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第1章
18 初めての拒絶
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エドワード王子は、婚約候補の伯爵令嬢とのお茶を楽しんでいた。
あの令嬢は、殿下の他にも懇意にしている男性が数人いたはず。
知らない振りをしていたが、彼女の方から勝手にお喋りして耳に届けてくれる。
王家は存じているかは、私も知らない。
「何を見てるんですか?
お兄様とお嫁さん候補の令嬢だぁ~。
先生は、なんで候補じゃないの?」
「残念ですが、私には婚約者がいます」
「そうなんですか。
マティルダ先生なら、嬉しいのになぁ。
誰になると思います?」
問題を解いていたはずが、席から立って横に来ていた。
「候補者の皆さまは、素敵なご令嬢ばかりです。
メアリー王女と仲良くできると思いますよ」
「ここから見ても、2人はあまり話が弾んでない。
あちゃ~、ご令嬢さん顔が怒ってるうー!」
「こらッ、盗み見は良くないですわ!」
こうして様子を見ている私が、メアリー王女を叱るのはおかしい。
矛盾してますね…。
「はぁ~い!こんな暑いのに、庭でお茶をするからよ。
些細な事で、熱くなって頭がカッカすると思うの」
「クスッ、外は暑いですからね。
気晴らしとは失礼ですが、落ち着いたでしょう。
勉強に戻りますよ!」
「マティルダ先生が、先に見ていたんじゃない。
先生を呼びに来ただけよ」
また勉強を再開するが、エドワード王子は何をしたらあんな雰囲気になっちゃったワケ?!
候補が減ったら、残りが2名か…。
候補が一人も居なくなるなんて、そんなバカなことは無いわよね?
くだらない考えをしながらも、順調にメアリー王女の勉強の過程は進んでいった。
勉強部屋に、遠慮がちなノックの音がする。
誰かが来たようだ。
私たちの授業が終わる手前で、労いのお茶を用意してくれたのかしら?
「終わったと同時にお茶の時間ね。
のどが渇いたし、甘いモノを欲しかったのよ」
「ふふふ、私もよ。
でもおかしいわ、女官なら扉を開けて顔を現すのに…」
2人で互いに顔を見ては、妙だと不思議がるのだった。
「いつもの女官でなく新人で、遠慮して扉を開けないのかも?」
メアリーの意見に賛同して、マティルダは扉を開ける。
女性でなく男性の顔が近くにあり、その人の胸に顔がぶつかりそうになった。
「まぁ、エドワード殿下ではございませんの。
メアリー様に、何かご用ですか?」
「メアリーではない、サンダース伯爵令嬢。
君に、相談があって来たんだ!」
兄の慌てふためく声に興味を抱いて、妹は興奮してしまう。
「なに、なんですの?
お茶していた令嬢に、お兄様はフラれたの?」
マティルダの背後から飛び出てきた妹を見るため、斜め下に顔を動かす表情は曇っていた。
「お前には、まだ早い話だ。
自分の部屋に行ってなさい!」
騒いでいる2人の後ろでは、待ちわびたお菓子を持ってきた顔なじみの女官たち。
兄妹がいがみ合うのを困って、ワゴンを押して入室できずに立ち竦んで
いた。
「イヤですわ。
勉強した後のお菓子だけが、楽しみですのよ。
アフタヌーンティー、ヌーンティーは淑女の嗜みですのよ~」
気持ちはよく分かる。
勉強の後のデザートは格別ですもの。
「メアリー様にお聞かせできない位のお話でしたら、私もご遠慮申し上げます。
場所を移動して、メアリー様。
お茶を致しましょうか?!」
パーッと花開く表情をしてから、兄エドワードを小馬鹿にする顔つきをする。
「うふふ、マティルダ先生。
二人でお勉強会の復習を兼ねて、楽しく語らい合いたいですわね」
手を繋いで勉強部屋を退出する素振りをして、エドワードの横をサッと通り過ぎた。
あの令嬢は、殿下の他にも懇意にしている男性が数人いたはず。
知らない振りをしていたが、彼女の方から勝手にお喋りして耳に届けてくれる。
王家は存じているかは、私も知らない。
「何を見てるんですか?
お兄様とお嫁さん候補の令嬢だぁ~。
先生は、なんで候補じゃないの?」
「残念ですが、私には婚約者がいます」
「そうなんですか。
マティルダ先生なら、嬉しいのになぁ。
誰になると思います?」
問題を解いていたはずが、席から立って横に来ていた。
「候補者の皆さまは、素敵なご令嬢ばかりです。
メアリー王女と仲良くできると思いますよ」
「ここから見ても、2人はあまり話が弾んでない。
あちゃ~、ご令嬢さん顔が怒ってるうー!」
「こらッ、盗み見は良くないですわ!」
こうして様子を見ている私が、メアリー王女を叱るのはおかしい。
矛盾してますね…。
「はぁ~い!こんな暑いのに、庭でお茶をするからよ。
些細な事で、熱くなって頭がカッカすると思うの」
「クスッ、外は暑いですからね。
気晴らしとは失礼ですが、落ち着いたでしょう。
勉強に戻りますよ!」
「マティルダ先生が、先に見ていたんじゃない。
先生を呼びに来ただけよ」
また勉強を再開するが、エドワード王子は何をしたらあんな雰囲気になっちゃったワケ?!
候補が減ったら、残りが2名か…。
候補が一人も居なくなるなんて、そんなバカなことは無いわよね?
くだらない考えをしながらも、順調にメアリー王女の勉強の過程は進んでいった。
勉強部屋に、遠慮がちなノックの音がする。
誰かが来たようだ。
私たちの授業が終わる手前で、労いのお茶を用意してくれたのかしら?
「終わったと同時にお茶の時間ね。
のどが渇いたし、甘いモノを欲しかったのよ」
「ふふふ、私もよ。
でもおかしいわ、女官なら扉を開けて顔を現すのに…」
2人で互いに顔を見ては、妙だと不思議がるのだった。
「いつもの女官でなく新人で、遠慮して扉を開けないのかも?」
メアリーの意見に賛同して、マティルダは扉を開ける。
女性でなく男性の顔が近くにあり、その人の胸に顔がぶつかりそうになった。
「まぁ、エドワード殿下ではございませんの。
メアリー様に、何かご用ですか?」
「メアリーではない、サンダース伯爵令嬢。
君に、相談があって来たんだ!」
兄の慌てふためく声に興味を抱いて、妹は興奮してしまう。
「なに、なんですの?
お茶していた令嬢に、お兄様はフラれたの?」
マティルダの背後から飛び出てきた妹を見るため、斜め下に顔を動かす表情は曇っていた。
「お前には、まだ早い話だ。
自分の部屋に行ってなさい!」
騒いでいる2人の後ろでは、待ちわびたお菓子を持ってきた顔なじみの女官たち。
兄妹がいがみ合うのを困って、ワゴンを押して入室できずに立ち竦んで
いた。
「イヤですわ。
勉強した後のお菓子だけが、楽しみですのよ。
アフタヌーンティー、ヌーンティーは淑女の嗜みですのよ~」
気持ちはよく分かる。
勉強の後のデザートは格別ですもの。
「メアリー様にお聞かせできない位のお話でしたら、私もご遠慮申し上げます。
場所を移動して、メアリー様。
お茶を致しましょうか?!」
パーッと花開く表情をしてから、兄エドワードを小馬鹿にする顔つきをする。
「うふふ、マティルダ先生。
二人でお勉強会の復習を兼ねて、楽しく語らい合いたいですわね」
手を繋いで勉強部屋を退出する素振りをして、エドワードの横をサッと通り過ぎた。
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