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第4章

18 2つの予知夢

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 お昼寝を推奨すいしょうしてから午後3時まで、静かな時間を過ごしている。
マティルダは、またまた不思議な夢を見ていた。
夢の中でもこれは例のアレなのと、最近はよく見るなと感じている。

「サンダース伯爵令嬢マティルダ様。
貴女は選ばれし、雨乞あまごいの巫女みこです」

「これは、雨乞いの時に言って頂く文章です。
是非ぜひとも、大変だが覚えて頂きたい!」

何よこれは…?雨乞い?
ああー、前に言っていたわね。

『えっ!私が巫女でしたの?』

ハッ!目がパッチリと覚めた。
また、これだわ。

目覚めると喉が渇いていて、ベッド横にあるテーブルの上にある水差しから水を注ぐと飲み始めた。

「私が…?まさかね!
これこそが、まさに夢なんだ」

彼女はコップを置くと、手持ちの懐中時計かいちゅうどけいで時間を確認する。
見ると、後30分で3時になる。

「夢では、私が巫女?
ここに教会の方々がいらっしゃるって事よね。う~ん?」

彼女は好奇心こうきしんで、自分が見た夢が予知夢になるのか。

「ちょっと、調べてみたいな。
本当に来ているのか、どうかをね!」

マティルダは、着替えて部屋をそっと抜け出す。
でも、どうやって調べるのか。

「……?皆まだ寝てるよね。
よし、馬車を調べよう。
知らない馬車があったら客が来てる。
それが、あれだ!」

馬車を探しに、馬がいる場所を目指した。

「誰にも会っていない。
この世に私しか、人が居ないみたいだわ」

「おい、お嬢さん!
こんな時間に、こんな場所へ何で来た?」

わらの上で寝ていた男性が、足音で馬が警戒する小さな鳴き声をして目を開ける。

「起こしてしまい、すみませんでした。
あの教会の方が城へ来てますか?」

「何で知ってる?
そっか、メイドで世話するから確認しに来たって訳か?」

「えぇ、休憩しなくてはいけませんけど聞いてから休む予定なんです」

自分が見た夢は当たっている。

「だけどなぁ、守秘義務があるんだよ」

マティルダは驚くと、相手は自分の言った事に驚いたと思った。

「はい、内緒の来訪みたいですので人数だけを知りたかったのでございます」

「そうか、しょうがないな。
君だけに内緒で教えよう。
2名だよ。
とても偉い方みたいだった」

では、ただの神父や神官ではないのか。

「やはり、そうですか。
教えてくれて助かりました。
私は、これにて失礼します」

マティルダは、さっさと人と会わないように部屋に戻る。
帰ってから彼女は巫女扱いにされて、儀式をする羽目はめになるのにウンザリしていた。
 
「私が巫女なんてない。
必ず、違う人になる!
うん、もう1度寝るか。
そうだ、寝たら違う夢を見る。
巫女様違う人で、終わりになるわ」

本当にマティルダは着替えて、またベッドに入って寝始めていた。
そして、また違う予知夢よちむをみてしまう。

   「牢屋ろうやに入れるなんて!
サンダース伯爵に、父に連絡してよ!
私が犯罪者扱いになるなんて、 おかしいでしょう?!」

「罪を犯した意識すらないとは、おかしいのは君だろう。
一緒に同乗していた男性を、君がナイフで刺しただろう」

アリエールは乱れた髪に、土汚れがついたドレス。
取り調べをされているのか。
部屋の机の紙に、アリエールが話す言葉を書き留めているようだ。

「乗っていた馬車が、がけから落ちかけてきたのよ。
ハロルドは反対側に乗っていて、崖側にいて落ちそうだった。
私は怖くて逃げようとしたのを邪魔したから、離そうとしただけ!
何が悪いの?」

自分の言い分を正当化しようと必死にする彼女は、あのハロルドをナイフで刺してしまったの?!

『そこまで貴女はしてしまったの、アリエール…。
貴女は、ハロルドを好きでなかったの?』

夢で怒り泣き叫ぶ妹の姿に、彼女は語りかける。
たが、届くことのない声と想い。

『二人は愛しあっていたのではなかったの?
あの寄り添い。
笑いにあっていたのは、幻想の愛だったの?』

マティルダはその事がショックだったせいで、ベッドで目を見開き天井がハッキリするまでそのままでいた。
初めて1日で2つ夢を見たせいで、寝たのに疲労が増していたのである。

叩く音がしてから、メイドが私を起こしに現れる。
そして、国王陛下が会いたいという知らせだった。

彼女の夢は現実になるのだろうか。
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