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婿候補はまさかの義弟?!⑴
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ここは、伝統あるマトスタ王国。
小国ではあるが、技術力が高く、大国の同盟国でもあることから、安定した国政が保たれている。
そのマトスタ王国で、由緒ある伯爵家の当主を務めるのが、私、シャノン・プレスコットだ。
十七歳の時に前伯爵である最愛の父が突然亡くなってから、女で若年でありながらも優秀な家臣の協力もあり、当主としてこの伯爵家を守ってきた。最初は必死だったが、二十五歳になった今は、女当主もすっかり板についてきた。領地は安定しているし、優秀な人材も育っている。元々尊敬する父が私のために盤石な土台を作ってくれていたことも大きいが、女当主でも伯爵領をなんとか守れている。
男勝りな性格や言葉遣いに加え、女性にしては高めの身長、女らしく見られてたまるかと肩上で短く切った髪。服装もドレスではなくトラウザーズを着用している私は遠目から見れば完全に男性だろう。
その見た目のおかげもあってか、私を女当主だからと侮る者はほとんどいなくなった。それどころか、そこら辺の男性貴族よりも私の方がかっこいいと、今や貴族令嬢から手紙を貰う人気ぶりだ。
大きいけれど真っ黒な瞳に、真っ黒な髪……華がない容姿だと自分では思うのだが、それが令嬢たちにはクールだと受けているらしい。まぁ、今、女性にモテても仕方ないのだけれど。
私はため息を吐きながら、目の前に積まれた釣書を前に頭を掻いた。今の私の悩みの種はまさにこれだ。
愛する伯爵家を守るためには、どうしても結婚して、跡継ぎをつくる必要がある。
結婚しなくても済むのであればと、数代前まで遡り、プレスコット家の血筋を探してはいるが、後継者は見つかっていない。
それに私ももう二十五歳。二十歳前には嫁ぐことが基本な貴族令嬢からして、私のタイムリミットは限界を迎えている。救いは、伯爵という地位から婿になりたい貴族の次男・三男からの釣書が届くことだが……伯爵という地位だけ求められているような気がして、不快にさえ感じる。両親は政略結婚だったし、結婚に夢など見ていない。けれど、政略結婚であったとしても、互いに大切に想い合える相手がいいな、とは思うのだ。
大体、普通貴族の婚姻というのは親が決めるもので、自分自身で結婚相手を探している令嬢なんて私くらいだろう。強制されないのはいいが、ただただ面倒だ。
釣書の中から私が気に入った相手と会い、話してみて、問題がなければ結婚すれば良いのだろうが……相手は簡単に見つからない。
その時、ガチャっと執務室の扉が開く。ノックもせずに入ることを許可してるのは、あの子だけだ。
「義姉さん! 今、大丈夫?」
案の定、扉を開けてピョコっと顔を見せたのは、麗しく成長した私の義弟だった。
彼が十一歳で私の義弟になってから、七年が経ち、彼は十八歳になっていた。
勢いで決めた義弟ではあったが、その結果は大成功だったと胸を張って言える。
出会った時は天使のように可愛かった彼もすくすくと成長し、なんとも美しい青年に成長していた。最近では、ふとした瞬間に妖艶ささえ感じるほどだ。
容姿だけではなく、リルは平民の子とは思えないほど、多方面で優秀だった。
家庭教師を付ければ驚くべき吸収量で物事を覚えていったし、馬術の嗜みもあったほうがと乗馬を教えると難なく乗れるようになった。音楽の才能まであり、彼のヴァイオリンはそこらへんの演奏家よりずっと素晴らしい音色だ。
それに加え、暇な時間には少しでも義姉さんの役に立てるようになりたい! と努力する素晴らしき良い子ぶりで、屋敷の各所に顔を出した結果、料理・洗濯・掃除なども完璧にこなせるようになってしまった。
美しく、優しく、気が利き、何でも完璧にこなす義弟。
私の自慢の義弟だ!
「リル。こんな時間にどうしたんだ?」
「クッキー作ったんだ! 上手くできたから、義姉さんに食べてもらおうと思って!」
あぁ、私の義弟はなんて可愛いのか……
私は開いていた釣書を閉じ、笑顔でリルに言った。
「じゃあ、一緒に食べよう。ほら、ソファに座れ」
「ありがとう! でも、大丈夫? 仕事中だったんじゃ……」
リルは、少し申し訳なさそうにちらと私の執務机の上を確認した。
「気にするな。大した仕事ではない……まぁ、爺やからしたら一大事だろうがな」
私は苦笑いをしながら、ソファにどさっと腰掛けた。その向かい側にリルが姿勢よくすっと座る。
「一大事?」
「ん? あぁ、婿探しだよ。あの机に積まれているのは釣書だ」
「婿、探し……」
どこか切なそうに視線を落とすリル。こういう表情を見ると、切なくなる。
リルが本当の弟なら、何の問題なく伯爵位を譲ってやれたのに、と。
リルは優秀だ。彼に一滴でも伯爵家の血が流れていればよかったのに、と思ったことも一度ではない。
でも、この国では本当の血縁以外に爵位を継承することを許してはいない。彼はあくまでも義弟なのだ。
「……ごめんな、リル。伯爵領のことを私の次に想っているのは、お前だろうに。
伯爵位をお前に譲れたら、どんなに良かったか」
「いや、僕、爵位には興味ないよ。義姉さんが伯爵でいるのが一番いいに決まってる。義姉さん以上にプレスコット伯爵家の当主にふさわしい人はいないもの」
「そ、そうか? ありがとう」
てっきり伯爵位を継げないことに気を落としているのかと思っていたが、リルはあっけらかんとそう言い放った。
じゃあ、さっきの切なそうな表情はどういう意味だったのだろうか?
「ねぇ、義姉さん。釣書、僕も見ていいかな?」
「構わないが……」
私が許可すると、リルは「ありがとう」と言いながらも、どこかいつもと違う微笑みを浮かべ、釣書の下に行き、上から一つ一つ確認していった。その顔は厳しい……というか、どこか冷たさを感じさせた。
真剣に釣書を確認する彼の横顔をクッキーを食べながら、ぼーっと見つめる。
話せば可愛いのに、こうやって見ていると、リルもすっかり大人の男性なのだな、と思う。
真剣な表情は大人びて、いつの間にか背は私より高くなり、細いだけだったはずの身体は服の下の筋肉を感じさせるようなフォルムになっていた。
ついこないだまで少年だと思っていたのに、いつの間にこんなに男性としての色香を感じさせるようになったんだろう。……全然考えていなかったけど、リルもいつか結婚、するのかな?
そんなことを考えて、もやっとする。
義弟を大切に想いすぎるのも、問題だな……と、自分に呆れる。
釣書を一通り確認したリルは、私の向かい側に座り直す。思いつめた表情をしたリルに尋ねる。
「どうだ? いい義兄候補はいたか?」
「義兄さんなんて、欲しくないよ……」
「ははっ。そりゃそうだ。私も出来るなら婿なんて取りたくもないさ。
でも……一人じゃ子供は出来ないからな。この家を残すためには仕方ないことだとはわかっているが、全く気乗りはしない」
私たちの間には沈黙が流れる。二人でいるのにこんな空気が流れるのは初めてだった。
釣書の話なんて、リルにするんじゃなかったな。将来の自分の立場を考えて不安になってしまったのかもしれない。
すると、リルが私に尋ねた。
「……義姉さんは、どんな相手が理想なの?」
「理想? ……うーん、そうだな」
相手の釣書を見てはなにかと理由をつけて、断ってきたが、自分の好みなど考えたことはなかった。
それに若い女当主としてやってきて、男性から屈辱的な言葉を投げかけられるのは一度や二度ではなかった。だからこそ、男にそんないいイメージはない。
私はクッキーを飲み込んで、リルに話した。
「とりあえずは、偉そうにしない奴がいいな。女だからと私を軽んじる奴は却下だ」
「そうだね、当たり前だ」
「それに婿は取っても、あくまでも私が伯爵だ。自分の立場を理解できる奴でなければ駄目だな」
「もちろん」
「あと、私に女らしさを求める奴も却下だな。婿を取っても、私は私を変えるつもりはない」
「あぁ、義姉さんは義姉さんらしくいるべきだ」
「できれば若い奴がいいな。年上の男にいい印象はない」
「それはいいね!」
そこまで厳しい顔をしていたリルは、急に良い笑顔を見せる。
……あまり年上の義兄は嫌なんだろうか? リルも私と一緒で偉そうにされるのは嫌なのかもしれない。
「大丈夫だ、リル。お前を軽んじるような奴を婿に迎えるつもりはないからな」
私は彼を安心させようと、彼の隣に移動して、その肩に腕を回した。それが嬉しかったのか、リルはニコニコと私の顔を見ている。
可愛い……この笑顔を守るためならなんだってできるような気がする。
しかし、次の瞬間、リルは驚くべきことを口にした。
「義姉さん……その婿、僕でいいんじゃない?」
小国ではあるが、技術力が高く、大国の同盟国でもあることから、安定した国政が保たれている。
そのマトスタ王国で、由緒ある伯爵家の当主を務めるのが、私、シャノン・プレスコットだ。
十七歳の時に前伯爵である最愛の父が突然亡くなってから、女で若年でありながらも優秀な家臣の協力もあり、当主としてこの伯爵家を守ってきた。最初は必死だったが、二十五歳になった今は、女当主もすっかり板についてきた。領地は安定しているし、優秀な人材も育っている。元々尊敬する父が私のために盤石な土台を作ってくれていたことも大きいが、女当主でも伯爵領をなんとか守れている。
男勝りな性格や言葉遣いに加え、女性にしては高めの身長、女らしく見られてたまるかと肩上で短く切った髪。服装もドレスではなくトラウザーズを着用している私は遠目から見れば完全に男性だろう。
その見た目のおかげもあってか、私を女当主だからと侮る者はほとんどいなくなった。それどころか、そこら辺の男性貴族よりも私の方がかっこいいと、今や貴族令嬢から手紙を貰う人気ぶりだ。
大きいけれど真っ黒な瞳に、真っ黒な髪……華がない容姿だと自分では思うのだが、それが令嬢たちにはクールだと受けているらしい。まぁ、今、女性にモテても仕方ないのだけれど。
私はため息を吐きながら、目の前に積まれた釣書を前に頭を掻いた。今の私の悩みの種はまさにこれだ。
愛する伯爵家を守るためには、どうしても結婚して、跡継ぎをつくる必要がある。
結婚しなくても済むのであればと、数代前まで遡り、プレスコット家の血筋を探してはいるが、後継者は見つかっていない。
それに私ももう二十五歳。二十歳前には嫁ぐことが基本な貴族令嬢からして、私のタイムリミットは限界を迎えている。救いは、伯爵という地位から婿になりたい貴族の次男・三男からの釣書が届くことだが……伯爵という地位だけ求められているような気がして、不快にさえ感じる。両親は政略結婚だったし、結婚に夢など見ていない。けれど、政略結婚であったとしても、互いに大切に想い合える相手がいいな、とは思うのだ。
大体、普通貴族の婚姻というのは親が決めるもので、自分自身で結婚相手を探している令嬢なんて私くらいだろう。強制されないのはいいが、ただただ面倒だ。
釣書の中から私が気に入った相手と会い、話してみて、問題がなければ結婚すれば良いのだろうが……相手は簡単に見つからない。
その時、ガチャっと執務室の扉が開く。ノックもせずに入ることを許可してるのは、あの子だけだ。
「義姉さん! 今、大丈夫?」
案の定、扉を開けてピョコっと顔を見せたのは、麗しく成長した私の義弟だった。
彼が十一歳で私の義弟になってから、七年が経ち、彼は十八歳になっていた。
勢いで決めた義弟ではあったが、その結果は大成功だったと胸を張って言える。
出会った時は天使のように可愛かった彼もすくすくと成長し、なんとも美しい青年に成長していた。最近では、ふとした瞬間に妖艶ささえ感じるほどだ。
容姿だけではなく、リルは平民の子とは思えないほど、多方面で優秀だった。
家庭教師を付ければ驚くべき吸収量で物事を覚えていったし、馬術の嗜みもあったほうがと乗馬を教えると難なく乗れるようになった。音楽の才能まであり、彼のヴァイオリンはそこらへんの演奏家よりずっと素晴らしい音色だ。
それに加え、暇な時間には少しでも義姉さんの役に立てるようになりたい! と努力する素晴らしき良い子ぶりで、屋敷の各所に顔を出した結果、料理・洗濯・掃除なども完璧にこなせるようになってしまった。
美しく、優しく、気が利き、何でも完璧にこなす義弟。
私の自慢の義弟だ!
「リル。こんな時間にどうしたんだ?」
「クッキー作ったんだ! 上手くできたから、義姉さんに食べてもらおうと思って!」
あぁ、私の義弟はなんて可愛いのか……
私は開いていた釣書を閉じ、笑顔でリルに言った。
「じゃあ、一緒に食べよう。ほら、ソファに座れ」
「ありがとう! でも、大丈夫? 仕事中だったんじゃ……」
リルは、少し申し訳なさそうにちらと私の執務机の上を確認した。
「気にするな。大した仕事ではない……まぁ、爺やからしたら一大事だろうがな」
私は苦笑いをしながら、ソファにどさっと腰掛けた。その向かい側にリルが姿勢よくすっと座る。
「一大事?」
「ん? あぁ、婿探しだよ。あの机に積まれているのは釣書だ」
「婿、探し……」
どこか切なそうに視線を落とすリル。こういう表情を見ると、切なくなる。
リルが本当の弟なら、何の問題なく伯爵位を譲ってやれたのに、と。
リルは優秀だ。彼に一滴でも伯爵家の血が流れていればよかったのに、と思ったことも一度ではない。
でも、この国では本当の血縁以外に爵位を継承することを許してはいない。彼はあくまでも義弟なのだ。
「……ごめんな、リル。伯爵領のことを私の次に想っているのは、お前だろうに。
伯爵位をお前に譲れたら、どんなに良かったか」
「いや、僕、爵位には興味ないよ。義姉さんが伯爵でいるのが一番いいに決まってる。義姉さん以上にプレスコット伯爵家の当主にふさわしい人はいないもの」
「そ、そうか? ありがとう」
てっきり伯爵位を継げないことに気を落としているのかと思っていたが、リルはあっけらかんとそう言い放った。
じゃあ、さっきの切なそうな表情はどういう意味だったのだろうか?
「ねぇ、義姉さん。釣書、僕も見ていいかな?」
「構わないが……」
私が許可すると、リルは「ありがとう」と言いながらも、どこかいつもと違う微笑みを浮かべ、釣書の下に行き、上から一つ一つ確認していった。その顔は厳しい……というか、どこか冷たさを感じさせた。
真剣に釣書を確認する彼の横顔をクッキーを食べながら、ぼーっと見つめる。
話せば可愛いのに、こうやって見ていると、リルもすっかり大人の男性なのだな、と思う。
真剣な表情は大人びて、いつの間にか背は私より高くなり、細いだけだったはずの身体は服の下の筋肉を感じさせるようなフォルムになっていた。
ついこないだまで少年だと思っていたのに、いつの間にこんなに男性としての色香を感じさせるようになったんだろう。……全然考えていなかったけど、リルもいつか結婚、するのかな?
そんなことを考えて、もやっとする。
義弟を大切に想いすぎるのも、問題だな……と、自分に呆れる。
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「どうだ? いい義兄候補はいたか?」
「義兄さんなんて、欲しくないよ……」
「ははっ。そりゃそうだ。私も出来るなら婿なんて取りたくもないさ。
でも……一人じゃ子供は出来ないからな。この家を残すためには仕方ないことだとはわかっているが、全く気乗りはしない」
私たちの間には沈黙が流れる。二人でいるのにこんな空気が流れるのは初めてだった。
釣書の話なんて、リルにするんじゃなかったな。将来の自分の立場を考えて不安になってしまったのかもしれない。
すると、リルが私に尋ねた。
「……義姉さんは、どんな相手が理想なの?」
「理想? ……うーん、そうだな」
相手の釣書を見てはなにかと理由をつけて、断ってきたが、自分の好みなど考えたことはなかった。
それに若い女当主としてやってきて、男性から屈辱的な言葉を投げかけられるのは一度や二度ではなかった。だからこそ、男にそんないいイメージはない。
私はクッキーを飲み込んで、リルに話した。
「とりあえずは、偉そうにしない奴がいいな。女だからと私を軽んじる奴は却下だ」
「そうだね、当たり前だ」
「それに婿は取っても、あくまでも私が伯爵だ。自分の立場を理解できる奴でなければ駄目だな」
「もちろん」
「あと、私に女らしさを求める奴も却下だな。婿を取っても、私は私を変えるつもりはない」
「あぁ、義姉さんは義姉さんらしくいるべきだ」
「できれば若い奴がいいな。年上の男にいい印象はない」
「それはいいね!」
そこまで厳しい顔をしていたリルは、急に良い笑顔を見せる。
……あまり年上の義兄は嫌なんだろうか? リルも私と一緒で偉そうにされるのは嫌なのかもしれない。
「大丈夫だ、リル。お前を軽んじるような奴を婿に迎えるつもりはないからな」
私は彼を安心させようと、彼の隣に移動して、その肩に腕を回した。それが嬉しかったのか、リルはニコニコと私の顔を見ている。
可愛い……この笑顔を守るためならなんだってできるような気がする。
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