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第2章
14 ゆっくり寝られない
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子守り要員にされてしまった私は、大きなベッドのある部屋に案内される。
昼食の時の細やかな出来事で、ご令嬢たちとは近寄らずに離れた方が良いと考えた。
「此方になります。
申し訳ないですが、このベッドを皆様で共有でご使用下さい」
私を真ん中にして、川の字で寝れば問題はないわ。
気を使って落ちないよう、ベッドに柵が取り付けられている。
子供用に用意されていたモノだろうか。
「へーえっ、面白いベッドね!
これなら、アドお兄様が落ちる心配はないわ」
「メアリーは、自分のことに置き換えって話してくれているんだな。
お優しい妹で、僕は感動したよ」
王宮でいるよりも碎けた関係になってきていると、マティルダは会話を聞いていて思わず笑いだした。
『こちら側で助かったぁ。
お昼寝時間はいくらなんでも、あの二人は口喧嘩なんてなさらないと願いたい』
「寝間着に着替えますよ」
メイドに私が二人を着替えさせると話すと助かると喜んで部家を出た。
これだけの人数、ましてや王様や王族が集まっても滞在だ。
主人を筆頭に、使用人たちもバタバタしている。
「思いきって部屋を出て、マティルダと旅行に来れてー。
今のところは、僕は楽しいよ」
彼の心からそう話してくれていたら、私も一緒に楽しんで喜べる。
「ふーん、世界は2人のためですか。
今度は、お二人ご一緒に熱中症で倒れますわよ」
「では、いつ倒れても大丈夫なように寝ましょうか」
3人が、スヤスヤと仲良くお昼寝している時間。
かたや、伯爵令嬢同士のバトルが再熱仕掛けていた。
国王が命じた規則を無視し、お昼寝をしないで互いの言うことを聞くのもおぞましい女の戦い。
気持ちいい風に、仄かに花の匂いがどこからか香る。
マティルダは気分よくして寝返りをした時、窓の外から甲高い耳につく複数人の声。
「具合悪く休んでいた私を、叩き起してまでココに呼んで!
貴女は、一体なんなのよ!」
「ゴーダン伯爵令嬢、どうせそれ仮病でしょう!
演技までして、ワザとらしいったらー」
「今ので、ますます具合が悪くなりましたの!」
「あれから、とても気まずい中で食事をしたのよ。
すっかり、私だけが悪者扱いになったわ!」
なに、なんしてるの?
こんな大声な声を出して、寝れなくて最悪だわ。
ちょうど部屋の真下で話してるみたい。
そっと、左右に寝てる天使たちを確認する。
踏みつけないように、ベッドの柵を跨ぎ急ぎ窓際に立つ。
「鹿肉だけの苦手を、全てのお肉を食べれないように言ってくれたわね」
「お肉が食べれなくて、お困りしていたのを助けて差し上げたのですわ。
気遣った私に、すこしは感謝して下さいませ!」
「どうしたら、そんな自分勝手な都合の良いように話せるの?!
栄養失調とか子供のことまで、貴女は私を嫌っているのね!」
二人は気が合わないのは前から知っていたが、口だけで済むだろうか。
このまま熱くなって、どちらが手が先に出て殴り合いの暴力に発展したら…。どうしよう?
ここから呼びかけたら、寝ている2人が起きてしまう。
「うぅ~ん……。もう、起きる時間?!」
メアリー王女が、本当に起きてしまったわ。
コチラの人でない方が、私的には良かったのに~。
「メアリー王女、お静かに。
まだ、寝ていて下さい」
「外が…、なんか騒がしくない。
誰かが、ケンカでもしている?」
「庭師が仕事をしているのかな。
まだ、時間まで寝ましょう。
メアリー様も、ほらっ!」
笑って話題を反らして、彼女を再度寝かすように促した。
「隠してるようで怪しい~、マティルダ!」
窓際に駆け出すと、真下を見て驚く彼女。
「マー、マティルダ!
誰かに、急いで知らせて!
女性二人が、叩いているよ!」
「うへっ!本当に手を出して、殴り合っているのですか!?」
メアリーが下の騒動に目が離せないのか、夢中になり窓から乗り出して落ちそうであった。
「メアリー様、危険でございます!
これ以上乗り出したら、下に落ちてしまいますわ」
腕を後ろに引っ張ると、代わってマティルダが下を覗く。
「髪も乱れて、ドレスも汚れている。
あんな金切り声を出し、誰かに見つかりでもしたらー。
大騒ぎになっちゃうわ!」
急ぎ簡単に着替えられるドレスに着替え始める、マティルダ。
「もう、こっちが早いわよ。
マティルダ、この水差しの水を上からかけちゃえば!
ビックリして驚いて、ケンカをやめて静かになるかもよ」
着替えた終えた彼女は、メアリーの機転になるほどと一瞬そう考えたら。
「メアリー様、それいいです!
水がかかっても、暑くて直ぐに乾きます。
よし、やってみましょう」
水差しに入った水を、窓から勢いよくブン投げる。
「えーい、いーけー~!」
想像以上に彼女は腕力があったのか、水は遠心力でブン飛んでいった。
令嬢たちのケンカは、それで収まりに向かうのか。
それは、かなり疑問である。
昼食の時の細やかな出来事で、ご令嬢たちとは近寄らずに離れた方が良いと考えた。
「此方になります。
申し訳ないですが、このベッドを皆様で共有でご使用下さい」
私を真ん中にして、川の字で寝れば問題はないわ。
気を使って落ちないよう、ベッドに柵が取り付けられている。
子供用に用意されていたモノだろうか。
「へーえっ、面白いベッドね!
これなら、アドお兄様が落ちる心配はないわ」
「メアリーは、自分のことに置き換えって話してくれているんだな。
お優しい妹で、僕は感動したよ」
王宮でいるよりも碎けた関係になってきていると、マティルダは会話を聞いていて思わず笑いだした。
『こちら側で助かったぁ。
お昼寝時間はいくらなんでも、あの二人は口喧嘩なんてなさらないと願いたい』
「寝間着に着替えますよ」
メイドに私が二人を着替えさせると話すと助かると喜んで部家を出た。
これだけの人数、ましてや王様や王族が集まっても滞在だ。
主人を筆頭に、使用人たちもバタバタしている。
「思いきって部屋を出て、マティルダと旅行に来れてー。
今のところは、僕は楽しいよ」
彼の心からそう話してくれていたら、私も一緒に楽しんで喜べる。
「ふーん、世界は2人のためですか。
今度は、お二人ご一緒に熱中症で倒れますわよ」
「では、いつ倒れても大丈夫なように寝ましょうか」
3人が、スヤスヤと仲良くお昼寝している時間。
かたや、伯爵令嬢同士のバトルが再熱仕掛けていた。
国王が命じた規則を無視し、お昼寝をしないで互いの言うことを聞くのもおぞましい女の戦い。
気持ちいい風に、仄かに花の匂いがどこからか香る。
マティルダは気分よくして寝返りをした時、窓の外から甲高い耳につく複数人の声。
「具合悪く休んでいた私を、叩き起してまでココに呼んで!
貴女は、一体なんなのよ!」
「ゴーダン伯爵令嬢、どうせそれ仮病でしょう!
演技までして、ワザとらしいったらー」
「今ので、ますます具合が悪くなりましたの!」
「あれから、とても気まずい中で食事をしたのよ。
すっかり、私だけが悪者扱いになったわ!」
なに、なんしてるの?
こんな大声な声を出して、寝れなくて最悪だわ。
ちょうど部屋の真下で話してるみたい。
そっと、左右に寝てる天使たちを確認する。
踏みつけないように、ベッドの柵を跨ぎ急ぎ窓際に立つ。
「鹿肉だけの苦手を、全てのお肉を食べれないように言ってくれたわね」
「お肉が食べれなくて、お困りしていたのを助けて差し上げたのですわ。
気遣った私に、すこしは感謝して下さいませ!」
「どうしたら、そんな自分勝手な都合の良いように話せるの?!
栄養失調とか子供のことまで、貴女は私を嫌っているのね!」
二人は気が合わないのは前から知っていたが、口だけで済むだろうか。
このまま熱くなって、どちらが手が先に出て殴り合いの暴力に発展したら…。どうしよう?
ここから呼びかけたら、寝ている2人が起きてしまう。
「うぅ~ん……。もう、起きる時間?!」
メアリー王女が、本当に起きてしまったわ。
コチラの人でない方が、私的には良かったのに~。
「メアリー王女、お静かに。
まだ、寝ていて下さい」
「外が…、なんか騒がしくない。
誰かが、ケンカでもしている?」
「庭師が仕事をしているのかな。
まだ、時間まで寝ましょう。
メアリー様も、ほらっ!」
笑って話題を反らして、彼女を再度寝かすように促した。
「隠してるようで怪しい~、マティルダ!」
窓際に駆け出すと、真下を見て驚く彼女。
「マー、マティルダ!
誰かに、急いで知らせて!
女性二人が、叩いているよ!」
「うへっ!本当に手を出して、殴り合っているのですか!?」
メアリーが下の騒動に目が離せないのか、夢中になり窓から乗り出して落ちそうであった。
「メアリー様、危険でございます!
これ以上乗り出したら、下に落ちてしまいますわ」
腕を後ろに引っ張ると、代わってマティルダが下を覗く。
「髪も乱れて、ドレスも汚れている。
あんな金切り声を出し、誰かに見つかりでもしたらー。
大騒ぎになっちゃうわ!」
急ぎ簡単に着替えられるドレスに着替え始める、マティルダ。
「もう、こっちが早いわよ。
マティルダ、この水差しの水を上からかけちゃえば!
ビックリして驚いて、ケンカをやめて静かになるかもよ」
着替えた終えた彼女は、メアリーの機転になるほどと一瞬そう考えたら。
「メアリー様、それいいです!
水がかかっても、暑くて直ぐに乾きます。
よし、やってみましょう」
水差しに入った水を、窓から勢いよくブン投げる。
「えーい、いーけー~!」
想像以上に彼女は腕力があったのか、水は遠心力でブン飛んでいった。
令嬢たちのケンカは、それで収まりに向かうのか。
それは、かなり疑問である。
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