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第4章

10 令嬢たちの訴え

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  エドワードは教えられた方を追って行ったが、伯爵令嬢たちをさがせなかった。
それより国王に自身の気持ちを聞いてもらおうと、父のいる場所へ足を運ぶ。

その相手は、妻の部屋でお茶を飲み子供たちの話をしていた。

「エドワードが婚約者候補たちと、中庭でお茶会をしてるそうだとか。
やっとあれも自覚して、相手を真剣に選ぶようだな」

息子も大人になったと父は、安心して嬉しげに笑い妻に話して聞かせた。
順調に王太子になるエドワードが、こんな騒動を引き起こしているとは考えもしない。
国王夫婦は、爆弾発言をしに来た。
例のあの伯爵令嬢たちが、息子への怒りを知らせに部屋へ訪れた。

「陛下、王妃様。
ゴーダン辺境伯爵令嬢、ベンガー伯爵令嬢のお二人が王妃様にお話ししたいそうでございます」

国王夫婦は今しがた話していた息子と婚約者候補たちに、何かあったのかと顔を見合わせて思っていた。

「陛下、気になりますわ。
お茶をしていたエドワードと、きっと何かあったんでは…」 

も、王妃と同じで気になる。
伯爵令嬢たちを、コチラに呼ぶように」

伯爵令嬢たちはまさかココに、国王がいるとは予想すらしてなかっただろう。
部屋には王妃のみとノコノコ入ってきた、二人の令嬢たちは声を出しそうになり口を押さえそうになる。

「これは…!へ、陛下に王妃様。
両陛下おそろ揃いで、ご尊顔そんがんを拝見でき光栄でございます」

「両陛下が…、御一緒でございましたとはー。
知らぬこととはいえ、申し訳けございませんでした」

困り顔でこのまま何も話さずに、挨拶のみで退出したいと2人は狼狽うろたえていた。

「よい!顔をげるがよい!
王妃に用事があったのか?」

「どうしたのですか?
エドワードと、話をしていなかったのではないの?」

両陛下から続けざまに質問されて、伯爵令嬢たちは下げられた頭と身体が震えそうになった。

『『どうしよう?
こんな風になるなんて、思いませんでしたわ』』

同時で同じ思考しこうになり、互いに目で探り合い牽制けんせいしあう。

「教えてくれる?
問題でも起きたの?
遠慮なく、私たちに話して頂戴な」

ゴーダン辺境伯爵令嬢ケイシーは、ベンガー伯爵令嬢グレンダ
より身分が上だったのをうらみそうになる。

「はい。エドワード殿下が…。そのう、あのですね。
将来のお考えが、変わったとお話されました」

「どういう意味じゃあ。
将来の考えとは、何を指す!」

国王は辺境伯爵令嬢の意味深な言葉に、威厳を出しては圧力をかける。

「陛下、私たちからこれ以上は話せません。
エドワード殿下、ご本人にお聞き下さいませ。
お願い申し上げます」

今度はベルガー伯爵令嬢グレンダは、それなりに頑張って頭を下げていた。

「陛下、エドワードに直接聞くことにしましょう。
そなたたち、部屋で休みなさい。
顔の色がえませんよ」

同性のせいか王妃は、彼女たちの隠す内心が見えるような気がする。
それは漠然ばくぜんとして、聡明そうめいな王妃でも分からなかった。

二人は息をそっと吐き出すと、力をいれていた肩のまま強張こわばりつつ部屋を出ようとしていた。



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