俺と吸血鬼

クローバー

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精神的に終わりそう

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待ってやばい。
さっき指摘すべてを思い出したんだけどさあ...
~~~!!(声にならない叫び)
俺何やってんの!?
誰か、誰か俺を殺してくれー!
「兄ちゃんどうしたの!?」
あっやばい。
どうしよう!なんて言えば!
「あーえっと...そう!でかい蜘蛛を見つけちゃってびっくりしたの!」
「そう?」
ふう...
今の状況でこっちに来られたら確実にバレるから良かった。
「はい。じゃあ、あの、ジャックさん...」
「なんだ?」
「ごめんなさい!」
いくら変に発情してたとは言え、ジャックのことを、その...
あれした訳ですし。
「別に怒ってないが...まあこれから大変だと思うが頑張れよ」
ん?
なんかすごく不穏なことを言われた気が。
「とりあえず首の噛み跡をどうにかしないとな」
あっそうじゃん。
「確かになにか言われる可能性があるからね」
「いや、それもあるが...」
「え、なになに?...あっ...あ!?」
なに首触られただけで喘いでんの俺!?
「こんなふうに噛まれたとこが敏感になる」
うせやろ!?
どうしようどうしよう!
「絆創膏でも貼っとく!?」
「...隠せるならいいんじゃないか?」
「よしそれで行こう!」
それじゃあ顔を洗ってご飯食べよう。

「おまたせー。あ、トースト作ってくれたんだ」
「ふふん!いつも兄ちゃんに作ってもらってるから今日は俺が作った!」
「ありがとう」
うーん、すごく耳と尻尾が見えるね。
大型犬二匹目誕生の瞬間。

それじゃあ食べ終わったし学校行くか。
「じゃあ俺先に行くね」
「いってらっしゃい」
よし。
これでジャックが見つかる可能性がなくなった。
てかジャックどうしよう。
学校連れて行くのって流石に無理よね。
連れて行くってペットみたいな扱いをしてるような気がするけど気のせい。
とりあえず絆創膏探そう。
...あったあった
一応これで隠れる...のかな?
「ジャックちょっといい感じに貼って」
「ん」
「...ッ...あ、ふぁ」
ちょっとまって貼るだけでこんなゾワってするのって相当やばくね?
あれ?これ剥がす時...
...
もう知らん!後で考える!
「ありがと...じゃあ学校行ってくるから...」
うわコウモリ形態になってバックの中入ってきた。
もういいや。

「そういえばさあ俺吸血鬼になったけど太陽大丈夫なのなんで?」
「不完全だからだな。他にも十字架とか見ても大丈夫。あとは運動能力が上がってるんじゃないか?」
「それじゃあジャックを外に出したら灰になる感じ?」
「ならない」
「は?」
「伊達に吸血鬼やってない。太陽の光はもう克服してる」
それあかんやつやろ。
吸血鬼って弱点が多いから人間が勝てるんであって、弱点のない吸血鬼ってただの無敵の化け物ってことだと思うんですけど。
まあ俺は殺されたりしそうなことは今のところ無いからいいけど。
食われそうな(意味深)気配はあるけど。
「人襲うって気持ち持ってないよね?」
「んー若いときは人を襲ったりしてたけどな」
若いって...
え?
あんた年いくつ?
吸血鬼の話のモデルジャックとか無いよね?
「ま、今は可愛い眷属ができてるからな」
「~~ッ!」
何こいつたらしなん?
絶対スケコマシだよねこいつ。
やばい、俺男なのにコマされそう。
イケメンにそんな事言われたらそりゃあコマされそうにもなるよ。
「と、とにかくさっさと学校に行かないと遅刻するから!」
恥ずかしさで死にそうになるから、ごまかしながら走った。
バックを揺らしまくってしまったのは...ごめん。

「おはよー」
「あ、健太おはよー」
こいつは荒木健太。
友達である。
あーなんかこのフツメンを見ると安心する。
身長も俺より高いっちゃ高いけど常識の範囲内の大きさだし。
「...なんでそんなニヤニヤしてんの?」
「俺にも色々あるのだよ」
「そんなことより宿題見せてくんない?昨日できなかったからさ!親友としての頼みだからこの通り!」
そんなことって...
これでも昨日辺りから(自主規制)されたりとか、夜中に発情して(自主規制)したりして精神的にキツイんだけど。
「宿題くらい自分の力でやれ!」
「ううー。この真面目!」
「お褒めに預かり恐悦至極」
「この吸血鬼!」
!?
待ってバレてるの!?
「き、急に何言うの!」
「冗談だって。そんな必死になって弁明しなくていいじゃん」
「いや急にそんなこと言われたら慌てるよ!」
「だって首に絆創膏貼ってるじゃん。俺が読んだ本に吸血鬼に噛まれた主人公がそのことを隠すために噛み跡に絆創膏貼ったてシーンがあったもん」
...俺じゃん!
その主人公俺の今の状況と完璧に一致してるじゃん!
「これは怪我をしただけ!首を掻いてたら引っ掻いて血が出ちゃった」
流石にこの嘘は厳しそうかな...
「あはは!なんでそんな器用な怪我をするの。面白すぎやろ」
「いいじゃん別に!」
「まあそれならいいよ。それより宿題」
「流石に見せるのはだめだけど、教えることぐらいするから。ちょっと待ってて」
「さすが智也!話がわかるー!」

キーンコーンカーンコーン...

「あ、チャイムなっちゃった。それじゃあ後でお願いね」
「おっけー」

あーびっくりしたー...
何なん?
本で見たからって理由で吸血鬼呼ばわりはひどくない?
普通だったらどうでもいいことだって流したけど、今の状況だとまじで心臓に悪い。
まあいいや、もうすぐ一時間目が始まるからさっさと準備しとこう。

国語!
俺が一番好きな教科。
今は有名な小説家の小説を習っている。
作者がどんな気持ちでこの部分を書いたのかとか、そういうのを考えたりするのって楽しい。

数学!
俺が一番嫌いな教科。
二次関数?三角関数?ホニャララの定理?
知るか!
予想とか感覚でするのは得意だけど、論理的な思考は苦手なんじゃ!
一応こんなんでも順位がど真ん中っていう不思議。

英語!
まあ好きでも嫌いでもない教科。
英語圏の人から見たら国語に当たるわけだし、なんか波動を感じてできてるのかな?
暗記とか得意だしねー。

とまあそんな感じで授業を進めてるわけです。
色々あって4時間目の休み時間。
事件が起きた。
とびっきりやばいのが。

さてと、健太に宿題教えたし大丈夫そうかな?
次の英語の準備するか。
ドクン
あれ?なんか体が熱い?
しかも頭が痛くなってきた。
この感じ...夜中にあったのと似てる?
なんか、ヤバげ?
「あ、ねえ智也...ん?智也どうしたの?」
「なんかあたまがいたくて...」
「うわなんか顔色悪いよ?...熱あるねー。しかも呂律回ってないし」
「ほけんしついったほうがいいかな?」
「行ったほうがいい。てかすぐ行こう、今すぐ行こう!立てる?」
「うん...」『じゃっく、ちょっとほけんしついくからついてきて...みつかるとまずいでしょ?』
念の為についてくるように伝える。
体の中にスッて何かが入ってきた?
こんな事もできたんだな...
「肩貸すから頑張って」

「さてと、ここまで来たら大丈夫かな?」
「せんせい、いないよ?」
「ちょっと先生は用事があって席を外してるんだよ。ほらそこに寝て」
健太が手際よくベットを整えてくれてる。
「ごめんねー、キツイ思いさせちゃって」
「だいじょうぶ」
「まあ血を吸ってもらえばすぐ戻れるだろうから早めに戻ってきてね」
「...ん?」
「本当は本番突入してもらったほうが僕としては萌えるんだけど、流石に体力面とかあるからねー」
「なにいって...」
「まあどうせ、君帰ったら弟とヤることになるから。今は血を吸ってもらって落ち着いてね」
「...けんたじゃないよね?」
「まあまあ、僕のことはどうでもいいから。それじゃあね」
そう言って健太の皮を被った誰かは出ていった。
色々と気になることはあるけど、今はそんな事考えられない。
俺の思考は、血を吸ってほしいということしか残ってなかった。
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