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第5章 気になる方は年下の男の子
第11話 思いがけない言葉
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いきなり想い人の母親である伯爵夫人から質問されて、クロエは頭の中が混乱してしまった。
隣にいる親友ステラもこの展開は予想出来ずに、緊張の中で2人の話の成り行きを見守っていた。
「あ、あの!内緒にして下さい!あ、あ!!あ、貴方の息子さんですわー!!!」
それと同時に、後ろから猫の鳴き声がした。
「にゃ~ん、にゃ。にゃーん!」
アジュールが、クロエの膝に飛び乗ってきた。
「えー!ま、まさか!!」と、クロエやステラは急ぎ後ろを振り向いた。
頬を赤らめたラファエルが、ボーッと立ちすくんでいた。
どうしましょう、聞かれてしまったわ?!
クロエは玉砕覚悟で立ち上がり、その場にいる彼に立ち向かって話し出した。
アジュールは突然立ち上がったので、驚いて膝から飛び降りた。
「わ、私は!!ロベール伯爵令息を、最初は意地悪な方だと思っておりました。
でも、貴方が仰ってる事は真実です。
私はバカで優柔不断!身分が高いから、誰も忠告しなかったのですわ。
貴方は違ってました。
私は、そんな貴方を好きなんですわー!!」
クロエは、首まで真っ赤に染まった。
両手を握り締め震えながら、ラファエルを真っ直ぐに見詰めて言い切った。
ラファエルはそれにどう返答するか、固まった状態で考えていた。
暫くして頭の中を整理すると、彼は正直に今の気持ちを彼女に伝えた。
「ノマイユ侯爵令嬢、人は好意を向けられてイヤな思いはしないよ。
でも、一生のことは違う。
貴女は適齢期だ。
私は女性として、貴女を見ていないんだよ」
ラファエルがそう返事を返すと、母アリシアは二人を呼んで座らせた。
「先ずはお茶でも飲んで、2人とも落ち着きなさい!
ラル、貴方もいつかは誰かを愛しこの伯爵家を継ぎます。
私は貴方に愛ある結婚を望みますよ。
母として、命じます!
ノマイユ侯爵令嬢を異性として見なさい」
伯爵夫人の命令に、3人は目を丸くして夫人を見ていた。
「母上は、何を考えているんだ?!
確かに、親の考えてた方を婚約する方もいますよ。
でも、相手は侯爵家です。
彼女のご両親も、反対するに決まってます!」
ラファエルが母である伯爵夫人に、椅子から徐ろに立ち上がり反論をする。
クロエは泣きそうな顔をして、彼の話を聞いていた。
「大丈夫ですわ、私は母に全てを打ち明けました。
ロベール伯爵令息が好き、第2王子は大嫌い!
私はお飾りの人形ではないわ。
そんな私に、貴方の心を掴んだら応援すると仰ってくれました。
私を見てよ!私の身分を見ないで頂戴なぁー!!」
彼女は想い人の彼に、心から訴えてから泣き出してしまった。
アジュールは、彼女の足の下で慰めるように泣き続けている。
若き日の青春話を聞いていた。
2人は同じ言葉を同時に言う。
『酷いー!!!』と、プリムローズとポレット夫人は目の前の麗人に怒鳴り付ける。
「ラル!貴方という方は、なんて残酷な方だったの?!
ママは、それを聞いてショックよ!
そのご令嬢は、素晴らしい方ではないの~!!」
ポレット夫人は文句を言い叫ぶと、ラファエルを刺す目付きで睨み付けた。
「その通りですわ!
ご令嬢にそんなに思われて、異性として見られないなんてー!!
心が女だからですの?
男女のクセに、ご令嬢の気持ちが分からないなんて!
最低ですわぁ~!!!」
酷いのはどっちよ?
私はただ、妻との馴れ初めを話していただけよ。
確かにあの頃は、まだ15歳成り立ての子供。
恋も愛も、何も知らなかったわ!
「ちょっと、二人とも落ち着いてよ!
だって、まだ若かったのよ。
未熟なの、それにね!
その時から私は、彼女を友にして観察したのよ!」
ラファエルは、言葉を慎重にした。
この二人の顔は今は恐ろしくて、見たくないのか扇を広げて顔を覆い隠しながら話すのであった。
「いいから、先を話なさい!ラル、彼女は妻なんでしょう!?
どうしたら、そこから愛妻家になったか知りたいわ」
ポレット夫人が話すと、プリムローズも話し出した。
「ご令嬢は、魔法でもラファエル様にかけましたの?!
男女の恋愛は、不思議なことばかりですわね。
この先は、どうなんですの?!」
プリムローズはため息をつき、ラファエルの話の続きを急かしていた。
隣にいる親友ステラもこの展開は予想出来ずに、緊張の中で2人の話の成り行きを見守っていた。
「あ、あの!内緒にして下さい!あ、あ!!あ、貴方の息子さんですわー!!!」
それと同時に、後ろから猫の鳴き声がした。
「にゃ~ん、にゃ。にゃーん!」
アジュールが、クロエの膝に飛び乗ってきた。
「えー!ま、まさか!!」と、クロエやステラは急ぎ後ろを振り向いた。
頬を赤らめたラファエルが、ボーッと立ちすくんでいた。
どうしましょう、聞かれてしまったわ?!
クロエは玉砕覚悟で立ち上がり、その場にいる彼に立ち向かって話し出した。
アジュールは突然立ち上がったので、驚いて膝から飛び降りた。
「わ、私は!!ロベール伯爵令息を、最初は意地悪な方だと思っておりました。
でも、貴方が仰ってる事は真実です。
私はバカで優柔不断!身分が高いから、誰も忠告しなかったのですわ。
貴方は違ってました。
私は、そんな貴方を好きなんですわー!!」
クロエは、首まで真っ赤に染まった。
両手を握り締め震えながら、ラファエルを真っ直ぐに見詰めて言い切った。
ラファエルはそれにどう返答するか、固まった状態で考えていた。
暫くして頭の中を整理すると、彼は正直に今の気持ちを彼女に伝えた。
「ノマイユ侯爵令嬢、人は好意を向けられてイヤな思いはしないよ。
でも、一生のことは違う。
貴女は適齢期だ。
私は女性として、貴女を見ていないんだよ」
ラファエルがそう返事を返すと、母アリシアは二人を呼んで座らせた。
「先ずはお茶でも飲んで、2人とも落ち着きなさい!
ラル、貴方もいつかは誰かを愛しこの伯爵家を継ぎます。
私は貴方に愛ある結婚を望みますよ。
母として、命じます!
ノマイユ侯爵令嬢を異性として見なさい」
伯爵夫人の命令に、3人は目を丸くして夫人を見ていた。
「母上は、何を考えているんだ?!
確かに、親の考えてた方を婚約する方もいますよ。
でも、相手は侯爵家です。
彼女のご両親も、反対するに決まってます!」
ラファエルが母である伯爵夫人に、椅子から徐ろに立ち上がり反論をする。
クロエは泣きそうな顔をして、彼の話を聞いていた。
「大丈夫ですわ、私は母に全てを打ち明けました。
ロベール伯爵令息が好き、第2王子は大嫌い!
私はお飾りの人形ではないわ。
そんな私に、貴方の心を掴んだら応援すると仰ってくれました。
私を見てよ!私の身分を見ないで頂戴なぁー!!」
彼女は想い人の彼に、心から訴えてから泣き出してしまった。
アジュールは、彼女の足の下で慰めるように泣き続けている。
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2人は同じ言葉を同時に言う。
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「ラル!貴方という方は、なんて残酷な方だったの?!
ママは、それを聞いてショックよ!
そのご令嬢は、素晴らしい方ではないの~!!」
ポレット夫人は文句を言い叫ぶと、ラファエルを刺す目付きで睨み付けた。
「その通りですわ!
ご令嬢にそんなに思われて、異性として見られないなんてー!!
心が女だからですの?
男女のクセに、ご令嬢の気持ちが分からないなんて!
最低ですわぁ~!!!」
酷いのはどっちよ?
私はただ、妻との馴れ初めを話していただけよ。
確かにあの頃は、まだ15歳成り立ての子供。
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「ちょっと、二人とも落ち着いてよ!
だって、まだ若かったのよ。
未熟なの、それにね!
その時から私は、彼女を友にして観察したのよ!」
ラファエルは、言葉を慎重にした。
この二人の顔は今は恐ろしくて、見たくないのか扇を広げて顔を覆い隠しながら話すのであった。
「いいから、先を話なさい!ラル、彼女は妻なんでしょう!?
どうしたら、そこから愛妻家になったか知りたいわ」
ポレット夫人が話すと、プリムローズも話し出した。
「ご令嬢は、魔法でもラファエル様にかけましたの?!
男女の恋愛は、不思議なことばかりですわね。
この先は、どうなんですの?!」
プリムローズはため息をつき、ラファエルの話の続きを急かしていた。
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