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第1章 私は可愛い男の子?
第4話 弟は悪役令嬢
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一人のメイドは落ち着きなく、ラファエルに言いにくそうにモジモジしながら話し出した。
「あの~、ラル様。
じつはまた例の意地悪な友人たちと、お嬢様たちが現在庭でお茶会をしてますよ」
いきなりのメイドの発言に、ラファエルは驚きの声を出した。
「なっ、何ですってー!
また図々しく、我が家でお茶会を開くとは!
貴女たち、早く案内しなさい!
さぁー、行きますわよー!」
ラファエルがドレスの裾を持ち、メイドたちに急いで案内をさせた。
メイドたちを引き連れて、姉たちがお茶会をしていた中庭に向かうと声が聞こえてきた。
「あ~らっ?!
お二人とも少しだけ、お痩せになりましたか?
ちょっとだけどね!オッーホホホ」
んまぁー、何って言いぐさなの!
あの例の意地悪な女は!
どうして、あんなにも性格が壊滅的に悪いのよ!!
「そうですか?
気にしてませんが、少し体が軽くなった気もしますわ?」
長女エミリーはその友人の嫌みに、関心無さげに返事をしていた。
「でも、皆さんに比べたら恥ずかしい限りですわね。クスクス」
次女シモーヌも遠慮がちに答えると、その令嬢が馬鹿にするように姉妹に告げた。
「そうですよね。
まだまだ、おデブですものね!
あなた達はー!フフフっ」
あーっ、これは駄目です!
許しませんことよー!!
姉たちをここまでコケにされて、妹いえ弟の私はこれ以上耐えられない!
この性格の悪い者を、神に代わり正さなくてはいけません!!
「お姉様たち!
この方々は、本当の友達なの?!
ずいぶんとお口が悪くて、私は心の底から驚きましたことよー!」
水色の爽やかなドレスを翻し、可憐に舞うように登場する。
可愛い妹、いや弟である。
「ラル、お客様に失礼ですよ。
ごめんなさいね、皆さま!」
エミリーは妹をいや弟を、叱りつけてから令嬢たちに謝った。
「お姉様たちは、どうして悪口を言われて笑ってますの!
確かに太ってますが、デブとは酷い言いようですわ!人の家に呼ばれているのに、礼儀知らずではなくって?
その性格の悪さがお顔に出てますわ。
ほら、見て!
目がつり上がってますよ。
オーホホホ!」
弟の嫌みは凄かったし、何よりここにいる誰よりも美しく可愛いかった。
その令嬢は小さな乱入者の言葉に、顔を真っ赤くして怒って帰ってしまった。
残された他の方々は、下を向いて黙ってしまう。
「どうしましょう?!
怒って帰ってしまったわ。
後で、謝りの手紙を書かなくては…」
次女のシモーヌは、慌てて言い出すのだった。
「お姉様たちは、あの方がお好きなの?
私でしたら、あんな方を友人にしたくありませんわよ。
少しくらい顔が良くっても、一緒にいて嫌な方はいりませんわ」
ラファエルの正直な感想を、お茶会にいた令嬢たちの心に訴えかけた。
「ごめんなさい。
私も、彼女の事を注意しないで黙っていたわ。
本当は聞いていて、嫌な気分に思っておりましたの」
「私もですわ。
いつもあなた達をバカにしていて、気持ち良くなかった。
でも、怖くて何も言えなくて…」
残された令嬢たちは、姉妹に次々に素直に謝罪するのである。
「いいのですよ。
太ってますのは、本当の事ですしね」
「お姉様たち、痩せてあの令嬢を見返しませんか?
私は痩せたら、あの方よりも美しくなると思いますわ。
負けないで、意地をみせてくれませんこと!」
弟は、姉たちに痩せさせようと気合いを入れる。
そうよ本人たちを、やる気にさせなくてはいけないわ。
「私も賛成ですわ。
頑張ってくれませんか?
私は彼女とは、今日限りで友人をやめますわ!」
「家同士の友人とはいえ、もう我慢の限界です!」
いきなりの絶交宣言に、ロベール姉妹はしどろもどろになる。
「あ、あの~。
でも、私は皆さんと仲良くしたいと思いますわ」
「ええ、デブは本当だから。
でもね、本心は痩せてみたいと思いますの」
「お姉様たち!
私も手伝います。
学園に入るまでに痩せて、あの失礼な令嬢に新しい姿を見せましょうよ!」
ここに2人を痩せさせる、新たな絆が生まれたのであった。
ラファエルは、メイドたちが提案をしてくれたダンスに誘ってみた。
どうせ何時かは習うのだしと、話すと姉たちの2人の友人たちが笑顔で返答する。
「では、皆さんで習いませんこと?
別々に習うのではなく、皆ですればお金も安くすみますわ」
「週に1、2回で合同にすればいいわ。
それなら、お二人に負担なく出来るはずです」
それは願ってもない話だと、ラファエルは思った。
友人たちと一緒なら、挫けても耐えられるはずよ!
「皆さん!気遣って下さり、ありがとうございます」
「私たちは恥ずかしながら、その肉が邪魔してますしね」
姉妹は、友人たちの優しい言葉に感動していた。
「では、皆さまで母上に相談しに参りましょう!
お母様は、何処にいらっしゃるのかしら?」
ラファエルが先頭切って、母アリシアを探しに令嬢たちを引き連れて歩きだした。
「あの~、ラル様。
じつはまた例の意地悪な友人たちと、お嬢様たちが現在庭でお茶会をしてますよ」
いきなりのメイドの発言に、ラファエルは驚きの声を出した。
「なっ、何ですってー!
また図々しく、我が家でお茶会を開くとは!
貴女たち、早く案内しなさい!
さぁー、行きますわよー!」
ラファエルがドレスの裾を持ち、メイドたちに急いで案内をさせた。
メイドたちを引き連れて、姉たちがお茶会をしていた中庭に向かうと声が聞こえてきた。
「あ~らっ?!
お二人とも少しだけ、お痩せになりましたか?
ちょっとだけどね!オッーホホホ」
んまぁー、何って言いぐさなの!
あの例の意地悪な女は!
どうして、あんなにも性格が壊滅的に悪いのよ!!
「そうですか?
気にしてませんが、少し体が軽くなった気もしますわ?」
長女エミリーはその友人の嫌みに、関心無さげに返事をしていた。
「でも、皆さんに比べたら恥ずかしい限りですわね。クスクス」
次女シモーヌも遠慮がちに答えると、その令嬢が馬鹿にするように姉妹に告げた。
「そうですよね。
まだまだ、おデブですものね!
あなた達はー!フフフっ」
あーっ、これは駄目です!
許しませんことよー!!
姉たちをここまでコケにされて、妹いえ弟の私はこれ以上耐えられない!
この性格の悪い者を、神に代わり正さなくてはいけません!!
「お姉様たち!
この方々は、本当の友達なの?!
ずいぶんとお口が悪くて、私は心の底から驚きましたことよー!」
水色の爽やかなドレスを翻し、可憐に舞うように登場する。
可愛い妹、いや弟である。
「ラル、お客様に失礼ですよ。
ごめんなさいね、皆さま!」
エミリーは妹をいや弟を、叱りつけてから令嬢たちに謝った。
「お姉様たちは、どうして悪口を言われて笑ってますの!
確かに太ってますが、デブとは酷い言いようですわ!人の家に呼ばれているのに、礼儀知らずではなくって?
その性格の悪さがお顔に出てますわ。
ほら、見て!
目がつり上がってますよ。
オーホホホ!」
弟の嫌みは凄かったし、何よりここにいる誰よりも美しく可愛いかった。
その令嬢は小さな乱入者の言葉に、顔を真っ赤くして怒って帰ってしまった。
残された他の方々は、下を向いて黙ってしまう。
「どうしましょう?!
怒って帰ってしまったわ。
後で、謝りの手紙を書かなくては…」
次女のシモーヌは、慌てて言い出すのだった。
「お姉様たちは、あの方がお好きなの?
私でしたら、あんな方を友人にしたくありませんわよ。
少しくらい顔が良くっても、一緒にいて嫌な方はいりませんわ」
ラファエルの正直な感想を、お茶会にいた令嬢たちの心に訴えかけた。
「ごめんなさい。
私も、彼女の事を注意しないで黙っていたわ。
本当は聞いていて、嫌な気分に思っておりましたの」
「私もですわ。
いつもあなた達をバカにしていて、気持ち良くなかった。
でも、怖くて何も言えなくて…」
残された令嬢たちは、姉妹に次々に素直に謝罪するのである。
「いいのですよ。
太ってますのは、本当の事ですしね」
「お姉様たち、痩せてあの令嬢を見返しませんか?
私は痩せたら、あの方よりも美しくなると思いますわ。
負けないで、意地をみせてくれませんこと!」
弟は、姉たちに痩せさせようと気合いを入れる。
そうよ本人たちを、やる気にさせなくてはいけないわ。
「私も賛成ですわ。
頑張ってくれませんか?
私は彼女とは、今日限りで友人をやめますわ!」
「家同士の友人とはいえ、もう我慢の限界です!」
いきなりの絶交宣言に、ロベール姉妹はしどろもどろになる。
「あ、あの~。
でも、私は皆さんと仲良くしたいと思いますわ」
「ええ、デブは本当だから。
でもね、本心は痩せてみたいと思いますの」
「お姉様たち!
私も手伝います。
学園に入るまでに痩せて、あの失礼な令嬢に新しい姿を見せましょうよ!」
ここに2人を痩せさせる、新たな絆が生まれたのであった。
ラファエルは、メイドたちが提案をしてくれたダンスに誘ってみた。
どうせ何時かは習うのだしと、話すと姉たちの2人の友人たちが笑顔で返答する。
「では、皆さんで習いませんこと?
別々に習うのではなく、皆ですればお金も安くすみますわ」
「週に1、2回で合同にすればいいわ。
それなら、お二人に負担なく出来るはずです」
それは願ってもない話だと、ラファエルは思った。
友人たちと一緒なら、挫けても耐えられるはずよ!
「皆さん!気遣って下さり、ありがとうございます」
「私たちは恥ずかしながら、その肉が邪魔してますしね」
姉妹は、友人たちの優しい言葉に感動していた。
「では、皆さまで母上に相談しに参りましょう!
お母様は、何処にいらっしゃるのかしら?」
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