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第4章

12 家族全員集合 ①

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    散歩から自分の部屋に戻り、椅子に座り歩き疲れた足を休めていた。
そんな時に本日の昼食と夕食は、各自の部屋に運ばれると知らせてくれた。
準備された昼食を食べて、マティルダは部屋の外で何かが起きようとしていた。

中心から外れたマティルダは、美味しく料理を食べれるのを喜んだ。

『城の中が、静かになにやら騒がしい。
水面下で仕える者たちが忙しくしているのは、エドワード殿下の爆弾発言なんだろうな』

カンカン照りの太陽が頑張り熱を発して、人々も理性が崩れてしまった。

「王族の方々が仲間割れしたりしないよね。
土壇場どたんばでアレを言っちゃうなんてね」

そう言っちゃたその人は、家族全員に責められていた。
アドニス王子を追ったメアリー王女は、お母様に会いたい~って兄の洋服をつかみ泣いていた。

「メアリー、もう泣くな。
母上に会いに行こう。
エド兄上は、ちょっと気が狂っただけさ」

「狂ってしまったの。
真面目だったのに、脳みそが沸騰ふっとうしちゃったのかしら?」

青い目をキラキラさせた見上げた頭をナデナデして、妹の言い方に吹き出して笑った。

「プッ、アハハ!沸騰かー。
涼しい避暑地へ来たけど、気温差で頭がついていかないのかもね!?」

兄妹は手と手を取り合い、母のいる部屋を訪れる事にした。
それが、新たな騒ぎになるのだった。

「母上なら兄上の絵空事も笑って聞いて下さる。
きっと、兄上を説得してくれるさ」

泣いていた顔が笑顔になってくれて、アドニスは後は母にお願いしようと安心する。

「そうしたら、もと通りになって終わりよね!」

アドニスが扉を叩くが、部屋の中から音沙汰おとさたがない。

「返事がないし、おかしいな?
中に誰も、居ないのか?」

「部屋の中へ、入ってみましょうよ。
私たちなら、お母様もお怒りならないわ」

そうだなって意見が一致すると、扉を開けるとドサーッと大きい物音がしてきた。

「貴方ー!止めてぇー~!!」

こんな叫び声を聞いたのは、初めてだった二人は母の声に呼ばれた。

「お母様ー!お母様~!!
お母様、何がありましたの?!」

「兄上ー!父上ー!
これは…、どうされたんですか!?」

母が兄と父との間に立ち、父の怒りをなだめ止めに入っているようだ。
父が兄を殴ったあと、床に倒れているエドワードを見ていた。

「お前なぞ、国王になる資格はない!
いつから、そんな事を考えていたんだあー!」

父の激昂げっこうにメアリーは、僕にしがみついて震えている。

「うあーん、怖いよー!!
ふぇ~えーん、お父様がー!
エドお兄様をー、お兄様をー。な、なぐったよお~!」

可愛い娘が、もう1人息子に抱きついて泣いている。

「おおー、メアリ~!
アドニスも、どうしてココヘ来たのだぁ!」

見て欲しくない姿を見られてしまった父は、声をかけるがこの後をどうしたらと続きの言葉がまる。

「エドワード、大丈夫?
お父様は、貴方に期待していたのです。
裏切られたと思って、ついこんな事をしてしまったの。
ねぇ、理解してあげて頂戴な」

倒れたままの息子の肩に手を置くと、母のお願いに頭をコクりとして答える。

「父上、母上!
私は与えられた道を、疑問もなく歩いていました。
王よりも外交をして、他国との結びつける仕事をしたいと思っていたのです!」

母の手を借りて立ち上がり、両親に向かい思いを告げる。

「エドワード!そんなのは、国王としても出来るぞ。
婚約者を選んで、王太子になるのだ」

決めつけられる命令を、エドワードは父の説得に我慢できずに首を振る素振りをする。

「父上は、国王になるのに迷いはなかったのですか?
他にやりたかった事はないのですか?」

昔の自分が父なのだ。
迷いがないなんて、ないはずがない。

「迷いなんて無かったぞ!
弟のカッセル公爵も、余が国王になってから今も陰日向かげひなたとなり支えてくれてるしな」

       「「「…………」」」

子供らは父の返事の内容に、それぞれの考えをしていた。

『父とは土台、考え方が違うのだ』

長男がエドワードの思い。

『単純だな。弟の気持ちが分かっているかい。
叔父上は大人だ、父よりも』

次男アドレスの考察。

『エドお兄様がお父様と同じく、鈍感なお人なら良かったのにね』

末娘メアリーの思考。

「陛下!この際、家族で話し合いをしましょう。
お昼を食べながら、良いですわね!」

妻は家族の手綱をとり、提案して導こうとしていた。
話し合いは、折り合いがつくのであろうか。
王族たちは未来を相談するのであった。
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