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俺を取り合う弟と吸血鬼
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さて。
話し合いするって言ったけど何をすればいいの!?
「とりあえずテツオと俺の関係だな」
あ、はいお願いします。
俺は聞き役に徹しよう。そうしよう。
「俺とジャックは...敵って感じ?」
「いや、俺に聞かれても全くわからないんだけど」
「普通に敵じゃないか?お前の役割は妖怪を祓うことだろ?」
「まあそうだね」
あーすごい。
最初っから全力で置いていかれてんだけど。
「話が全く見えてこないからとりあえず哲生の正体的なのを知りたいかな。さっき意味不明な感じになってたけどアレってなんなの?」
「正体っていうそんな大げさなものじゃないけど、俺は職業として陰陽師をやってる」
...は?
職業?
陰陽師?
「ちょっと言ってる意味がわからないな」
「簡単に言うと妖怪退治するのが仕事」
ようかい?
てつおが?
「...」
「トモヤ、大丈夫か?」
「...」
「兄ちゃんが死んだ魚の目になってる」
妖怪退治かー。
哲生はものすごいことをやってたんだねー。
...この件はスルー推奨。
「もう訳分かんないから続きを話して」
わかんないことを考えても仕方ないね。
決して、そう、決して逃げではない!
「...あーうん。わかった。とりあえずジャックと仲が悪いのは俺の仕事が原因...だね」
「なんか歯切れが悪いの何なの?」
「まぁ...うん...」
?
「とりあえず哲生がこんな役に就いてるってのがあって仲が悪いんだ。だから多少の喧嘩は見逃してくれ」
「多少...ねぇ」
果たしてあの性悪謎男が出張るレベルの喧嘩は見逃していい判定でいいのか?
少なくともさっきのファンタジー物張りの戦いは見逃していいカテゴリーに入らないと思う。
認識の差異がありそうで怖いんだけど。
「兄ちゃん安心して。ジャックが何かをやらかさない限り争わないから。あ、そういえばジャックくんちょっといい?」
待ってさっき争わないって言ったばっかだよね!?
背筋が凍るような危ないオーラが哲生から漏れ出てんだけど?
「なんだ?」
「色々あって有耶無耶になりかけたけど、兄ちゃんの事を眷属って言ったよね?」
あ。
...ここにいたら危険な気がするのだー。
飛び火しないようにコソッと退避するのだー。
「ねぇ智也お兄ちゃん?どこに行こうとしてるの?」
「ひっ!?」
これはマジでやばいパターンだ。
普段は兄ちゃん呼びなのに、名前+お兄ちゃん呼びって相当やばいパターンだと予見。
声もなんかドロッドロの怨嗟みたいになってるし...
ダメですよー?中学生がそんな声を出したらダメですよー?
「兄ちゃんはそこに座ってて。ジャックは説明して」
観念してその辺に正座しておく。
「眷属は眷属だ」
「だからその眷属について聞いてるの!お前陰陽師の中でめちゃくちゃ危険視されてるの分からないの?眷属を作ろうものならその眷属を排除しないといけないんだけど!?...あーもう落ち着け、俺。ジャック、契約はどのレベルまでした?」
排除!?
待って俺殺されるってこと!?
「昨日、本契約まで交わした」
「...そっか」
そう言った瞬間哲生が、俺にナイフを投げてきた。
待って!?
何が何だかわからなくてとりあえず目を閉じる。
...あれ?
いつまでたっても何も来ない。
恐る恐る目を開けると、顔面スレスレにナイフの先っぽがあった。
よく確認するといつの間にか出てきてた尻尾がナイフを掴んでた。
「...は?え、待って?ジャック、これは流石に見逃してもらえなくなるんだけど?」
この尻尾すげぇ。
ただの飾りかと思って放置してたけど...
尻尾さんありがとう。
とりあえず投げられたナイフはこっちに置いとこうね。
...あれ?
持ってみたらめちゃくちゃ軽い。
ちょっと気になって刃のところを指に当ててみたけど切れない。
これおもちゃじゃないですかー。
「テツオ、お前何やってんだ?」
あ、こっちでも背筋が凍るような危険が危ないオーラを出してる。
やめてほしいよね、ホントに。
なんか恐怖が天元突破して逆に冷静になれたわ。
体は正直だけどね!
めっちゃガタガタ震えています。
そしてジャックさん。いくら心配になったからってこっちに瞬間移動してくるのは良くないと思うなー。
てか何を当たり前のように瞬間移動してるんだろうこの吸血鬼。
いやさっきの戦い...いや喧嘩から考えたらこれくらい普通...かな?
...普通ってなんだろう。
「大丈夫だよ。あれおもちゃだから。ていうかこれくらいで動揺しないでよ」
うわ。
せせら笑うっていう言葉がめっちゃ似合うってくらいのゲスい笑みを浮かべてる。
おっと後ろから殺気が...
怖や怖や。
とりあえず逃げましょう。
...
「なんで逃してくれないの?」
「逆になんで逃げようとしたんだ?」
怖いから。
このまま二人の殺気に充てられたら心臓麻痺でお亡くなりになると思うんだ。
お願いだからふたりともその物騒な殺気をしまってくれない?
これでもかってくらいガタガタ震えたからそんなことは伝えられなかったけど。
近距離、いやもう密着した状態で殺気を当てられる俺の気持ちを考えてほしい。
そんな俺の気持ちが何となくわかったのかふたりとも殺気を収めた。
...嬉しいけどもうちょっと早く実行してほしかった。
哲生がめっちゃいたたまれない感じになってる。
「えっと...ごめん」
「...悪かった」
「あー大丈夫だからそんなに落ち込まないで」
申し訳ねー!!
まぁうん。
これで大丈夫だと信じたい。
というわけでいい加減尻尾を仕舞う。
なんか急に恥ずかしくなってきた。
なんかこう、自分でもどうやってんのかよくわからないけど、腰のあたりにフン!って力を入れると尻尾が消える。
我ながら意味不明。
「ひゃあ!?」
尻尾を消そうとしたらジャックに掴まれた。
慌てて口を抑えたけど、思いっきり哲生に見られた。
「ちょっと何するの!?」
「なんとなく」
なんとなくって...
「兄ちゃんはこっちに来て。ジャックくん流石にこれは許容できないなー。しばらく眠っといて」
まーた瞬間移動で拉致られて次の瞬間ジャックが消失した。
「え?ちょ、え?」
「あー一応大丈夫。異空間的ななにかにふっ飛ばしただけだから」
あ、すごい。
急にファンタジー。
「さて、それじゃあジャックも居なくなったし色々聞かせてもらえるかな?」
「あ、はい」
これは逆らっちゃいけないやつ。
ていうかこの二人ってファンタジーの住人だったの?
とりあえず逆らえる雰囲気じゃないしちゃんと話すか。
話し合いするって言ったけど何をすればいいの!?
「とりあえずテツオと俺の関係だな」
あ、はいお願いします。
俺は聞き役に徹しよう。そうしよう。
「俺とジャックは...敵って感じ?」
「いや、俺に聞かれても全くわからないんだけど」
「普通に敵じゃないか?お前の役割は妖怪を祓うことだろ?」
「まあそうだね」
あーすごい。
最初っから全力で置いていかれてんだけど。
「話が全く見えてこないからとりあえず哲生の正体的なのを知りたいかな。さっき意味不明な感じになってたけどアレってなんなの?」
「正体っていうそんな大げさなものじゃないけど、俺は職業として陰陽師をやってる」
...は?
職業?
陰陽師?
「ちょっと言ってる意味がわからないな」
「簡単に言うと妖怪退治するのが仕事」
ようかい?
てつおが?
「...」
「トモヤ、大丈夫か?」
「...」
「兄ちゃんが死んだ魚の目になってる」
妖怪退治かー。
哲生はものすごいことをやってたんだねー。
...この件はスルー推奨。
「もう訳分かんないから続きを話して」
わかんないことを考えても仕方ないね。
決して、そう、決して逃げではない!
「...あーうん。わかった。とりあえずジャックと仲が悪いのは俺の仕事が原因...だね」
「なんか歯切れが悪いの何なの?」
「まぁ...うん...」
?
「とりあえず哲生がこんな役に就いてるってのがあって仲が悪いんだ。だから多少の喧嘩は見逃してくれ」
「多少...ねぇ」
果たしてあの性悪謎男が出張るレベルの喧嘩は見逃していい判定でいいのか?
少なくともさっきのファンタジー物張りの戦いは見逃していいカテゴリーに入らないと思う。
認識の差異がありそうで怖いんだけど。
「兄ちゃん安心して。ジャックが何かをやらかさない限り争わないから。あ、そういえばジャックくんちょっといい?」
待ってさっき争わないって言ったばっかだよね!?
背筋が凍るような危ないオーラが哲生から漏れ出てんだけど?
「なんだ?」
「色々あって有耶無耶になりかけたけど、兄ちゃんの事を眷属って言ったよね?」
あ。
...ここにいたら危険な気がするのだー。
飛び火しないようにコソッと退避するのだー。
「ねぇ智也お兄ちゃん?どこに行こうとしてるの?」
「ひっ!?」
これはマジでやばいパターンだ。
普段は兄ちゃん呼びなのに、名前+お兄ちゃん呼びって相当やばいパターンだと予見。
声もなんかドロッドロの怨嗟みたいになってるし...
ダメですよー?中学生がそんな声を出したらダメですよー?
「兄ちゃんはそこに座ってて。ジャックは説明して」
観念してその辺に正座しておく。
「眷属は眷属だ」
「だからその眷属について聞いてるの!お前陰陽師の中でめちゃくちゃ危険視されてるの分からないの?眷属を作ろうものならその眷属を排除しないといけないんだけど!?...あーもう落ち着け、俺。ジャック、契約はどのレベルまでした?」
排除!?
待って俺殺されるってこと!?
「昨日、本契約まで交わした」
「...そっか」
そう言った瞬間哲生が、俺にナイフを投げてきた。
待って!?
何が何だかわからなくてとりあえず目を閉じる。
...あれ?
いつまでたっても何も来ない。
恐る恐る目を開けると、顔面スレスレにナイフの先っぽがあった。
よく確認するといつの間にか出てきてた尻尾がナイフを掴んでた。
「...は?え、待って?ジャック、これは流石に見逃してもらえなくなるんだけど?」
この尻尾すげぇ。
ただの飾りかと思って放置してたけど...
尻尾さんありがとう。
とりあえず投げられたナイフはこっちに置いとこうね。
...あれ?
持ってみたらめちゃくちゃ軽い。
ちょっと気になって刃のところを指に当ててみたけど切れない。
これおもちゃじゃないですかー。
「テツオ、お前何やってんだ?」
あ、こっちでも背筋が凍るような危険が危ないオーラを出してる。
やめてほしいよね、ホントに。
なんか恐怖が天元突破して逆に冷静になれたわ。
体は正直だけどね!
めっちゃガタガタ震えています。
そしてジャックさん。いくら心配になったからってこっちに瞬間移動してくるのは良くないと思うなー。
てか何を当たり前のように瞬間移動してるんだろうこの吸血鬼。
いやさっきの戦い...いや喧嘩から考えたらこれくらい普通...かな?
...普通ってなんだろう。
「大丈夫だよ。あれおもちゃだから。ていうかこれくらいで動揺しないでよ」
うわ。
せせら笑うっていう言葉がめっちゃ似合うってくらいのゲスい笑みを浮かべてる。
おっと後ろから殺気が...
怖や怖や。
とりあえず逃げましょう。
...
「なんで逃してくれないの?」
「逆になんで逃げようとしたんだ?」
怖いから。
このまま二人の殺気に充てられたら心臓麻痺でお亡くなりになると思うんだ。
お願いだからふたりともその物騒な殺気をしまってくれない?
これでもかってくらいガタガタ震えたからそんなことは伝えられなかったけど。
近距離、いやもう密着した状態で殺気を当てられる俺の気持ちを考えてほしい。
そんな俺の気持ちが何となくわかったのかふたりとも殺気を収めた。
...嬉しいけどもうちょっと早く実行してほしかった。
哲生がめっちゃいたたまれない感じになってる。
「えっと...ごめん」
「...悪かった」
「あー大丈夫だからそんなに落ち込まないで」
申し訳ねー!!
まぁうん。
これで大丈夫だと信じたい。
というわけでいい加減尻尾を仕舞う。
なんか急に恥ずかしくなってきた。
なんかこう、自分でもどうやってんのかよくわからないけど、腰のあたりにフン!って力を入れると尻尾が消える。
我ながら意味不明。
「ひゃあ!?」
尻尾を消そうとしたらジャックに掴まれた。
慌てて口を抑えたけど、思いっきり哲生に見られた。
「ちょっと何するの!?」
「なんとなく」
なんとなくって...
「兄ちゃんはこっちに来て。ジャックくん流石にこれは許容できないなー。しばらく眠っといて」
まーた瞬間移動で拉致られて次の瞬間ジャックが消失した。
「え?ちょ、え?」
「あー一応大丈夫。異空間的ななにかにふっ飛ばしただけだから」
あ、すごい。
急にファンタジー。
「さて、それじゃあジャックも居なくなったし色々聞かせてもらえるかな?」
「あ、はい」
これは逆らっちゃいけないやつ。
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