63 / 207
第3章
21 気まぐれ公爵令息
しおりを挟む
公爵令息は殺伐とした3人の中でも、マイペースな人物なのか穏やかに座っている。
「まるで、お芝居を見ているみたいだったよ。
家族たちが芸術派で、オペラとか音楽観賞してるんだ。
ああ、芝居の劇もね!」
ペラペラと勝手に独りでお喋りしてくれるので、ムスってしているだけのその他の男女たちは聞いているだけで楽ちんであった。
黙っていて、彼の話を聞いていれば良いのだから。
「君たちって、ブルネール侯爵令嬢を憎んでいたの?
エドワードを彼女に取られるって嫉妬して、バカみたいにアホな芝居したの?
これって、笑えるでしょう?
あっはははぁー、最高に愉快だったね!」
上機嫌で涙を溜めてまで大爆笑をしている彼は、世間では現在はあまり使われない古い言い方では3高と呼ばれしお方。
背は高く、学園ではエドワードに遠慮なしで首席。
そして、王族より格はやや落ちるが公爵家の嫡男である。
他人から見たら、ムカつくほどの高物件。
それなのに決まった婚約者がいないのは、友人エドワード王子に婚約者が決まった後だと。
自分の相手を探すと、世間には公言している。
この性格を知らない貴族たちからは、まさに将来の国王の右腕と称賛されていた。
『『『お前( 貴方様 )一人だけが、勝手に笑って楽しんでいるんだろうがー』』』
3人は心の中で、偶然にも同じ事を思っていた。
「コホン、エドワード殿下にアンゲロス公爵令息!
お話させて頂いても宜しいでしょうか?」
「私は構わんが、ロバートはどうだい?」
「へぇ~、僕の名をご存知だったとは!?
これは、光栄です。
ゴーダン辺境伯のご令嬢」
彼の名は、ロバート・アンゲロス。
掴みどころがない人物で、堅実で面白味にかけるエドワードとは真逆。
こんな2人が仲いい友人とは、貴族階級では七不思議の1つと裏で噂される。
「ブルネール侯爵令嬢は、マイヤー伯爵令息に色目を使ってました。
エドワード殿下という、婚約者になるかもしれない御方がいらっしゃいますのに…。
私は彼女は、候補になる資格はないと思いますの!」
「殿下、公爵令息。
発言を致しても宜しいでしょうか?」
両者は頷くと、王子は硬直して公爵令息はふくみ笑い。
「ゴーダン辺境伯爵令嬢は、事実を申し上げてます。
人が見てないと油断して、殿方に近寄るから私たちに誤解を招いたんですわ」
めげずにベンガー伯爵令嬢は、先ほどの騒動を正当化してきた。
「うんうん、婚約者になられる可能性があるエドワードに失礼だよね」
アンゲロス公爵令息は、初めは令嬢たちの意見に賛同。
「「そうなんです!!」」
意見を理解してくれた嬉しさに、伯爵令嬢たちは喜びの声をあげた。
「でも、虚偽はしてはいけないよ。
二人が、抱き合っていたとウソを言ってしまった。
結局はそうだろう?」
「ウウッ!ですが…、未来の王子妃として軽薄な行動でございます」
「ベンガー伯爵令嬢のおっしゃる通りです。
私たちはエドワード殿下の他の殿方には、そんな軽はずみな事などはしておりません」
二人は顔を見合わせて、美しい人形の様な無機質な笑みを見せる。
「はぁ、避暑地でゆっくりと心を通わせようとしていたのだ。
その前に、こんな騒ぎになってしまった。残念に思う」
「エドワードは女運ないな。
弱ったな、婚約者候補が全滅しそう。
いっそ、他国に留学でもして他所で探したらどうだい!」
「ロバート、お前こんな場所でそんな話を言うなよ。
ご令嬢たちが、変に困惑するだろう」
前にして男性たちが、自分たちの存在を全否定する。
「な、な、な?何よそれ?!
馬鹿にし過ぎてませんか?
王家から指名されて婚約者候補にされて、されてからは王子妃になる勉強を強制的にしてましたのよ?」
「ベンガー伯爵令嬢が、申されているのは正しいですわ!
私たちは臣下です。
御断りする事も出来ませんのよ!」
怒りが頂点に達する、両候補者であった。
自分に関係ない彼は、三人のやり取りを面白げに見てから大きなアクビをしていた。
「んまぁー、呑気にアクビなどをしてくれて!」
「アンゲロス公爵令息が、気まぐれに面白おかしく私たちを話されたのが悪いんですわ!」
飛び火した火の粉に、ロバートも驚いて隣にいるエドワードに助けを求める。
マティルダたちとは対照的な馬車の旅であるが、夕方前には目的地へ無事に到着できそうだった。
「まるで、お芝居を見ているみたいだったよ。
家族たちが芸術派で、オペラとか音楽観賞してるんだ。
ああ、芝居の劇もね!」
ペラペラと勝手に独りでお喋りしてくれるので、ムスってしているだけのその他の男女たちは聞いているだけで楽ちんであった。
黙っていて、彼の話を聞いていれば良いのだから。
「君たちって、ブルネール侯爵令嬢を憎んでいたの?
エドワードを彼女に取られるって嫉妬して、バカみたいにアホな芝居したの?
これって、笑えるでしょう?
あっはははぁー、最高に愉快だったね!」
上機嫌で涙を溜めてまで大爆笑をしている彼は、世間では現在はあまり使われない古い言い方では3高と呼ばれしお方。
背は高く、学園ではエドワードに遠慮なしで首席。
そして、王族より格はやや落ちるが公爵家の嫡男である。
他人から見たら、ムカつくほどの高物件。
それなのに決まった婚約者がいないのは、友人エドワード王子に婚約者が決まった後だと。
自分の相手を探すと、世間には公言している。
この性格を知らない貴族たちからは、まさに将来の国王の右腕と称賛されていた。
『『『お前( 貴方様 )一人だけが、勝手に笑って楽しんでいるんだろうがー』』』
3人は心の中で、偶然にも同じ事を思っていた。
「コホン、エドワード殿下にアンゲロス公爵令息!
お話させて頂いても宜しいでしょうか?」
「私は構わんが、ロバートはどうだい?」
「へぇ~、僕の名をご存知だったとは!?
これは、光栄です。
ゴーダン辺境伯のご令嬢」
彼の名は、ロバート・アンゲロス。
掴みどころがない人物で、堅実で面白味にかけるエドワードとは真逆。
こんな2人が仲いい友人とは、貴族階級では七不思議の1つと裏で噂される。
「ブルネール侯爵令嬢は、マイヤー伯爵令息に色目を使ってました。
エドワード殿下という、婚約者になるかもしれない御方がいらっしゃいますのに…。
私は彼女は、候補になる資格はないと思いますの!」
「殿下、公爵令息。
発言を致しても宜しいでしょうか?」
両者は頷くと、王子は硬直して公爵令息はふくみ笑い。
「ゴーダン辺境伯爵令嬢は、事実を申し上げてます。
人が見てないと油断して、殿方に近寄るから私たちに誤解を招いたんですわ」
めげずにベンガー伯爵令嬢は、先ほどの騒動を正当化してきた。
「うんうん、婚約者になられる可能性があるエドワードに失礼だよね」
アンゲロス公爵令息は、初めは令嬢たちの意見に賛同。
「「そうなんです!!」」
意見を理解してくれた嬉しさに、伯爵令嬢たちは喜びの声をあげた。
「でも、虚偽はしてはいけないよ。
二人が、抱き合っていたとウソを言ってしまった。
結局はそうだろう?」
「ウウッ!ですが…、未来の王子妃として軽薄な行動でございます」
「ベンガー伯爵令嬢のおっしゃる通りです。
私たちはエドワード殿下の他の殿方には、そんな軽はずみな事などはしておりません」
二人は顔を見合わせて、美しい人形の様な無機質な笑みを見せる。
「はぁ、避暑地でゆっくりと心を通わせようとしていたのだ。
その前に、こんな騒ぎになってしまった。残念に思う」
「エドワードは女運ないな。
弱ったな、婚約者候補が全滅しそう。
いっそ、他国に留学でもして他所で探したらどうだい!」
「ロバート、お前こんな場所でそんな話を言うなよ。
ご令嬢たちが、変に困惑するだろう」
前にして男性たちが、自分たちの存在を全否定する。
「な、な、な?何よそれ?!
馬鹿にし過ぎてませんか?
王家から指名されて婚約者候補にされて、されてからは王子妃になる勉強を強制的にしてましたのよ?」
「ベンガー伯爵令嬢が、申されているのは正しいですわ!
私たちは臣下です。
御断りする事も出来ませんのよ!」
怒りが頂点に達する、両候補者であった。
自分に関係ない彼は、三人のやり取りを面白げに見てから大きなアクビをしていた。
「んまぁー、呑気にアクビなどをしてくれて!」
「アンゲロス公爵令息が、気まぐれに面白おかしく私たちを話されたのが悪いんですわ!」
飛び火した火の粉に、ロバートも驚いて隣にいるエドワードに助けを求める。
マティルダたちとは対照的な馬車の旅であるが、夕方前には目的地へ無事に到着できそうだった。
0
お気に入りに追加
69
あなたにおすすめの小説
命を狙われたお飾り妃の最後の願い
幌あきら
恋愛
【異世界恋愛・ざまぁ系・ハピエン】
重要な式典の真っ最中、いきなりシャンデリアが落ちた――。狙われたのは王妃イベリナ。
イベリナ妃の命を狙ったのは、国王の愛人ジャスミンだった。
短め連載・完結まで予約済みです。設定ゆるいです。
『ベビ待ち』の女性の心情がでてきます。『逆マタハラ』などの表現もあります。苦手な方はお控えください、すみません。

この度、皆さんの予想通り婚約者候補から外れることになりました。ですが、すぐに結婚することになりました。
鶯埜 餡
恋愛
ある事件のせいでいろいろ言われながらも国王夫妻の働きかけで王太子の婚約者候補となったシャルロッテ。
しかし当の王太子ルドウィックはアリアナという男爵令嬢にべったり。噂好きな貴族たちはシャルロッテに婚約者候補から外れるのではないかと言っていたが

「君を愛するつもりはない」と言ったら、泣いて喜ばれた
菱田もな
恋愛
完璧令嬢と名高い公爵家の一人娘シャーロットとの婚約が決まった第二皇子オズワルド。しかし、これは政略結婚で、婚約にもシャーロット自身にも全く興味がない。初めての顔合わせの場で「悪いが、君を愛するつもりはない」とはっきり告げたオズワルドに、シャーロットはなぜか歓喜の涙を浮かべて…?
※他サイトでも掲載中しております。

【完結】もう無理して私に笑いかけなくてもいいですよ?
冬馬亮
恋愛
公爵令嬢のエリーゼは、遅れて出席した夜会で、婚約者のオズワルドがエリーゼへの不満を口にするのを偶然耳にする。
オズワルドを愛していたエリーゼはひどくショックを受けるが、悩んだ末に婚約解消を決意する。
だが、喜んで受け入れると思っていたオズワルドが、なぜか婚約解消を拒否。関係の再構築を提案する。
その後、プレゼント攻撃や突撃訪問の日々が始まるが、オズワルドは別の令嬢をそばに置くようになり・・・
「彼女は友人の妹で、なんとも思ってない。オレが好きなのはエリーゼだ」
「私みたいな女に無理して笑いかけるのも限界だって夜会で愚痴をこぼしてたじゃないですか。よかったですね、これでもう、無理して私に笑いかけなくてよくなりましたよ」

王妃の仕事なんて知りません、今から逃げます!
gacchi
恋愛
側妃を迎えるって、え?聞いてないよ?
王妃の仕事が大変でも頑張ってたのは、レオルドが好きだから。
国への責任感?そんなの無いよ。もういい。私、逃げるから!
12/16加筆修正したものをカクヨムに投稿しました。
君は妾の子だから、次男がちょうどいい
月山 歩
恋愛
侯爵家のマリアは婚約中だが、彼は王都に住み、彼女は片田舎で遠いため会ったことはなかった。でもある時、マリアは妾の子であると知られる。そんな娘は大事な子息とは結婚させられないと、病気療養中の次男との婚約に一方的に変えさせられる。そして次の日には、迎えの馬車がやって来た。

【完結】お父様。私、悪役令嬢なんですって。何ですかそれって。
紅月
恋愛
小説家になろうで書いていたものを加筆、訂正したリメイク版です。
「何故、私の娘が処刑されなければならないんだ」
最愛の娘が冤罪で処刑された。
時を巻き戻し、復讐を誓う家族。
娘は前と違う人生を歩み、家族は元凶へ復讐の手を伸ばすが、巻き戻す前と違う展開のため様々な事が見えてきた。

ある辺境伯の後悔
だましだまし
恋愛
妻セディナを愛する辺境伯ルブラン・レイナーラ。
父親似だが目元が妻によく似た長女と
目元は自分譲りだが母親似の長男。
愛する妻と妻の容姿を受け継いだ可愛い子供たちに囲まれ彼は誰よりも幸せだと思っていた。
愛しい妻が次女を産んで亡くなるまでは…。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる