48 / 91
第3章 学園生活
第7話 赤毛との別れ
しおりを挟む
あれから引っ越して、新店舗の準備を同時に行った結果。
意外に早くすべて整った。
3階は私たちの居住スペース、1階と2階はお店に使われる。
メイドたちは屋敷に住めないので、近くの家を各々借りる事になった。
近くに少し小さめの屋敷が欲しいと、祖父母が考えてるようで物件を探しまくっていた。
ちょうど運良く5軒先に、伯爵の屋敷の売出し物件を見つけた。
今は住んでいて中は見られないが、祖父母が知り合いに聞いたらいい物件らしい。
祖父母はメイドたちと侍従たちと、離れるのが不便で面倒だと買う気満々だ。
将来は価値が上がりそうな土地で、投資になるみたい。
祖父母はニヤニヤした顔で、嬉しそうに話している。
「急ですわね?
何か家で、問題でもおありかしら?」
「どうも嫡男が身分の上のご令嬢と問題があり、伯爵の王都の事業に影響が出たらしい。
もともと、領地経営は良いらしいから出直すらしいぞ。
よくある普通の話じゃあな」
祖父は、顎を手に当てながら教えてくれた。
「まぁまぁ!お幾つなのか知りませんが、やんちゃが過ぎましたことですこと!ホーホホッ」
祖母も呆れた顔で、得意の高笑いをしながら話に入ってきた。
「また、引っ越しですの?!
落ち着きませんわね。
お二人のお体が、私は心配でしてよ?
体調は如何ですか?!」
「おおっ、優しい孫娘じゃ!
無理はしないので、安心いたせ」
家の話は、ここで一先ずは終わっていた。
しかし、この家は曰く付きの物件になる。
プリムローズもこの時は、まだ思いもよらなかった。
新店舗オープン前のお茶会の準備が進み、名前が2人の前公爵からプリムローズに伝えられた。
「カリス」と、名付けられた。
美と優雅を司る女神たちの意味。
これには、夫人たちもプリムローズもウットリする。
貴族の夫人たちがお茶をするのに、相応しいと喜びましたわ。
翌日機嫌よく学園に行き教室に入ると、何やら様子がおかしいですね?!
赤毛と黒毛のまわりに男子生徒たちが集まっていて、哀愁が漂っていますこと。
「おはようございます。プリムローズ様!」
リザが近寄り、プリムローズに挨拶をしてくる。
「ええ、おはよう!
いつも可愛い髪型ね、リザ様?あれは、なんの集まりかしら?曇り空のように、どんよりとした空気ですわね?!」
「どうも赤毛が領地に、一家で引っ越するみたいですの」
「えっ!王都から、学園から消えるってこと?!
あらまぁ、急ねぇ~!
何故なのかしら?」
プリムローズは本当にわからないのか、不思議そうに眉を潜めている。
クラスメートたちは、まさに心が1つになった瞬間であった。
貴女さまのせいですわ!
お前のせいだよ!
「では、私も別れを惜しまないとね?!
ホントに残念だわぁ!」
空気が読めないし、読まない彼女である。
「赤毛ー!そなた、王都から離れると伺いました。
色々ありましたが、そなたの私に対する。
その暴挙や気概は、勝算に値する。
お見事です、達者で過ごすのですよ!」
色々と突っ込みどころが多い別れの挨拶を、静かに聞くクラスメートたち。
「俺も!貴女さまから、身分の上下を肌で感じ勉強しました。絶対に一生忘れません!!」
プリムローズに深く頭を下げる赤毛の姿に、皆は複雑な気分になった。
「遠く離れても、僕たちの友情は続くよ!
手紙を書くからなぁ~!」
黒毛は、悲しげに赤毛に話しかける。
「うん、有り難う!
家も売って無いけど、俺の領地に遊びに来てくれよ!」
赤毛は、親友の黒毛の肩を優しく叩く。
まさに、美しい友情!
クラスメイトたちは、二人を尊い者も見る目つきで眺めていた。
はい?!家を売る?!
プリムローズは、祖父母の買った家を思い出す。
確か、え~っと!
嫡男が身分の高い令嬢って、赤毛と私のことに似ているわね。
まさかなのかしら?
プリムローズの何気ない質問から、教室内に騒ぎにもたらすのである。
意外に早くすべて整った。
3階は私たちの居住スペース、1階と2階はお店に使われる。
メイドたちは屋敷に住めないので、近くの家を各々借りる事になった。
近くに少し小さめの屋敷が欲しいと、祖父母が考えてるようで物件を探しまくっていた。
ちょうど運良く5軒先に、伯爵の屋敷の売出し物件を見つけた。
今は住んでいて中は見られないが、祖父母が知り合いに聞いたらいい物件らしい。
祖父母はメイドたちと侍従たちと、離れるのが不便で面倒だと買う気満々だ。
将来は価値が上がりそうな土地で、投資になるみたい。
祖父母はニヤニヤした顔で、嬉しそうに話している。
「急ですわね?
何か家で、問題でもおありかしら?」
「どうも嫡男が身分の上のご令嬢と問題があり、伯爵の王都の事業に影響が出たらしい。
もともと、領地経営は良いらしいから出直すらしいぞ。
よくある普通の話じゃあな」
祖父は、顎を手に当てながら教えてくれた。
「まぁまぁ!お幾つなのか知りませんが、やんちゃが過ぎましたことですこと!ホーホホッ」
祖母も呆れた顔で、得意の高笑いをしながら話に入ってきた。
「また、引っ越しですの?!
落ち着きませんわね。
お二人のお体が、私は心配でしてよ?
体調は如何ですか?!」
「おおっ、優しい孫娘じゃ!
無理はしないので、安心いたせ」
家の話は、ここで一先ずは終わっていた。
しかし、この家は曰く付きの物件になる。
プリムローズもこの時は、まだ思いもよらなかった。
新店舗オープン前のお茶会の準備が進み、名前が2人の前公爵からプリムローズに伝えられた。
「カリス」と、名付けられた。
美と優雅を司る女神たちの意味。
これには、夫人たちもプリムローズもウットリする。
貴族の夫人たちがお茶をするのに、相応しいと喜びましたわ。
翌日機嫌よく学園に行き教室に入ると、何やら様子がおかしいですね?!
赤毛と黒毛のまわりに男子生徒たちが集まっていて、哀愁が漂っていますこと。
「おはようございます。プリムローズ様!」
リザが近寄り、プリムローズに挨拶をしてくる。
「ええ、おはよう!
いつも可愛い髪型ね、リザ様?あれは、なんの集まりかしら?曇り空のように、どんよりとした空気ですわね?!」
「どうも赤毛が領地に、一家で引っ越するみたいですの」
「えっ!王都から、学園から消えるってこと?!
あらまぁ、急ねぇ~!
何故なのかしら?」
プリムローズは本当にわからないのか、不思議そうに眉を潜めている。
クラスメートたちは、まさに心が1つになった瞬間であった。
貴女さまのせいですわ!
お前のせいだよ!
「では、私も別れを惜しまないとね?!
ホントに残念だわぁ!」
空気が読めないし、読まない彼女である。
「赤毛ー!そなた、王都から離れると伺いました。
色々ありましたが、そなたの私に対する。
その暴挙や気概は、勝算に値する。
お見事です、達者で過ごすのですよ!」
色々と突っ込みどころが多い別れの挨拶を、静かに聞くクラスメートたち。
「俺も!貴女さまから、身分の上下を肌で感じ勉強しました。絶対に一生忘れません!!」
プリムローズに深く頭を下げる赤毛の姿に、皆は複雑な気分になった。
「遠く離れても、僕たちの友情は続くよ!
手紙を書くからなぁ~!」
黒毛は、悲しげに赤毛に話しかける。
「うん、有り難う!
家も売って無いけど、俺の領地に遊びに来てくれよ!」
赤毛は、親友の黒毛の肩を優しく叩く。
まさに、美しい友情!
クラスメイトたちは、二人を尊い者も見る目つきで眺めていた。
はい?!家を売る?!
プリムローズは、祖父母の買った家を思い出す。
確か、え~っと!
嫡男が身分の高い令嬢って、赤毛と私のことに似ているわね。
まさかなのかしら?
プリムローズの何気ない質問から、教室内に騒ぎにもたらすのである。
33
第2作目を7月17日より投稿しております。「君はバラより美しく!ドクダミよりもたくましい?」謎の宝石商の秘密を書いております。もし宜しければ、お読み下さると嬉しく思います。宜しく、お願い致します。
お気に入りに追加
361
あなたにおすすめの小説

