20 / 43
第19話 ユマ・サバーバン大佐
しおりを挟む
兵士はユキを大声で怒鳴りつけた。
「おとなしくしろ! このガキ、さっき人間と手をつないでいたな! 不遜罪で連行する!」
まわりの客が悲鳴をあげ、食器の割れる音がした。ハチワレの店主猫はオロオロするばかりだった。僕は立ち上がろうとしたが、ベラベッカが僕の腕にそっと触れて首を振った。
彼女は立ち上がると、驚いている客や猫店員たちの間を通って兵士の前に進みでた。
「占領軍兵士のみなさま。わたくしの連れが粗相し、申し訳ございませんでした。どうかこれでお許しください。」
彼女は兵士のひとりにそっと金貨を手渡した。兵士たちはベラベッカをジロジロと下品な目で見ていた。
「これでは足らんなあ。代わりに何か別のものを差し出してもらおうか。」
腕を兵士につかまれた彼女はじっと堪えているように見えた。
「おやめください。お金ならもっとさしあげますから、その子を離してください。」
僕はもう我慢ができず、席を立つと走り寄ってその兵士を突き飛ばした。
「やめて下さい! 手をつなぐ事が罪ですか! 私たちは孤児院の者です。占領軍のせいで行き場のなくなった子猫たちを毎日お世話しています。手も繋ぎますし、おしめも替えます。私たちを逮捕するというなら、占領軍が代わりに子猫たちの世話をしてくれるのですか!」
まわりの猫や人間の客からさえも一斉に歓声と拍手がわきおこった。
「だ、黙れ! 静まらんか! おのれ、栄光ある我が占領軍を侮辱しおって! 全員拘束して連行…」
この兵士は最後まで言えなかった。誰かに殴られてふっ飛んだからだった。殴ったのは僕ではなかった。
そこに立っていたのは、濃紺の詰襟の制服にロングコートをはおり、長身で腰に長いサーベルをさした人だった。その立ち姿のシルエットは美しく、革のロングブーツの脚先まで含めて抜群のプロポーションだった。
頭には制帽を被り、帽子からは栗色の長めの髪が伸びていてゆるいウエーブがかかっていた。顔の右半分は髪で隠れていたが、ベラベッカと勝るとも劣らないくらい整った美しい顔立ちの人だった。
その人物は右の拳を下ろすと、僕たちに深々と頭を下げた。
「部下の非礼を心よりお詫びする。」
はきはきとした、少しハスキーな声だった。兵士は見るからにおびえていた。
「サバーバン大佐! お許しを!」
「黙れッ! 占領下の治安維持が貴様らの任務であろう。逆に治安を乱す奴があるか! 後ほど厳罰に処す!」
一喝された兵士達はとぼとぼと去っていった。大佐と呼ばれた人物はベラベッカの前に優美にひざまずいた。
「お怪我はされませんでしたか。そちらの猫殿も。」
ベラベッカでさえ、大佐の堂々としたしぐさに少し押されているようだった。
「大丈夫です。お気遣いに感謝します。」
「大丈夫ニャ! おねえちゃん、ありがとうニャ!」
大佐はユキの頭を撫でてから、僕を真っ直ぐに見てきた。
「貴殿のふるまいはお見事でした。わが部下の蛮行はお恥ずかしい限りです。失礼、申し遅れました。私は占領軍参謀本部大佐、ユマ・サバーバンと申します。」
(この若さで将校!?)
僕は密かに驚いて、ベラベッカを見ると深刻な表情を浮かべていた。大佐が手袋を外して手を差し出してきたので僕はその手を握り返した。想像以上に握力が強かったが、柔らかな手だった。
「あ、僕は三毛神といいます。」
「ミケガミ…殿ですか。」
大佐は握手しながらじっと僕を見つめてきた。彼女はなかなか僕の手を離そうとしなかった。
「あの、もういいですか?」
大佐は慌てた様子で手を離した。その様子をベラベッカがじっと観察していた。
「失礼いたしました。貴殿は孤児院の方ですね。何か足りない物質がありますか? 軍から提供いたしますが。」
僕が口を開こうとすると、ベラベッカが横から遮った。
「結構です。さあ、帰りましょう、レイさま、ユキさま。子猫たちが待っています。」
「お待ちを。不躾な質問で恐縮だが、貴殿とそちらのお嬢さんのご関係は?」
(うわ、職質か?)
僕が答えに困っていると、ベラベッカは大佐にするどい視線を向けた。
「婚約者です。それでは失礼します。」
(こ、婚約者!?)
「そうでしたか。それは失礼を。どうかお幸せに。」
きびきびとした動作で回れ右した大佐は去って行こうとした。僕はホッとしたが、ユキは名残惜しそうにしていた。
「ユキもレイのコンヤクシャニャ! ユマおねえちゃん、またね!」
大佐はそれを聞くと立ち止まってふりかえり、笑顔で会釈すると去っていった。
「いい人だったね。」
僕の言葉に、ベラベッカは苛立ちを隠そうとしなかった。
「あんな方がいい人のはずがありません。」
こねこの家への帰り道で、彼女はずっと黙ったままだった。
「そりゃ大変だったね!」
地下会議室にアイゼの笑い声が響き渡った。子猫たちを寝かしつけて、洗い物を終えてからの夜の作戦会議だった。ユキは結局、アイゼの部屋で寝泊まりすることになった。
カフェでの事件を聞いたアイゼはしばらくの間、笑い続けた。
「ベラベッカに強力ライバル出現ね。でも、これは使えるかもよ。」
何かを思いついたのかアイゼはニヤニヤし始めた。こういう時の彼女は本当に楽しそうだった。ベラベッカは不服そうな顔をしてずっと口を閉じたままだった。
「上出来? 占領軍のしかも将校に目をつけられたのに?」
僕の疑問に、レオパルトは上機嫌だった。
「レイはん、そら逆やで。そいつを利用できたら、敵の機密情報を奪い放題やで! ようやったのう!」
レオパルトは僕の背中を豪快に叩いた。
(利用? そんなことをしたら、あの人は悲しむかも…。)
占領軍にあんな立派な人がいるなんて、僕は驚きだった。高潔で公正でしかもあんなに綺麗だった。先ほどから黙っていたベラベッカは険しい顔だった。
「レイさま。今、何を思い浮かべておられましたか。」
「い、いや別に。」
僕は慌てて取り繕ったが、彼女は気分を害したようだった。
「院長、今日は気分がすぐれませんので早めに失礼します。」
ベラベッカはそう言い残して部屋から出て行ってしまった。その様子をアイゼは楽しそうに見ていた。
「あ~あ、あのコ、えらくゴキゲン斜めね~。レイちゃん、あとでよろしくね。」
「わかったよ、ボス。で、次はどうするの?」
アイゼは姿勢を正した。
「新入りレイちゃんの為に、一から説明するね。まず、私たちの最終目的は?」
「人間の占領軍を猫の街から追い出すこと?」
「正解。では、その為にはどうすれば良いと思う?」
僕は腕を組んで考えた。
(駐留占領軍とパルミエッラの私兵を合わせた兵力に、たった6人では勝てない。)
「援軍を頼むとか?」
「ほぼ正解! 後はユートが説明してくれる?」
「ボスはめんどうくさくなるといつもボクに振るニャ。」
子猫らしくないため息をおおげさにつくと、ユートは説明してくれた。
以前、キャリアンにも聞いたがこの世界にはいろいろな種族の都市国家があるそうだ。国家間に何の取り決めも無ければ、世界は無秩序と混沌に陥ってしまう。そこで4年に一度、各国家の代表が集い、
「都市国家間会議」
が開催されて様々な事を協議するという。今年はその会議が開かれる年らしい。
「その会議に、人間軍の悪事の証拠を提出するニャ。」
「悪事? 子猫の誘拐のこと?」
「そのとおりニャ! 未成年者の組織的誘拐は都市国家間条約では禁止行為で制裁対象ニャ。」
会議が正式に戦争犯罪行為とみなせば都市国家連合軍が動き、人間族の占領軍を追い出せるという計画だった。
「今、人間軍が猫の街を占領していること自体は問題にならないの?」
「国家間の戦争行為は内政干渉になるから会議も口出しできないニャ。でも、犯罪行為は別ニャ。」
(なるほど、国際社会に訴えて国連軍を動かすようなものか…。)
「連合軍の動きと同時に、私たちは占領軍が本部を置いている城内に侵入して、収容所の猫たちを一斉に解放するの。そうすれば。」
アイゼは手を叩いて大きな音をたてた。
「内と外から人間の占領軍は崩壊というわけ。」
僕は彼女の計画に感心したが、レオパルトがしきりに考え込んでいるのが気になった。
「どうしたの?」
「いやな、そのサバーバンとかいう将校、どっかで会うたような気がするねんけどなあ。思い出されへんのや。」
「おとなしくしろ! このガキ、さっき人間と手をつないでいたな! 不遜罪で連行する!」
まわりの客が悲鳴をあげ、食器の割れる音がした。ハチワレの店主猫はオロオロするばかりだった。僕は立ち上がろうとしたが、ベラベッカが僕の腕にそっと触れて首を振った。
彼女は立ち上がると、驚いている客や猫店員たちの間を通って兵士の前に進みでた。
「占領軍兵士のみなさま。わたくしの連れが粗相し、申し訳ございませんでした。どうかこれでお許しください。」
彼女は兵士のひとりにそっと金貨を手渡した。兵士たちはベラベッカをジロジロと下品な目で見ていた。
「これでは足らんなあ。代わりに何か別のものを差し出してもらおうか。」
腕を兵士につかまれた彼女はじっと堪えているように見えた。
「おやめください。お金ならもっとさしあげますから、その子を離してください。」
僕はもう我慢ができず、席を立つと走り寄ってその兵士を突き飛ばした。
「やめて下さい! 手をつなぐ事が罪ですか! 私たちは孤児院の者です。占領軍のせいで行き場のなくなった子猫たちを毎日お世話しています。手も繋ぎますし、おしめも替えます。私たちを逮捕するというなら、占領軍が代わりに子猫たちの世話をしてくれるのですか!」
まわりの猫や人間の客からさえも一斉に歓声と拍手がわきおこった。
「だ、黙れ! 静まらんか! おのれ、栄光ある我が占領軍を侮辱しおって! 全員拘束して連行…」
この兵士は最後まで言えなかった。誰かに殴られてふっ飛んだからだった。殴ったのは僕ではなかった。
そこに立っていたのは、濃紺の詰襟の制服にロングコートをはおり、長身で腰に長いサーベルをさした人だった。その立ち姿のシルエットは美しく、革のロングブーツの脚先まで含めて抜群のプロポーションだった。
頭には制帽を被り、帽子からは栗色の長めの髪が伸びていてゆるいウエーブがかかっていた。顔の右半分は髪で隠れていたが、ベラベッカと勝るとも劣らないくらい整った美しい顔立ちの人だった。
その人物は右の拳を下ろすと、僕たちに深々と頭を下げた。
「部下の非礼を心よりお詫びする。」
はきはきとした、少しハスキーな声だった。兵士は見るからにおびえていた。
「サバーバン大佐! お許しを!」
「黙れッ! 占領下の治安維持が貴様らの任務であろう。逆に治安を乱す奴があるか! 後ほど厳罰に処す!」
一喝された兵士達はとぼとぼと去っていった。大佐と呼ばれた人物はベラベッカの前に優美にひざまずいた。
「お怪我はされませんでしたか。そちらの猫殿も。」
ベラベッカでさえ、大佐の堂々としたしぐさに少し押されているようだった。
「大丈夫です。お気遣いに感謝します。」
「大丈夫ニャ! おねえちゃん、ありがとうニャ!」
大佐はユキの頭を撫でてから、僕を真っ直ぐに見てきた。
「貴殿のふるまいはお見事でした。わが部下の蛮行はお恥ずかしい限りです。失礼、申し遅れました。私は占領軍参謀本部大佐、ユマ・サバーバンと申します。」
(この若さで将校!?)
僕は密かに驚いて、ベラベッカを見ると深刻な表情を浮かべていた。大佐が手袋を外して手を差し出してきたので僕はその手を握り返した。想像以上に握力が強かったが、柔らかな手だった。
「あ、僕は三毛神といいます。」
「ミケガミ…殿ですか。」
大佐は握手しながらじっと僕を見つめてきた。彼女はなかなか僕の手を離そうとしなかった。
「あの、もういいですか?」
大佐は慌てた様子で手を離した。その様子をベラベッカがじっと観察していた。
「失礼いたしました。貴殿は孤児院の方ですね。何か足りない物質がありますか? 軍から提供いたしますが。」
僕が口を開こうとすると、ベラベッカが横から遮った。
「結構です。さあ、帰りましょう、レイさま、ユキさま。子猫たちが待っています。」
「お待ちを。不躾な質問で恐縮だが、貴殿とそちらのお嬢さんのご関係は?」
(うわ、職質か?)
僕が答えに困っていると、ベラベッカは大佐にするどい視線を向けた。
「婚約者です。それでは失礼します。」
(こ、婚約者!?)
「そうでしたか。それは失礼を。どうかお幸せに。」
きびきびとした動作で回れ右した大佐は去って行こうとした。僕はホッとしたが、ユキは名残惜しそうにしていた。
「ユキもレイのコンヤクシャニャ! ユマおねえちゃん、またね!」
大佐はそれを聞くと立ち止まってふりかえり、笑顔で会釈すると去っていった。
「いい人だったね。」
僕の言葉に、ベラベッカは苛立ちを隠そうとしなかった。
「あんな方がいい人のはずがありません。」
こねこの家への帰り道で、彼女はずっと黙ったままだった。
「そりゃ大変だったね!」
地下会議室にアイゼの笑い声が響き渡った。子猫たちを寝かしつけて、洗い物を終えてからの夜の作戦会議だった。ユキは結局、アイゼの部屋で寝泊まりすることになった。
カフェでの事件を聞いたアイゼはしばらくの間、笑い続けた。
「ベラベッカに強力ライバル出現ね。でも、これは使えるかもよ。」
何かを思いついたのかアイゼはニヤニヤし始めた。こういう時の彼女は本当に楽しそうだった。ベラベッカは不服そうな顔をしてずっと口を閉じたままだった。
「上出来? 占領軍のしかも将校に目をつけられたのに?」
僕の疑問に、レオパルトは上機嫌だった。
「レイはん、そら逆やで。そいつを利用できたら、敵の機密情報を奪い放題やで! ようやったのう!」
レオパルトは僕の背中を豪快に叩いた。
(利用? そんなことをしたら、あの人は悲しむかも…。)
占領軍にあんな立派な人がいるなんて、僕は驚きだった。高潔で公正でしかもあんなに綺麗だった。先ほどから黙っていたベラベッカは険しい顔だった。
「レイさま。今、何を思い浮かべておられましたか。」
「い、いや別に。」
僕は慌てて取り繕ったが、彼女は気分を害したようだった。
「院長、今日は気分がすぐれませんので早めに失礼します。」
ベラベッカはそう言い残して部屋から出て行ってしまった。その様子をアイゼは楽しそうに見ていた。
「あ~あ、あのコ、えらくゴキゲン斜めね~。レイちゃん、あとでよろしくね。」
「わかったよ、ボス。で、次はどうするの?」
アイゼは姿勢を正した。
「新入りレイちゃんの為に、一から説明するね。まず、私たちの最終目的は?」
「人間の占領軍を猫の街から追い出すこと?」
「正解。では、その為にはどうすれば良いと思う?」
僕は腕を組んで考えた。
(駐留占領軍とパルミエッラの私兵を合わせた兵力に、たった6人では勝てない。)
「援軍を頼むとか?」
「ほぼ正解! 後はユートが説明してくれる?」
「ボスはめんどうくさくなるといつもボクに振るニャ。」
子猫らしくないため息をおおげさにつくと、ユートは説明してくれた。
以前、キャリアンにも聞いたがこの世界にはいろいろな種族の都市国家があるそうだ。国家間に何の取り決めも無ければ、世界は無秩序と混沌に陥ってしまう。そこで4年に一度、各国家の代表が集い、
「都市国家間会議」
が開催されて様々な事を協議するという。今年はその会議が開かれる年らしい。
「その会議に、人間軍の悪事の証拠を提出するニャ。」
「悪事? 子猫の誘拐のこと?」
「そのとおりニャ! 未成年者の組織的誘拐は都市国家間条約では禁止行為で制裁対象ニャ。」
会議が正式に戦争犯罪行為とみなせば都市国家連合軍が動き、人間族の占領軍を追い出せるという計画だった。
「今、人間軍が猫の街を占領していること自体は問題にならないの?」
「国家間の戦争行為は内政干渉になるから会議も口出しできないニャ。でも、犯罪行為は別ニャ。」
(なるほど、国際社会に訴えて国連軍を動かすようなものか…。)
「連合軍の動きと同時に、私たちは占領軍が本部を置いている城内に侵入して、収容所の猫たちを一斉に解放するの。そうすれば。」
アイゼは手を叩いて大きな音をたてた。
「内と外から人間の占領軍は崩壊というわけ。」
僕は彼女の計画に感心したが、レオパルトがしきりに考え込んでいるのが気になった。
「どうしたの?」
「いやな、そのサバーバンとかいう将校、どっかで会うたような気がするねんけどなあ。思い出されへんのや。」
0
お気に入りに追加
4
あなたにおすすめの小説
【完】あの、……どなたでしょうか?
桐生桜月姫
恋愛
「キャサリン・ルーラー
爵位を傘に取る卑しい女め、今この時を以て貴様との婚約を破棄する。」
見た目だけは、麗しの王太子殿下から出た言葉に、婚約破棄を突きつけられた美しい女性は………
「あの、……どなたのことでしょうか?」
まさかの意味不明発言!!
今ここに幕開ける、波瀾万丈の間違い婚約破棄ラブコメ!!
結末やいかに!!
*******************
執筆終了済みです。
記憶がないので離縁します。今更謝られても困りますからね。
せいめ
恋愛
メイドにいじめられ、頭をぶつけた私は、前世の記憶を思い出す。前世では兄2人と取っ組み合いの喧嘩をするくらい気の強かった私が、メイドにいじめられているなんて…。どれ、やり返してやるか!まずは邸の使用人を教育しよう。その後は、顔も知らない旦那様と離婚して、平民として自由に生きていこう。
頭をぶつけて現世記憶を失ったけど、前世の記憶で逞しく生きて行く、侯爵夫人のお話。
ご都合主義です。誤字脱字お許しください。
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
皇太子の子を妊娠した悪役令嬢は逃げることにした
葉柚
恋愛
皇太子の子を妊娠した悪役令嬢のレイチェルは幸せいっぱいに暮らしていました。
でも、妊娠を切っ掛けに前世の記憶がよみがえり、悪役令嬢だということに気づいたレイチェルは皇太子の前から逃げ出すことにしました。
本編完結済みです。時々番外編を追加します。
美しい姉と痩せこけた妹
サイコちゃん
ファンタジー
若き公爵は虐待を受けた姉妹を引き取ることにした。やがて訪れたのは美しい姉と痩せこけた妹だった。姉が夢中でケーキを食べる中、妹はそれがケーキだと分からない。姉がドレスのプレゼントに喜ぶ中、妹はそれがドレスだと分からない。公爵はあまりに差のある姉妹に疑念を抱いた――
蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる
フルーツパフェ
大衆娯楽
転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。
一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。
そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!
寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。
――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです
そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。
大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。
相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。
ヤケになってドレスを脱いだら、なんだかえらい事になりました
杜野秋人
恋愛
「そなたとの婚約、今この場をもって破棄してくれる!」
王族専用の壇上から、立太子間近と言われる第一王子が、声高にそう叫んだ。それを、第一王子の婚約者アレクシアは黙って聞いていた。
第一王子は次々と、アレクシアの不行跡や不品行をあげつらい、容姿をけなし、彼女を責める。傍らに呼び寄せたアレクシアの異母妹が訴えるままに、鵜呑みにして信じ込んだのだろう。
確かに婚約してからの5年間、第一王子とは一度も会わなかったし手紙や贈り物のやり取りもしなかった。だがそれは「させてもらえなかった」が正しい。全ては母が死んだ後に乗り込んできた後妻と、その娘である異母妹の仕組んだことで、父がそれを許可したからこそそんな事がまかり通ったのだということに、第一王子は気付かないらしい。
唯一の味方だと信じていた第一王子までも、アレクシアの味方ではなくなった。
もう味方はいない。
誰への義理もない。
ならば、もうどうにでもなればいい。
アレクシアはスッと背筋を伸ばした。
そうして彼女が次に取った行動に、第一王子は驚愕することになる⸺!
◆虐げられてるドアマットヒロインって、見たら分かるじゃんね?って作品が最近多いので便乗してみました(笑)。
◆虐待を窺わせる描写が少しだけあるのでR15で。
◆ざまぁは二段階。いわゆるおまいう系のざまぁを含みます。
◆全8話、最終話だけ少し長めです。
恋愛は後半で、メインディッシュはざまぁでどうぞ。
◆片手間で書いたんで、主要人物以外の固有名詞はありません。どこの国とも設定してないんで悪しからず。
◆この作品はアルファポリスのほか、小説家になろうでも公開します。
◆過去作のヒロインと本作主人公の名前が丸被りしてたので、名前を変更しています。(2024/09/03)
◆9/2、HOTランキング11→7位!ありがとうございます!
9/3、HOTランキング5位→3位!ありがとうございます!
【完結】私だけが知らない
綾雅(りょうが)祝!コミカライズ
ファンタジー
目が覚めたら何も覚えていなかった。父と兄を名乗る二人は泣きながら謝る。痩せ細った体、痣が残る肌、誰もが過保護に私を気遣う。けれど、誰もが何が起きたのかを語らなかった。
優しい家族、ぬるま湯のような生活、穏やかに過ぎていく日常……その陰で、人々は己の犯した罪を隠しつつ微笑む。私を守るため、そう言いながら真実から遠ざけた。
やがて、すべてを知った私は――ひとつの決断をする。
記憶喪失から始まる物語。冤罪で殺されかけた私は蘇り、陥れようとした者は断罪される。優しい嘘に隠された真実が徐々に明らかになっていく。
【同時掲載】 小説家になろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ
2023/12/20……小説家になろう 日間、ファンタジー 27位
2023/12/19……番外編完結
2023/12/11……本編完結(番外編、12/12)
2023/08/27……エブリスタ ファンタジートレンド 1位
2023/08/26……カテゴリー変更「恋愛」⇒「ファンタジー」
2023/08/25……アルファポリス HOT女性向け 13位
2023/08/22……小説家になろう 異世界恋愛、日間 22位
2023/08/21……カクヨム 恋愛週間 17位
2023/08/16……カクヨム 恋愛日間 12位
2023/08/14……連載開始
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる