40 / 59
第5章 気になる方は年下の男の子
第8話 親友と母の後押し
しおりを挟む
彼女は彼の言ってることは、偽りなく正しいと思っていた。
婚約者か…、そんな殿方は一人もいないわ。
兄と兄嫁はクロエに焦らずに探せと言ってくれている。
実家の侯爵の屋敷に、ずっと居てもいいと話してくれていた。
父はまだ第2王子の妃を、私にと諦めていないみたい。
どうも兄の王太子は、問題を起こし廃嫡されそうだと噂が流れているわ。
そうしたら第2王子が、王太子になる可能性があるのだ。
ますます、私が妃に求められるではないの?!
やはり、最後は修道院行き決定!
こんな時に絵本や物語なら素敵な方が、私を助けに来てくれるはずなのにね。
クロエはこの時、自分の身分を呪った。
上流貴族の娘なんて、只のお飾り人形よ。
自由はないし、綺麗なドレスを着て大人しくしていなければならない。
思い切って、侯爵の屋敷を出ようかしら!?
自分一人で、生活して生きていける?
悩んでもどっちつかず、どうして良いか彼女は分からなくなって混乱していた。
クロエはステラに相談する事にし、ステラの伯爵家に先触れを出した。
ステラは、友人の彼女の話を全部聞いてから確信した。
「クロエ貴女は、ロベール伯爵令息が好きなんだわ。
どうして、彼に気持ちを伝えないの?!
年下だから、彼が貴女より身分が低いから?!
何よりも彼は、貴女をなんとも思ってないからですか?!」
クロエは、ステラの次々される質問に胸が痛んだ。
気持ちが良いほど、友人の言ってることは全て当たっている。
彼は私に、なんの感情もないのだから辛い言葉であった。
「クロエ、告白しなさい。
言わないで後悔するより、言って後悔しなさい!
貴女は、今まで自分の意思を一度でも通したことがおあり?
流されてばかりではないかしら?
私が貴女を見守るわ。
だから、自分に正直になりなさい!」
ステラはグチグチ考える彼女に、決断させなくてはならないと思う。
このまま悪戯に時を伸ばしても、どっち付かずでキズが深くなる。
「ステラ、私はラファエル様が好きなの!
あの方は私に媚らない。
ハッキリと駄目だと諭してくれる。
誰も言ってはくれない事を、貴女もそうよ。
ステラ、有り難う!!」
クロエはステラに感謝を言葉にして、泣きながら礼を述べる。
そんな彼女を見て友人も、自然と涙が流れてきた。
その場で、何故か二人は泣き笑いをしたのであった。
クロエは家に屋敷に戻ると泣きはらした顔のままで、侯爵夫人の母に思いきって自分の気持ちを相談する。
母であるノマイユ侯爵夫人は、黙って娘の話を聞いていた。
娘がこんなにも第2王子を嫌い、今まで耐えていたなんて思わなかった。
あの例の第2王子の恋人の令嬢よりも、自身の娘の方が相応しいと考えていたからだ。
「クロエ。
私は女性として、貴女に幸せになって欲しいのよ。
旦那様は私が説得します。
貴女は、そのロベール伯爵令息の心を掴みなさい!!」
侯爵夫人は、娘に力強く応援した。
「お母様、有り難うございます。
彼は、私を好きではない。
でも、私は好きなのです!
この気持ちには、偽りはございません。
やっと、私は自分の意思を通す機会に巡り会えたのです!」
クロエは母に深く頭を下げて、もしラファエルの心を手にした時の助力を頼んだ。
娘は、優柔不断で流されやすい性格であった。
まさか、こんなにも激しく強い心があるとは見抜けなかったわ。
私は母親失格ね。
ノマイユ侯爵夫人は、独り微笑んで窓の外の夜空を眺める。
婚約者か…、そんな殿方は一人もいないわ。
兄と兄嫁はクロエに焦らずに探せと言ってくれている。
実家の侯爵の屋敷に、ずっと居てもいいと話してくれていた。
父はまだ第2王子の妃を、私にと諦めていないみたい。
どうも兄の王太子は、問題を起こし廃嫡されそうだと噂が流れているわ。
そうしたら第2王子が、王太子になる可能性があるのだ。
ますます、私が妃に求められるではないの?!
やはり、最後は修道院行き決定!
