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第3章 学園生活
第9話 お騒がせ令嬢突撃!
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突然に、開けられた扉を凝視する。
プリムローズとクラスメートたち。
「ちょっとー!
プリムローズってどんな子よ?この私に、顔を見せなさいよ」
にんじん色の髪と青い目をした少女が、怖い顔をして勢いよく入ってきた。
空の色が、急激に変わり暗くなる。
そして、雷が鳴る気分が教室に広がり始めた。
その後ろでぺこぺこする、2人の少女たち。
彼女にいけません、帰りましょうと小声で諌めている。
「プリムローズ様!
あの者を、どう料理いたしますか?!」
フローラがマジ顔で、プリムローズにお伺いを立てる。
「ふ~ん、そうね?!
停学一週間ってところかしらね?
3人の友人たちは、私を助けてくれるわよねぇ~?!」
3人の女子生徒たちに、人を殺せそうな目を鋭く向けた。
すぐさま、首を振り続ける3人。
「そこにいる、貴女!
どう見ても、初等部よね?
ここはどこか、ご存知?
いまは、授業中ではなくて?」
プリムローズは、彼女の前に立ちはだかる。
「あんた、なによ!
ちょっと、見た目がいいからって生意気ね。
自習で暇なので来たのよ。
なんか、文句あるの?!」
まずい、この方マジ怖いから!
無事では済まされないよ。
クラスメートたちは、一斉に急に震えだした。
「あるわよ。
これは、学園違反です!
学部をまたいでの移動は、禁止されてます。
まして、自習中はクラスから出てはいけないでしょう」
目線はプリムローズの方が、突撃娘より少し高かった。
威圧感は半端なく、クラス全体が凍った。
「私は、未来の王太子妃で王妃になるのよ!
無礼者ー!」
「へぇ~、いつ決まったの?!私、聞いてないわよ。
筆頭公爵令嬢の私がー!
知らないことがあるのね?
教えて下さって、ご親切にどうもありがとう」
話すと振り返り、クラスメートたちにお伺いをたてた。
「皆さまは、知ってまして?
私に知らないことが、起きているそうよ!」
笑顔で話すが、目は笑っていなかった。
クラスメート一同は、首を左右に振り応えた。
プリムローズは目で、赤毛や黒毛と3人の友人たちに指示を出す。
赤毛と黒毛は前後の扉に行き、外を見張り始めた。
突撃娘が連れてきた2人の友達の拘束を、密かに友人たちに頼んだ。
「貴女、嘘をつかないで!
皆さま知らないそうよ。
思い込みって怖いわね。
殿下に御迷惑をお掛けしているんではなくて?!」
「父も母も、王様と王妃様だって私が可愛いって仰ってたわ」
必死に、プリムローズに食ってかかった。
「ふーん、それってその場のノリでしょう。
貴女、それ本当に信じてるの。
それから私に、気安く話しかけないでくれる。
貴女に許しを与えてないわ」
「え!許しって、私はー」
お付きの少女たちは、直ぐに気づいた。
「おやめ下さい、シャーロット様!
この方に、絶対に逆らってはいけません。
今すぐに、お名前とお辞儀して下さいませ」
目に涙を溜めて、真剣に説得していた。
「あ~らっ!貴女シャーロットっていうお名前?!
爵位は、私たち初対面ですわよね?!」
「貴女が先でしょう!
私より身分が低いくせにー」
愚かな令嬢は言ってはいけない、暴言を吐いてしまった。
「ハァ~?!いないわよ!!
王族以外は!
貴女、頭大丈夫?!
お友だちは、私に気づいたみたいよ?!」
プリムローズは、目を吊り上げて睨んだ。
「まさか!
貴女がプリムローズなの?」
目を見開いて、プリムローズを見て呟いた。
「そうですわ!
だったら、貴女より上よね。
さぁ、名を名乗りって頭を下げて謝罪してね?!」
口角を上げてニャッと笑った。
「貴女まだ9歳、身長が私より高いわ!
11歳の私よりも。
それに変よ?貴女が何で中等部3年なの?!」
動揺して話が上手くまとまらない、吃りながらプリムローズに言う。
「なにそれ、意味不明?
私は、祖父に似て背が高いのよ。
これからは、わからないけどね。
1ヶ月で3cmも伸びたわ。
学力も本当は、高等部最終学年の実力よ。
学園がどうしてもと頭を下げるから、中等部にきたのよ。
馬鹿な貴女と、一緒にしないで頂戴なぁ」
怒鳴り付けられ、シャーロットは一歩後ろに引いた。
哀れな令嬢の悲劇は、今ここから始まったのだ。
プリムローズとクラスメートたち。
「ちょっとー!
プリムローズってどんな子よ?この私に、顔を見せなさいよ」
にんじん色の髪と青い目をした少女が、怖い顔をして勢いよく入ってきた。
空の色が、急激に変わり暗くなる。
そして、雷が鳴る気分が教室に広がり始めた。
その後ろでぺこぺこする、2人の少女たち。
彼女にいけません、帰りましょうと小声で諌めている。
「プリムローズ様!
あの者を、どう料理いたしますか?!」
フローラがマジ顔で、プリムローズにお伺いを立てる。
「ふ~ん、そうね?!
停学一週間ってところかしらね?
3人の友人たちは、私を助けてくれるわよねぇ~?!」
3人の女子生徒たちに、人を殺せそうな目を鋭く向けた。
すぐさま、首を振り続ける3人。
「そこにいる、貴女!
どう見ても、初等部よね?
ここはどこか、ご存知?
いまは、授業中ではなくて?」
プリムローズは、彼女の前に立ちはだかる。
「あんた、なによ!
ちょっと、見た目がいいからって生意気ね。
自習で暇なので来たのよ。
なんか、文句あるの?!」
まずい、この方マジ怖いから!
無事では済まされないよ。
クラスメートたちは、一斉に急に震えだした。
「あるわよ。
これは、学園違反です!
学部をまたいでの移動は、禁止されてます。
まして、自習中はクラスから出てはいけないでしょう」
目線はプリムローズの方が、突撃娘より少し高かった。
威圧感は半端なく、クラス全体が凍った。
「私は、未来の王太子妃で王妃になるのよ!
無礼者ー!」
「へぇ~、いつ決まったの?!私、聞いてないわよ。
筆頭公爵令嬢の私がー!
知らないことがあるのね?
教えて下さって、ご親切にどうもありがとう」
話すと振り返り、クラスメートたちにお伺いをたてた。
「皆さまは、知ってまして?
私に知らないことが、起きているそうよ!」
笑顔で話すが、目は笑っていなかった。
クラスメート一同は、首を左右に振り応えた。
プリムローズは目で、赤毛や黒毛と3人の友人たちに指示を出す。
赤毛と黒毛は前後の扉に行き、外を見張り始めた。
突撃娘が連れてきた2人の友達の拘束を、密かに友人たちに頼んだ。
「貴女、嘘をつかないで!
皆さま知らないそうよ。
思い込みって怖いわね。
殿下に御迷惑をお掛けしているんではなくて?!」
「父も母も、王様と王妃様だって私が可愛いって仰ってたわ」
必死に、プリムローズに食ってかかった。
「ふーん、それってその場のノリでしょう。
貴女、それ本当に信じてるの。
それから私に、気安く話しかけないでくれる。
貴女に許しを与えてないわ」
「え!許しって、私はー」
お付きの少女たちは、直ぐに気づいた。
「おやめ下さい、シャーロット様!
この方に、絶対に逆らってはいけません。
今すぐに、お名前とお辞儀して下さいませ」
目に涙を溜めて、真剣に説得していた。
「あ~らっ!貴女シャーロットっていうお名前?!
爵位は、私たち初対面ですわよね?!」
「貴女が先でしょう!
私より身分が低いくせにー」
愚かな令嬢は言ってはいけない、暴言を吐いてしまった。
「ハァ~?!いないわよ!!
王族以外は!
貴女、頭大丈夫?!
お友だちは、私に気づいたみたいよ?!」
プリムローズは、目を吊り上げて睨んだ。
「まさか!
貴女がプリムローズなの?」
目を見開いて、プリムローズを見て呟いた。
「そうですわ!
だったら、貴女より上よね。
さぁ、名を名乗りって頭を下げて謝罪してね?!」
口角を上げてニャッと笑った。
「貴女まだ9歳、身長が私より高いわ!
11歳の私よりも。
それに変よ?貴女が何で中等部3年なの?!」
動揺して話が上手くまとまらない、吃りながらプリムローズに言う。
「なにそれ、意味不明?
私は、祖父に似て背が高いのよ。
これからは、わからないけどね。
1ヶ月で3cmも伸びたわ。
学力も本当は、高等部最終学年の実力よ。
学園がどうしてもと頭を下げるから、中等部にきたのよ。
馬鹿な貴女と、一緒にしないで頂戴なぁ」
怒鳴り付けられ、シャーロットは一歩後ろに引いた。
哀れな令嬢の悲劇は、今ここから始まったのだ。
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第2作目を7月17日より投稿しております。「君はバラより美しく!ドクダミよりもたくましい?」謎の宝石商の秘密を書いております。もし宜しければ、お読み下さると嬉しく思います。宜しく、お願い致します。
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