遣い過ごしていたわ」
「主人の王妃様には、夫の陛下に新しい女性ができるんですものね。
ピリピリだってするわよ」
妹は姉の苦労を思いやり、肩を優しく抱く。
慰める表情は、ますます暗く重苦しい。
「他国の者で口出ししますが、側室はどの国にもいます。
祖国エテルネルでは、最近側室がご懐妊しました。
ですが、王妃様は大層喜んでいます。
まるで、本当の姉妹みたいにしてますよ」
姉はプリムローズの言葉を無視して、話の続きを始める。
「コホン、そうですか。
我が王妃様も陛下のお立場を考えて納得し、側室様をお迎えしました。
王妃様も側室様も、ご懐妊の兆しが一向にみえないのです」
『ハハハ、そりゃそうだ!
陛下が子を授からないように、変なお茶を飲んだのですもの。
聞いた時は馬鹿なの!?って、お祖父様と共に呆れ以上に嫌悪したよ』
口に出すのは憚れて、プリムローズは胸中でひとり突っ込むしかない。
「侍従長見習いの彼が、陛下から特別なお役目を頂きました。
それは若くして玉座についた為か、不眠症になられてしまったのです」
その不眠症を治すため、特別なお茶を飲むことになる。
それはとても高価で、それの管理とお茶出しを命じられたのだ。
「周辺に知られたくない陛下は、秘密裏にそれを頼んできたのです。
共通の仲間である友人に、その手伝いをお願いしてきた」
「共通の仲間とは何ですか?
エリザベット様を、王妃にする仲間ですか?!」
プリムローズはハッキリさせたかったのか、姉であるレニアに質問をする。
「最初はそうだったかも…。
でも、それは叶わなかった。
このまま子が恵まれず、王弟の子も…。
そうなれば、エリザベット様の息子が玉座に座れると考えたのかもしれない。
彼はどこまで思っていたのかは、私は分かりません」
王妃も側室も王が密かに飲むお茶が気になり、どうしても飲みたくなった。
頼んでも飲ませて貰えず、隠れて友人の彼女に直接頼んできた。
『まさか、侍従長でなく。
友人の彼女が、知らずに飲ませていた』
プリムローズは喉が鳴り、心臓はドクンと音を立てる。
「お茶が美味しく淹れられないと、練習で茶葉を使用していた。
薄かったり濃かったりして、彼女は陛下にお小言を言われていたのです」
子爵令嬢出身で、何もかもメイドに任せているのかもしれない。
不慣れだとしても、それは仕方ないだろう。
「その練習用の茶葉で、王妃様や側室様にお茶をお出ししていたのね」
妹ヘレンは姉の話し方で確信して言うと、彼女は頷き決定的な言葉を放った。
「ええ、そうよ!
彼女は陛下の特別な茶葉で、内緒で飲ませてしまった。
それがどんなお茶と知らずに、けっして飲ませてはいけない方々にー」
心は悲鳴をあげて泣きそうになり、喉元を絞められているように声を詰まらせた。
「レニアお姉さま」
抱き締めて擦る背中は、罪の深さに震えが止まらない。
友人は茶葉の在庫管理まで任されるようになり、足りなくなると発注し受け取りまでしていた。
「彼女がまだ現れないと、彼らは油断したのね。
受け渡しの方々が、茶葉の効能を話していた。
彼らは、王が気に入らない妃たちにお茶を飲ませていると思い込んでいたの」
「辛いなら、話さなくても構いません。
また、今度にしてもー」
震えが収まらない姉が、このままでは倒れてしまう。
姉が壊れてしまうと、どうしたらいいのかと恐怖が込み上げる。
「そこで知ってしまった。
子供が出来にくくなってしまう。
茶葉だったことをー」
衝撃を受けた友人は、この日から様子がだんだん変になっていく。
レニア様は友人にどうしたのかと何度も尋ねて、そして全てを知ってしまった。
「許せなかった。
あの男は、それを知りつつも彼女に役目をさせていたのかと怒りを感じていた」
友人は彼に勇気を出し、受け取った時に聞いてしまった話をする。
「でもね…、間違いだった。
陛下は、彼にも本当の事を話してなかった。
頻繁に飲ませていなければ、きっと大したことはないからと口止めをした。
忘れるように、彼女に何度も言い聞かせていたわ」
心苦しく、もう王宮に居られないと言い出した。
私は友人の事を、ベルナドッテ公爵に嫁いだエリザベット様に相談したの。
彼女からは、ベルナドッテ公爵で働かせると手紙が送られてきた。
「【薬人を殺さず薬師人を殺す】。
薬自体は人を殺さないが、その薬を与えた人の判断で人が死ぬこともあるという言葉です」
「嫌味を言うのね。
彼女は、そんなつもりはなかったのよ。
これだけは分かってあげて」
「本人に聞いてみないと分からないわ。
その友人は、どうなさっているの?!」
静かにやり取り考察すると、イヤな予感がしてくる。
自分が考えている彼女でないことを、祈る思いでプリムローズもレニアの次の言葉を待った。
どうしてか、手から汗が滲む。
拳を握り、掌に爪が食い込んだ。
質問した妹ヘレンが、衝撃を受ける番になるのだった。
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