こんな時に絵本や物語なら素敵な方が、私を助けに来てくれるはずなのにね。
クロエはこの時、自分の身分を呪った。
上流貴族の娘なんて、只のお飾り人形よ。
自由はないし、綺麗なドレスを着て大人しくしていなければならない。
思い切って、侯爵の屋敷を出ようかしら!?
自分一人で、生活して生きていける?
悩んでもどっちつかず、どうして良いか彼女は分からなくなって混乱していた。
クロエはステラに相談する事にし、ステラの伯爵家に先触れを出した。
ステラは、友人の彼女の話を全部聞いてから確信した。
「クロエ貴女は、ロベール伯爵令息が好きなんだわ。
どうして、彼に気持ちを伝えないの?!
年下だから、彼が貴女より身分が低いから?!
何よりも彼は、貴女をなんとも思ってないからですか?!」
クロエは、ステラの次々される質問に胸が痛んだ。
気持ちが良いほど、友人の言ってることは全て当たっている。
彼は私に、なんの感情もないのだから辛い言葉であった。
「クロエ、告白しなさい。
言わないで後悔するより、言って後悔しなさい!
貴女は、今まで自分の意思を一度でも通したことがおあり?
流されてばかりではないかしら?
私が貴女を見守るわ。
だから、自分に正直になりなさい!」
ステラはグチグチ考える彼女に、決断させなくてはならないと思う。
このまま悪戯に時を伸ばしても、どっち付かずでキズが深くなる。
「ステラ、私はラファエル様が好きなの!
あの方は私に媚らない。
ハッキリと駄目だと諭してくれる。
誰も言ってはくれない事を、貴女もそうよ。
ステラ、有り難う!!」
クロエはステラに感謝を言葉にして、泣きながら礼を述べる。
そんな彼女を見て友人も、自然と涙が流れてきた。
その場で、何故か二人は泣き笑いをしたのであった。
クロエは家に屋敷に戻ると泣きはらした顔のままで、侯爵夫人の母に思いきって自分の気持ちを相談する。
母であるノマイユ侯爵夫人は、黙って娘の話を聞いていた。
娘がこんなにも第2王子を嫌い、今まで耐えていたなんて思わなかった。
あの例の第2王子の恋人の令嬢よりも、自身の娘の方が相応しいと考えていたからだ。
「クロエ。
私は女性として、貴女に幸せになって欲しいのよ。
旦那様は私が説得します。
貴女は、そのロベール伯爵令息の心を掴みなさい!!」
侯爵夫人は、娘に力強く応援した。
「お母様、有り難うございます。
彼は、私を好きではない。
でも、私は好きなのです!
この気持ちには、偽りはございません。
やっと、私は自分の意思を通す機会に巡り会えたのです!」
クロエは母に深く頭を下げて、もしラファエルの心を手にした時の助力を頼んだ。
娘は、優柔不断で流されやすい性格であった。
まさか、こんなにも激しく強い心があるとは見抜けなかったわ。
私は母親失格ね。
ノマイユ侯爵夫人は、独り微笑んで窓の外の夜空を眺める。
10
お気に入りに追加
31
あなたにおすすめの小説
5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?
gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。
そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて
「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」
もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね?
3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。
4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。
1章が書籍になりました。
大好きなあなたを忘れる方法
山田ランチ
恋愛
あらすじ
王子と婚約関係にある侯爵令嬢のメリベルは、訳あってずっと秘密の婚約者のままにされていた。学園へ入学してすぐ、メリベルの魔廻が(魔術を使う為の魔素を貯めておく器官)が限界を向かえようとしている事に気が付いた大魔術師は、魔廻を小さくする事を提案する。その方法は、魔素が好むという悲しい記憶を失くしていくものだった。悲しい記憶を引っ張り出しては消していくという日々を過ごすうち、徐々に王子との記憶を失くしていくメリベル。そんな中、魔廻を奪う謎の者達に大魔術師とメリベルが襲われてしまう。
魔廻を奪おうとする者達は何者なのか。王子との婚約が隠されている訳と、重大な秘密を抱える大魔術師の正体が、メリベルの記憶に導かれ、やがて世界の始まりへと繋がっていく。
登場人物
・メリベル・アークトュラス 17歳、アークトゥラス侯爵の一人娘。ジャスパーの婚約者。
・ジャスパー・オリオン 17歳、第一王子。メリベルの婚約者。
・イーライ 学園の園芸員。
クレイシー・クレリック 17歳、クレリック侯爵の一人娘。
・リーヴァイ・ブルーマー 18歳、ブルーマー子爵家の嫡男でジャスパーの側近。
・アイザック・スチュアート 17歳、スチュアート侯爵の嫡男でジャスパーの側近。
・ノア・ワード 18歳、ワード騎士団長の息子でジャスパーの従騎士。
・シア・ガイザー 17歳、ガイザー男爵の娘でメリベルの友人。
・マイロ 17歳、メリベルの友人。
魔素→世界に漂っている物質。触れれば精神を侵され、生き物は主に凶暴化し魔獣となる。
魔廻→体内にある魔廻(まかい)と呼ばれる器官、魔素を取り込み貯める事が出来る。魔術師はこの器官がある事が必須。
ソル神とルナ神→太陽と月の男女神が魔素で満ちた混沌の大地に現れ、世界を二つに分けて浄化した。ソル神は昼間を、ルナ神は夜を受け持った。

【完結】旦那様、わたくし家出します。
さくらもち
恋愛
とある王国のとある上級貴族家の新妻は政略結婚をして早半年。
溜まりに溜まった不満がついに爆破し、家出を決行するお話です。
名前無し設定で書いて完結させましたが、続き希望を沢山頂きましたので名前を付けて文章を少し治してあります。
名前無しの時に読まれた方は良かったら最初から読んで見てください。
登場人物のサイドストーリー集を描きましたのでそちらも良かったら読んでみてください( ˊᵕˋ*)
第二王子が10年後王弟殿下になってからのストーリーも別で公開中


一番悪いのは誰
jun
恋愛
結婚式翌日から屋敷に帰れなかったファビオ。
ようやく帰れたのは三か月後。
愛する妻のローラにやっと会えると早る気持ちを抑えて家路を急いだ。
出迎えないローラを探そうとすると、執事が言った、
「ローラ様は先日亡くなられました」と。
何故ローラは死んだのは、帰れなかったファビオのせいなのか、それとも・・・

働かなくていいなんて最高!貴族夫人の自由気ままな生活
ゆる
恋愛
前世では、仕事に追われる日々を送り、恋愛とは無縁のまま亡くなった私。
「今度こそ、のんびり優雅に暮らしたい!」
そう願って転生した先は、なんと貴族令嬢!
そして迎えた結婚式――そこで前世の記憶が蘇る。
「ちょっと待って、前世で恋人もできなかった私が結婚!?!??」
しかも相手は名門貴族の旦那様。
「君は何もしなくていい。すべて自由に過ごせばいい」と言われ、夢の“働かなくていい貴族夫人ライフ”を満喫するつもりだったのに――。
◆メイドの待遇改善を提案したら、旦那様が即採用!
◆夫の仕事を手伝ったら、持ち前の簿記と珠算スキルで屋敷の経理が超効率化!
◆商人たちに簿記を教えていたら、商業界で話題になりギルドの顧問に!?
「あれ? なんで私、働いてるの!?!??」
そんな中、旦那様から突然の告白――
「実は、君を妻にしたのは政略結婚のためではない。ずっと、君を想い続けていた」
えっ、旦那様、まさかの溺愛系でした!?
「自由を与えることでそばにいてもらう」つもりだった旦那様と、
「働かない貴族夫人」になりたかったはずの私。
お互いの本当の気持ちに気づいたとき、
気づけば 最強夫婦 になっていました――!
のんびり暮らすつもりが、商業界のキーパーソンになってしまった貴族夫人の、成長と溺愛の物語!
どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします
文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。
夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。
エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。
「ゲルハルトさま、愛しています」
ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。
「エレーヌ、俺はあなたが憎い」
エレーヌは凍り付いた。
許婚と親友は両片思いだったので2人の仲を取り持つことにしました
結城芙由奈@2/28コミカライズ発売
恋愛
<2人の仲を応援するので、どうか私を嫌わないでください>
私には子供のころから決められた許嫁がいた。ある日、久しぶりに再会した親友を紹介した私は次第に2人がお互いを好きになっていく様子に気が付いた。どちらも私にとっては大切な存在。2人から邪魔者と思われ、嫌われたくはないので、私は全力で許嫁と親友の仲を取り持つ事を心に決めた。すると彼の評判が悪くなっていき、それまで冷たかった彼の態度が軟化してきて話は意外な展開に・・・?
※「カクヨム」「小説家になろう」にも投稿しています
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる