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後悔⑷
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心の中でそう念じた瞬間ーー
…………バタバタバタっ。ドンっ!!
扉のドアが勢いよく開いた。
「義姉さんっ!」
「リ、ル……?」
私の目の前には息を切らしたリルがいた。
見たこともないような煌びやかな正装をする彼はさながら王子様のようだ。
確かに心の中で呼んだけれど、本当に来てくれるなんて……
ちゃんとリルの顔を見たいのに、涙で滲んで、その姿がぼやける。
「ガイ・オーター、お前……」
リルは腰から剣を抜いた、剣先を迷わずガイに向けて。
「や、やめろ! 誤解があっただけなんだ。お前の義姉さんがさ、誘ってきてーー」
んなはずあるか、と言ってやりたかったが、あまりにもリルと対峙する姿が情けなすぎて言葉も出ない。
素人の私が見てもわかるくらい剣を握る手が震えているし、腰は引けている。よほど前回の剣術大会のリルが怖かったのだろう。
リルは無言でガイを射殺しそうな目で見つめている。
「だ、大体、なんでここがわかったんだ!?
それにここは公爵家の領地だから、お前のような平民が入れるはずーー」
「牢屋に入る前に、三つ教えてやろう」
リルがさっと間合いを詰める。
「一つ。僕は公爵家の人間だ。犯罪でこの地に潜りこんだお前とは違う」
リルはガイの首筋に切れ味鋭そうな剣を近づける。
ん、公爵家の人間……?
「二つ。愛している義姉さんの位置は常に把握してる。攫っても無駄なことだ」
リルの剣がガイの首筋にトンと当てられる。少しでも動いたら、切れてしまいそうだ。
というか、なんで私の位置を把握できているんだ?
「三つ。義姉さんに手を出したら息の根を止めてやる、と言ったろ?」
リルが剣をすっと僅かに引くと、ガイの首からは真っ赤な血が一筋流れた。
ガイはがたがた震えて、剣を落とした。
「ご、ごめんなさい……。ど、どうか、命だけは……」
ガイは完全降伏の体勢を取った。リルは彼の剣を部屋の隅に蹴り飛ばすと、彼の太ももにぐっと剣を突き刺した。
「ぐっ、あぁああーっ!!」
「義姉さんは血が嫌いだから、お前をここで殺したりはしない。だが、俺の義姉さんに手を出したことを一生をかけて後悔させてやる……死んだ方がましだと思うくらいにな」
その時、またバタバタと音が響いて、扉が開いた。そこには公爵家の印章が付いた服を着た騎士たちが。
リルはその人たちに驚くこともなく、淡々と指示を出す。
「こいつを公爵家の牢屋にぶち込んでおけ。尋問は俺がするから手は出すな。行け」
「「かしこまりました!」」
公爵家の騎士たちが何の反論もなく、リルの言う通りに動く。どうやらリルが公爵家の人間になったことは本当のことらしい。そうか、リルはーー……
「義姉さんっ! 大丈夫だった!?」
もう私とはずいぶん違う世界の人間だろうに、以前と変わらず私に話しかけ、心配してくれる。
やっぱりリルは、リルだ。私はリルに笑いかける。
「助けに来てくれてありがとう……。とりあえずこの紐を解いてくれるか?」
「うん、わかった。待ってて」
リルが解いてくれて、身体が楽になる。私は腕をぐるぐると回した。特に異常のあるところはなさそうだ。
なのに、リルは私の前でしょぼんと頭を垂れている。
「来るのが、遅くなって本当にごめん……。義姉さんが攫われたと気付いて、すぐに探しに出て、このあたりだとわかってはいたんだけど、細かい場所を特定するのに時間がかかってしまって……。怖かった、よね……?」
リルはぐっと拳を握った。助けてくれたというのに、なぜそんなに怒られる前みたいな顔をしているのか。
私は、リルの頭を撫でた。ふわふわした髪の毛は相変わらずで、変わらぬその感触に安心する。
「大丈夫だ。怖くなかったと言えば嘘になるが……
でも、何より……リル、会いたかった」
「ねえさん……?」
リルに抱きつきながら、ぐすぐすと私は鼻を啜った。涙もとめどなく溢れてくるが、今はそれよりもリルのぬくもりを感じていたい。私は涙を拭うことなく、そのままリルの肩に顔を埋めた。
リルはおずおずと私の背中に腕をまわし、私をぎゅっと抱きしめてくれた。
「なぁ、リル……会ったらずっと言いたかったことがあるんだ」
「……言いたかったこと……」
私はリルから離れて、涙を拭った。そして、笑う。
できるだけ彼が断わりやすいように……
「もう遅いのは分かってる。だけど、私の気持ちに区切りをつけるためにも言わせてほしい。
リルが、好きだ。
義弟としてではなく、一人の男性として。
私と結婚してほしい」
呆然とするリル。それもそうだろう、私はもう義弟でもないと彼を見限った人間だ。今更都合がよすぎる。
それにリルはもう公爵家の人間……公爵家の婿となったのだろう。もう私と結婚することなどできない。
なんの返事もしてくれないリルに私はフッと笑いかけた。
「結果はわかっているから心配しなくていい。大丈夫だから、早く振ってくれないか?」
「……は? やっと結婚しようって言ってもらえたのに、僕これ振らなきゃいけないの?」
リルが訳がわからないような顔をするが、訳が分からないのは私の方だ。リルはもう結婚しているんだから、私と結婚できないのは当たり前のことだろうに……
「ふ、振らなきゃ駄目だろ! だって、リルはもう公爵家の人間なんだから……」
「別に公爵家と伯爵家の人間だって結婚できるだろ?
というか、僕はそのつもりで公爵家の人間になったのに」
「な、なにを言っているんだ? リルは、もう公爵家の婿に入ったんだろう?」
……私たちの間には沈黙が漂う。しかし、次の瞬間、リルが珍しく大きな声で狼狽えた。
「はぁ!? 僕が!? 公爵家の婿!? あの女たちと結婚するって!? 冗談でもやめてくれ!」
リルの反応を見るに、公爵家の婿でないというのは本当らしい。
でも、じゃあ、リルが公爵家の人間なんだ……?
「待ってくれ、頭がおいつかない。
……その、リルは……公爵家に婿に入ったんじゃないのか……?」
「はぁ……義姉さん以外と結婚するわけないだろ……
まだ僕の本気伝わってなかったの!?」
リルは呆れるような顔をしてこちらを見る。
「そ、そういうわけじゃ! でも、公爵家の人間になるのなんて、婿になる他ないと思ったんだ……」
「……まぁ、それもそうだよね……。
ごめん……実は、僕の母は前公爵の娘なんだ」
「え……だって……。平民の母は流行病で亡くなったって……」
「元貴族なんだよ。平民の父と出会って駆け落ちして、僕を産んだんだ。だから、僕は現公爵の甥にあたる。
現公爵は母が亡くなったと知ってから、僕を養子にしようと探していたらしいんだけど、僕は義姉さんのところにいたし、社交界にもほとんど出てなかったから、見つけられなかったんだ」
信じられない……
しかし、腑に落ちることも多かった。
気品溢れる美しい容姿に、あらゆる面で高すぎる能力……
公爵家の血筋と聞けば納得するしかなかった。
「本当に? 嘘……じゃないんだよな?」
「うん、全部本当だよ。あとは義姉さんの許可を貰えれば、正式に公爵家に養子に入ることになる」
ドクンと心臓が打つ。落ち着いたはずの鼓動がうるさいくらいに響く……。なんで、公爵家に……
気付けば私はリルの指をキュッと掴んでいた。
「そうしたら、もうプレスコットには帰ってこないのか……?」
上目遣いでそう尋ねれば、リルは顔を赤くして溜息を吐いた。
「まったくもう……。義姉さん、さっき自分がなんて言ったか、忘れたの? 僕たち結婚するんでしょ? だから、僕は公爵家の養子になったんだ、義姉さんと結婚するために」
「あ……」
リルは優しい笑顔を見せて、私に指を絡ませる。
「返事は『はい』だよ。
……どうか僕と結婚してください。
僕の最初で最後の愛しい人。初めて会った日から僕は義姉さんに囚われたままなんだから……」
「リル……。私も……初めて会った時からずっと……」
リルは強く私を抱きしめてくれた。その胸の中で、私は泣いて、リルと顔を見合わせて……
キスをした。
そのキスは、この世の全ての幸せを詰め込んだように甘い甘い幸せの味がした。
…………バタバタバタっ。ドンっ!!
扉のドアが勢いよく開いた。
「義姉さんっ!」
「リ、ル……?」
私の目の前には息を切らしたリルがいた。
見たこともないような煌びやかな正装をする彼はさながら王子様のようだ。
確かに心の中で呼んだけれど、本当に来てくれるなんて……
ちゃんとリルの顔を見たいのに、涙で滲んで、その姿がぼやける。
「ガイ・オーター、お前……」
リルは腰から剣を抜いた、剣先を迷わずガイに向けて。
「や、やめろ! 誤解があっただけなんだ。お前の義姉さんがさ、誘ってきてーー」
んなはずあるか、と言ってやりたかったが、あまりにもリルと対峙する姿が情けなすぎて言葉も出ない。
素人の私が見てもわかるくらい剣を握る手が震えているし、腰は引けている。よほど前回の剣術大会のリルが怖かったのだろう。
リルは無言でガイを射殺しそうな目で見つめている。
「だ、大体、なんでここがわかったんだ!?
それにここは公爵家の領地だから、お前のような平民が入れるはずーー」
「牢屋に入る前に、三つ教えてやろう」
リルがさっと間合いを詰める。
「一つ。僕は公爵家の人間だ。犯罪でこの地に潜りこんだお前とは違う」
リルはガイの首筋に切れ味鋭そうな剣を近づける。
ん、公爵家の人間……?
「二つ。愛している義姉さんの位置は常に把握してる。攫っても無駄なことだ」
リルの剣がガイの首筋にトンと当てられる。少しでも動いたら、切れてしまいそうだ。
というか、なんで私の位置を把握できているんだ?
「三つ。義姉さんに手を出したら息の根を止めてやる、と言ったろ?」
リルが剣をすっと僅かに引くと、ガイの首からは真っ赤な血が一筋流れた。
ガイはがたがた震えて、剣を落とした。
「ご、ごめんなさい……。ど、どうか、命だけは……」
ガイは完全降伏の体勢を取った。リルは彼の剣を部屋の隅に蹴り飛ばすと、彼の太ももにぐっと剣を突き刺した。
「ぐっ、あぁああーっ!!」
「義姉さんは血が嫌いだから、お前をここで殺したりはしない。だが、俺の義姉さんに手を出したことを一生をかけて後悔させてやる……死んだ方がましだと思うくらいにな」
その時、またバタバタと音が響いて、扉が開いた。そこには公爵家の印章が付いた服を着た騎士たちが。
リルはその人たちに驚くこともなく、淡々と指示を出す。
「こいつを公爵家の牢屋にぶち込んでおけ。尋問は俺がするから手は出すな。行け」
「「かしこまりました!」」
公爵家の騎士たちが何の反論もなく、リルの言う通りに動く。どうやらリルが公爵家の人間になったことは本当のことらしい。そうか、リルはーー……
「義姉さんっ! 大丈夫だった!?」
もう私とはずいぶん違う世界の人間だろうに、以前と変わらず私に話しかけ、心配してくれる。
やっぱりリルは、リルだ。私はリルに笑いかける。
「助けに来てくれてありがとう……。とりあえずこの紐を解いてくれるか?」
「うん、わかった。待ってて」
リルが解いてくれて、身体が楽になる。私は腕をぐるぐると回した。特に異常のあるところはなさそうだ。
なのに、リルは私の前でしょぼんと頭を垂れている。
「来るのが、遅くなって本当にごめん……。義姉さんが攫われたと気付いて、すぐに探しに出て、このあたりだとわかってはいたんだけど、細かい場所を特定するのに時間がかかってしまって……。怖かった、よね……?」
リルはぐっと拳を握った。助けてくれたというのに、なぜそんなに怒られる前みたいな顔をしているのか。
私は、リルの頭を撫でた。ふわふわした髪の毛は相変わらずで、変わらぬその感触に安心する。
「大丈夫だ。怖くなかったと言えば嘘になるが……
でも、何より……リル、会いたかった」
「ねえさん……?」
リルに抱きつきながら、ぐすぐすと私は鼻を啜った。涙もとめどなく溢れてくるが、今はそれよりもリルのぬくもりを感じていたい。私は涙を拭うことなく、そのままリルの肩に顔を埋めた。
リルはおずおずと私の背中に腕をまわし、私をぎゅっと抱きしめてくれた。
「なぁ、リル……会ったらずっと言いたかったことがあるんだ」
「……言いたかったこと……」
私はリルから離れて、涙を拭った。そして、笑う。
できるだけ彼が断わりやすいように……
「もう遅いのは分かってる。だけど、私の気持ちに区切りをつけるためにも言わせてほしい。
リルが、好きだ。
義弟としてではなく、一人の男性として。
私と結婚してほしい」
呆然とするリル。それもそうだろう、私はもう義弟でもないと彼を見限った人間だ。今更都合がよすぎる。
それにリルはもう公爵家の人間……公爵家の婿となったのだろう。もう私と結婚することなどできない。
なんの返事もしてくれないリルに私はフッと笑いかけた。
「結果はわかっているから心配しなくていい。大丈夫だから、早く振ってくれないか?」
「……は? やっと結婚しようって言ってもらえたのに、僕これ振らなきゃいけないの?」
リルが訳がわからないような顔をするが、訳が分からないのは私の方だ。リルはもう結婚しているんだから、私と結婚できないのは当たり前のことだろうに……
「ふ、振らなきゃ駄目だろ! だって、リルはもう公爵家の人間なんだから……」
「別に公爵家と伯爵家の人間だって結婚できるだろ?
というか、僕はそのつもりで公爵家の人間になったのに」
「な、なにを言っているんだ? リルは、もう公爵家の婿に入ったんだろう?」
……私たちの間には沈黙が漂う。しかし、次の瞬間、リルが珍しく大きな声で狼狽えた。
「はぁ!? 僕が!? 公爵家の婿!? あの女たちと結婚するって!? 冗談でもやめてくれ!」
リルの反応を見るに、公爵家の婿でないというのは本当らしい。
でも、じゃあ、リルが公爵家の人間なんだ……?
「待ってくれ、頭がおいつかない。
……その、リルは……公爵家に婿に入ったんじゃないのか……?」
「はぁ……義姉さん以外と結婚するわけないだろ……
まだ僕の本気伝わってなかったの!?」
リルは呆れるような顔をしてこちらを見る。
「そ、そういうわけじゃ! でも、公爵家の人間になるのなんて、婿になる他ないと思ったんだ……」
「……まぁ、それもそうだよね……。
ごめん……実は、僕の母は前公爵の娘なんだ」
「え……だって……。平民の母は流行病で亡くなったって……」
「元貴族なんだよ。平民の父と出会って駆け落ちして、僕を産んだんだ。だから、僕は現公爵の甥にあたる。
現公爵は母が亡くなったと知ってから、僕を養子にしようと探していたらしいんだけど、僕は義姉さんのところにいたし、社交界にもほとんど出てなかったから、見つけられなかったんだ」
信じられない……
しかし、腑に落ちることも多かった。
気品溢れる美しい容姿に、あらゆる面で高すぎる能力……
公爵家の血筋と聞けば納得するしかなかった。
「本当に? 嘘……じゃないんだよな?」
「うん、全部本当だよ。あとは義姉さんの許可を貰えれば、正式に公爵家に養子に入ることになる」
ドクンと心臓が打つ。落ち着いたはずの鼓動がうるさいくらいに響く……。なんで、公爵家に……
気付けば私はリルの指をキュッと掴んでいた。
「そうしたら、もうプレスコットには帰ってこないのか……?」
上目遣いでそう尋ねれば、リルは顔を赤くして溜息を吐いた。
「まったくもう……。義姉さん、さっき自分がなんて言ったか、忘れたの? 僕たち結婚するんでしょ? だから、僕は公爵家の養子になったんだ、義姉さんと結婚するために」
「あ……」
リルは優しい笑顔を見せて、私に指を絡ませる。
「返事は『はい』だよ。
……どうか僕と結婚してください。
僕の最初で最後の愛しい人。初めて会った日から僕は義姉さんに囚われたままなんだから……」
「リル……。私も……初めて会った時からずっと……」
リルは強く私を抱きしめてくれた。その胸の中で、私は泣いて、リルと顔を見合わせて……
キスをした。
そのキスは、この世の全ての幸せを詰め込んだように甘い甘い幸せの味がした。
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