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第一章 賢者の里
第十五話 勇敢なエルンは立ち向かう!
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「すいません、また世話になるなんて思ってもなかったので」
「いえいえいつでも来てくれて構わないんですよ」
エルンの母親が心配そうに気を使う。
アクセルの背中には眠っているフィアナがいた。
その様子を見て心配そうに困った表情をしていたのはエルンである。
「お兄ちゃん、お姉ちゃん何があったの?」
「少しな……大丈夫だ心配ない、フィアナも疲れて寝ているだけだ」
「ほ、本当のこと話してよ!子供だからって濁さないで」
母親に視線をやると申し訳なさそうにして頷く。
「わかった、俺たちは大賢者様の家に行って《賢者の石》について話を聞こうとした。そしたら突然奥にある扉に閉じ込められたんだ」
「少し待ってください、賢者の石について聞きに来たんですか?」
エルンの母親は何かに心当たりがあるのか、眼を見開いて驚く。
「賢者の石について何か知ってるんですか?」
「そう……ですね。賢者の石というのを私の夫も探していたんです。探している理由は分かりませんが、探す旅へ行くと何か焦っているかのように何処かへ行ってしまったんです」
「そうだったんですね」
「賢者の石については分かりませんが、大賢者様はここのところおかしなところがあり里の人々も不信感を持ち始めています。もう近づかないほうがいいかもしれません」
母親の貴重な話を聞くと、もう休んだ方がいいと言われるアクセル。
アクセルは言われた通り、エルンの部屋に行きと横になり休む。
エルンは横になっているアクセルに話をかける。
「あのさ……お兄ちゃんはかっこいいね、お父さんみたい」
「お父さんか、エルンのお父さんはどんな人なんだ」
そう言うと自慢げに話し出す。
「私のお父さんはね、少し天然なところもあるけどいざという時は家族を助けてくれてかっこいいんだ。お兄ちゃんみたいに強くはないかもしれないけど、頼りになって正義感のある自慢のお父さんだよ」
「そうか……エルンのお父さんは凄いんだな」
「うん、それにね私の夢を絶対叶うさって言ってくれたんだ」
「認めてくれてるんだな、俺も見習いたい部分はいっぱいありそうだ」
ニコっとしているエルンは幸せそうに笑っていた。
笑顔を見て疲れ切っていたアクセルの気が抜けていつのまにか寝ていた。
体を揺らす何かが肩を強く掴んでいる。
「起きてくれませんか、お願いします起きてください」
「(声が聞こえる……)」
「娘が、エルンが……」
「エルンのお母さん?」
薄っすらと目を開けると何か急いでいるエルンの母親が目の前にいた。
何事かと思い飛び起きて何があったのか事情を聴く。
「外を外を見てください」
外に出てみると夜の暗闇を里の人々が逃げ惑い叫んでいた。
騒ぎの元凶に目をやると、巨大な岩の体をゆっくりと動かし里を破壊するゴーレムが姿をみせている。
頭部には大賢者のパラサスが乗っていた。
「パラサスか!?」
「エルンを助けてください……」
「エルンは何処に?」
「私が止めるんだって言って、あの巨大な岩の怪物に向かい走って行ってしまいました」
母親の言葉を聞いて急いでゴーレムのがいる方へと向かう。
人を掻き分け、ゴーレムの近くまで来ると先にはエルンの姿があった。
「エルン‼そこは危ない、こっちへ戻ってくるんだ」
後ろを振り向いたエルンは、アクセルの声を聞くと安心した表情になる。
だが……アクセルは振り向く瞬間にゴーレムが巨大な手をエルンに振り下ろしているのに気付く。
「――お兄ちゃッ」
地面を砕く衝撃が里中に響いた。
「いえいえいつでも来てくれて構わないんですよ」
エルンの母親が心配そうに気を使う。
アクセルの背中には眠っているフィアナがいた。
その様子を見て心配そうに困った表情をしていたのはエルンである。
「お兄ちゃん、お姉ちゃん何があったの?」
「少しな……大丈夫だ心配ない、フィアナも疲れて寝ているだけだ」
「ほ、本当のこと話してよ!子供だからって濁さないで」
母親に視線をやると申し訳なさそうにして頷く。
「わかった、俺たちは大賢者様の家に行って《賢者の石》について話を聞こうとした。そしたら突然奥にある扉に閉じ込められたんだ」
「少し待ってください、賢者の石について聞きに来たんですか?」
エルンの母親は何かに心当たりがあるのか、眼を見開いて驚く。
「賢者の石について何か知ってるんですか?」
「そう……ですね。賢者の石というのを私の夫も探していたんです。探している理由は分かりませんが、探す旅へ行くと何か焦っているかのように何処かへ行ってしまったんです」
「そうだったんですね」
「賢者の石については分かりませんが、大賢者様はここのところおかしなところがあり里の人々も不信感を持ち始めています。もう近づかないほうがいいかもしれません」
母親の貴重な話を聞くと、もう休んだ方がいいと言われるアクセル。
アクセルは言われた通り、エルンの部屋に行きと横になり休む。
エルンは横になっているアクセルに話をかける。
「あのさ……お兄ちゃんはかっこいいね、お父さんみたい」
「お父さんか、エルンのお父さんはどんな人なんだ」
そう言うと自慢げに話し出す。
「私のお父さんはね、少し天然なところもあるけどいざという時は家族を助けてくれてかっこいいんだ。お兄ちゃんみたいに強くはないかもしれないけど、頼りになって正義感のある自慢のお父さんだよ」
「そうか……エルンのお父さんは凄いんだな」
「うん、それにね私の夢を絶対叶うさって言ってくれたんだ」
「認めてくれてるんだな、俺も見習いたい部分はいっぱいありそうだ」
ニコっとしているエルンは幸せそうに笑っていた。
笑顔を見て疲れ切っていたアクセルの気が抜けていつのまにか寝ていた。
体を揺らす何かが肩を強く掴んでいる。
「起きてくれませんか、お願いします起きてください」
「(声が聞こえる……)」
「娘が、エルンが……」
「エルンのお母さん?」
薄っすらと目を開けると何か急いでいるエルンの母親が目の前にいた。
何事かと思い飛び起きて何があったのか事情を聴く。
「外を外を見てください」
外に出てみると夜の暗闇を里の人々が逃げ惑い叫んでいた。
騒ぎの元凶に目をやると、巨大な岩の体をゆっくりと動かし里を破壊するゴーレムが姿をみせている。
頭部には大賢者のパラサスが乗っていた。
「パラサスか!?」
「エルンを助けてください……」
「エルンは何処に?」
「私が止めるんだって言って、あの巨大な岩の怪物に向かい走って行ってしまいました」
母親の言葉を聞いて急いでゴーレムのがいる方へと向かう。
人を掻き分け、ゴーレムの近くまで来ると先にはエルンの姿があった。
「エルン‼そこは危ない、こっちへ戻ってくるんだ」
後ろを振り向いたエルンは、アクセルの声を聞くと安心した表情になる。
だが……アクセルは振り向く瞬間にゴーレムが巨大な手をエルンに振り下ろしているのに気付く。
「――お兄ちゃッ」
地面を砕く衝撃が里中に響いた。
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