39 / 73
二章 復讐と集団転移編
第38話 エピローグ 村のはずれで
しおりを挟む
目を覚ますとそこは、知らない森の中だった。
「ん……?」
辺りを見回すも、人の姿はない。
これってもしかして……
——パシャっ
不意に遠くから水音が聞こえて、俺の全身に緊張が走る。
……万が一危険な獣だったらまずいからな。
これは是非とも確かめに行かなくては。
決して味を占めてラッキースケベを狙っているわけではない。うん。
俺はハチミツに引き寄せられるプーさんのように、頭を突きだしてふらふらとした足取りで音のする方へと向かう。
「おはようございますオウガイさん……どこへ、行くつもりですか?」
——するとそこには、全裸の超絶美少女エルフがいた。
発情して息が荒くなるほど綺麗な体のエルフさんは、氷点下の笑みを浮かべて全裸で仁王立ちしていた。
まるで、俺の進路を阻むかのように。
「め、メア……ただ俺は、水音がしたから獣か何かだったら危ないなぁと思って見に来ただけで……」
「その言い訳で覗きを許すのは私だけですよ?」
メアの指先から電撃がバチっと弾ける。
……ここは大人しく従っておいた方がよさそうだ。
「冗談だよ。目を覚ましたら誰もいないから少し不安になっただけだ」
俺は苦笑を浮かべて踵を返す。
違うんだ、特定の相手の裸が見たいんじゃなくて、男は女湯という響きに憧れる生き物なんだ。
なんて言い訳をしても異世界人であるメアさんには通用しまい。
さらば俺の理想郷。
「全く、そんなに女の子の水浴びを覗きたかったんですか? ……やっぱり、私のカラダでは満足できませんか?」
メアが控えめな胸に手を当てて悲しそうに呟く。
「そんなわけないっ! 同人誌でもAVでも、メアほど綺麗な体は見たことがない。その貧乳は誇るべきステータスだ!」
「……貧乳?」
あ、ダメだこれ。
メアさんすっごい怖い顔をしてらっしゃる。
ほんとすいません許してください寝起きでまだ頭回ってないんです。
「ま、いいですけどね。オウガイさんが私にぞっこんなのは普段の反応を見てれば分かりますし」
怯える俺に対し、メアは優し気に微笑んだ。
よく分からないが許されたらしい。
こうして、俺の淡い覗きへの憧れは一瞬で潰えたのだった。
いやまあ、森の中でメアにバレずに覗きなんて出来るわけないってのは最初から分かっていたんだけれども。
結果的には全裸のメアが見られたので大満足だ。
そんなこんなで、俺たちは最初に目を覚ました森の中の少し開けたところに戻ってきた。
因みにメアは何故か全裸のままだ。
修司やインテリ坊主との戦いを終えた俺たちは、その後丸二日馬車を走らせて村の近くにある森の開けた一角に拠点を構えた。
当初の予定では運転できるのが俺一人だったのでもう少しかかるはずだったのだが、石紅と交代で進めるようになったので早く到着したのだ。
ただそのせいで休憩は最低限しか取れなかった。一応追手の可能性もあるので、出来るだけ早く森に入りたかったのだ。
そうして森に到着した後は、分厚い壁を立てて防御を固め、土魔法で雨風を凌げる家を建てよう。
そんな風に思っていたのだが……流石に限界が来た。
馬車を降りた瞬間一気に緊張が解けて、俺はそのまま倒れてしまった。
なので、今の状況がどうなっているのかはよく知らない。
「俺が倒れた後、何か問題はあったか?」
「ありませんよ。もう森の中ですから、何かあれば私が気付きます。強いて言えば、オウガイさんの可愛い笑顔をみんなにも見られてしまったことが不満なくらいでしょうか」
何かあればこんな風にのんびり話してはいられないだろう、とは思いつつも、やはり不安はあって尋ねる顔は強張ってしまう。
そんな俺を見かねたのだろう。
「オウガイさん、ここ、寝てください♪」
メアはおもむろに地面に座ると、悪戯っぽい笑みを浮かべて自身の膝をポンポンと叩いた。
「……おまっ、汚れるぞ」
「そのくらい手で払えば落ちますよ」
有無を言わせぬ雰囲気に、俺はため息を吐いて彼女の膝に頭を預けた。
しばらくぶりの膝枕だ。
「これは中々……」
目の前に広がる景色に、俺は感嘆の声を漏らした。
きらきらと、風に揺れる穏やかな木漏れ日に照らされるのは二つの山。
山というか丘くらいな気がするが、下から見上げるといつもより大きく見えるから不思議だ。
そして、頂点には鮮やかな桃色が広がっている。こんなのが富士山のバリエーションにあったような、なかったような。
などとアホなことを考えて居られたのも束の間だった。
頭を預けて一息つくと、すぐに遠く望んでいた山々がぐっと近づいてきて、視界の暗闇と引き換えに顔中が心地よい柔らかさに包まれる。
「……よく、頑張りましたね」
それがメアに抱きしめられたのだと、俺はすぐに分かった。
いつかもこんな風に慰めて貰った気がする。
「そうだな……今回のは、だいぶ疲れた」
こうなってはもう誤魔化しなど通用しない。
俺はただ本心を口にした。
ナナを貶め、修司を殺し、そして綾小路たちも全員殺した。
もちろん復讐したいとは思っていたし、綾小路たちを逃がすわけにはいかなかった。
実際に復讐したらスカッとしたし、ようやく過去と完全に決別出来た気がする。
他の奴らも全員殺されて当然のクズではあったので、選択自体は後悔していないが……ただあれ以来ずっと、やけに頭が重い。
こういうのを、心が疲れたというのだろう。
「まあでも、こうしてメアが慰めてくれるからな。ちょっと休めば、俺は大丈夫だよ」
やらなければならないことはまだまだあるしな。
守るべき相手がいて、甘やかしてくれる嫁がいれば、折れることはないだろう。
俺がそう言うとメアは抱きしめるのを止める。
再び視界に映ったメアは心配そうに俺を見つめていて、どうしようもなく愛おしくて、俺はその頬を優しく撫でた。
そのまま俺たちは、どちらからともなく顔を近づけていき――
「え、ちょ、二人とも何してるの!? 真昼間から全裸でナニをどこにいれてどうする気!?」
その瞬間、石紅の叫び声が響き渡った。
というか石紅だけじゃなく、水浴びを終えた女子たちがぞろぞろと戻ってきている。
見れば、メアが悪戯っぽく舌を出して笑っていた。
こいつ、気付いてて言わなかったな……
思わず許してしまいそうなくらい可愛いけどそんな顔してもダメだ。
「よく見ろ、裸なのはメアだけだ。俺は服を着てるだろ? つまり悪いのはメア。俺は無実だ」
「メアさんだけ脱がして楽しんでってこと!? いつの間にそんなマニアックな性癖になったの!?」
あれ……?
なんかこれ何を言っても俺が悪者にされる気がする。
「おい石紅、お前とは中学時代散々猥談しただろ。大体メアから聞いて俺の性癖も知ってるはずだ。頼むから一旦落ち着いてくれ」
「へぇ~、オウガイさん、ミクと猥談していたんですか」
「元凶は黙ってくれないかなぁ!」
さっきからずっと女子たちから冷ややかな視線を向けられているのだ。
このまま誤解が解けなければ、今後この集団での俺の立ち位置が危うい。
「葛西君……ヘンタイ」
そんな俺の心配も虚しく、浅海の一言で俺の立場は完全に決定付けられてしまった。
女子たちが全員汚らわしい物を見るような目で自分の身を抱いて、後ずさりしている。
「あーもう、お前ら絶対楽しんでんだろ! そのくらいの余裕が持てるようになってよかったなチクショウが!!!」
やけくそ気味に立ち上がり、俺は叫ぶ。
女子たちの気力をなくした死んだような目がただの蔑みの目に変わったなら、まあ、これも悪くない犠牲だろう。
こんな風にぎゃいぎゃいと騒いでいられるのはきっと平和だからだ。
思っていたのとはだいぶ違うが、これはこれでよかったと思う。
「オウガイさんオウガイさん、なんか良いこと言おうとしてますが、そんなにおっきくしてたら何言っても逆効果ですよ?」
と思ったのも束の間。
メアの指摘にその場の空気が氷点下まで凍り付く。
お願いだから俺の感傷を返して……
そんな俺の心の叫びがみんなに届くことはなく。
彼女たちは時折俺の方を見て悲鳴を上げながら、楽しそうに女子トークを始めるのだった。
――――――――――
これにて第2章完結です!
お付き合いいただきありがとうございました!
引き続きよろしくお願いいたします!
「ん……?」
辺りを見回すも、人の姿はない。
これってもしかして……
——パシャっ
不意に遠くから水音が聞こえて、俺の全身に緊張が走る。
……万が一危険な獣だったらまずいからな。
これは是非とも確かめに行かなくては。
決して味を占めてラッキースケベを狙っているわけではない。うん。
俺はハチミツに引き寄せられるプーさんのように、頭を突きだしてふらふらとした足取りで音のする方へと向かう。
「おはようございますオウガイさん……どこへ、行くつもりですか?」
——するとそこには、全裸の超絶美少女エルフがいた。
発情して息が荒くなるほど綺麗な体のエルフさんは、氷点下の笑みを浮かべて全裸で仁王立ちしていた。
まるで、俺の進路を阻むかのように。
「め、メア……ただ俺は、水音がしたから獣か何かだったら危ないなぁと思って見に来ただけで……」
「その言い訳で覗きを許すのは私だけですよ?」
メアの指先から電撃がバチっと弾ける。
……ここは大人しく従っておいた方がよさそうだ。
「冗談だよ。目を覚ましたら誰もいないから少し不安になっただけだ」
俺は苦笑を浮かべて踵を返す。
違うんだ、特定の相手の裸が見たいんじゃなくて、男は女湯という響きに憧れる生き物なんだ。
なんて言い訳をしても異世界人であるメアさんには通用しまい。
さらば俺の理想郷。
「全く、そんなに女の子の水浴びを覗きたかったんですか? ……やっぱり、私のカラダでは満足できませんか?」
メアが控えめな胸に手を当てて悲しそうに呟く。
「そんなわけないっ! 同人誌でもAVでも、メアほど綺麗な体は見たことがない。その貧乳は誇るべきステータスだ!」
「……貧乳?」
あ、ダメだこれ。
メアさんすっごい怖い顔をしてらっしゃる。
ほんとすいません許してください寝起きでまだ頭回ってないんです。
「ま、いいですけどね。オウガイさんが私にぞっこんなのは普段の反応を見てれば分かりますし」
怯える俺に対し、メアは優し気に微笑んだ。
よく分からないが許されたらしい。
こうして、俺の淡い覗きへの憧れは一瞬で潰えたのだった。
いやまあ、森の中でメアにバレずに覗きなんて出来るわけないってのは最初から分かっていたんだけれども。
結果的には全裸のメアが見られたので大満足だ。
そんなこんなで、俺たちは最初に目を覚ました森の中の少し開けたところに戻ってきた。
因みにメアは何故か全裸のままだ。
修司やインテリ坊主との戦いを終えた俺たちは、その後丸二日馬車を走らせて村の近くにある森の開けた一角に拠点を構えた。
当初の予定では運転できるのが俺一人だったのでもう少しかかるはずだったのだが、石紅と交代で進めるようになったので早く到着したのだ。
ただそのせいで休憩は最低限しか取れなかった。一応追手の可能性もあるので、出来るだけ早く森に入りたかったのだ。
そうして森に到着した後は、分厚い壁を立てて防御を固め、土魔法で雨風を凌げる家を建てよう。
そんな風に思っていたのだが……流石に限界が来た。
馬車を降りた瞬間一気に緊張が解けて、俺はそのまま倒れてしまった。
なので、今の状況がどうなっているのかはよく知らない。
「俺が倒れた後、何か問題はあったか?」
「ありませんよ。もう森の中ですから、何かあれば私が気付きます。強いて言えば、オウガイさんの可愛い笑顔をみんなにも見られてしまったことが不満なくらいでしょうか」
何かあればこんな風にのんびり話してはいられないだろう、とは思いつつも、やはり不安はあって尋ねる顔は強張ってしまう。
そんな俺を見かねたのだろう。
「オウガイさん、ここ、寝てください♪」
メアはおもむろに地面に座ると、悪戯っぽい笑みを浮かべて自身の膝をポンポンと叩いた。
「……おまっ、汚れるぞ」
「そのくらい手で払えば落ちますよ」
有無を言わせぬ雰囲気に、俺はため息を吐いて彼女の膝に頭を預けた。
しばらくぶりの膝枕だ。
「これは中々……」
目の前に広がる景色に、俺は感嘆の声を漏らした。
きらきらと、風に揺れる穏やかな木漏れ日に照らされるのは二つの山。
山というか丘くらいな気がするが、下から見上げるといつもより大きく見えるから不思議だ。
そして、頂点には鮮やかな桃色が広がっている。こんなのが富士山のバリエーションにあったような、なかったような。
などとアホなことを考えて居られたのも束の間だった。
頭を預けて一息つくと、すぐに遠く望んでいた山々がぐっと近づいてきて、視界の暗闇と引き換えに顔中が心地よい柔らかさに包まれる。
「……よく、頑張りましたね」
それがメアに抱きしめられたのだと、俺はすぐに分かった。
いつかもこんな風に慰めて貰った気がする。
「そうだな……今回のは、だいぶ疲れた」
こうなってはもう誤魔化しなど通用しない。
俺はただ本心を口にした。
ナナを貶め、修司を殺し、そして綾小路たちも全員殺した。
もちろん復讐したいとは思っていたし、綾小路たちを逃がすわけにはいかなかった。
実際に復讐したらスカッとしたし、ようやく過去と完全に決別出来た気がする。
他の奴らも全員殺されて当然のクズではあったので、選択自体は後悔していないが……ただあれ以来ずっと、やけに頭が重い。
こういうのを、心が疲れたというのだろう。
「まあでも、こうしてメアが慰めてくれるからな。ちょっと休めば、俺は大丈夫だよ」
やらなければならないことはまだまだあるしな。
守るべき相手がいて、甘やかしてくれる嫁がいれば、折れることはないだろう。
俺がそう言うとメアは抱きしめるのを止める。
再び視界に映ったメアは心配そうに俺を見つめていて、どうしようもなく愛おしくて、俺はその頬を優しく撫でた。
そのまま俺たちは、どちらからともなく顔を近づけていき――
「え、ちょ、二人とも何してるの!? 真昼間から全裸でナニをどこにいれてどうする気!?」
その瞬間、石紅の叫び声が響き渡った。
というか石紅だけじゃなく、水浴びを終えた女子たちがぞろぞろと戻ってきている。
見れば、メアが悪戯っぽく舌を出して笑っていた。
こいつ、気付いてて言わなかったな……
思わず許してしまいそうなくらい可愛いけどそんな顔してもダメだ。
「よく見ろ、裸なのはメアだけだ。俺は服を着てるだろ? つまり悪いのはメア。俺は無実だ」
「メアさんだけ脱がして楽しんでってこと!? いつの間にそんなマニアックな性癖になったの!?」
あれ……?
なんかこれ何を言っても俺が悪者にされる気がする。
「おい石紅、お前とは中学時代散々猥談しただろ。大体メアから聞いて俺の性癖も知ってるはずだ。頼むから一旦落ち着いてくれ」
「へぇ~、オウガイさん、ミクと猥談していたんですか」
「元凶は黙ってくれないかなぁ!」
さっきからずっと女子たちから冷ややかな視線を向けられているのだ。
このまま誤解が解けなければ、今後この集団での俺の立ち位置が危うい。
「葛西君……ヘンタイ」
そんな俺の心配も虚しく、浅海の一言で俺の立場は完全に決定付けられてしまった。
女子たちが全員汚らわしい物を見るような目で自分の身を抱いて、後ずさりしている。
「あーもう、お前ら絶対楽しんでんだろ! そのくらいの余裕が持てるようになってよかったなチクショウが!!!」
やけくそ気味に立ち上がり、俺は叫ぶ。
女子たちの気力をなくした死んだような目がただの蔑みの目に変わったなら、まあ、これも悪くない犠牲だろう。
こんな風にぎゃいぎゃいと騒いでいられるのはきっと平和だからだ。
思っていたのとはだいぶ違うが、これはこれでよかったと思う。
「オウガイさんオウガイさん、なんか良いこと言おうとしてますが、そんなにおっきくしてたら何言っても逆効果ですよ?」
と思ったのも束の間。
メアの指摘にその場の空気が氷点下まで凍り付く。
お願いだから俺の感傷を返して……
そんな俺の心の叫びがみんなに届くことはなく。
彼女たちは時折俺の方を見て悲鳴を上げながら、楽しそうに女子トークを始めるのだった。
――――――――――
これにて第2章完結です!
お付き合いいただきありがとうございました!
引き続きよろしくお願いいたします!
0
お気に入りに追加
425
あなたにおすすめの小説

【完結】初級魔法しか使えない低ランク冒険者の少年は、今日も依頼を達成して家に帰る。
アノマロカリス
ファンタジー
少年テッドには、両親がいない。
両親は低ランク冒険者で、依頼の途中で魔物に殺されたのだ。
両親の少ない保険でやり繰りしていたが、もう金が尽きかけようとしていた。
テッドには、妹が3人いる。
両親から「妹達を頼む!」…と出掛ける前からいつも約束していた。
このままでは家族が離れ離れになると思ったテッドは、冒険者になって金を稼ぐ道を選んだ。
そんな少年テッドだが、パーティーには加入せずにソロ活動していた。
その理由は、パーティーに参加するとその日に家に帰れなくなるからだ。
両親は、小さいながらも持ち家を持っていてそこに住んでいる。
両親が生きている頃は、父親の部屋と母親の部屋、子供部屋には兄妹4人で暮らしていたが…
両親が死んでからは、父親の部屋はテッドが…
母親の部屋は、長女のリットが、子供部屋には、次女のルットと三女のロットになっている。
今日も依頼をこなして、家に帰るんだ!
この少年テッドは…いや、この先は本編で語ろう。
お楽しみくださいね!
HOTランキング20位になりました。
皆さん、有り難う御座います。

凡人がおまけ召喚されてしまった件
根鳥 泰造
ファンタジー
勇者召喚に巻き込まれて、異世界にきてしまった祐介。最初は勇者の様に大切に扱われていたが、ごく普通の才能しかないので、冷遇されるようになり、ついには王宮から追い出される。
仕方なく冒険者登録することにしたが、この世界では希少なヒーラー適正を持っていた。一年掛けて治癒魔法を習得し、治癒剣士となると、引く手あまたに。しかも、彼は『強欲』という大罪スキルを持っていて、倒した敵のスキルを自分のものにできるのだ。
それらのお蔭で、才能は凡人でも、数多のスキルで能力を補い、熟練度は飛びぬけ、高難度クエストも熟せる有名冒険者となる。そして、裏では気配消去や不可視化スキルを活かして、暗殺という裏の仕事も始めた。
異世界に来て八年後、その暗殺依頼で、召喚勇者の暗殺を受けたのだが、それは祐介を捕まえるための罠だった。祐介が暗殺者になっていると知った勇者が、改心させよう企てたもので、その後は勇者一行に加わり、魔王討伐の旅に同行することに。
最初は脅され渋々同行していた祐介も、勇者や仲間の思いをしり、どんどん勇者が好きになり、勇者から告白までされる。
だが、魔王を討伐を成し遂げるも、魔王戦で勇者は祐介を庇い、障害者になる。
祐介は、勇者の嘘で、病院を作り、医師の道を歩みだすのだった。

追放貴族少年リュウキの成り上がり~魔力を全部奪われたけど、代わりに『闘気』を手に入れました~
さとう
ファンタジー
とある王国貴族に生まれた少年リュウキ。彼は生まれながらにして『大賢者』に匹敵する魔力を持って生まれた……が、義弟を溺愛する継母によって全ての魔力を奪われ、次期当主の座も奪われ追放されてしまう。
全てを失ったリュウキ。家も、婚約者も、母の形見すら奪われ涙する。もう生きる力もなくなり、全てを終わらせようと『龍の森』へ踏み込むと、そこにいたのは死にかけたドラゴンだった。
ドラゴンは、リュウキの境遇を憐れみ、ドラゴンしか使うことのできない『闘気』を命をかけて与えた。
これは、ドラゴンの力を得た少年リュウキが、新しい人生を歩む物語。

お花畑な母親が正当な跡取りである兄を差し置いて俺を跡取りにしようとしている。誰か助けて……
karon
ファンタジー
我が家にはおまけがいる。それは俺の兄、しかし兄はすべてに置いて俺に勝っており、俺は凡人以下。兄を差し置いて俺が跡取りになったら俺は詰む。何とかこの状況から逃げ出したい。

パーティーを追放されるどころか殺されかけたので、俺はあらゆる物をスキルに変える能力でやり返す
名無し
ファンタジー
パーティー内で逆境に立たされていたセクトは、固有能力取得による逆転劇を信じていたが、信頼していた仲間に裏切られた上に崖から突き落とされてしまう。近隣で活動していたパーティーのおかげで奇跡的に一命をとりとめたセクトは、かつての仲間たちへの復讐とともに、助けてくれた者たちへの恩返しを誓うのだった。

帰って来た勇者、現代の世界を引っ掻きまわす
黄昏人
ファンタジー
ハヤトは15歳、中学3年生の時に異世界に召喚され、7年の苦労の後、22歳にて魔族と魔王を滅ぼして日本に帰還した。帰還の際には、莫大な財宝を持たされ、さらに身につけた魔法を始めとする能力も保持できたが、マナの濃度の低い地球における能力は限定的なものであった。しかし、それでも圧倒的な体力と戦闘能力、限定的とは言え魔法能力は現代日本を、いや世界を大きく動かすのであった。
4年前に書いたものをリライトして載せてみます。
スキルが【アイテムボックス】だけってどうなのよ?
山ノ内虎之助
ファンタジー
高校生宮原幸也は転生者である。
2度目の人生を目立たぬよう生きてきた幸也だが、ある日クラスメイト15人と一緒に異世界に転移されてしまう。
異世界で与えられたスキルは【アイテムボックス】のみ。
唯一のスキルを創意工夫しながら異世界を生き抜いていく。

倒した魔物が消えるのは、僕だけのスキルらしいです
桐山じゃろ
ファンタジー
日常のなんでもないタイミングで右眼の色だけ変わってしまうという特異体質のディールは、魔物に止めを刺すだけで魔物の死骸を消してしまえる能力を持っていた。世間では魔物を消せるのは聖女の魔滅魔法のみ。聖女に疎まれてパーティを追い出され、今度は魔滅魔法の使えない聖女とパーティを組むことに。瞳の力は魔物を消すだけではないことを知る頃には、ディールは世界の命運に巻き込まれていた。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる