43 / 59
第5章 気になる方は年下の男の子
第11話 思いがけない言葉
しおりを挟む
いきなり想い人の母親である伯爵夫人から質問されて、クロエは頭の中が混乱してしまった。
隣にいる親友ステラもこの展開は予想出来ずに、緊張の中で2人の話の成り行きを見守っていた。
「あ、あの!内緒にして下さい!あ、あ!!あ、貴方の息子さんですわー!!!」
それと同時に、後ろから猫の鳴き声がした。
「にゃ~ん、にゃ。にゃーん!」
アジュールが、クロエの膝に飛び乗ってきた。
「えー!ま、まさか!!」と、クロエやステラは急ぎ後ろを振り向いた。
頬を赤らめたラファエルが、ボーッと立ちすくんでいた。
どうしましょう、聞かれてしまったわ?!
クロエは玉砕覚悟で立ち上がり、その場にいる彼に立ち向かって話し出した。
アジュールは突然立ち上がったので、驚いて膝から飛び降りた。
「わ、私は!!ロベール伯爵令息を、最初は意地悪な方だと思っておりました。
でも、貴方が仰ってる事は真実です。
私はバカで優柔不断!身分が高いから、誰も忠告しなかったのですわ。
貴方は違ってました。
私は、そんな貴方を好きなんですわー!!」
クロエは、首まで真っ赤に染まった。
両手を握り締め震えながら、ラファエルを真っ直ぐに見詰めて言い切った。
ラファエルはそれにどう返答するか、固まった状態で考えていた。
暫くして頭の中を整理すると、彼は正直に今の気持ちを彼女に伝えた。
「ノマイユ侯爵令嬢、人は好意を向けられてイヤな思いはしないよ。
でも、一生のことは違う。
貴女は適齢期だ。
私は女性として、貴女を見ていないんだよ」
ラファエルがそう返事を返すと、母アリシアは二人を呼んで座らせた。
「先ずはお茶でも飲んで、2人とも落ち着きなさい!
ラル、貴方もいつかは誰かを愛しこの伯爵家を継ぎます。
私は貴方に愛ある結婚を望みますよ。
母として、命じます!
ノマイユ侯爵令嬢を異性として見なさい」
伯爵夫人の命令に、3人は目を丸くして夫人を見ていた。
「母上は、何を考えているんだ?!
確かに、親の考えてた方を婚約する方もいますよ。
でも、相手は侯爵家です。
彼女のご両親も、反対するに決まってます!」
ラファエルが母である伯爵夫人に、椅子から徐ろに立ち上がり反論をする。
クロエは泣きそうな顔をして、彼の話を聞いていた。
「大丈夫ですわ、私は母に全てを打ち明けました。
ロベール伯爵令息が好き、第2王子は大嫌い!
私はお飾りの人形ではないわ。
そんな私に、貴方の心を掴んだら応援すると仰ってくれました。
私を見てよ!私の身分を見ないで頂戴なぁー!!」
彼女は想い人の彼に、心から訴えてから泣き出してしまった。
アジュールは、彼女の足の下で慰めるように泣き続けている。
若き日の青春話を聞いていた。
2人は同じ言葉を同時に言う。
『酷いー!!!』と、プリムローズとポレット夫人は目の前の麗人に怒鳴り付ける。
「ラル!貴方という方は、なんて残酷な方だったの?!
ママは、それを聞いてショックよ!
そのご令嬢は、素晴らしい方ではないの~!!」
ポレット夫人は文句を言い叫ぶと、ラファエルを刺す目付きで睨み付けた。
「その通りですわ!
ご令嬢にそんなに思われて、異性として見られないなんてー!!
心が女だからですの?
男女のクセに、ご令嬢の気持ちが分からないなんて!
最低ですわぁ~!!!」
酷いのはどっちよ?
私はただ、妻との馴れ初めを話していただけよ。
確かにあの頃は、まだ15歳成り立ての子供。
恋も愛も、何も知らなかったわ!
「ちょっと、二人とも落ち着いてよ!
だって、まだ若かったのよ。
未熟なの、それにね!
その時から私は、彼女を友にして観察したのよ!」
ラファエルは、言葉を慎重にした。
この二人の顔は今は恐ろしくて、見たくないのか扇を広げて顔を覆い隠しながら話すのであった。
「いいから、先を話なさい!ラル、彼女は妻なんでしょう!?
どうしたら、そこから愛妻家になったか知りたいわ」
ポレット夫人が話すと、プリムローズも話し出した。
「ご令嬢は、魔法でもラファエル様にかけましたの?!
男女の恋愛は、不思議なことばかりですわね。
この先は、どうなんですの?!」
プリムローズはため息をつき、ラファエルの話の続きを急かしていた。
隣にいる親友ステラもこの展開は予想出来ずに、緊張の中で2人の話の成り行きを見守っていた。
「あ、あの!内緒にして下さい!あ、あ!!あ、貴方の息子さんですわー!!!」
それと同時に、後ろから猫の鳴き声がした。
「にゃ~ん、にゃ。にゃーん!」
アジュールが、クロエの膝に飛び乗ってきた。
「えー!ま、まさか!!」と、クロエやステラは急ぎ後ろを振り向いた。
頬を赤らめたラファエルが、ボーッと立ちすくんでいた。
どうしましょう、聞かれてしまったわ?!
クロエは玉砕覚悟で立ち上がり、その場にいる彼に立ち向かって話し出した。
アジュールは突然立ち上がったので、驚いて膝から飛び降りた。
「わ、私は!!ロベール伯爵令息を、最初は意地悪な方だと思っておりました。
でも、貴方が仰ってる事は真実です。
私はバカで優柔不断!身分が高いから、誰も忠告しなかったのですわ。
貴方は違ってました。
私は、そんな貴方を好きなんですわー!!」
クロエは、首まで真っ赤に染まった。
両手を握り締め震えながら、ラファエルを真っ直ぐに見詰めて言い切った。
ラファエルはそれにどう返答するか、固まった状態で考えていた。
暫くして頭の中を整理すると、彼は正直に今の気持ちを彼女に伝えた。
「ノマイユ侯爵令嬢、人は好意を向けられてイヤな思いはしないよ。
でも、一生のことは違う。
貴女は適齢期だ。
私は女性として、貴女を見ていないんだよ」
ラファエルがそう返事を返すと、母アリシアは二人を呼んで座らせた。
「先ずはお茶でも飲んで、2人とも落ち着きなさい!
ラル、貴方もいつかは誰かを愛しこの伯爵家を継ぎます。
私は貴方に愛ある結婚を望みますよ。
母として、命じます!
ノマイユ侯爵令嬢を異性として見なさい」
伯爵夫人の命令に、3人は目を丸くして夫人を見ていた。
「母上は、何を考えているんだ?!
確かに、親の考えてた方を婚約する方もいますよ。
でも、相手は侯爵家です。
彼女のご両親も、反対するに決まってます!」
ラファエルが母である伯爵夫人に、椅子から徐ろに立ち上がり反論をする。
クロエは泣きそうな顔をして、彼の話を聞いていた。
「大丈夫ですわ、私は母に全てを打ち明けました。
ロベール伯爵令息が好き、第2王子は大嫌い!
私はお飾りの人形ではないわ。
そんな私に、貴方の心を掴んだら応援すると仰ってくれました。
私を見てよ!私の身分を見ないで頂戴なぁー!!」
彼女は想い人の彼に、心から訴えてから泣き出してしまった。
アジュールは、彼女の足の下で慰めるように泣き続けている。
若き日の青春話を聞いていた。
2人は同じ言葉を同時に言う。
『酷いー!!!』と、プリムローズとポレット夫人は目の前の麗人に怒鳴り付ける。
「ラル!貴方という方は、なんて残酷な方だったの?!
ママは、それを聞いてショックよ!
そのご令嬢は、素晴らしい方ではないの~!!」
ポレット夫人は文句を言い叫ぶと、ラファエルを刺す目付きで睨み付けた。
「その通りですわ!
ご令嬢にそんなに思われて、異性として見られないなんてー!!
心が女だからですの?
男女のクセに、ご令嬢の気持ちが分からないなんて!
最低ですわぁ~!!!」
酷いのはどっちよ?
私はただ、妻との馴れ初めを話していただけよ。
確かにあの頃は、まだ15歳成り立ての子供。
恋も愛も、何も知らなかったわ!
「ちょっと、二人とも落ち着いてよ!
だって、まだ若かったのよ。
未熟なの、それにね!
その時から私は、彼女を友にして観察したのよ!」
ラファエルは、言葉を慎重にした。
この二人の顔は今は恐ろしくて、見たくないのか扇を広げて顔を覆い隠しながら話すのであった。
「いいから、先を話なさい!ラル、彼女は妻なんでしょう!?
どうしたら、そこから愛妻家になったか知りたいわ」
ポレット夫人が話すと、プリムローズも話し出した。
「ご令嬢は、魔法でもラファエル様にかけましたの?!
男女の恋愛は、不思議なことばかりですわね。
この先は、どうなんですの?!」
プリムローズはため息をつき、ラファエルの話の続きを急かしていた。
10
お気に入りに追加
31
あなたにおすすめの小説
許婚と親友は両片思いだったので2人の仲を取り持つことにしました
結城芙由奈@コミカライズ発売中
恋愛
<2人の仲を応援するので、どうか私を嫌わないでください>
私には子供のころから決められた許嫁がいた。ある日、久しぶりに再会した親友を紹介した私は次第に2人がお互いを好きになっていく様子に気が付いた。どちらも私にとっては大切な存在。2人から邪魔者と思われ、嫌われたくはないので、私は全力で許嫁と親友の仲を取り持つ事を心に決めた。すると彼の評判が悪くなっていき、それまで冷たかった彼の態度が軟化してきて話は意外な展開に・・・?
※「カクヨム」「小説家になろう」にも投稿しています

愛する貴方の心から消えた私は…
矢野りと
恋愛
愛する夫が事故に巻き込まれ隣国で行方不明となったのは一年以上前のこと。
周りが諦めの言葉を口にしても、私は決して諦めなかった。
…彼は絶対に生きている。
そう信じて待ち続けていると、願いが天に通じたのか奇跡的に彼は戻って来た。
だが彼は妻である私のことを忘れてしまっていた。
「すまない、君を愛せない」
そう言った彼の目からは私に対する愛情はなくなっていて…。
*設定はゆるいです。

【完結】もう無理して私に笑いかけなくてもいいですよ?
冬馬亮
恋愛
公爵令嬢のエリーゼは、遅れて出席した夜会で、婚約者のオズワルドがエリーゼへの不満を口にするのを偶然耳にする。
オズワルドを愛していたエリーゼはひどくショックを受けるが、悩んだ末に婚約解消を決意する。
だが、喜んで受け入れると思っていたオズワルドが、なぜか婚約解消を拒否。関係の再構築を提案する。
その後、プレゼント攻撃や突撃訪問の日々が始まるが、オズワルドは別の令嬢をそばに置くようになり・・・
「彼女は友人の妹で、なんとも思ってない。オレが好きなのはエリーゼだ」
「私みたいな女に無理して笑いかけるのも限界だって夜会で愚痴をこぼしてたじゃないですか。よかったですね、これでもう、無理して私に笑いかけなくてよくなりましたよ」

この度、皆さんの予想通り婚約者候補から外れることになりました。ですが、すぐに結婚することになりました。
鶯埜 餡
恋愛
ある事件のせいでいろいろ言われながらも国王夫妻の働きかけで王太子の婚約者候補となったシャルロッテ。
しかし当の王太子ルドウィックはアリアナという男爵令嬢にべったり。噂好きな貴族たちはシャルロッテに婚約者候補から外れるのではないかと言っていたが
【完結】私の望み通り婚約を解消しようと言うけど、そもそも半年間も嫌だと言い続けたのは貴方でしょう?〜初恋は終わりました。
るんた
恋愛
「君の望み通り、君との婚約解消を受け入れるよ」
色とりどりの春の花が咲き誇る我が伯爵家の庭園で、沈痛な面持ちで目の前に座る男の言葉を、私は内心冷ややかに受け止める。
……ほんとに屑だわ。
結果はうまくいかないけど、初恋と学園生活をそれなりに真面目にがんばる主人公のお話です。
彼はイケメンだけど、あれ?何か残念だな……。という感じを目指してます。そう思っていただけたら嬉しいです。
彼女視点(side A)と彼視点(side J)を交互にあげていきます。

【完結】転生地味悪役令嬢は婚約者と男好きヒロイン諸共無視しまくる。
なーさ
恋愛
アイドルオタクの地味女子 水上羽月はある日推しが轢かれそうになるのを助けて死んでしまう。そのことを不憫に思った女神が「あなた、可哀想だから転生!」「え?」なんの因果か異世界に転生してしまう!転生したのは地味な公爵令嬢レフカ・エミリーだった。目が覚めると私の周りを大人が囲っていた。婚約者の第一王子も男好きヒロインも無視します!今世はうーん小説にでも生きようかな〜と思ったらあれ?あの人は前世の推しでは!?地味令嬢のエミリーが知らず知らずのうちに戦ったり溺愛されたりするお話。
本当に駄文です。そんなものでも読んでお気に入り登録していただけたら嬉しいです!
とまどいの花嫁は、夫から逃げられない
椎名さえら
恋愛
エラは、親が決めた婚約者からずっと冷淡に扱われ
初夜、夫は愛人の家へと行った。
戦争が起こり、夫は戦地へと赴いた。
「無事に戻ってきたら、お前とは離婚する」
と言い置いて。
やっと戦争が終わった後、エラのもとへ戻ってきた夫に
彼女は強い違和感を感じる。
夫はすっかり改心し、エラとは離婚しないと言い張り
突然彼女を溺愛し始めたからだ
______________________
✴︎舞台のイメージはイギリス近代(ゆるゆる設定)
✴︎誤字脱字は優しくスルーしていただけると幸いです
✴︎なろうさんにも投稿しています
私の勝手なBGMは、懐かしすぎるけど鬼束ちひろ『月光』←名曲すぎ
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる