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第4章 王家の陰り
第27話 別れ (最終話)
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次期王が王宮に入ってから1週間後、新王が何事もなく即位した。
臣下になった前王が、新たな領地へ出発する。
次期宰相は、祖父の戦友前ブロイ公爵の息子に決まった。
我がクラレンス家の後押しで、決定したと言ってよい。
祖父は、私たち家族にその経緯を話し聞かせた。
「新王と宰相は、我が家には頭があがらぬ。
もうこの国では、我がクラレンスに逆らう者はおるまい!
ウァーハハハ!」
怖い、私がどうやら学園では影の女王様と呼ばれているらしいと兄がこの時に教えてくれた。
「では、お兄様は王様ね」
私は明るく兄に言うと、首を振って否定した。
「小さな女王に使える、侍従長と呼ばれているみたいだよ。
せめて近衛隊長がよかったよ。ハハハ」
力なく笑う兄は、何故か肩を落としていた。
本日、父の元宰相が子爵になり元は王であった方について行く。
プリムローズ達との別れである。
父の子爵が、礼儀を無視して私に声をかける。
実の親だし、最後は広い心で話を伺うつもりでいた。
「プリムローズ、私はお前をどう愛してよいのか分からなかった。
上の2人の時はまだ自分に余裕があり、初めて出来た娘と男の子。
時が過ぎて、君が生まれた。
生まれ直ぐに宰相になり仕事ばかりし、君を疎かにした。
溝ができ、この結果だ。
こんな父を許せとは言えぬが、いつか会いに来てくれないだろうか?!」
父は言葉を選び、慎重に私に向かい語る。
素直に聞けない。
何故なら、全てが遅すぎたのだ。
心の中に葛藤が生まれていた。
「父上…、私は3歳の時に寂しく時を過ごしました。
8歳で戻った時にも、貴方からお帰りも言ってくれませんでした。
あの時、何を言ったか覚えていますか?」
考えているのだろうか、静かになる。
「すまない…。
何も覚えてない」
「プリムローズ。
第1王子の婚約者を決めるかもしれないお茶会が開かれる。
お前とは歳が近い。
好かれるように励みなさい。
確か、こんな感じでした」
父の顔を見ながら、娘はあのときを思いだし話した。
「酷い、父親だ!」
暗い表情でまた下を向く、父クリストファー。
「お互いに、時がいつか溝を埋めるでしょう。
それまで、どうかご健勝でー」
父から顔を背けて、母と姉に話しかける。
「母上、姉上。
どうか元気で、遠くから幸せを願っています」
「ええ、お前たちもね。
プリムローズ、ブライアン」
母から別れの言葉を貰ったが、姉からはなかった。
どうやら姉は、この現状に不満らしい。
最後まで頑なに、無言を貫いていた。
質素な馬車に向かい、3人は歩いて行くのだった。
「クラレンス公爵令嬢。
最後に、少し宜しいでしょうか?」
元第1王子アルフレッドが、プリムローズに声かけ話をする。
「ええ、どうぞ。許します」
私が許可すると、私にたいして頭を下げる。
ちょっと前は私がお伺いをしてから話していたが、立場がすっかり逆転してしまった。
「私は貴女に嫉妬した。
罪を犯して、自分の持つ全てを…。
いや、家族は失っていない!
王子としての立場だけを失った」
私は彼の目を真っ直ぐに見て、今どうしても聞きたいことを聞いた。
「貴方は私が憎い?」
「勝てない相手に手を出したのは、愚かな私だ。
いつかまた会えたらー。今度は友人になりたい!
心からの本当の気持ちだ」
彼は、自分に正直な清い心を持っている。
だからこそ罪を犯し、今があるのだろう。
単純だが、私がいなくなればと…。
「いいですよ。
私は、無能な人は側に置かないから頑張ってね。
ご家族を大切にして下さい。
ご健勝で、また会いましょう」
もと第一王子は、澄みきった笑顔を私に返してきた。
きっと、このまま真っ直ぐに生きるだろう。
私こそ彼に、悔しいが嫉妬していたのかもしれない!
私たちと王族とその他の見送りの者たちで、小さくなる馬車を見送った。
その中には、近衛隊長の娘であるエレナ・バークレイ伯爵令嬢の姿があった。
元々バークレイ伯爵は、婿養子だったそうでこの件で離縁したそうだ。
母がバークレイ伯爵を継承して、娘はそのまま伯爵令嬢になる。
祖父のグレゴリーがバークレイ家を思いやり、新王に特別に掛け合ってくれたそうだ。
エレナはプリムローズに、その事でお礼を言ってくる。
2人の娘たちは、父を見送る思いを共有していた。
その表情は悲しいのかそうでないのかは、2人の心中でしか図れなかった。
「行ったな……。
厳しい生活が待っているようじゃな」
祖父が見晴らしの良い丘から、出発する連なる馬車を見て言う。
「お祖父様!
いつか荒れ地がよくなり、私たちの耳に届きましたら会いにいきませんか?!」
祖父グレゴリーは、少し驚きの顔をプリムローズに向ける。
「許すと考えてよいのか?!
プリムローズよ」
私は小さくなっていく馬車の列を見て、祖父に今の気持ちを伝えた。
そして、だんだん見えなくなる馬車の列をじっと見つづける。
「お祖父様、おばあ様、お兄様!
皆さんもお会いしたいでしょう?生まれかわった家族を、人は変われるとー。
私はそれを信じておりますわ」
「あぁ、そうじゃの。
さぁー、帰るか屋敷にー!
その前にカリスに寄ろう。
儂は何か、甘いもんが食いとうなったぞぉ!」
「良いですわね。私もですわ!」
祖母はいつもより明るく、祖父に笑いかけて賛同し頷いた。
「うん!私はブランデーを少し入れた。
バウンドケーキが良いなぁ!」
「うっふふ、お兄様ったら!
私は生クリームたっぷりの、飛びっきり甘いケーキに致しましょう」
馬車に戻る前を歩く3人を見て、プリムローズは歩みをやめて1人振り返る。
姿かたちが無くなり、ただの道を見ていた。
彼女には、まだ家族の乗った馬車は残像として目に焼き付いているのかもしれない。
また、いつか会える日が訪れるのかしら?
いつもと違うワインレッド色の瞳が、ちょっとだけ潤んでいた。
突然一陣の風が吹くと彼女の長い銀髪が乱れ輝く、その輝きはそれだけでない様に見える。
前よりももっと家族と離れてしまったみたいだと、プリムローズは胸の痛みを感じ思うのだった。
ー 完 ー
新たなる王室編に続く
臣下になった前王が、新たな領地へ出発する。
次期宰相は、祖父の戦友前ブロイ公爵の息子に決まった。
我がクラレンス家の後押しで、決定したと言ってよい。
祖父は、私たち家族にその経緯を話し聞かせた。
「新王と宰相は、我が家には頭があがらぬ。
もうこの国では、我がクラレンスに逆らう者はおるまい!
ウァーハハハ!」
怖い、私がどうやら学園では影の女王様と呼ばれているらしいと兄がこの時に教えてくれた。
「では、お兄様は王様ね」
私は明るく兄に言うと、首を振って否定した。
「小さな女王に使える、侍従長と呼ばれているみたいだよ。
せめて近衛隊長がよかったよ。ハハハ」
力なく笑う兄は、何故か肩を落としていた。
本日、父の元宰相が子爵になり元は王であった方について行く。
プリムローズ達との別れである。
父の子爵が、礼儀を無視して私に声をかける。
実の親だし、最後は広い心で話を伺うつもりでいた。
「プリムローズ、私はお前をどう愛してよいのか分からなかった。
上の2人の時はまだ自分に余裕があり、初めて出来た娘と男の子。
時が過ぎて、君が生まれた。
生まれ直ぐに宰相になり仕事ばかりし、君を疎かにした。
溝ができ、この結果だ。
こんな父を許せとは言えぬが、いつか会いに来てくれないだろうか?!」
父は言葉を選び、慎重に私に向かい語る。
素直に聞けない。
何故なら、全てが遅すぎたのだ。
心の中に葛藤が生まれていた。
「父上…、私は3歳の時に寂しく時を過ごしました。
8歳で戻った時にも、貴方からお帰りも言ってくれませんでした。
あの時、何を言ったか覚えていますか?」
考えているのだろうか、静かになる。
「すまない…。
何も覚えてない」
「プリムローズ。
第1王子の婚約者を決めるかもしれないお茶会が開かれる。
お前とは歳が近い。
好かれるように励みなさい。
確か、こんな感じでした」
父の顔を見ながら、娘はあのときを思いだし話した。
「酷い、父親だ!」
暗い表情でまた下を向く、父クリストファー。
「お互いに、時がいつか溝を埋めるでしょう。
それまで、どうかご健勝でー」
父から顔を背けて、母と姉に話しかける。
「母上、姉上。
どうか元気で、遠くから幸せを願っています」
「ええ、お前たちもね。
プリムローズ、ブライアン」
母から別れの言葉を貰ったが、姉からはなかった。
どうやら姉は、この現状に不満らしい。
最後まで頑なに、無言を貫いていた。
質素な馬車に向かい、3人は歩いて行くのだった。
「クラレンス公爵令嬢。
最後に、少し宜しいでしょうか?」
元第1王子アルフレッドが、プリムローズに声かけ話をする。
「ええ、どうぞ。許します」
私が許可すると、私にたいして頭を下げる。
ちょっと前は私がお伺いをしてから話していたが、立場がすっかり逆転してしまった。
「私は貴女に嫉妬した。
罪を犯して、自分の持つ全てを…。
いや、家族は失っていない!
王子としての立場だけを失った」
私は彼の目を真っ直ぐに見て、今どうしても聞きたいことを聞いた。
「貴方は私が憎い?」
「勝てない相手に手を出したのは、愚かな私だ。
いつかまた会えたらー。今度は友人になりたい!
心からの本当の気持ちだ」
彼は、自分に正直な清い心を持っている。
だからこそ罪を犯し、今があるのだろう。
単純だが、私がいなくなればと…。
「いいですよ。
私は、無能な人は側に置かないから頑張ってね。
ご家族を大切にして下さい。
ご健勝で、また会いましょう」
もと第一王子は、澄みきった笑顔を私に返してきた。
きっと、このまま真っ直ぐに生きるだろう。
私こそ彼に、悔しいが嫉妬していたのかもしれない!
私たちと王族とその他の見送りの者たちで、小さくなる馬車を見送った。
その中には、近衛隊長の娘であるエレナ・バークレイ伯爵令嬢の姿があった。
元々バークレイ伯爵は、婿養子だったそうでこの件で離縁したそうだ。
母がバークレイ伯爵を継承して、娘はそのまま伯爵令嬢になる。
祖父のグレゴリーがバークレイ家を思いやり、新王に特別に掛け合ってくれたそうだ。
エレナはプリムローズに、その事でお礼を言ってくる。
2人の娘たちは、父を見送る思いを共有していた。
その表情は悲しいのかそうでないのかは、2人の心中でしか図れなかった。
「行ったな……。
厳しい生活が待っているようじゃな」
祖父が見晴らしの良い丘から、出発する連なる馬車を見て言う。
「お祖父様!
いつか荒れ地がよくなり、私たちの耳に届きましたら会いにいきませんか?!」
祖父グレゴリーは、少し驚きの顔をプリムローズに向ける。
「許すと考えてよいのか?!
プリムローズよ」
私は小さくなっていく馬車の列を見て、祖父に今の気持ちを伝えた。
そして、だんだん見えなくなる馬車の列をじっと見つづける。
「お祖父様、おばあ様、お兄様!
皆さんもお会いしたいでしょう?生まれかわった家族を、人は変われるとー。
私はそれを信じておりますわ」
「あぁ、そうじゃの。
さぁー、帰るか屋敷にー!
その前にカリスに寄ろう。
儂は何か、甘いもんが食いとうなったぞぉ!」
「良いですわね。私もですわ!」
祖母はいつもより明るく、祖父に笑いかけて賛同し頷いた。
「うん!私はブランデーを少し入れた。
バウンドケーキが良いなぁ!」
「うっふふ、お兄様ったら!
私は生クリームたっぷりの、飛びっきり甘いケーキに致しましょう」
馬車に戻る前を歩く3人を見て、プリムローズは歩みをやめて1人振り返る。
姿かたちが無くなり、ただの道を見ていた。
彼女には、まだ家族の乗った馬車は残像として目に焼き付いているのかもしれない。
また、いつか会える日が訪れるのかしら?
いつもと違うワインレッド色の瞳が、ちょっとだけ潤んでいた。
突然一陣の風が吹くと彼女の長い銀髪が乱れ輝く、その輝きはそれだけでない様に見える。
前よりももっと家族と離れてしまったみたいだと、プリムローズは胸の痛みを感じ思うのだった。
ー 完 ー
新たなる王室編に続く
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◆◇◇◇ ◇◇◇◇ ◇◇◇◆
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そしてイチャラブが甘いです。砂糖吐くというより、砂糖垂れ流しです(笑)
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感想を有難うございます。
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