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急展開は急に展開する
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「あ、兄ちゃん、おはよう」
部屋から出ようとしたときにエグい揺れと轟音が聞こえたから慌てて下に降りてきたら、ジャックが倒れてて、それを冷たく見下ろす誰かがいた。
「え?」
もっと言うことがあったはずなのに、俺の口から出てきた言葉はそれだけだった。
正直言って二人の状態で思考がフリーズしてそれだけしか言えなかったってのもある。
ジャックは黒を基調とした禍々しい服装をしている。
そして頭からは黒い角が生えていて、目は白目の部分が黒くなっていた。
謎の人物は白を基調とした...なにこれ和装?
なんか時代劇で見る武士の服装?みたいな?
あと気になるのは白髪になってて、目の色が金色になってる?
...誰やお前!?
俺はお前みたいなイケメンの兄じゃないぞ!?
いやすっごいその正体に心当たりがあるんだけど考えたくない。
てかジャック!お前も何なん!?
そんなどこぞの魔王みたいな状況になれるなんて俺は知らんぞ!?
あーこの状況ってさしずめ魔王と勇者が戦ったあとみたいな感じやね。
そして俺は魔王城(自宅)に迷い込んだ魔王の...何だ?
まあとにかくモブ。
かなしいなぁ...
それにしてもこんなすごいところに迷い込めるってすごいモブだなぁ。
あは、あはは。
とりあえず関わっちゃいけなそうだからそっと二階の自室に戻りましょうね。
「兄ちゃん?」
やめて!
なんか思考がバグるから話しかけないで!
...認めないと駄目?
頭の中で色彩を変更してみると、一応哲生と同じ姿になる。
加えてその喋り方と声が哲生と全く一緒なのよ。
...ん?
「えっと、哲生...?」
「そうだよ」
「...は?」
「は?て何。その反応はひどくない?」
ひどくない。
突然実の弟がそんな謎な感じになってたら誰だってこんな反応すると思う。
「あー、えっと、とりあえずどういう状況なのか教えてくれない?なんかジャックも倒れて...うぇ!?」
危険もなさそうだと思って、哲生に状況説明を頼みつつ近づこうとした瞬間ジャックに捕まった。
「今の状態の哲生に近づくな。死ぬぞ?」
待ってどういうこと!?
哲生の横には倒れたジャックがいて、俺の後ろにもジャックがいて、そのジャックが哲生に近づいたら死ぬと言っている。
脳の処理能力が足りない。
「ふーん、やっぱり分体だったんだ。ちなみに兄ちゃんに触れるってことは死ぬ覚悟ができてるってことだよね?」
ん?
「流石にそんな覚悟はできてないな。それとトモヤは俺の眷属だから何もおかしくないぞ?」
え、ちょ...
「あ゛?」
「なんだ?」
次の瞬間二人から息の詰まるような重圧を感じる。
待って俺を挟んで喧嘩しないで!
やっば、意識飛ぶ...
結局俺は二人の重圧に耐えきれずにそのまま気絶した。
「...はっ!?」
「兄ちゃん大丈夫?」
「トモヤ大丈夫か?」
「あ、えっと、大丈夫です。はい」
二人がめちゃくちゃ怖かった。
とりあえず窓まで逃げて、カーテンを盾にする。
「...ねぇジャックくん。兄ちゃんが完璧に怯えちゃったけどどうしてくれるのかなぁ?」
「どうもこうもない。そもそもテツオだって威圧してきたじゃないか」
「...」
「...」
しばし睨み合った後、二人がさっきの状態に変化して戦い始める。
哲生が刀的な感じのやつで斬りかかるのを、ジャックが赤い膜でガードする。
ガギイィィン!っていう鳥肌が立ちそうな音とビリビリという衝撃波が俺を襲う。
待ってなにこれ!?
「大変そうだねー」
「うわああ!!」
横から声がしたから振り向くと、健太がいた。
いやこの腹が立つ感じはKやね。
「なんでここにいるの!?」
「家がぶっ壊れたり、智也くんが死にそうになったりしそうだったから」
「それってどういう...」「ガード!」
「うわああ!!」
隠れていたカーテンに輝くナイフがぶっ刺さる。
「ね?言ってる意味がわかったでしょ?」
コクコク頷く。
「まぁ僕が守ってあげるから死ぬ危険も家がぶっ壊れる危険もないよ」
えぇ...
ここ現代日本よ?
決してファンタジーの世界じゃないよ?
何を当たり前のように家が壊れる危険とか、死ぬ危険とかいうの?
「いやーそれにしてもこれってアレじゃない?」
「...どれよ」
「主人公であるヒロインを奪い合うイケメンたち!」
「誰がヒロインや!?」
「モテる男は辛いねぇ」
あーなんだろう。
めちゃくちゃKを泣かせてやりたい。
そうでなくとも一発くらいなら殴っても許されると思うのよ。
「ねえねえ、この状況でぴったりなセリフをご存知でない?」
「ご存知でない」
だいたい予想はできるけど絶対に言いたくない。
「えー。正直今そのセリフを言わないとこの喧嘩は収まらないと思うよ?」
喧嘩...喧嘩っちゃ喧嘩だけど、これを喧嘩というくくりに混ぜちゃいけないと思うんだ。
これは戦争だと思うんだ。
「ほら!一発ガツンと言っちゃいなよ!俺のために争わないで―って」
「絶ッッ体にヤダ。Kならそんなすごい力を使えてるんだから収集させるくらい簡単でしょ?」
「無理」
「は?」
「無理。こればっかりは絶対に無理。人の心に干渉するのは流石に不可能」
「えぇー...じゃあそのセリフを言わないといけないってこと?」
「ザッツライト」
...
なんか、一応Kって出来はするんだと思うけど、俺にやらせたら面白そうって理由で手を出さないと思う。
頼むだけ無駄だなこれ。
それじゃあ深呼吸をして...いざ!
「ふ、ふたりとも!お、俺の、た、為に争わないで!」
「声、めっちゃ震えてる」
横でKが爆笑してるけど気にならない。
てか気にすることができない。
うわあああ!!黒歴史確定だわこれ!
穴があったら誰か俺のことを埋め立ててくれー!!
「あ、喧嘩終わったね。それじゃあ僕は戻らせてもらうよ」
そんなKの声が聞こえた気がした。
それと同時に二人が近づいてくる。
足が子鹿のようにプルプルしてしまったことには目をつぶってほしい。
「...悪い、つい熱くなってしまった」
「兄ちゃんごめんね」
謝られた。
...謝って済む問題かなこれ。
まあいいか。
気を抜いた瞬間二人から同時に抱きつかれた。
...なんで?
それに身長の問題で、二人から抱きつかれたら埋まるんだけど。
「どうしたの?ちょっと痛いんだけど」
「「別に」」
ハモッた。
本当は仲いいよねこの人達。
てかなんであんなバトルしてたの?
そこ含めて聞かないとな。
その前に。
「ふたりともちょっと離れて。んでそこに正座して」
俺はソファに腰掛ける。
「え、なんで?」
「自分の胸に手を当てて考えてみて」
「...」
「あのさぁ、喧嘩をするのは別にいいよ?だけど俺を巻き込むのはやめてくれない?後被害がでかすぎるから今後喧嘩をする時は外でやるように」
「はーい」
軽いなぁ...
「それとさあ二人の関係を教えてくれない?なんであんなにガチバトルしてたの?」
「話すようなことはないと思うがまぁ話しておいたほうがいいか。テツオいいか?」
「別にいいよ」
そんな感じで落ち着かせることはできたから、みんなで話し合いをすることになった。
部屋から出ようとしたときにエグい揺れと轟音が聞こえたから慌てて下に降りてきたら、ジャックが倒れてて、それを冷たく見下ろす誰かがいた。
「え?」
もっと言うことがあったはずなのに、俺の口から出てきた言葉はそれだけだった。
正直言って二人の状態で思考がフリーズしてそれだけしか言えなかったってのもある。
ジャックは黒を基調とした禍々しい服装をしている。
そして頭からは黒い角が生えていて、目は白目の部分が黒くなっていた。
謎の人物は白を基調とした...なにこれ和装?
なんか時代劇で見る武士の服装?みたいな?
あと気になるのは白髪になってて、目の色が金色になってる?
...誰やお前!?
俺はお前みたいなイケメンの兄じゃないぞ!?
いやすっごいその正体に心当たりがあるんだけど考えたくない。
てかジャック!お前も何なん!?
そんなどこぞの魔王みたいな状況になれるなんて俺は知らんぞ!?
あーこの状況ってさしずめ魔王と勇者が戦ったあとみたいな感じやね。
そして俺は魔王城(自宅)に迷い込んだ魔王の...何だ?
まあとにかくモブ。
かなしいなぁ...
それにしてもこんなすごいところに迷い込めるってすごいモブだなぁ。
あは、あはは。
とりあえず関わっちゃいけなそうだからそっと二階の自室に戻りましょうね。
「兄ちゃん?」
やめて!
なんか思考がバグるから話しかけないで!
...認めないと駄目?
頭の中で色彩を変更してみると、一応哲生と同じ姿になる。
加えてその喋り方と声が哲生と全く一緒なのよ。
...ん?
「えっと、哲生...?」
「そうだよ」
「...は?」
「は?て何。その反応はひどくない?」
ひどくない。
突然実の弟がそんな謎な感じになってたら誰だってこんな反応すると思う。
「あー、えっと、とりあえずどういう状況なのか教えてくれない?なんかジャックも倒れて...うぇ!?」
危険もなさそうだと思って、哲生に状況説明を頼みつつ近づこうとした瞬間ジャックに捕まった。
「今の状態の哲生に近づくな。死ぬぞ?」
待ってどういうこと!?
哲生の横には倒れたジャックがいて、俺の後ろにもジャックがいて、そのジャックが哲生に近づいたら死ぬと言っている。
脳の処理能力が足りない。
「ふーん、やっぱり分体だったんだ。ちなみに兄ちゃんに触れるってことは死ぬ覚悟ができてるってことだよね?」
ん?
「流石にそんな覚悟はできてないな。それとトモヤは俺の眷属だから何もおかしくないぞ?」
え、ちょ...
「あ゛?」
「なんだ?」
次の瞬間二人から息の詰まるような重圧を感じる。
待って俺を挟んで喧嘩しないで!
やっば、意識飛ぶ...
結局俺は二人の重圧に耐えきれずにそのまま気絶した。
「...はっ!?」
「兄ちゃん大丈夫?」
「トモヤ大丈夫か?」
「あ、えっと、大丈夫です。はい」
二人がめちゃくちゃ怖かった。
とりあえず窓まで逃げて、カーテンを盾にする。
「...ねぇジャックくん。兄ちゃんが完璧に怯えちゃったけどどうしてくれるのかなぁ?」
「どうもこうもない。そもそもテツオだって威圧してきたじゃないか」
「...」
「...」
しばし睨み合った後、二人がさっきの状態に変化して戦い始める。
哲生が刀的な感じのやつで斬りかかるのを、ジャックが赤い膜でガードする。
ガギイィィン!っていう鳥肌が立ちそうな音とビリビリという衝撃波が俺を襲う。
待ってなにこれ!?
「大変そうだねー」
「うわああ!!」
横から声がしたから振り向くと、健太がいた。
いやこの腹が立つ感じはKやね。
「なんでここにいるの!?」
「家がぶっ壊れたり、智也くんが死にそうになったりしそうだったから」
「それってどういう...」「ガード!」
「うわああ!!」
隠れていたカーテンに輝くナイフがぶっ刺さる。
「ね?言ってる意味がわかったでしょ?」
コクコク頷く。
「まぁ僕が守ってあげるから死ぬ危険も家がぶっ壊れる危険もないよ」
えぇ...
ここ現代日本よ?
決してファンタジーの世界じゃないよ?
何を当たり前のように家が壊れる危険とか、死ぬ危険とかいうの?
「いやーそれにしてもこれってアレじゃない?」
「...どれよ」
「主人公であるヒロインを奪い合うイケメンたち!」
「誰がヒロインや!?」
「モテる男は辛いねぇ」
あーなんだろう。
めちゃくちゃKを泣かせてやりたい。
そうでなくとも一発くらいなら殴っても許されると思うのよ。
「ねえねえ、この状況でぴったりなセリフをご存知でない?」
「ご存知でない」
だいたい予想はできるけど絶対に言いたくない。
「えー。正直今そのセリフを言わないとこの喧嘩は収まらないと思うよ?」
喧嘩...喧嘩っちゃ喧嘩だけど、これを喧嘩というくくりに混ぜちゃいけないと思うんだ。
これは戦争だと思うんだ。
「ほら!一発ガツンと言っちゃいなよ!俺のために争わないで―って」
「絶ッッ体にヤダ。Kならそんなすごい力を使えてるんだから収集させるくらい簡単でしょ?」
「無理」
「は?」
「無理。こればっかりは絶対に無理。人の心に干渉するのは流石に不可能」
「えぇー...じゃあそのセリフを言わないといけないってこと?」
「ザッツライト」
...
なんか、一応Kって出来はするんだと思うけど、俺にやらせたら面白そうって理由で手を出さないと思う。
頼むだけ無駄だなこれ。
それじゃあ深呼吸をして...いざ!
「ふ、ふたりとも!お、俺の、た、為に争わないで!」
「声、めっちゃ震えてる」
横でKが爆笑してるけど気にならない。
てか気にすることができない。
うわあああ!!黒歴史確定だわこれ!
穴があったら誰か俺のことを埋め立ててくれー!!
「あ、喧嘩終わったね。それじゃあ僕は戻らせてもらうよ」
そんなKの声が聞こえた気がした。
それと同時に二人が近づいてくる。
足が子鹿のようにプルプルしてしまったことには目をつぶってほしい。
「...悪い、つい熱くなってしまった」
「兄ちゃんごめんね」
謝られた。
...謝って済む問題かなこれ。
まあいいか。
気を抜いた瞬間二人から同時に抱きつかれた。
...なんで?
それに身長の問題で、二人から抱きつかれたら埋まるんだけど。
「どうしたの?ちょっと痛いんだけど」
「「別に」」
ハモッた。
本当は仲いいよねこの人達。
てかなんであんなバトルしてたの?
そこ含めて聞かないとな。
その前に。
「ふたりともちょっと離れて。んでそこに正座して」
俺はソファに腰掛ける。
「え、なんで?」
「自分の胸に手を当てて考えてみて」
「...」
「あのさぁ、喧嘩をするのは別にいいよ?だけど俺を巻き込むのはやめてくれない?後被害がでかすぎるから今後喧嘩をする時は外でやるように」
「はーい」
軽いなぁ...
「それとさあ二人の関係を教えてくれない?なんであんなにガチバトルしてたの?」
「話すようなことはないと思うがまぁ話しておいたほうがいいか。テツオいいか?」
「別にいいよ」
そんな感じで落ち着かせることはできたから、みんなで話し合いをすることになった。
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