【完結】君はバラより美しく!     ドクダミよりもたくましい?

愚者 (フール)

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第5章 気になる方は年下の男の子

第13話  偶然の出会い

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 賑やかな雑踏の道から、中性的な美青年が足早に歩いてきていた。 
ステラの婚約者は近づく青年を見て、婚約者に第1印象を述べた。

「あの令息がラファエル殿か?!
ステラとクロエ嬢より2歳下だか、なかなか落ち着いた美男子ではないか!」

ラファエルが、彼らの席の目の前に現れた。

「ご機嫌よう、ノマイユ侯爵令嬢にダンテス伯爵令嬢。
それに初めてまして、ラファエル・ロベールです。
以後お見仕切みしきりおきを」

ラファエルは丁寧ていねいに挨拶を3人にすると、ステラの婚約者も立って挨拶を返した。

「わざわざ、ご丁寧に。私は此方こちらのステラ嬢の婚約者で、モルガン・ロンシャンポーです。
お会い出来て光栄ですよ。
良かったらお茶を、御一緒致しませんか?」

モルガンは黒に近い焦げ茶の肩ぐらいの髪を後ろに結び、瞳は明るい薄茶の色をしていた。
年上だけあり、ラファエルは彼を少し見上げてモルガンの挨拶を受け取っていた。

「モルガンも、ロベール伯爵令息に興味がありましたのよ。
お時間がありましたら、是非ぜひ
さぁ、クロエの隣に座ってくださいな!」

ステラは、積極的にラファエルを誘った。

「ステラ、急にはロベール伯爵令息も御迷惑ですわ。
無理をしないで下さい」

クロエは嬉しいのを隠して、ラファエルに言うのであった。

「皆さまが良ければ、是非ぜひともお話したいです。
クロエ嬢、隣に座らせて頂いても宜しいか?」

ラファエルに顔を輝かして答えた。

「ええ、もちろんですわ!」

そんなクロエをステラとモルガンは、笑顔で二人のやり取りを見守っていた。

今までが嘘みたい、私にこんなに紳士的な態度をするなんて!
彼はきっと、母であるロベール伯爵夫人の頼みだからと誤解をしていた。

クロエを見ていて、自分の以前の行いを反省する。
女性に対して冷たくしすぎたと、彼女は其処そこらにいる令嬢よりも素直で純粋ではないか。
今からでも間に合うのか、自分の幼さに心からやんだ。

4人は、自己紹介を兼ねて話し始めた。

「そうでしたか。
ロンシャンポー伯爵令息とダンテス伯爵令嬢は、幼なじみでしたか。
気心が知れていいですね」

ラファエルは、ステラの婚約者との仲を見て納得した。

「兄の友人で、ちょくちょく我が家に来てましたのよ。
でも、まさか将来夫婦になるとは思わなかったわ。
モルガンもそうでしょう?」

「まぁね、実際友人が義理の兄には恥ずかしいよ。
でも、確かに気心がわかるから楽だけどね。アハハハ」

クロエは、ステラたちに聞きたいことがあった。

「ステラ、どちらが告白したの?別に無理して答えなくてもいいわ」

「私だよ。ステラは知ってるけど、付き合った彼女とうまくいかなくてね。
疎遠そえんになったら、あちらに新しい方が出来たんだ。
自然消滅しぜんしょうめつしたわけだ」

「落ち込んでたモルガンに言ったの。
この世は女と男しかいないし、また好い人出来るわよってね」

なぐめてくれたからではないが、ステラの楽観的らっかんてきな性格にひかれたんだ」

モルガンは照れ笑いしながら、隣のステラを見つめた。

「素敵な関係だね。
裏表なくその人の本心を見せつつ、付き合えるのは理想的だよ」

ラファエルはそう話すと、ステラは首を振りクロエに御礼を言い出した。

「違うわ、クロエと行ったザィールの旅行の事件からよ。
私はまだどこかで、兄の友人というわだかまりがあったの」

ステラが話すと、横のモルガンもクロエたちに告白した。

「そうなんだ、あのドタバタ事件で本性をさらけ出した。
ステラは気が強くて、口が悪かったぞ。
でも、友人を思っての行動と言動だからね!」

「わ、私もモルガンがいざとなると頼りがいがあって素敵でしたわ!」

真っ赤な頬をしてモルガンに伝える表情は、恋する乙女そのものだった。

「ロベール伯爵令息、私たちも彼らとまでは無理かもしれません。近づく努力をしてみませんか?」

クロエの真摯しんしな願いに、ラファエルは一言だけ返した。

「ああ、そうですね」

彼女に対して素っ気ない返事だが、今はそれで十分と感じている。

こうして話ができて隣でお茶をするラファエルに、クロエはほんのりと頬を染めた。
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