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第5章 気になる方は年下の男の子
第5話 弟の恋愛観
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クロエの友人の伯爵令嬢が、怒って去って行く方向を彼女はずっと眺める。
あまりにも、心配そうに気にしてる様子。
そんなピエール殿の孫娘に、ラファエルは声をかける。
「大丈夫ですよ。
侯爵令嬢は私の姉たちの友人ですが、私の友人ではない。
私はあの令嬢みたいな頭の足りない方は、お付き合いをご遠慮したいのですよ」
ピエールと孫娘は、ラファエルのあまりにも冷たい物言いに一瞬言葉を失った。
クロエは、メイドを前に座らせカフェで紅茶を飲んでいた。
ロベール伯爵令息と彼女は、お似合いでいい感じだったわ。
何よりお互い笑顔で楽しそう、
私の時は不機嫌か怒鳴るか呆れるかですもの。
彼女は独りで、先ほど2人で寄り添っていた姿。
指輪をはめて、二人で微笑む様子を再度思い出していた。
どんよりと暗い表情をしていたら、ステラが怒りながら店に入りクロエの側にやって来る。
メイドは静かに立つと、外でもお待ちしますと席を離れて行った。
ステラはメイドに目で礼をすると、クロエの前に座った。
「クロエ、ロベール伯爵令息と彼女は婚約者ではないそうよ!
でも、いい感じだったわ。
婚約は絶対に無理よ。
彼女は平民ですもの!」
最初にクロエの誤解を解く話をして、ステラも同じ紅茶の注文をする。
彼女は急いで来たのか、少し息が荒かった。
ステラは、私を心配して急いで来てくれたんだわ。
友人の優しさが、傷付いた心に染みるのであった。
「ステラ、わざわざロベール伯爵令息に聞いてくれたの?!
私は貴女に、迷惑ばかりかけているわね。
本当にごめんなさい」
クロエが静かに謝る態度を見て、彼女はラファエルに怒りが込みあげてくる。
ステラは、ラファエルの最後の態度を思い出した。
ムカつくのか、不機嫌な物言いをした。
「伯爵令息から伝言よ!
謝罪は必要なし、話しかけないでと言われたわ。
あの伯爵令息は、可愛い顔をして怖いわよ!
クロエには、甘やかしてくれる年上が絶対にいいわ。
その糸は、残念だけど無駄になったわね」
それだけ言うと友人は、店員が置いた紅茶を飲んでいた。
クロエは買ったばかりの刺繍糸が入った紙袋を、自分でも無意識に握りしめていた。
あのレストランの偶然の出会いから、瞬く間に月日は流れていった。
5月になり、弟セドリックに見せる約束したドクダミの白い花が咲いた。
セドリックは、もう約束なんて忘れている知れないな。
独特な臭いを放つ、ドクダミを彼は見ていた。
学園に行く前の朝食をしている間に、ラファエルはセドリックにドクダミ花の話をしてみた。
「お兄様、まだ覚えて下さったのですか?!」
セドリックの意外な返しに、ラファエルはお前こそ覚えていたのかと笑いあった。
「学園から帰ったら、執事長に話せば見せてくれるよ。
セドリック、感想を聞かせてくれよな」
ラファエルも、かなり背も伸びすっかり男らしくなってきた。
話し方も、普通の男の子と変わらなかった。
「ラル!貴方の花壇は、クラスメートたちに凄い評判よ!
薔薇が美しくて周りに咲く可愛らしい花たちは、見事に調和していると皆さまが褒めているわ」
長女エミリーは、弟の花壇を自慢するように話すのである。
「有り難う、エミリーお姉様!
亡きジョンが、空から見て喜んでくれたら私も嬉しいよ!」
次女シモーヌはこれだけ亡きジョンには愛情深いのに、侯爵令嬢にはどうしてあんなに冷たい態度なのだろうか?!
もしかして、女性には興味ないのではないのか?
まさか、男性にしか愛情を示さないとかでは?!
特殊な感情の持ち主ではないかと、心配になるのである。
密かに気になっていたのは、弟の恋愛観であった。
シモーヌは、姉エミリーに後でどう感じているか意見を聞くことにした。
独りでは考えても、不安になるばかりで埒があかないのだからだ。
きっかけは、私たち姉妹にあるのだから。
私たちが太ってなければ、弟は普通に育てられたはずよ!
シモーヌは、ラファエルに申し訳なく思うのだった。
あまりにも、心配そうに気にしてる様子。
そんなピエール殿の孫娘に、ラファエルは声をかける。
「大丈夫ですよ。
侯爵令嬢は私の姉たちの友人ですが、私の友人ではない。
私はあの令嬢みたいな頭の足りない方は、お付き合いをご遠慮したいのですよ」
ピエールと孫娘は、ラファエルのあまりにも冷たい物言いに一瞬言葉を失った。
クロエは、メイドを前に座らせカフェで紅茶を飲んでいた。
ロベール伯爵令息と彼女は、お似合いでいい感じだったわ。
何よりお互い笑顔で楽しそう、
私の時は不機嫌か怒鳴るか呆れるかですもの。
彼女は独りで、先ほど2人で寄り添っていた姿。
指輪をはめて、二人で微笑む様子を再度思い出していた。
どんよりと暗い表情をしていたら、ステラが怒りながら店に入りクロエの側にやって来る。
メイドは静かに立つと、外でもお待ちしますと席を離れて行った。
ステラはメイドに目で礼をすると、クロエの前に座った。
「クロエ、ロベール伯爵令息と彼女は婚約者ではないそうよ!
でも、いい感じだったわ。
婚約は絶対に無理よ。
彼女は平民ですもの!」
最初にクロエの誤解を解く話をして、ステラも同じ紅茶の注文をする。
彼女は急いで来たのか、少し息が荒かった。
ステラは、私を心配して急いで来てくれたんだわ。
友人の優しさが、傷付いた心に染みるのであった。
「ステラ、わざわざロベール伯爵令息に聞いてくれたの?!
私は貴女に、迷惑ばかりかけているわね。
本当にごめんなさい」
クロエが静かに謝る態度を見て、彼女はラファエルに怒りが込みあげてくる。
ステラは、ラファエルの最後の態度を思い出した。
ムカつくのか、不機嫌な物言いをした。
「伯爵令息から伝言よ!
謝罪は必要なし、話しかけないでと言われたわ。
あの伯爵令息は、可愛い顔をして怖いわよ!
クロエには、甘やかしてくれる年上が絶対にいいわ。
その糸は、残念だけど無駄になったわね」
それだけ言うと友人は、店員が置いた紅茶を飲んでいた。
クロエは買ったばかりの刺繍糸が入った紙袋を、自分でも無意識に握りしめていた。
あのレストランの偶然の出会いから、瞬く間に月日は流れていった。
5月になり、弟セドリックに見せる約束したドクダミの白い花が咲いた。
セドリックは、もう約束なんて忘れている知れないな。
独特な臭いを放つ、ドクダミを彼は見ていた。
学園に行く前の朝食をしている間に、ラファエルはセドリックにドクダミ花の話をしてみた。
「お兄様、まだ覚えて下さったのですか?!」
セドリックの意外な返しに、ラファエルはお前こそ覚えていたのかと笑いあった。
「学園から帰ったら、執事長に話せば見せてくれるよ。
セドリック、感想を聞かせてくれよな」
ラファエルも、かなり背も伸びすっかり男らしくなってきた。
話し方も、普通の男の子と変わらなかった。
「ラル!貴方の花壇は、クラスメートたちに凄い評判よ!
薔薇が美しくて周りに咲く可愛らしい花たちは、見事に調和していると皆さまが褒めているわ」
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「有り難う、エミリーお姉様!
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次女シモーヌはこれだけ亡きジョンには愛情深いのに、侯爵令嬢にはどうしてあんなに冷たい態度なのだろうか?!
もしかして、女性には興味ないのではないのか?
まさか、男性にしか愛情を示さないとかでは?!
特殊な感情の持ち主ではないかと、心配になるのである。
密かに気になっていたのは、弟の恋愛観であった。
シモーヌは、姉エミリーに後でどう感じているか意見を聞くことにした。
独りでは考えても、不安になるばかりで埒があかないのだからだ。
きっかけは、私たち姉妹にあるのだから。
私たちが太ってなければ、弟は普通に育てられたはずよ!
シモーヌは、ラファエルに申し訳なく思うのだった。
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