79 / 207
第4章
14 家族全員集合 ③
しおりを挟む
考えていても、メアリーは食事の手を止めない。
口をモグモグ動かして、頭はぐるぐる模索中。
「あー!!分かりましたわ!
王家と別に力を持つ、あの組織しかいない」
組織と言う単語に、ダークな印象を4人の脳裏に現れた。
「組織とはなんです!
妾たちだけだから良いですが、少しは言葉を選びなさい。
特に女性は、敏感に反応しますからね」
その女性のトップに君臨されている王妃が忠告をしていた。
『まだ子供と思い放置していたが、そろそろ躾を厳しくしましょう!
最近はマティルダが教えてくれて、真っ当になってきてましたがー』
唯一手間のかからなかった、長男エドワード。
まさかここで、反抗期になってしまうとは思わなかった。
子育ての難しさを王妃でさえ、頭を抱えたくなるのだった。
「アハハ、組織と言えば組織だ。
で、メアリーその組織って何?」
「そんなのは宗教ですわ。
神様に殉じている。
あの方々は、特殊で皆さまに尊敬されてます」
侮っていた訳ではなく、メアリーがそこに着眼点にしたのに感心する。
「余でも、口出し出来ぬ世界だならな。
教皇は、王とて頭を下げない。
お互い様だが、共存共栄をして生きていかねばならん」
王家と教会は相反した組織だが、持ちつ持たれつで接している。
その話の中で静かにしていたエドワードが、やっと話に加わってきた。
「コホン、父上話は変わりますがー。
雨乞いの儀式の件は進んでいるのですか?」
「おお、エドワード。
一刻でも早く、雨が降らなかったら困るのだ」
「貴方、話に出てきたからお#伺__うかが_#いします。
神官様が雨乞いの巫女を探し当てないと、作物が出来なくなり民が騒ぎますわ」
王妃はあえて、子供たちに心配事を聞かせる。
将来に向けて勉強になるからだ。
「教皇も国王も、国と民が大切なのは同じ思い。
連絡を待つしかない。
雨とか気候は、人界では何も出来ないからな」
「お父様、メアリーの答えは正解でしょう。
神様が仰ったら、どんな人も信じてくれてると思うわ」
急かす娘にこう付け加えた。
神のお告げなら、誰もが納得するだろうと笑っておられた。
食事がほぼ終わりに近づき、メアリーが待ち望んでいたデザート。
複数の人が入ってくる気配に、メアリーは笑んでそっちら に視線を動かす。
「皆さま、お食事の途中で失礼致します。
陛下、教皇様の使者で大司教様がお見えになっておられます。
如何致しましょうか?」
この城を纏める侍従長が、食事中の王族たちに大司教の来訪を伝えにきた。
間近で話していたので、王族たちは驚きを顔に出してしまう。
「会おう!王妃たちは、食事を続けて構わない。
おそらく、雨乞いの準備の話だと良いのだけどな」
王は独り言のように言うと、口を拭いて立ち上がった。
侍従長の後について行き、やがて部屋から姿を消した。
巫女がいよいよ見つかったのか。
それとも居なかったのか。
王が出ていった方を、8つの瞳がそれぞれ思いながら見ていた。
この大司教の来訪が、未来の王を決めるとは思わずー。
口をモグモグ動かして、頭はぐるぐる模索中。
「あー!!分かりましたわ!
王家と別に力を持つ、あの組織しかいない」
組織と言う単語に、ダークな印象を4人の脳裏に現れた。
「組織とはなんです!
妾たちだけだから良いですが、少しは言葉を選びなさい。
特に女性は、敏感に反応しますからね」
その女性のトップに君臨されている王妃が忠告をしていた。
『まだ子供と思い放置していたが、そろそろ躾を厳しくしましょう!
最近はマティルダが教えてくれて、真っ当になってきてましたがー』
唯一手間のかからなかった、長男エドワード。
まさかここで、反抗期になってしまうとは思わなかった。
子育ての難しさを王妃でさえ、頭を抱えたくなるのだった。
「アハハ、組織と言えば組織だ。
で、メアリーその組織って何?」
「そんなのは宗教ですわ。
神様に殉じている。
あの方々は、特殊で皆さまに尊敬されてます」
侮っていた訳ではなく、メアリーがそこに着眼点にしたのに感心する。
「余でも、口出し出来ぬ世界だならな。
教皇は、王とて頭を下げない。
お互い様だが、共存共栄をして生きていかねばならん」
王家と教会は相反した組織だが、持ちつ持たれつで接している。
その話の中で静かにしていたエドワードが、やっと話に加わってきた。
「コホン、父上話は変わりますがー。
雨乞いの儀式の件は進んでいるのですか?」
「おお、エドワード。
一刻でも早く、雨が降らなかったら困るのだ」
「貴方、話に出てきたからお#伺__うかが_#いします。
神官様が雨乞いの巫女を探し当てないと、作物が出来なくなり民が騒ぎますわ」
王妃はあえて、子供たちに心配事を聞かせる。
将来に向けて勉強になるからだ。
「教皇も国王も、国と民が大切なのは同じ思い。
連絡を待つしかない。
雨とか気候は、人界では何も出来ないからな」
「お父様、メアリーの答えは正解でしょう。
神様が仰ったら、どんな人も信じてくれてると思うわ」
急かす娘にこう付け加えた。
神のお告げなら、誰もが納得するだろうと笑っておられた。
食事がほぼ終わりに近づき、メアリーが待ち望んでいたデザート。
複数の人が入ってくる気配に、メアリーは笑んでそっちら に視線を動かす。
「皆さま、お食事の途中で失礼致します。
陛下、教皇様の使者で大司教様がお見えになっておられます。
如何致しましょうか?」
この城を纏める侍従長が、食事中の王族たちに大司教の来訪を伝えにきた。
間近で話していたので、王族たちは驚きを顔に出してしまう。
「会おう!王妃たちは、食事を続けて構わない。
おそらく、雨乞いの準備の話だと良いのだけどな」
王は独り言のように言うと、口を拭いて立ち上がった。
侍従長の後について行き、やがて部屋から姿を消した。
巫女がいよいよ見つかったのか。
それとも居なかったのか。
王が出ていった方を、8つの瞳がそれぞれ思いながら見ていた。
この大司教の来訪が、未来の王を決めるとは思わずー。
0
お気に入りに追加
69
あなたにおすすめの小説
命を狙われたお飾り妃の最後の願い
幌あきら
恋愛
【異世界恋愛・ざまぁ系・ハピエン】
重要な式典の真っ最中、いきなりシャンデリアが落ちた――。狙われたのは王妃イベリナ。
イベリナ妃の命を狙ったのは、国王の愛人ジャスミンだった。
短め連載・完結まで予約済みです。設定ゆるいです。
『ベビ待ち』の女性の心情がでてきます。『逆マタハラ』などの表現もあります。苦手な方はお控えください、すみません。

【完結】今世も裏切られるのはごめんなので、最愛のあなたはもう要らない
曽根原ツタ
恋愛
隣国との戦時中に国王が病死し、王位継承権を持つ男子がひとりもいなかったため、若い王女エトワールは女王となった。だが──
「俺は彼女を愛している。彼女は俺の子を身篭った」
戦場から帰還した愛する夫の隣には、別の女性が立っていた。さらに彼は、王座を奪うために女王暗殺を企てる。
そして。夫に剣で胸を貫かれて死んだエトワールが次に目が覚めたとき、彼と出会った日に戻っていて……?
──二度目の人生、私を裏切ったあなたを絶対に愛しません。
★小説家になろうさまでも公開中

「君を愛するつもりはない」と言ったら、泣いて喜ばれた
菱田もな
恋愛
完璧令嬢と名高い公爵家の一人娘シャーロットとの婚約が決まった第二皇子オズワルド。しかし、これは政略結婚で、婚約にもシャーロット自身にも全く興味がない。初めての顔合わせの場で「悪いが、君を愛するつもりはない」とはっきり告げたオズワルドに、シャーロットはなぜか歓喜の涙を浮かべて…?
※他サイトでも掲載中しております。

この度、皆さんの予想通り婚約者候補から外れることになりました。ですが、すぐに結婚することになりました。
鶯埜 餡
恋愛
ある事件のせいでいろいろ言われながらも国王夫妻の働きかけで王太子の婚約者候補となったシャルロッテ。
しかし当の王太子ルドウィックはアリアナという男爵令嬢にべったり。噂好きな貴族たちはシャルロッテに婚約者候補から外れるのではないかと言っていたが

「お前を妻だと思ったことはない」と言ってくる旦那様と離婚した私は、幼馴染の侯爵から溺愛されています。
木山楽斗
恋愛
第二王女のエリームは、かつて王家と敵対していたオルバディオン公爵家に嫁がされた。
因縁を解消するための結婚であったが、現当主であるジグールは彼女のことを冷遇した。長きに渡る因縁は、簡単に解消できるものではなかったのである。
そんな暮らしは、エリームにとって息苦しいものだった。それを重く見た彼女の兄アルベルドと幼馴染カルディアスは、二人の結婚を解消させることを決意する。
彼らの働きかけによって、エリームは苦しい生活から解放されるのだった。
晴れて自由の身になったエリームに、一人の男性が婚約を申し込んできた。
それは、彼女の幼馴染であるカルディアスである。彼は以前からエリームに好意を寄せていたようなのだ。
幼い頃から彼の人となりを知っているエリームは、喜んでその婚約を受け入れた。二人は、晴れて夫婦となったのである。
二度目の結婚を果たしたエリームは、以前とは異なる生活を送っていた。
カルディアスは以前の夫とは違い、彼女のことを愛して尊重してくれたのである。
こうして、エリームは幸せな生活を送るのだった。

王妃の仕事なんて知りません、今から逃げます!
gacchi
恋愛
側妃を迎えるって、え?聞いてないよ?
王妃の仕事が大変でも頑張ってたのは、レオルドが好きだから。
国への責任感?そんなの無いよ。もういい。私、逃げるから!
12/16加筆修正したものをカクヨムに投稿しました。

【完結】もう無理して私に笑いかけなくてもいいですよ?
冬馬亮
恋愛
公爵令嬢のエリーゼは、遅れて出席した夜会で、婚約者のオズワルドがエリーゼへの不満を口にするのを偶然耳にする。
オズワルドを愛していたエリーゼはひどくショックを受けるが、悩んだ末に婚約解消を決意する。
だが、喜んで受け入れると思っていたオズワルドが、なぜか婚約解消を拒否。関係の再構築を提案する。
その後、プレゼント攻撃や突撃訪問の日々が始まるが、オズワルドは別の令嬢をそばに置くようになり・・・
「彼女は友人の妹で、なんとも思ってない。オレが好きなのはエリーゼだ」
「私みたいな女に無理して笑いかけるのも限界だって夜会で愚痴をこぼしてたじゃないですか。よかったですね、これでもう、無理して私に笑いかけなくてよくなりましたよ」

ある辺境伯の後悔
だましだまし
恋愛
妻セディナを愛する辺境伯ルブラン・レイナーラ。
父親似だが目元が妻によく似た長女と
目元は自分譲りだが母親似の長男。
愛する妻と妻の容姿を受け継いだ可愛い子供たちに囲まれ彼は誰よりも幸せだと思っていた。
愛しい妻が次女を産んで亡くなるまでは…。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる