6 / 18
2.ちゃんと話しましょう⑵
しおりを挟む
今日は二回目のセレーノ様との約束の日。
……まだ何もできてないけれど。
前回は有耶無耶にされてしまったので、来てくれるか不安だったけれど、さすがはセレーノ様。
やっぱり約束を反故したりしない、優しい方なのだ。それでも鍵は閉めるが。
それに、前回から一週間。
彼は私と時々食事を共にしてくれるようになったこともあって、随分と打ち解けて来たと思う。
「だから、何で鍵を閉めるんだよ」
「セレーノ様を逃がさないようにですって」
「だから、それくらいじゃ意味ないって言ってるだろ」
「そう言うと思って……じゃーん!!」
私は意気揚々と今日の秘密兵器を取り出した!。
「は? それは……?」
「鎖です! この前セレーノ様が鎖を用意してこいって言ってたでしょう」
ポカンとした表情のセレーノ様。
もう前回のこと忘れちゃったのかしら?
私がこてっと首を傾げると、セレーノ様はふいっと顔を逸らす。
「そんなこと言ってねぇ!」
「言いましたー。逃したくないなら鎖でも用意してこいって」
「はぁ……それは単なる例えだろうが」
「はいはい。では、こちらに座ってください」
「ん? あぁ」
私はセレーノ様を椅子に座らせた。そして、その後ろに回る。
「では、手をこちらに」
彼の手を後ろに回し、鎖でじゃらじゃらと手を椅子に固定していく。
「ちょっ、何してんだよ?!」
セレーノ様が手を抜こうとするのを、ぎゅっと掴む。
「私の好きにしていいんですよね? 嘘ついたんですか?」
「……わかった。好きにしろ」
二人の部屋に鎖の音だけが響く。
できるだけ細めの鎖を用意してもらったが、力のない私にはなかなかの重労働だ。
「よし……っ、やっとできた……」
ふぅと汗を拭い、彼の前に座ると、彼がプッと吹き出した。
「な、なんで笑うんです?」
「何を必死になってんのかと思ってな。鎖もゆるゆるだし」
「えっ!? 逃げられます??」
「逃げねぇよ。で、この後はどうすんだ?」
しまった。何も考えてなかった。
「……どうしたらいいんでしょう?」
「そんなの自分で考えろ」
もちろん教えてくれるはずもなく、セレーノ様は顔を背けてしまう。
まずは、セレーノ様の膝の上に跨ってみることにした。
「よいしょっと」
「な……っ! なんで俺の上に座るんだ?!」
「えへへっ! 意外と近くなって照れちゃいますね」
目の前にセレーノ様の綺麗な顔。
改めて見つめてみると、彼の整った顔立ちに目が離せなくなる。
凛々しい眉に、鼻筋の通った高い鼻、柔らかそうな少しふっくらとした唇。
小さな傷はところどころにあるけど、肌もスベスベで。
首は驚くほど太くて、逞しさを感じる。
それに何よりも彼の橙の瞳が好きだった。
光をぎゅぎゅっと凝縮させたような……小さな太陽を瞳に宿しているようだ。
「吸い込まれちゃいそう……」
「く、くすぐったすぎる……」
「あっ、すみません!」
気付けば彼の観察に夢中になるあまり、私は手を伸ばして、彼の頬や首やらを触っていたらしい。
「全く人の顔をジロジロと見て、何が楽しいんだ?
こんなおっさんの顔、見ていて楽しいものじゃないだろうが」
「楽しいです! だって大好きなセレーノ様のお顔ですもの!」
セレーノ様は眉間に皺を寄せた。
「……この前も言ってたが、本気なのか、それは?」
「それ?」
「あぁ、俺を好きとかいうのだよ。俺たちは歳の差もあるし、育って来た環境もまるで違う。
言葉は王族の気品のかけらもないから、他の貴族なんかは聞いていて耳が腐るなどと言ったりするが」
「じゃあ、その貴族様と私の価値観がまるで違うのですね。私はセレーノ様のお声は、明るくありながらも、落ち着いていて、とても聞いていて気持ちがいいです。
確かに言葉のチョイスは独特だとは思いますが、私も人に指摘できるほど立派な人間じゃありません。むしろセレーノ様のお言葉は、変に着飾った心のない言葉よりずっと信用できます」
「年齢差は?」
「年齢など気になりません。ただ好き、それだけです」
私はセレーノ様にそう言って笑いかけたが、また目を逸らされてしまう。
「俺にはよくわからん」
「むぅ、顔を逸らさないでください」
セレーノ様にもう一度顔をあげて欲しかったが、彼は床を見つめたまま動かない。
「私の顔、見たくないほど、だめですか?」
わざと悲しそうな声を出す。優しいセレーノ様なら顔を上げてくれるはず。
彼が顔をあげたらその時は……
「そ、そういうわけじゃ……! うっ!!」
彼が顔をあげた瞬間を見計らって、私は唇を押し付けた。が……
なんか感触が……?
「おい、姫さん……そこ、鼻だ」
「ご、ご、ご、ごめんなさい! 今拭きますね!」
私は慌ててセレーノ様の膝から降りて、タオルを取りに行った。
そして、彼の鼻を拭く。彼は文句も言わず、目を瞑って大人しく拭かれてくれた。
……なんて間抜けなんだろう。キスの一つも満足に出来ない。
唇じゃなくて、鼻を食べてしまうなんて、セレーノさまも呆れたに違いない。
「ごめんなさい……
キスなんてしたことなかったから、その……うまく、出来なくて……
初めてのキスが鼻だなんて、馬鹿すぎて笑っちゃいますよね! ははっ……」
努めて明るく振る舞ったが、情けなくて、恥ずかしくて……私は込み上げるものを堪えて、鼻を啜った。
「ちょっと鎖を解いてくれないか?」
「あ…………はい」
今日もきっと、呆れて帰るんだろう。
鼻になんてキスされたんだから、嫌になって帰るのも当たり前だ。
鎖を解いていくが、巻いた時よりもそれはずっと重く感じる。
「……解けました」
「ありがとう」
セレーノ様は手をくるくると回している。
痛かったかな?
次からは鎖を使わないほうが良いかも……
いや……もう、来てくれるかも分からない、か。
私はセレーノ様を見送ろうと、扉まで歩いた。
彼も私に付いてくる。やっぱり帰るのね……
扉の前まで来て、私は振り向いた。
「どうも、ありがとうございました……。んくっ?」
次の瞬間、私は扉を背に、キスをされていた。
今度は鼻ではなく、ちゃんと唇に。
セレーノ様の唇は思っていたよりもずっと柔らかくて、気持ち良い。
繋がった唇から彼の熱が伝わってくる……
「ん……」
唇が離れた瞬間、自分の声とは思えないようなか細い声が出た。
それがなんか妙に恥ずかしくて、私はセレーノ様の顔が見れない。
頭上でクスッとセレーノ様が笑った気がした。
「上手じゃないか。
鼻へのキスも可愛くて俺は好きだが、ファーストキスならちゃんとしないとな。満足したか?」
私は小さくコクンと頷いた。
「…………よかった。おやすみ、ウィンディアナ」
「っ!!」
セレーノ様が部屋を出ていく。
私はそのままぺたんとその場に座り込んだ。
まるで、夢でも見ているみたいだった。
セレーノ様が優しい優しいキスをくれて……
セレーノ様が初めて名前を呼んでくれた……
嬉しくて、嬉しくて……
私にこんなに幸せなことが起こるなんて、怖いくらいで。
さっきまでセレーノ様の熱を感じた唇を触ってみれば、まだその熱が残っているような気がした。
それに……
「あんなに優しい声で、名前を呼んでもらったのはいつぶりかしら……」
胸の奥がきゅうっと痛くなるほどに、セレーノ様の声が染み込んだ気がして、私は熱と痛みを抱いて、その夜は眠りについた。
……まだ何もできてないけれど。
前回は有耶無耶にされてしまったので、来てくれるか不安だったけれど、さすがはセレーノ様。
やっぱり約束を反故したりしない、優しい方なのだ。それでも鍵は閉めるが。
それに、前回から一週間。
彼は私と時々食事を共にしてくれるようになったこともあって、随分と打ち解けて来たと思う。
「だから、何で鍵を閉めるんだよ」
「セレーノ様を逃がさないようにですって」
「だから、それくらいじゃ意味ないって言ってるだろ」
「そう言うと思って……じゃーん!!」
私は意気揚々と今日の秘密兵器を取り出した!。
「は? それは……?」
「鎖です! この前セレーノ様が鎖を用意してこいって言ってたでしょう」
ポカンとした表情のセレーノ様。
もう前回のこと忘れちゃったのかしら?
私がこてっと首を傾げると、セレーノ様はふいっと顔を逸らす。
「そんなこと言ってねぇ!」
「言いましたー。逃したくないなら鎖でも用意してこいって」
「はぁ……それは単なる例えだろうが」
「はいはい。では、こちらに座ってください」
「ん? あぁ」
私はセレーノ様を椅子に座らせた。そして、その後ろに回る。
「では、手をこちらに」
彼の手を後ろに回し、鎖でじゃらじゃらと手を椅子に固定していく。
「ちょっ、何してんだよ?!」
セレーノ様が手を抜こうとするのを、ぎゅっと掴む。
「私の好きにしていいんですよね? 嘘ついたんですか?」
「……わかった。好きにしろ」
二人の部屋に鎖の音だけが響く。
できるだけ細めの鎖を用意してもらったが、力のない私にはなかなかの重労働だ。
「よし……っ、やっとできた……」
ふぅと汗を拭い、彼の前に座ると、彼がプッと吹き出した。
「な、なんで笑うんです?」
「何を必死になってんのかと思ってな。鎖もゆるゆるだし」
「えっ!? 逃げられます??」
「逃げねぇよ。で、この後はどうすんだ?」
しまった。何も考えてなかった。
「……どうしたらいいんでしょう?」
「そんなの自分で考えろ」
もちろん教えてくれるはずもなく、セレーノ様は顔を背けてしまう。
まずは、セレーノ様の膝の上に跨ってみることにした。
「よいしょっと」
「な……っ! なんで俺の上に座るんだ?!」
「えへへっ! 意外と近くなって照れちゃいますね」
目の前にセレーノ様の綺麗な顔。
改めて見つめてみると、彼の整った顔立ちに目が離せなくなる。
凛々しい眉に、鼻筋の通った高い鼻、柔らかそうな少しふっくらとした唇。
小さな傷はところどころにあるけど、肌もスベスベで。
首は驚くほど太くて、逞しさを感じる。
それに何よりも彼の橙の瞳が好きだった。
光をぎゅぎゅっと凝縮させたような……小さな太陽を瞳に宿しているようだ。
「吸い込まれちゃいそう……」
「く、くすぐったすぎる……」
「あっ、すみません!」
気付けば彼の観察に夢中になるあまり、私は手を伸ばして、彼の頬や首やらを触っていたらしい。
「全く人の顔をジロジロと見て、何が楽しいんだ?
こんなおっさんの顔、見ていて楽しいものじゃないだろうが」
「楽しいです! だって大好きなセレーノ様のお顔ですもの!」
セレーノ様は眉間に皺を寄せた。
「……この前も言ってたが、本気なのか、それは?」
「それ?」
「あぁ、俺を好きとかいうのだよ。俺たちは歳の差もあるし、育って来た環境もまるで違う。
言葉は王族の気品のかけらもないから、他の貴族なんかは聞いていて耳が腐るなどと言ったりするが」
「じゃあ、その貴族様と私の価値観がまるで違うのですね。私はセレーノ様のお声は、明るくありながらも、落ち着いていて、とても聞いていて気持ちがいいです。
確かに言葉のチョイスは独特だとは思いますが、私も人に指摘できるほど立派な人間じゃありません。むしろセレーノ様のお言葉は、変に着飾った心のない言葉よりずっと信用できます」
「年齢差は?」
「年齢など気になりません。ただ好き、それだけです」
私はセレーノ様にそう言って笑いかけたが、また目を逸らされてしまう。
「俺にはよくわからん」
「むぅ、顔を逸らさないでください」
セレーノ様にもう一度顔をあげて欲しかったが、彼は床を見つめたまま動かない。
「私の顔、見たくないほど、だめですか?」
わざと悲しそうな声を出す。優しいセレーノ様なら顔を上げてくれるはず。
彼が顔をあげたらその時は……
「そ、そういうわけじゃ……! うっ!!」
彼が顔をあげた瞬間を見計らって、私は唇を押し付けた。が……
なんか感触が……?
「おい、姫さん……そこ、鼻だ」
「ご、ご、ご、ごめんなさい! 今拭きますね!」
私は慌ててセレーノ様の膝から降りて、タオルを取りに行った。
そして、彼の鼻を拭く。彼は文句も言わず、目を瞑って大人しく拭かれてくれた。
……なんて間抜けなんだろう。キスの一つも満足に出来ない。
唇じゃなくて、鼻を食べてしまうなんて、セレーノさまも呆れたに違いない。
「ごめんなさい……
キスなんてしたことなかったから、その……うまく、出来なくて……
初めてのキスが鼻だなんて、馬鹿すぎて笑っちゃいますよね! ははっ……」
努めて明るく振る舞ったが、情けなくて、恥ずかしくて……私は込み上げるものを堪えて、鼻を啜った。
「ちょっと鎖を解いてくれないか?」
「あ…………はい」
今日もきっと、呆れて帰るんだろう。
鼻になんてキスされたんだから、嫌になって帰るのも当たり前だ。
鎖を解いていくが、巻いた時よりもそれはずっと重く感じる。
「……解けました」
「ありがとう」
セレーノ様は手をくるくると回している。
痛かったかな?
次からは鎖を使わないほうが良いかも……
いや……もう、来てくれるかも分からない、か。
私はセレーノ様を見送ろうと、扉まで歩いた。
彼も私に付いてくる。やっぱり帰るのね……
扉の前まで来て、私は振り向いた。
「どうも、ありがとうございました……。んくっ?」
次の瞬間、私は扉を背に、キスをされていた。
今度は鼻ではなく、ちゃんと唇に。
セレーノ様の唇は思っていたよりもずっと柔らかくて、気持ち良い。
繋がった唇から彼の熱が伝わってくる……
「ん……」
唇が離れた瞬間、自分の声とは思えないようなか細い声が出た。
それがなんか妙に恥ずかしくて、私はセレーノ様の顔が見れない。
頭上でクスッとセレーノ様が笑った気がした。
「上手じゃないか。
鼻へのキスも可愛くて俺は好きだが、ファーストキスならちゃんとしないとな。満足したか?」
私は小さくコクンと頷いた。
「…………よかった。おやすみ、ウィンディアナ」
「っ!!」
セレーノ様が部屋を出ていく。
私はそのままぺたんとその場に座り込んだ。
まるで、夢でも見ているみたいだった。
セレーノ様が優しい優しいキスをくれて……
セレーノ様が初めて名前を呼んでくれた……
嬉しくて、嬉しくて……
私にこんなに幸せなことが起こるなんて、怖いくらいで。
さっきまでセレーノ様の熱を感じた唇を触ってみれば、まだその熱が残っているような気がした。
それに……
「あんなに優しい声で、名前を呼んでもらったのはいつぶりかしら……」
胸の奥がきゅうっと痛くなるほどに、セレーノ様の声が染み込んだ気がして、私は熱と痛みを抱いて、その夜は眠りについた。
0
お気に入りに追加
51
あなたにおすすめの小説


婚約者が巨乳好きだと知ったので、お義兄様に胸を大きくしてもらいます。
鯖
恋愛
可憐な見た目とは裏腹に、突っ走りがちな令嬢のパトリシア。婚約者のフィリップが、巨乳じゃないと女として見れない、と話しているのを聞いてしまう。
パトリシアは、小さい頃に両親を亡くし、母の弟である伯爵家で、本当の娘の様に育てられた。お世話になった家族の為にも、幸せな結婚生活を送らねばならないと、兄の様に慕っているアレックスに、あるお願いをしに行く。

転生したら、6人の最強旦那様に溺愛されてます!?~6人の愛が重すぎて困ってます!~
月
恋愛
ある日、女子高生だった白川凛(しらかわりん)
は学校の帰り道、バイトに遅刻しそうになったのでスピードを上げすぎ、そのまま階段から落ちて死亡した。
しかし、目が覚めるとそこは異世界だった!?
(もしかして、私、転生してる!!?)
そして、なんと凛が転生した世界は女性が少なく、一妻多夫制だった!!!
そんな世界に転生した凛と、将来の旦那様は一体誰!?
片想いの相手と二人、深夜、狭い部屋。何も起きないはずはなく
おりの まるる
恋愛
ユディットは片想いしている室長が、再婚すると言う噂を聞いて、情緒不安定な日々を過ごしていた。
そんなある日、怖い噂話が尽きない古い教会を改装して使っている書庫で、仕事を終えるとすっかり夜になっていた。
夕方からの大雨で研究棟へ帰れなくなり、途方に暮れていた。
そんな彼女を室長が迎えに来てくれたのだが、トラブルに見舞われ、二人っきりで夜を過ごすことになる。
全4話です。

淫らな蜜に狂わされ
歌龍吟伶
恋愛
普段と変わらない日々は思わぬ形で終わりを迎える…突然の出会い、そして体も心も開かれた少女の人生録。
全体的に性的表現・性行為あり。
他所で知人限定公開していましたが、こちらに移しました。
全3話完結済みです。

若社長な旦那様は欲望に正直~新妻が可愛すぎて仕事が手につかない~
雪宮凛
恋愛
「来週からしばらく、在宅ワークをすることになった」
夕食時、突如告げられた夫の言葉に驚く静香。だけど、大好きな旦那様のために、少しでも良い仕事環境を整えようと奮闘する。
そんな健気な妻の姿を目の当たりにした夫の至は、仕事中にも関わらずムラムラしてしまい――。
全3話 ※タグにご注意ください/ムーンライトノベルズより転載
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

燻らせた想いは口付けで蕩かして~睦言は蜜毒のように甘く~
二階堂まや
恋愛
北西の国オルデランタの王妃アリーズは、国王ローデンヴェイクに愛されたいがために、本心を隠して日々を過ごしていた。 しかしある晩、情事の最中「猫かぶりはいい加減にしろ」と彼に言われてしまう。
夫に嫌われたくないが、自分に自信が持てないため涙するアリーズ。だがローデンヴェイクもまた、言いたいことを上手く伝えられないもどかしさを密かに抱えていた。
気持ちを伝え合った二人は、本音しか口にしない、隠し立てをしないという約束を交わし、身体を重ねるが……?
「こんな本性どこに隠してたんだか」
「構って欲しい人だったなんて、思いませんでしたわ」
さてさて、互いの本性を知った夫婦の行く末やいかに。
+ムーンライトノベルズにも掲載しております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる