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第1章 私は可愛い男の子?
第6話 リバウンドからの闘い
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母の予言通りに、姉2人は痩せてからまた太ってしまったのである。
別に2人が食べ過ぎたり、運動を怠ったからではない。
ぽっちゃりから、普通になるのが一段と難しくなってしまった。
「私たちが普通の体型になるのが、間違いでしたのよ。
デブは、所詮デブなんですわぁー!」
「デブでも、お嫁にいけるのかしら?
こんな私たちを、好きになる殿方はこの世にいるの?」
姉妹は痩せるのが順調だっただけに、一度の挫折を味わってかなり弱気になっていた。
「気をしっかりと持ちなさい!
この母を見なさい。
私は、あなた方よりも超おデブだったのよ!
まだ、学園まで時間はあります。
頑張りましょう!」
泣く姉たちを叱り飛ばす、その母は鬼のようである。
しかし、時として慰めるのも忘れなかった。
「泣いても痩せないわよ。
母も苦しい思いをして、今があるのです。
愛してるから言うのですよ。
この世の男性たちは、どうしても見た目を重視します。
貴女方は美しい心があるわ。
後は痩せて普通になれば、相手はたくさん寄ってくるわ。
気合いですよ!」
それを見守っていた男性陣は、ロベール家の行く末を見守っている。
「お父様、女性って大変な生き物なんですね。
男性はどうしたら、素敵な女性と出会えるのかしら?」
ラファエルはこんな格好をしているが、一応は男性。
男の心は、男性しか知らぬことである。
「頭と金と力と、見た目が少し良いといい。
まぁ、お前の場合は時期も悪いかもな」
は~ぁ、時期ってなによ?
それに、そんなにいっぱい条件があるの。
女性よりも、もっと大変ではないのさ!
「お父様、時期って何ですか?
私は、一生独りでよくなってまいりましたわ」
「ラファエル、何を言う!
お前は、このロベール家の後取りだぞ!
時期っていうのは、5歳上に第2王子がいらっしゃる。
同じ歳ではないが、皆は王子様が好きだしな!」
王子様か、絵本で読むと確かに素敵で憧れるもんね。
私も胸をトキメキ、ドキドキさせて読みましたことよ。
でも、私はお姫様になれないもん。
どうして、男に生まれたのよ!
「お父様、私は自信ありませんわ。
もう、弟がいたらいいのに。
そうしたら、私は別に結婚しなくてもいいんでしょう?」
まさか、長男がたったの4歳で婚姻を諦めるとは!
伯爵は、娘たちより息子が心配になってしまった。
父である伯爵は、そんな隣のラファエルをよく見る。
髪は長く美しく、瞳はサファイアの様に綺麗であった。
おぉー、まさに美少女ではないかー!
これはヤバいぞ、男性とはとても思えん!
話し方を聞くと、完全に女性になりきっているではないか!
きっと大丈夫だ、まだ幼いし間に合う!
娘たちが無事に痩せて学園に通ったら、ラファエルを男に戻そうとその場で誓った。
ロベール家特有のお気楽な考えで、今は悩むのはやめてしまった父である。
姉妹の歓喜の声が、ロベール伯爵の屋敷に響き渡る。
「痩せましたわー!
見て下さい、前のドレスがブカブカよ!」
前に着ていたドレスをわざと着て見せて、家族たちの前に現れた姉妹。
「私もですわ。
腕と足が、まるでカモシカのようです!」
ブカブカの袖が腕を出して、擦って見せる次女シモーヌ。
姉たち二人は、手を繋ぎ喜びながら踊っている。
「よくやりました!
見て、顔も別人になってるわよ。
太っていたから目元が小さく、鼻も低かったの。
でも、今はスッキリはっきりな美人さんよ!」
母は辛く厳しかった期間を思い出し、二人の努力と成果に賞賛の言葉を与えた。
3人の女性たちは、抱き合いながら喜び泣くのであった。
「お父様!
今、家族がひとつになりました。
私は、嬉しくてたまりませんわぁー!ウーッ!」
ラファエルは自分の信念が報われ、嬉しさのあまり泣くのである。
「ラル、男はむやみに泣いてはならん!
お前もそろそろ男に戻れ!
よいなー!!」
えっ?このままじゃあ、ダメなの?
こんなに可愛いのに、ドレスも似合ってますよね?
「男に戻るって、何をどうするんですか?
お父様は、娘3人でいいって言ったのに!」
「あれはあの時のことで、今はいまだ。
ドレスはもう卒業だ。
話し方も男らしくするんだ。
ラル、分かったな!」
男らしいって、どんな話し方をするの?
えーっ!?
姉たちの次は、私が何かされるのかしら?
いやいや、嫌よー!!
「お母様~~!
お父様が男に戻れって仰るの。
私はどうしたらいいの?
お母様のせいよー!
お母様がドレスを着ろって仰ったのよ。
似合ってるって喜んでいたでしょう?
私は、この先どうなっちゃうの?!」
ロベール伯爵家は姉妹の痩せた喜びの中で、今度は長男の問題をどうするか悩みだしていた。
側で話を聞いていた使用人たちも、他人事ながらも心配をするのである。
お嬢様から果たして、坊っちゃまに変身出来るのか?!
ロベール伯爵家に頭の痛い、新たな問題が発生していた。
別に2人が食べ過ぎたり、運動を怠ったからではない。
ぽっちゃりから、普通になるのが一段と難しくなってしまった。
「私たちが普通の体型になるのが、間違いでしたのよ。
デブは、所詮デブなんですわぁー!」
「デブでも、お嫁にいけるのかしら?
こんな私たちを、好きになる殿方はこの世にいるの?」
姉妹は痩せるのが順調だっただけに、一度の挫折を味わってかなり弱気になっていた。
「気をしっかりと持ちなさい!
この母を見なさい。
私は、あなた方よりも超おデブだったのよ!
まだ、学園まで時間はあります。
頑張りましょう!」
泣く姉たちを叱り飛ばす、その母は鬼のようである。
しかし、時として慰めるのも忘れなかった。
「泣いても痩せないわよ。
母も苦しい思いをして、今があるのです。
愛してるから言うのですよ。
この世の男性たちは、どうしても見た目を重視します。
貴女方は美しい心があるわ。
後は痩せて普通になれば、相手はたくさん寄ってくるわ。
気合いですよ!」
それを見守っていた男性陣は、ロベール家の行く末を見守っている。
「お父様、女性って大変な生き物なんですね。
男性はどうしたら、素敵な女性と出会えるのかしら?」
ラファエルはこんな格好をしているが、一応は男性。
男の心は、男性しか知らぬことである。
「頭と金と力と、見た目が少し良いといい。
まぁ、お前の場合は時期も悪いかもな」
は~ぁ、時期ってなによ?
それに、そんなにいっぱい条件があるの。
女性よりも、もっと大変ではないのさ!
「お父様、時期って何ですか?
私は、一生独りでよくなってまいりましたわ」
「ラファエル、何を言う!
お前は、このロベール家の後取りだぞ!
時期っていうのは、5歳上に第2王子がいらっしゃる。
同じ歳ではないが、皆は王子様が好きだしな!」
王子様か、絵本で読むと確かに素敵で憧れるもんね。
私も胸をトキメキ、ドキドキさせて読みましたことよ。
でも、私はお姫様になれないもん。
どうして、男に生まれたのよ!
「お父様、私は自信ありませんわ。
もう、弟がいたらいいのに。
そうしたら、私は別に結婚しなくてもいいんでしょう?」
まさか、長男がたったの4歳で婚姻を諦めるとは!
伯爵は、娘たちより息子が心配になってしまった。
父である伯爵は、そんな隣のラファエルをよく見る。
髪は長く美しく、瞳はサファイアの様に綺麗であった。
おぉー、まさに美少女ではないかー!
これはヤバいぞ、男性とはとても思えん!
話し方を聞くと、完全に女性になりきっているではないか!
きっと大丈夫だ、まだ幼いし間に合う!
娘たちが無事に痩せて学園に通ったら、ラファエルを男に戻そうとその場で誓った。
ロベール家特有のお気楽な考えで、今は悩むのはやめてしまった父である。
姉妹の歓喜の声が、ロベール伯爵の屋敷に響き渡る。
「痩せましたわー!
見て下さい、前のドレスがブカブカよ!」
前に着ていたドレスをわざと着て見せて、家族たちの前に現れた姉妹。
「私もですわ。
腕と足が、まるでカモシカのようです!」
ブカブカの袖が腕を出して、擦って見せる次女シモーヌ。
姉たち二人は、手を繋ぎ喜びながら踊っている。
「よくやりました!
見て、顔も別人になってるわよ。
太っていたから目元が小さく、鼻も低かったの。
でも、今はスッキリはっきりな美人さんよ!」
母は辛く厳しかった期間を思い出し、二人の努力と成果に賞賛の言葉を与えた。
3人の女性たちは、抱き合いながら喜び泣くのであった。
「お父様!
今、家族がひとつになりました。
私は、嬉しくてたまりませんわぁー!ウーッ!」
ラファエルは自分の信念が報われ、嬉しさのあまり泣くのである。
「ラル、男はむやみに泣いてはならん!
お前もそろそろ男に戻れ!
よいなー!!」
えっ?このままじゃあ、ダメなの?
こんなに可愛いのに、ドレスも似合ってますよね?
「男に戻るって、何をどうするんですか?
お父様は、娘3人でいいって言ったのに!」
「あれはあの時のことで、今はいまだ。
ドレスはもう卒業だ。
話し方も男らしくするんだ。
ラル、分かったな!」
男らしいって、どんな話し方をするの?
えーっ!?
姉たちの次は、私が何かされるのかしら?
いやいや、嫌よー!!
「お母様~~!
お父様が男に戻れって仰るの。
私はどうしたらいいの?
お母様のせいよー!
お母様がドレスを着ろって仰ったのよ。
似合ってるって喜んでいたでしょう?
私は、この先どうなっちゃうの?!」
ロベール伯爵家は姉妹の痩せた喜びの中で、今度は長男の問題をどうするか悩みだしていた。
側で話を聞いていた使用人たちも、他人事ながらも心配をするのである。
お嬢様から果たして、坊っちゃまに変身出来るのか?!
ロベール伯爵家に頭の痛い、新たな問題が発生していた。
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