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第4章 王家の陰り
第8話 平民の娘心
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幼い頃に領地で過ごしてできた平民の友達を、屋敷へ呼ぶ事にしたプリムローズ。
寒く厳しい季節なので、庭ではなく自分の部屋の中にした。
玄関で待っていると、4人の娘たちが花束を手に持ってやって来た。
「プリム様、お久しぶりー!」
年上の女の子たちは、プリムローズに花束を渡すのである。
「この花、皆で摘んだのよ。
綺麗でしょう?」
「うん、綺麗で可愛い!
外は、寒かったでしょう。
ありがとう、嬉しいよ!
メリー、花瓶に飾って部屋に持って来てね!」
こんなに沢山、寒い中で探すのは大変だろうに。
プリムローズは、目が熱くなるのだった。
「ご挨拶しなくて、いいの?
偉い方いるんでしょう?」
1人の少女が、緊張して聞いてくる。
「平気よ、外出しているから。
さぁさぁ、部屋へ行こう!」
4人の背中を、1人ずつ軽く押す。
「よかった!
プリム様、変わってなくて。
王都の学園に通ったら、私たちを忘れるかなぁと思ったの」
照れて赤い顔をして、プリムローズに話す。
「そんなはずないよ!
王都の学園に友達はいるけどね。
ここにいる皆は、私が辛かった時に出来た友達でしょう。
これからも、大切な友人だよね?!」
娘たちは、嬉しそうにプリムローズに頷く。
お菓子を食べてお茶を飲みながら、楽しい話をした時に思い付いた質問してみることにした。
「あのね、皆もお姫様ドレスを着たい?」
「それは、着てみたいけど高いしね」
「ちょっといい服は、特別な日に着る。
一着あれば、十分だよ」
「背が高くなったり、太ったら着れなくなるよ」
「結婚式は、白いドレスを着るのが夢なの!」
プリムローズは、なるほどと考えた。
よし、ぶっちゃけて聞くぞ。
「汚れてなくて、綺麗な服を買い取って貰い。
そのお金で、新しい服を買えたらどう?」
平民の娘心を知りたかった。
「え~、それなら欲しいよ。
何でそんなことを聞くの?
プリム様?」
説明を詳しく、4人の娘たちに話す。
「でも、王都に行かなくては買えないよね。
2日もかけて行けない」
ガッカリして黙る、少女たち。
「領地に仮店舗を出すよ。
小物の出荷で馬車を出すから、帰りに服を乗せられるわ」
そう話すと明るい表情に変わる、4人の娘たち。
「それなら、パパやママに買ってと頼めるね!」
「うん!サイズや色や金額を教えれば、私が素敵な服を探すから」
喜び嬉しそうな友達を、笑顔で優しく見ていたプリムローズ。
「買わなくても、いいの?」
遠慮がちに聞く女の子は、少し丈の短い服を着ていた。
「いいよ。そしたら、王都で売るから。
決まったら、手紙を出して皆のお家に届けるよ。
屋敷に手紙を持って来たら、王都の私に届くから大丈夫。
わざわざ郵便屋さんに行かなくていいからね!」
お菓子と焼きたてのパンを、お土産に渡した。
皆がもっと、楽な生活が送れます様に。
プリムローズは、友達に手を振り続けた。
休暇が終わりに近づく頃、王都に戻る日になった。
朝からの出発で、屋敷の前には別れを惜しむ人々。
「また、戻ってきて来てくれる。
プリム様!!」
「うん、今度は夏休みだね。
皆で今度は、釣りでもしょう!」
愛馬ヴァンブランに乗り、皆が見えなくなるまで手を振った。
馬車を停めて貰い、ヴァンブランを行きと同じく馬車の後ろに繋いで走らせた。
「1ヶ月って、あっという間でしたわね」
プリムローズは、領地の事を思い出しながら話す。
「王都より、領地が良いかのう」
祖父は、悲しい顔をする。
「そんな事はございませんよ。
しかし、気が張ります。
王都の生活にまだ慣れていないのかも知れませんわ」
「そうだわ。店の件で友人から手紙がきました。
彼女の屋敷では、どうかと書いてありましたわ」
祖母は、驚く孫を見た。
「王都に屋敷兼店舗で、仕立て屋をしていたのよ。
今は店を閉めていてね。
そこに住んでいるわ。
結構、広さはあるのよ。
プリムの好きな、お得でしょう!」
祖母は、孫娘に片目をつぶって見せた。
祖父母に、平民の友人たちの会話を聞かせる。
「そうか、婚礼の衣装が夢か。貴族と平民じゃ格差は、天と地の差じゃ。
彼女らに安く夢の服が着られる。
そんな世にしたいものじゃな」
少し悲しげな表情する祖父。
「ええ、貴方。
私たちの領地からでも、目指しましょう」
祖母は祖父に、自分の手を添えた。
「それにしても、何とついているのでしょう。
言ったことが、どんどん形になっていくわ」
プリムローズは、驚きしかなかった。
「悪いことをするのではない。人々を幸福にする店じゃあ。
もしかしたら、神が後押しをしてくれたのであろう」
祖父は、慈愛の目をプリムローズに向けた。
そんな話をしながら、馬車の中は盛り上がっている。
祖母は、祖国の王族にも手紙を書いていたようだ。
次の休みは、大国アルゴラに行く予定が決定した。
プリムローズは、アルゴラでは特別な存在である。
まさしく、神のような扱い。
祖母はアルゴラの王妃にしたかったが、プリムローズの意思に任せてある。
これから波乱に満ちた、王都はすぐ目の前に近づく。
寒く厳しい季節なので、庭ではなく自分の部屋の中にした。
玄関で待っていると、4人の娘たちが花束を手に持ってやって来た。
「プリム様、お久しぶりー!」
年上の女の子たちは、プリムローズに花束を渡すのである。
「この花、皆で摘んだのよ。
綺麗でしょう?」
「うん、綺麗で可愛い!
外は、寒かったでしょう。
ありがとう、嬉しいよ!
メリー、花瓶に飾って部屋に持って来てね!」
こんなに沢山、寒い中で探すのは大変だろうに。
プリムローズは、目が熱くなるのだった。
「ご挨拶しなくて、いいの?
偉い方いるんでしょう?」
1人の少女が、緊張して聞いてくる。
「平気よ、外出しているから。
さぁさぁ、部屋へ行こう!」
4人の背中を、1人ずつ軽く押す。
「よかった!
プリム様、変わってなくて。
王都の学園に通ったら、私たちを忘れるかなぁと思ったの」
照れて赤い顔をして、プリムローズに話す。
「そんなはずないよ!
王都の学園に友達はいるけどね。
ここにいる皆は、私が辛かった時に出来た友達でしょう。
これからも、大切な友人だよね?!」
娘たちは、嬉しそうにプリムローズに頷く。
お菓子を食べてお茶を飲みながら、楽しい話をした時に思い付いた質問してみることにした。
「あのね、皆もお姫様ドレスを着たい?」
「それは、着てみたいけど高いしね」
「ちょっといい服は、特別な日に着る。
一着あれば、十分だよ」
「背が高くなったり、太ったら着れなくなるよ」
「結婚式は、白いドレスを着るのが夢なの!」
プリムローズは、なるほどと考えた。
よし、ぶっちゃけて聞くぞ。
「汚れてなくて、綺麗な服を買い取って貰い。
そのお金で、新しい服を買えたらどう?」
平民の娘心を知りたかった。
「え~、それなら欲しいよ。
何でそんなことを聞くの?
プリム様?」
説明を詳しく、4人の娘たちに話す。
「でも、王都に行かなくては買えないよね。
2日もかけて行けない」
ガッカリして黙る、少女たち。
「領地に仮店舗を出すよ。
小物の出荷で馬車を出すから、帰りに服を乗せられるわ」
そう話すと明るい表情に変わる、4人の娘たち。
「それなら、パパやママに買ってと頼めるね!」
「うん!サイズや色や金額を教えれば、私が素敵な服を探すから」
喜び嬉しそうな友達を、笑顔で優しく見ていたプリムローズ。
「買わなくても、いいの?」
遠慮がちに聞く女の子は、少し丈の短い服を着ていた。
「いいよ。そしたら、王都で売るから。
決まったら、手紙を出して皆のお家に届けるよ。
屋敷に手紙を持って来たら、王都の私に届くから大丈夫。
わざわざ郵便屋さんに行かなくていいからね!」
お菓子と焼きたてのパンを、お土産に渡した。
皆がもっと、楽な生活が送れます様に。
プリムローズは、友達に手を振り続けた。
休暇が終わりに近づく頃、王都に戻る日になった。
朝からの出発で、屋敷の前には別れを惜しむ人々。
「また、戻ってきて来てくれる。
プリム様!!」
「うん、今度は夏休みだね。
皆で今度は、釣りでもしょう!」
愛馬ヴァンブランに乗り、皆が見えなくなるまで手を振った。
馬車を停めて貰い、ヴァンブランを行きと同じく馬車の後ろに繋いで走らせた。
「1ヶ月って、あっという間でしたわね」
プリムローズは、領地の事を思い出しながら話す。
「王都より、領地が良いかのう」
祖父は、悲しい顔をする。
「そんな事はございませんよ。
しかし、気が張ります。
王都の生活にまだ慣れていないのかも知れませんわ」
「そうだわ。店の件で友人から手紙がきました。
彼女の屋敷では、どうかと書いてありましたわ」
祖母は、驚く孫を見た。
「王都に屋敷兼店舗で、仕立て屋をしていたのよ。
今は店を閉めていてね。
そこに住んでいるわ。
結構、広さはあるのよ。
プリムの好きな、お得でしょう!」
祖母は、孫娘に片目をつぶって見せた。
祖父母に、平民の友人たちの会話を聞かせる。
「そうか、婚礼の衣装が夢か。貴族と平民じゃ格差は、天と地の差じゃ。
彼女らに安く夢の服が着られる。
そんな世にしたいものじゃな」
少し悲しげな表情する祖父。
「ええ、貴方。
私たちの領地からでも、目指しましょう」
祖母は祖父に、自分の手を添えた。
「それにしても、何とついているのでしょう。
言ったことが、どんどん形になっていくわ」
プリムローズは、驚きしかなかった。
「悪いことをするのではない。人々を幸福にする店じゃあ。
もしかしたら、神が後押しをしてくれたのであろう」
祖父は、慈愛の目をプリムローズに向けた。
そんな話をしながら、馬車の中は盛り上がっている。
祖母は、祖国の王族にも手紙を書いていたようだ。
次の休みは、大国アルゴラに行く予定が決定した。
プリムローズは、アルゴラでは特別な存在である。
まさしく、神のような扱い。
祖母はアルゴラの王妃にしたかったが、プリムローズの意思に任せてある。
これから波乱に満ちた、王都はすぐ目の前に近づく。
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