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一人で悶々と
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「うわああぁぁ...?」
なんか...めっちゃ変な夢を見た気がする。
声を出しながら飛び起きたんだから相当怖い夢でも見てたのかな。
さて、今の時間は...うわもう9時じゃん!
...まあけどお腹すいてないし哲生も友達の家に行くとか言ってたからいいか。
それにしてもまだジャック帰ってきてないんやね。
どこ行ってるんだろうあの吸血鬼。
学校であんな事になっちゃったけど俺は別に怒ってないから。
てか怒る気になれないやろアレは。
うう...思い出したらなんか体が熱くなってきた。
今はそっち系の妄想をする時間じゃない。
ということでさっさと妄想を放り投げてと。
割とガチでジャックはどうしてるんだろう。
一日帰ってきてないから心配なんだけど。
ていうか寂しい。
...あ、いや寂しくないです。
ホントだよ?
まあでも寂しい寂しくないは置いといて、自分の眷属をほったらかしにするのは良くないと思うな。
ほら、俺ってジャックの眷属みたいになってるじゃん?
仮にもご主人なんだからちょっとは心配してほしいっていうか。
どうせ暇なんだし探しに行ってみようかな。
散歩がてら近くを探すだけ。
なーんか一人だから落ち着かないし気を紛らわせるためにね。
というわけでジャンバーを着て出発!
寒っ!
いやまあ冬の夜なんだからそりゃあ寒いか。
空を見上げると少し曇ってる。
そう言えば明日は雨って天気予報で言ってたっけ。
まあその辺をぐるってするくらいだからいいか。
外をボーッと歩き回る。
ジャックは見つかりません。
いやまあ一日帰ってこないんだから近くにいないだろうとは予想してたけど。
その辺を回り終わってめんどくさくなってきたからそろそろ家に帰ろう。
どうせ明日の朝になれば帰ってきてるだろうし。
帰ろうと思って道を歩いていると、電柱の近くに箱が落ちていた。
手のひらサイズのちっちゃいやつ。
置いてあるっていう感じではない。カバンから落ちて転がりましたみたいな感じだし。
なんだろうと思ってその箱に近づく。
近づいていると、ふと哲生の言葉が思い出される。
『兄ちゃんって妖怪とか信じる?』
そんな感じのことを前に聞かれたことを思い出した。
どうして今そんなことを?
夜だから気が弱くなってるのかな。
さっきから、この辺の様子になんとも言えない違和感があるし。
そう思いつつ落ちていた箱を手に取る。
その瞬間箱が開いて黒い影みたいなのが出てきた。
何がなにかわからなくて呆然と立ち尽くしてしまう俺。
そんな俺に黒い影が纏わりついてきて...
「がっ!?あ、あああ!!!」
とんでもない激痛が襲い、吐血する。
目の前が霞んできて、体もうまく動かせない。
立っとくのもままならなくなってフラフラする。
そうしていたら思いっきり壁に激突した。
めちゃくちゃ痛かったし、かなりイラッとした。
なんだか煩わしくて、感情に任せて壁を殴った。
壁が粉砕した。
ちょっとスッキリした。
けど、まだ、壊し足りないな。
もっと壊したらスッキリするかな。
そう思って”俺”は壁だけじゃなくて、街路樹とか、家を手当たりしだいに破壊した。
けれど全然スッキリしない。
もっと色々壊したいな。
「落ち着け、トモヤ」
また周囲の物を色々壊そうとしたら声をかけられた。
せっかく楽しんでたのに...
どうして俺の邪魔をするんだろう。うざいなぁ。
まあそんな邪魔をするやつは壊してしまおう。
そう思い声のした方に振り向き、俺を呼び止めた人を殴ろうとした。
けれど、呼び止めた人を見た瞬間体が金縛りにあったように動かなくなった。
この人は...誰だっけ?
どうしてかわからないけど、この人を攻撃することはできない。
というかしちゃいけない気がする。
てかそもそも俺は何をしてるの?
なにを当たり前のように破壊活動をしているんだ?
??
いや物を壊すのは当たり前じゃ?
うん?
「大丈夫か?とりあえず影魔を取り除くか。痛いと思うがじっとしてろよ」
自分が何なのかわからなくなって混乱していると、男が近づいてきた。
そして俺の肩を掴んだ。
その瞬間今まで経験したことのないような痛みが俺を襲う。
痛すぎて声も出せない。
体を引きちぎられているような痛みって感じ。
すぐに終わったようにも、一時間ぐらいずっと痛みに耐えていた気もした。
終わった瞬間気絶できないで崩れ落ちた。
あれ?俺ってさっきまで何をしてた?
なんか箱拾ったら変なのが出てきて、そこから先の記憶が途切れてるんだけど。
ていうか指一本動かせないです誰か助けてください。
そう思った瞬間お姫様抱っこされた。
誰に?
ジャックだった。
うえ!?
いや、え?
「ジャック...?」
何を当たり前の顔してここに居るの?
ちょっと今まで何をしていたのか丁寧に説明してほしい。
それと俺のことをお姫様抱っこすることをやめてほしい。
今すぐに降ろしてほしい。
...動けないから抵抗できない。
「大丈夫...じゃなさそうだな。とりあえず家に帰ろう」
「その前になんでお姫様抱っこしたのか詳しく教えろ」
「影魔を引き剥がした瞬間倒れたから」
あっはい。
何言ってんのか全くわかりません本当にありがとうございます。
「とりあえず降ろしてくれると非常に喜ぶんだけど」
「駄目だ。普段なら抵抗するのに今日はピクリとも動いてないじゃないか。全く動けないんだろ?」
大正解。
「いやそうだけど。...くしゅん!」
話してるときにくしゃみしちゃった。
危ない、ジャックの顔に唾飛ばすところだった。
「...急ぐか」
いやちょっと鼻ムズムズしただけなんだけど。
そんな慌てなくて大丈夫――そう言おうと思った瞬間フワッと浮く感覚が。
よくわからずに外側を見ると...
空を飛んでいた。
「うわああ!え?待って待って!え?」
高いの無理!怖いって!
俺高所恐怖症!
えっと、とりあえず外を見ないようにして。
若干、いやかなり震えつつ耐えた。
高所恐怖症なのに高いところにいたのを耐えた俺、偉くない?
震えてたとは言え。
っと気がついたら家の前についていた。
空を飛ぶと早いねー。
「着いたぞ」
「...ごめん、立てない」
腰が抜けてしまいました。
うん。全然高所恐怖症に打ち勝ててないですね。
だからってジャックにへばりつくのはどうかと思うけどね...
動けないはずなのにへばりついてるってどんだけよ...
ホントにピクリとも動けないんだけどどうしたらいい?
そういえば家に近づいたあたりから頭がぼーっとしてる気がするんだけど気のせい?
...いや気のせいじゃないわ。
頭がクラクラしてきた。
そういえば性悪謎男であるKにもらった薬のせいで発情する羽目になってたんだっけ。
...不味くね?
よし逃げよう!てか逃げないと駄目!
俺の尊厳がお亡くなりになる!
「ぶへっ!」
いった!
ジャックの腕から滑り落ちた!
いやそれだけなら――いや良くはないけど、滑り落ちたときに思いっきり顔面から行った。
めっちゃ痛い。
「...大丈夫か?」
「大丈夫じゃないです。ていうかどっかに行ってくれると嬉しいです一人にしてくださいお願いします」
「え、どうした急に...」
「まじでほんとに俺の尊厳が死ぬから!...ぅえ?」
また捕まった。
あのーすいません。
お姫様抱っこされると意識飛びそうになるんで早急にやめてもらえませんか?
あーやばい、体がムズムズしてきた。
「顔真っ赤。それに目がとろんとしてる。どうしたんだ?」
「な、なんでも...無いわけじゃ...ひゃあ!」
ちんこをまさぐるな!
「ココもこんなにして、発情期か?」
・・・
ぎゃあああ!!!
「いや、そんっなこと、あるわけないじゃないですか!」
あ。
ジャックがSの笑みを浮かべてる。
「...そうか」
ぎゃあああ!!!
「あ、あの、その、えっと... ごめんなさい!許して!何でもするから!」
「...ほう?」
あっやばい。
対応ミスった!?
「何でもするんだな?」
「あ、いや、言葉のあやと申しますか...ぅん!?」
キス!?
...あーだめだ。
もうだめだ。
「トモヤのこと、気持ちよくしてやるよ」
耳元でそう囁かれて、俺の理性は完全に溶けた。
なんか...めっちゃ変な夢を見た気がする。
声を出しながら飛び起きたんだから相当怖い夢でも見てたのかな。
さて、今の時間は...うわもう9時じゃん!
...まあけどお腹すいてないし哲生も友達の家に行くとか言ってたからいいか。
それにしてもまだジャック帰ってきてないんやね。
どこ行ってるんだろうあの吸血鬼。
学校であんな事になっちゃったけど俺は別に怒ってないから。
てか怒る気になれないやろアレは。
うう...思い出したらなんか体が熱くなってきた。
今はそっち系の妄想をする時間じゃない。
ということでさっさと妄想を放り投げてと。
割とガチでジャックはどうしてるんだろう。
一日帰ってきてないから心配なんだけど。
ていうか寂しい。
...あ、いや寂しくないです。
ホントだよ?
まあでも寂しい寂しくないは置いといて、自分の眷属をほったらかしにするのは良くないと思うな。
ほら、俺ってジャックの眷属みたいになってるじゃん?
仮にもご主人なんだからちょっとは心配してほしいっていうか。
どうせ暇なんだし探しに行ってみようかな。
散歩がてら近くを探すだけ。
なーんか一人だから落ち着かないし気を紛らわせるためにね。
というわけでジャンバーを着て出発!
寒っ!
いやまあ冬の夜なんだからそりゃあ寒いか。
空を見上げると少し曇ってる。
そう言えば明日は雨って天気予報で言ってたっけ。
まあその辺をぐるってするくらいだからいいか。
外をボーッと歩き回る。
ジャックは見つかりません。
いやまあ一日帰ってこないんだから近くにいないだろうとは予想してたけど。
その辺を回り終わってめんどくさくなってきたからそろそろ家に帰ろう。
どうせ明日の朝になれば帰ってきてるだろうし。
帰ろうと思って道を歩いていると、電柱の近くに箱が落ちていた。
手のひらサイズのちっちゃいやつ。
置いてあるっていう感じではない。カバンから落ちて転がりましたみたいな感じだし。
なんだろうと思ってその箱に近づく。
近づいていると、ふと哲生の言葉が思い出される。
『兄ちゃんって妖怪とか信じる?』
そんな感じのことを前に聞かれたことを思い出した。
どうして今そんなことを?
夜だから気が弱くなってるのかな。
さっきから、この辺の様子になんとも言えない違和感があるし。
そう思いつつ落ちていた箱を手に取る。
その瞬間箱が開いて黒い影みたいなのが出てきた。
何がなにかわからなくて呆然と立ち尽くしてしまう俺。
そんな俺に黒い影が纏わりついてきて...
「がっ!?あ、あああ!!!」
とんでもない激痛が襲い、吐血する。
目の前が霞んできて、体もうまく動かせない。
立っとくのもままならなくなってフラフラする。
そうしていたら思いっきり壁に激突した。
めちゃくちゃ痛かったし、かなりイラッとした。
なんだか煩わしくて、感情に任せて壁を殴った。
壁が粉砕した。
ちょっとスッキリした。
けど、まだ、壊し足りないな。
もっと壊したらスッキリするかな。
そう思って”俺”は壁だけじゃなくて、街路樹とか、家を手当たりしだいに破壊した。
けれど全然スッキリしない。
もっと色々壊したいな。
「落ち着け、トモヤ」
また周囲の物を色々壊そうとしたら声をかけられた。
せっかく楽しんでたのに...
どうして俺の邪魔をするんだろう。うざいなぁ。
まあそんな邪魔をするやつは壊してしまおう。
そう思い声のした方に振り向き、俺を呼び止めた人を殴ろうとした。
けれど、呼び止めた人を見た瞬間体が金縛りにあったように動かなくなった。
この人は...誰だっけ?
どうしてかわからないけど、この人を攻撃することはできない。
というかしちゃいけない気がする。
てかそもそも俺は何をしてるの?
なにを当たり前のように破壊活動をしているんだ?
??
いや物を壊すのは当たり前じゃ?
うん?
「大丈夫か?とりあえず影魔を取り除くか。痛いと思うがじっとしてろよ」
自分が何なのかわからなくなって混乱していると、男が近づいてきた。
そして俺の肩を掴んだ。
その瞬間今まで経験したことのないような痛みが俺を襲う。
痛すぎて声も出せない。
体を引きちぎられているような痛みって感じ。
すぐに終わったようにも、一時間ぐらいずっと痛みに耐えていた気もした。
終わった瞬間気絶できないで崩れ落ちた。
あれ?俺ってさっきまで何をしてた?
なんか箱拾ったら変なのが出てきて、そこから先の記憶が途切れてるんだけど。
ていうか指一本動かせないです誰か助けてください。
そう思った瞬間お姫様抱っこされた。
誰に?
ジャックだった。
うえ!?
いや、え?
「ジャック...?」
何を当たり前の顔してここに居るの?
ちょっと今まで何をしていたのか丁寧に説明してほしい。
それと俺のことをお姫様抱っこすることをやめてほしい。
今すぐに降ろしてほしい。
...動けないから抵抗できない。
「大丈夫...じゃなさそうだな。とりあえず家に帰ろう」
「その前になんでお姫様抱っこしたのか詳しく教えろ」
「影魔を引き剥がした瞬間倒れたから」
あっはい。
何言ってんのか全くわかりません本当にありがとうございます。
「とりあえず降ろしてくれると非常に喜ぶんだけど」
「駄目だ。普段なら抵抗するのに今日はピクリとも動いてないじゃないか。全く動けないんだろ?」
大正解。
「いやそうだけど。...くしゅん!」
話してるときにくしゃみしちゃった。
危ない、ジャックの顔に唾飛ばすところだった。
「...急ぐか」
いやちょっと鼻ムズムズしただけなんだけど。
そんな慌てなくて大丈夫――そう言おうと思った瞬間フワッと浮く感覚が。
よくわからずに外側を見ると...
空を飛んでいた。
「うわああ!え?待って待って!え?」
高いの無理!怖いって!
俺高所恐怖症!
えっと、とりあえず外を見ないようにして。
若干、いやかなり震えつつ耐えた。
高所恐怖症なのに高いところにいたのを耐えた俺、偉くない?
震えてたとは言え。
っと気がついたら家の前についていた。
空を飛ぶと早いねー。
「着いたぞ」
「...ごめん、立てない」
腰が抜けてしまいました。
うん。全然高所恐怖症に打ち勝ててないですね。
だからってジャックにへばりつくのはどうかと思うけどね...
動けないはずなのにへばりついてるってどんだけよ...
ホントにピクリとも動けないんだけどどうしたらいい?
そういえば家に近づいたあたりから頭がぼーっとしてる気がするんだけど気のせい?
...いや気のせいじゃないわ。
頭がクラクラしてきた。
そういえば性悪謎男であるKにもらった薬のせいで発情する羽目になってたんだっけ。
...不味くね?
よし逃げよう!てか逃げないと駄目!
俺の尊厳がお亡くなりになる!
「ぶへっ!」
いった!
ジャックの腕から滑り落ちた!
いやそれだけなら――いや良くはないけど、滑り落ちたときに思いっきり顔面から行った。
めっちゃ痛い。
「...大丈夫か?」
「大丈夫じゃないです。ていうかどっかに行ってくれると嬉しいです一人にしてくださいお願いします」
「え、どうした急に...」
「まじでほんとに俺の尊厳が死ぬから!...ぅえ?」
また捕まった。
あのーすいません。
お姫様抱っこされると意識飛びそうになるんで早急にやめてもらえませんか?
あーやばい、体がムズムズしてきた。
「顔真っ赤。それに目がとろんとしてる。どうしたんだ?」
「な、なんでも...無いわけじゃ...ひゃあ!」
ちんこをまさぐるな!
「ココもこんなにして、発情期か?」
・・・
ぎゃあああ!!!
「いや、そんっなこと、あるわけないじゃないですか!」
あ。
ジャックがSの笑みを浮かべてる。
「...そうか」
ぎゃあああ!!!
「あ、あの、その、えっと... ごめんなさい!許して!何でもするから!」
「...ほう?」
あっやばい。
対応ミスった!?
「何でもするんだな?」
「あ、いや、言葉のあやと申しますか...ぅん!?」
キス!?
...あーだめだ。
もうだめだ。
「トモヤのこと、気持ちよくしてやるよ」
耳元でそう囁かれて、俺の理性は完全に溶けた。
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