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第4章 光と闇が混ざる時
第1話 彼を知り己を知れば百戦危うからず
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学園からプリムローズが屋敷に戻ると、パーレン伯爵からスクード公爵宛に詫びの手紙が届いていた。
私も急ぎ公爵夫妻に昼間の出来事を、二人に詳しく話す。
「災難でしたわね、プリムローズ嬢。
あの方のお嬢様なら…、やりかねませんわ。
私は学年があの方とは違いましたから、被害はございませんでしたけど…」
公爵夫人は若い頃を思い出してか、ため息混じりにプリムローズに話した。
「おやおや、今も昔も変わりませんな。
ご令嬢は、意地悪がお好きとみえます」
イーダがお茶を注ぎ、そんな事を言いつつ意地悪く笑っていた。
絶対に人の不幸を喜んでいると、お茶を飲み込んで魔女を見る。
「謝罪に令嬢を連れて、屋敷を訪問したいと書かれている。
絶交のいい機会だ。
直接対面して探りたい。
協力してくれんかのう」
スクード公爵が、プリムローズにお願いをしてくる。
私もそれをしたくて、ワザと大事に騒ぎましたのよと気持ちを伝えた。
「【彼を知り己を知れば百戦危うからず】。
敵や味方の情報をしっかりと把握しておけば、幾度戦おうが負けることはありませんわ」
プリムローズが威勢のいい言葉を向けると、3人は同時に笑いだしてくる。
「お嬢様は、ほんに面白く度胸がございます。
そうでした!今しがた郵便屋が来ましてな。
ほれっ、故郷からのお手紙ですよ」
イーダから、たくさんの手紙の束を渡してくる。
「あらあら、プリムローズ嬢は人気者ですのね!
すごい数のお手紙ですこと」
公爵夫人のニーナは、優しく微笑み手紙の束を見ながら驚く。
「儂も、クラレンス公爵から手紙を頂いた。
まだ読んではいないが、令嬢を心配しておられるであろう。
まさか、この様になっているとは思わんだろう」
申し訳なさそうに、公爵夫妻は眉をひそめて彼女に頭を下げた。
その夜、プリムローズは部屋で祖父母の手紙を読んでいた。
メリーが明日着る制服の支度をしていたら、絶叫が部屋に響き渡る。
「え~っ、何で~?!
ウソ、嘘でしょうー!!」
「お嬢様、夜にそんな大声をお出しにならないで下さいませ!」
メリーはドキドキした胸に手をやり、主人に強く注意する。
「メリー、前に話した事を覚えてる?
本当に、お祖父様たちがヘイズにコチラに来てしまうのよ!」
プリムローズは、手紙をメリーに見せながら内容を話しだした。
「正夢が真実になったのですか?!
それも、ルシアン王子もご一緒に?!」
手紙によると、エテルネルの王の側室スザナ様がご懐妊になったと書かれていた。
「エテルネルでは久かたの祝い事で、年末の休みを増やすそうよ。
それで、私が帰るよりヘイズに行こうとなったらしいの」
「ですが…、どうしてルシアン殿下が参るのですか?
よく王様や王妃様が、お許しになりましたね」
メリーは不思議がり、首を傾げてプリムローズに質問してくる。
「お二人は、今はスザナ様に夢中なのよ。
スザナ様よりも、お腹のお子様ね。
ルシアン殿下は、これを機に他国を見たいとお願いしたみたいだわ」
場所はアルゴラに選ばれて、クラレンス公爵に橋渡しをお願いしたと書かれていた。
二人は祖母ヴィクトリアがアルゴラの元王女様だもんなぁと、深いため息をつきそうになっていた。
「アルゴラと言って嘘をつき、ヘイズに居るお嬢様にお会いに来る。
ルシアン殿下は、上手く考えましたわね。」
メリーは、プリムローズがアルゴラに行くと偽って留学先を王子に話した事を思い出していた。
「まずい時期に来られるわね。
それに、殿下は私の兄ブライアンと偽りヘイズに来るそうよ」
年末年始前に来るのか?!
年末年始は、王家が貴族たちに祝いの言葉を伝える行事があるはず…。
「お嬢様、如何しましたか?」
「メリー、分かったわ。
彼らは年末年始の舞踏会や新年の謁見の際に、王に害する時期に狙いを定めているんではないかしら?」
二人は、無言で顔を見つめ合っていた。
「お嬢様、そんな大勢の中で目立ちませんか?
場所は王宮の中になりますし、あり得ないと私は思いますが…」
プリムローズの考えが、突拍子もないとしか思えなかった。
「大勢の中で騒がしいから、注意散漫になり実行しやすいわ。
王宮の中には、敵が前から忍び込んでいるのよ。
死を覚悟出来る者が実行犯になるなら、かなりの可能性で危ないわ」
ヘイズ王がエリアスを、貴族たちに紹介したい考えがあるかもしれない。
そうしたら、エリアスも悪者に狙われてしまう。
王弟の息子が見つかり、王宮にいることは上位貴族たちは存じているはずよ。
明日の土曜日の午前中にパーレン伯爵一家が謝罪に訪れる。
そして、日曜日にはエリアスを連れて王宮へ向かう予定。
しかし、多忙な週末なの。
次から次へ起きる出来事に、若くてもちょっとは疲労を感じていた。
なるべく早くに長寿の泉のお水飲まないと、この私の方が持たないわ~!
ブツブツ何か話しているプリムローズを不気味に感じて、お嬢様が壊れかかっていると心配するのであった。
私も急ぎ公爵夫妻に昼間の出来事を、二人に詳しく話す。
「災難でしたわね、プリムローズ嬢。
あの方のお嬢様なら…、やりかねませんわ。
私は学年があの方とは違いましたから、被害はございませんでしたけど…」
公爵夫人は若い頃を思い出してか、ため息混じりにプリムローズに話した。
「おやおや、今も昔も変わりませんな。
ご令嬢は、意地悪がお好きとみえます」
イーダがお茶を注ぎ、そんな事を言いつつ意地悪く笑っていた。
絶対に人の不幸を喜んでいると、お茶を飲み込んで魔女を見る。
「謝罪に令嬢を連れて、屋敷を訪問したいと書かれている。
絶交のいい機会だ。
直接対面して探りたい。
協力してくれんかのう」
スクード公爵が、プリムローズにお願いをしてくる。
私もそれをしたくて、ワザと大事に騒ぎましたのよと気持ちを伝えた。
「【彼を知り己を知れば百戦危うからず】。
敵や味方の情報をしっかりと把握しておけば、幾度戦おうが負けることはありませんわ」
プリムローズが威勢のいい言葉を向けると、3人は同時に笑いだしてくる。
「お嬢様は、ほんに面白く度胸がございます。
そうでした!今しがた郵便屋が来ましてな。
ほれっ、故郷からのお手紙ですよ」
イーダから、たくさんの手紙の束を渡してくる。
「あらあら、プリムローズ嬢は人気者ですのね!
すごい数のお手紙ですこと」
公爵夫人のニーナは、優しく微笑み手紙の束を見ながら驚く。
「儂も、クラレンス公爵から手紙を頂いた。
まだ読んではいないが、令嬢を心配しておられるであろう。
まさか、この様になっているとは思わんだろう」
申し訳なさそうに、公爵夫妻は眉をひそめて彼女に頭を下げた。
その夜、プリムローズは部屋で祖父母の手紙を読んでいた。
メリーが明日着る制服の支度をしていたら、絶叫が部屋に響き渡る。
「え~っ、何で~?!
ウソ、嘘でしょうー!!」
「お嬢様、夜にそんな大声をお出しにならないで下さいませ!」
メリーはドキドキした胸に手をやり、主人に強く注意する。
「メリー、前に話した事を覚えてる?
本当に、お祖父様たちがヘイズにコチラに来てしまうのよ!」
プリムローズは、手紙をメリーに見せながら内容を話しだした。
「正夢が真実になったのですか?!
それも、ルシアン王子もご一緒に?!」
手紙によると、エテルネルの王の側室スザナ様がご懐妊になったと書かれていた。
「エテルネルでは久かたの祝い事で、年末の休みを増やすそうよ。
それで、私が帰るよりヘイズに行こうとなったらしいの」
「ですが…、どうしてルシアン殿下が参るのですか?
よく王様や王妃様が、お許しになりましたね」
メリーは不思議がり、首を傾げてプリムローズに質問してくる。
「お二人は、今はスザナ様に夢中なのよ。
スザナ様よりも、お腹のお子様ね。
ルシアン殿下は、これを機に他国を見たいとお願いしたみたいだわ」
場所はアルゴラに選ばれて、クラレンス公爵に橋渡しをお願いしたと書かれていた。
二人は祖母ヴィクトリアがアルゴラの元王女様だもんなぁと、深いため息をつきそうになっていた。
「アルゴラと言って嘘をつき、ヘイズに居るお嬢様にお会いに来る。
ルシアン殿下は、上手く考えましたわね。」
メリーは、プリムローズがアルゴラに行くと偽って留学先を王子に話した事を思い出していた。
「まずい時期に来られるわね。
それに、殿下は私の兄ブライアンと偽りヘイズに来るそうよ」
年末年始前に来るのか?!
年末年始は、王家が貴族たちに祝いの言葉を伝える行事があるはず…。
「お嬢様、如何しましたか?」
「メリー、分かったわ。
彼らは年末年始の舞踏会や新年の謁見の際に、王に害する時期に狙いを定めているんではないかしら?」
二人は、無言で顔を見つめ合っていた。
「お嬢様、そんな大勢の中で目立ちませんか?
場所は王宮の中になりますし、あり得ないと私は思いますが…」
プリムローズの考えが、突拍子もないとしか思えなかった。
「大勢の中で騒がしいから、注意散漫になり実行しやすいわ。
王宮の中には、敵が前から忍び込んでいるのよ。
死を覚悟出来る者が実行犯になるなら、かなりの可能性で危ないわ」
ヘイズ王がエリアスを、貴族たちに紹介したい考えがあるかもしれない。
そうしたら、エリアスも悪者に狙われてしまう。
王弟の息子が見つかり、王宮にいることは上位貴族たちは存じているはずよ。
明日の土曜日の午前中にパーレン伯爵一家が謝罪に訪れる。
そして、日曜日にはエリアスを連れて王宮へ向かう予定。
しかし、多忙な週末なの。
次から次へ起きる出来事に、若くてもちょっとは疲労を感じていた。
なるべく早くに長寿の泉のお水飲まないと、この私の方が持たないわ~!
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