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第3章
22 不思議な力
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王家の馬車が連なって通りすぎる度に、平民たちから歓声があがる。
避暑地にある城に旗が掲げられ、それは国王が滞在する証だ。
マティルダは目が覚めてから無口になり、見た夢を思い出そうと考えていた。
「王都と違って空気が澄んで、涼しくて寒いぐらいですわ」
「もう夕暮れですから、夜は昼間と気温の差があります。
服とかで体温を調節しましょう」
マイヤー伯爵令息が、医師の様に話す。
ブルネール侯爵令嬢は、すっかり彼に緊張しなくなったのか笑っていた。
2人が一組に見えて、なんでだろうと考える。
『二人でいるのが、自然に思えるからだ。
お互いに砕けて、打ち解けた感じがする。
時々、目が合って照れているわ』
「あの~、もしや!
ブルネール侯爵令嬢と~」
「「マティルダ!」」
元気一杯で呼ばれた自分の名前で、振り返ると両陛下と側にいる二人が目に映る。
メアリー王女が私に走って近づくと、眉をひそめ早口で尋ねる。
「どうしたの?
顔色が青白いし、とても疲れた感じがする」
アドレス王子も妹の後を追って、その言葉で彼女の顔をよくみる。
「行く前のあの騒ぎで、体調が悪くなり馬車酔いでもしたのか?」
「いいえ、違います。
馬車で寝ておりましたら、不思議な夢を見たのです」
「不思議な夢?
マティルダ、どんな夢を見たの?」
不思議って事に興味が出てしまったようで、余計な話をしたと後悔する。
「楽しいとか、キレイとかではないですよ。
怖くて、目が覚めた時に震えてしまった夢でした」
「そんなのを見たのか。
怖いなんて、誰かに追いかけられる夢とか聞いたことがある」
「アドお兄様、それはエドお兄様でしょう?
夜寝れなくて夜中に部屋から出て散歩していたら、警護の者に見つかって走って逃げたのよ」
エドワード王子が…。
これはー、まだお子様の頃のお話ね。
「やあー、マティルダ!
話が聞こえたけど、夢の話!
その夢の話を、ぜひとも教えて欲しいな。
正夢になるかもしれないよ!」
「ロバート・アンゲロス!」
いきなり声をかけられて、敬称なしに名を呼んでしまう。
「お久しぶりです、ロバート様!」
「相変わらず、ロバート様は神出鬼没だな」
マティルダは、2人がロバートとの親しいそうな間柄に驚く。
「メアリー様、アドニス様。
マティルダが勉強を教えてると、エドワードから聞いていたけど。
ふ~うん、なるほどね…」
「ロバート様、お二人とは顔見知りでしたのね」
「まぁね!ハハハ…。
それより夢の話だよ。
前に君から教えられた夢の話が、ピッタリだったんだ。
だから、今回も気になるのさ」
マティルダは、夢の内容をロバートの言葉で思い出し始めた。
「あれですか?
ロバート様が、階段から落ちる夢を見た話ですよね?」
「そ、それ!その夢は、当たったんだ!
俺の代わりに、弟が落ちそうになったのを俺が助けた」
「マティルダ、聖女様みたい!夢占いができるの?」
メアリーは、憧れに近い表情を見せて問いかける。
「夢占い?夢で未来を当てる、アレですか?!
冗談でも、私はそんな事はできませんよ」
『そうは言うが何度か当てたから、あの時はロバート様にご注意申し上げたのだけど…』
「サンダース伯爵令嬢、城の中で話を聞こう!」
「エドワード殿下、ですが。
婚約者候補者たちには話は聞かせたくないのです。
それにメアリー王女とアドニス王子、お二人もです」
「何で?ダメなの?」
「良い話ではないのです。
誰にも聞かせたくないのが本心ですが、もし本当にそうだったらと思うと私も怖い」
マティルダの様子が変わっていくのを、4人は何だか不安になるのを感じていた。
彼女はどんな夢を見たのだろうか。
避暑地にある城に旗が掲げられ、それは国王が滞在する証だ。
マティルダは目が覚めてから無口になり、見た夢を思い出そうと考えていた。
「王都と違って空気が澄んで、涼しくて寒いぐらいですわ」
「もう夕暮れですから、夜は昼間と気温の差があります。
服とかで体温を調節しましょう」
マイヤー伯爵令息が、医師の様に話す。
ブルネール侯爵令嬢は、すっかり彼に緊張しなくなったのか笑っていた。
2人が一組に見えて、なんでだろうと考える。
『二人でいるのが、自然に思えるからだ。
お互いに砕けて、打ち解けた感じがする。
時々、目が合って照れているわ』
「あの~、もしや!
ブルネール侯爵令嬢と~」
「「マティルダ!」」
元気一杯で呼ばれた自分の名前で、振り返ると両陛下と側にいる二人が目に映る。
メアリー王女が私に走って近づくと、眉をひそめ早口で尋ねる。
「どうしたの?
顔色が青白いし、とても疲れた感じがする」
アドレス王子も妹の後を追って、その言葉で彼女の顔をよくみる。
「行く前のあの騒ぎで、体調が悪くなり馬車酔いでもしたのか?」
「いいえ、違います。
馬車で寝ておりましたら、不思議な夢を見たのです」
「不思議な夢?
マティルダ、どんな夢を見たの?」
不思議って事に興味が出てしまったようで、余計な話をしたと後悔する。
「楽しいとか、キレイとかではないですよ。
怖くて、目が覚めた時に震えてしまった夢でした」
「そんなのを見たのか。
怖いなんて、誰かに追いかけられる夢とか聞いたことがある」
「アドお兄様、それはエドお兄様でしょう?
夜寝れなくて夜中に部屋から出て散歩していたら、警護の者に見つかって走って逃げたのよ」
エドワード王子が…。
これはー、まだお子様の頃のお話ね。
「やあー、マティルダ!
話が聞こえたけど、夢の話!
その夢の話を、ぜひとも教えて欲しいな。
正夢になるかもしれないよ!」
「ロバート・アンゲロス!」
いきなり声をかけられて、敬称なしに名を呼んでしまう。
「お久しぶりです、ロバート様!」
「相変わらず、ロバート様は神出鬼没だな」
マティルダは、2人がロバートとの親しいそうな間柄に驚く。
「メアリー様、アドニス様。
マティルダが勉強を教えてると、エドワードから聞いていたけど。
ふ~うん、なるほどね…」
「ロバート様、お二人とは顔見知りでしたのね」
「まぁね!ハハハ…。
それより夢の話だよ。
前に君から教えられた夢の話が、ピッタリだったんだ。
だから、今回も気になるのさ」
マティルダは、夢の内容をロバートの言葉で思い出し始めた。
「あれですか?
ロバート様が、階段から落ちる夢を見た話ですよね?」
「そ、それ!その夢は、当たったんだ!
俺の代わりに、弟が落ちそうになったのを俺が助けた」
「マティルダ、聖女様みたい!夢占いができるの?」
メアリーは、憧れに近い表情を見せて問いかける。
「夢占い?夢で未来を当てる、アレですか?!
冗談でも、私はそんな事はできませんよ」
『そうは言うが何度か当てたから、あの時はロバート様にご注意申し上げたのだけど…』
「サンダース伯爵令嬢、城の中で話を聞こう!」
「エドワード殿下、ですが。
婚約者候補者たちには話は聞かせたくないのです。
それにメアリー王女とアドニス王子、お二人もです」
「何で?ダメなの?」
「良い話ではないのです。
誰にも聞かせたくないのが本心ですが、もし本当にそうだったらと思うと私も怖い」
マティルダの様子が変わっていくのを、4人は何だか不安になるのを感じていた。
彼女はどんな夢を見たのだろうか。
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