断罪される一年前に時間を戻せたので、もう愛しません
天宮有
恋愛
侯爵令嬢の私ルリサは、元婚約者のゼノラス王子に断罪されて処刑が決まる。
私はゼノラスの命令を聞いていただけなのに、捨てられてしまったようだ。
処刑される前日、私は今まで試せなかった時間を戻す魔法を使う。
魔法は成功して一年前に戻ったから、私はゼノラスを許しません。

【完結】ずっと、ずっとあなたを愛していました 〜後悔も、懺悔も今更いりません〜
高瀬船
恋愛
リスティアナ・メイブルムには二歳年上の婚約者が居る。
婚約者は、国の王太子で穏やかで優しく、婚約は王命ではあったが仲睦まじく関係を築けていた。
それなのに、突然ある日婚約者である王太子からは土下座をされ、婚約を解消して欲しいと願われる。
何故、そんな事に。
優しく微笑むその笑顔を向ける先は確かに自分に向けられていたのに。
婚約者として確かに大切にされていたのに何故こうなってしまったのか。
リスティアナの思いとは裏腹に、ある時期からリスティアナに悪い噂が立ち始める。
悪い噂が立つ事など何もしていないのにも関わらず、リスティアナは次第に学園で、夜会で、孤立していく。

【完結】好きでもない私とは婚約解消してください
里音
恋愛
騎士団にいる彼はとても一途で誠実な人物だ。初恋で恋人だった幼なじみが家のために他家へ嫁いで行ってもまだ彼女を思い新たな恋人を作ることをしないと有名だ。私も憧れていた1人だった。
そんな彼との婚約が成立した。それは彼の行動で私が傷を負ったからだ。傷は残らないのに責任感からの婚約ではあるが、彼はプロポーズをしてくれた。その瞬間憧れが好きになっていた。
婚約して6ヶ月、接点のほとんどない2人だが少しずつ距離も縮まり幸せな日々を送っていた。と思っていたのに、彼の元恋人が離婚をして帰ってくる話を聞いて彼が私との婚約を「最悪だ」と後悔しているのを聞いてしまった。
この度、猛獣公爵の嫁になりまして~厄介払いされた令嬢は旦那様に溺愛されながら、もふもふ達と楽しくモノづくりライフを送っています~
柚木崎 史乃
ファンタジー
名門伯爵家の次女であるコーデリアは、魔力に恵まれなかったせいで双子の姉であるビクトリアと比較されて育った。
家族から疎まれ虐げられる日々に、コーデリアの心は疲弊し限界を迎えていた。
そんな時、どういうわけか縁談を持ちかけてきた貴族がいた。彼の名はジェイド。社交界では、「猛獣公爵」と呼ばれ恐れられている存在だ。
というのも、ある日を境に文字通り猛獣の姿へと変わってしまったらしいのだ。
けれど、いざ顔を合わせてみると全く怖くないどころか寧ろ優しく紳士で、その姿も動物が好きなコーデリアからすれば思わず触りたくなるほど毛並みの良い愛らしい白熊であった。
そんな彼は月に数回、人の姿に戻る。しかも、本来の姿は類まれな美青年なものだから、コーデリアはその度にたじたじになってしまう。
ジェイド曰くここ数年、公爵領では鉱山から流れてくる瘴気が原因で獣の姿になってしまう奇病が流行っているらしい。
それを知ったコーデリアは、瘴気の影響で不便な生活を強いられている領民たちのために鉱石を使って次々と便利な魔導具を発明していく。
そして、ジェイドからその才能を評価され知らず知らずのうちに溺愛されていくのであった。
一方、コーデリアを厄介払いした家族は悪事が白日のもとに晒された挙句、王家からも見放され窮地に追い込まれていくが……。
これは、虐げられていた才女が嫁ぎ先でその才能を発揮し、周囲の人々に無自覚に愛され幸せになるまでを描いた物語。
他サイトでも掲載中。

私がいなくなった部屋を見て、あなた様はその心に何を思われるのでしょうね…?
新野乃花(大舟)
恋愛
貴族であるファーラ伯爵との婚約を結んでいたセイラ。しかし伯爵はセイラの事をほったらかしにして、幼馴染であるレリアの方にばかり愛情をかけていた。それは溺愛と呼んでもいいほどのもので、そんな行動の果てにファーラ伯爵は婚約破棄まで持ち出してしまう。しかしそれと時を同じくして、セイラはその姿を伯爵の前からこつぜんと消してしまう。弱気なセイラが自分に逆らう事など絶対に無いと思い上がっていた伯爵は、誰もいなくなってしまったセイラの部屋を見て…。
※カクヨム、小説家になろうにも投稿しています!

結婚式当日に私の婚約者と駆け落ちした妹が、一年後に突然帰ってきました
柚木ゆず
恋愛
「大変な目に遭ってっ、ナルシスから逃げてきたんですっ! お父様お姉様っ、助けてくださいっ!!」
1年前、結婚式当日。当時わたしの婚約者だったナルシス様と駆け落ちをした妹のメレーヌが、突然お屋敷に現れ助けを求めてきました。
ふたりは全てを捨ててもいいから一緒に居たいと思う程に、相思相愛だったはず。
それなのに、大変な目に遭って逃げてくるだなんて……。
わたしが知らないところで、何があったのでしょうか……?

【完結】お前を愛することはないとも言い切れない――そう言われ続けたキープの番は本物を見限り国を出る
堀 和三盆
恋愛
「お前を愛することはない」
「お前を愛することはない」
「お前を愛することはない」
デビュタントを迎えた令嬢達との対面の後。一人一人にそう告げていく若き竜王――ヴァール。
彼は新興国である新獣人国の国王だ。
新獣人国で毎年行われるデビュタントを兼ねた成人の儀。貴族、平民を問わず年頃になると新獣人国の未婚の娘は集められ、国王に番の判定をしてもらう。国王の番ではないというお墨付きを貰えて、ようやく新獣人国の娘たちは成人と認められ、結婚をすることができるのだ。
過去、国の為に人間との政略結婚を強いられてきた王族は番感知能力が弱いため、この制度が取り入れられた。
しかし、他種族国家である新獣人国。500年を生きると言われる竜人の国王を始めとして、種族によって寿命も違うし体の成長には個人差がある。成長が遅く、判別がつかない者は特例として翌年の判別に再び回される。それが、キープの者達だ。大抵は翌年のデビュタントで判別がつくのだが――一人だけ、十年近く保留の者がいた。
先祖返りの竜人であるリベルタ・アシュランス伯爵令嬢。
新獣人国の成人年齢は16歳。既に25歳を過ぎているのに、リベルタはいわゆるキープのままだった。

【完結】美しい人。
❄️冬は つとめて
恋愛
「あなたが、ウイリアム兄様の婚約者? 」
「わたくし、カミーユと言いますの。ねえ、あなたがウイリアム兄様の婚約者で、間違いないかしら。」
「ねえ、返事は。」
「はい。私、ウイリアム様と婚約しています ナンシー。ナンシー・ヘルシンキ伯爵令嬢です。」
彼女の前に現れたのは、とても美しい人でした。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる