61 / 99
第三章
1.リィナと王太子
しおりを挟む
二年生が始まり、二ヶ月が経った。
公務が落ち着き始めたのか、ライル様が学園に来れる日も多くなってきた。
しかし、私たちは以前のように学園内で一緒にいることは無くなった。もう手を繋いで歩くこともないし、一緒に食事を摂ることもない。同じ講義を取っていても離れて座り、廊下で話すことも無い。
学園のみんなは、私がライル様に捨てられたとか、飽きられたんだとか、好きなように陰口を叩いている。
ライル様の隣にはよくリィナやウィルガがいる。楽しそうに話しているわけでもなく、ただ隣にいるだけだが。
それでもリィナは満足そうにライル様の隣を歩いていた。
それを見て、寂しく無い…と言ったら、嘘になる。
正直、同じ学園内にいるのにこの遠すぎる距離感は寂しい。
前は近すぎるくらいだったんだもの。
それでも、耐えられるのは理由があった。
「お嬢様、殿下からお手紙が届いておりましたわ。」
「ありがとう…!」
オルヒから受け取ったのは、ライル様からの手紙だった。
◆ ◇ ◆
私は進級する前日にソフィアとお茶会を予定していた。
約束通りの時間にルデンス公爵邸を訪問し、ソフィアの私室に案内された。
今日は庭の薔薇が綺麗に咲いたから見せたいとソフィアに言われていたので、てっきり庭園で二人お茶をすると思っていたのに。
部屋に入ると、ソフィアが笑顔で迎えてくれる。
「アンナ。来てくれてありがとう!」
「こちらこそお招きありがとう。これ、お土産ね。」
作ってきたシフォンケーキを渡すと、フニャとソフィアの顔が緩む。ソフィアってば、本当にこれが好きなのよね。
「いつもありがとう!食べるのが楽しみだわ!」
「それにしても、今日は庭園でお茶をするんじゃなかったの?薔薇が綺麗に咲いたからって…」
私がそう尋ねると、ソフィアは不満そうに唇を突き出した。
「それがね、急にー」
「私が頼んだんだ。」
声がした方に目を向ければ、ジョシュア様が扉に寄りかかり、こちらを見て微笑んでいた。
「ジョシュア様。」
ジョシュア様はこちらに近づくと、私の髪を一房取り、軽く口づけを落とした。
「やぁ、アンナ。今日も可愛いね。
その花の髪飾りがとてもよく似合っているよ。」
「あ…ありがとうございます。」
私達は、うんざりした顔でそのやりとりを見ていたソフィアに促され、席についた。何故か侍女たちも全員出され、部屋には三人だけだ。
「アンナ、今日はね、お兄様から大切な話があるそうなの。」
「大切な話?」
「あぁ。この間のパーティーで抜けた時に、ライルはアンナに事情を話すと言っただろう?」
…いつからライル様のことをライルって呼ぶようになったのか少し気になる。
「え…あ、はい。……でも、なんでジョシュア様がそれを…。」
「頼まれたんだ、アンナに全てを伝えてほしいって。」
確かにライル様は自分の口からは伝えられないだろうけどって話してた。だから、私はてっきり手紙か何かで来るものかと思っていた。ジョシュア様に協力を仰いでいたなんて。
「これから話すことは、ごく一部の人間しか知らない真実だ。そして、この話は外部に漏れてはいけない話でもある。これを知れば、もしかしたらアンナの身にも危険が及ぶかもしれない。」
「構いません。何も知らない方が私には恐ろしいことです。
でも……。」
私はチラッとソフィアを見る。ソフィアを巻き込みたくないのだ。話を聞くだけでも危ない目に遭う可能性があるなら、ソフィアには退室してほしいと思った。
しかし、ソフィアは毅然と私に言い放った。
「アンナ、無理よ。私はアンナが駄目だと言ってもここに居座るわ。私の知らないところでアンナが危険に晒されるなんて我慢できないもの。」
「ソフィア……。」
「一応、ライルからはソフィアにも話して良いと言われている。あとは二人の気持ち次第だ。」
私とソフィアは視線を合わせた。
ソフィアの瞳には確固たる意思が見えた。
きっと私が何を言っても、ソフィアの気持ちは変わらないだろう…。私はソフィアと二人頷き、ジョシュア様に向かった。
「ジョシュア様、宜しくお願いします。」
「分かった。」
ジョシュア様は手元のお茶を一口飲むと、話し始めた。
「事の始まりは、アルファ様の婚約者である隣国のルルナ姫が亡くなったことだ。姫が亡くなり、アルファ様はほとんど部屋から出て来なくなった。二人も知っている通り、それによりライルが負担する公務が増え、学園にも通えなくなった。それでも、ライルは今は姫を失った悲しみを癒してほしいとアルファ様の仕事を一手に引き受けた。」
ライル様は木の下で膝枕をした時にも話していたっけ。アルファ様が気落ちしているから、自分が頑張らないと…って。
「しかし、ある日、ようやくアルファ様が部屋から出て来たと思ったら、信じられないことを要求した。」
「信じられないこと?」
「あぁ、『リィナ・ターバル男爵令嬢を王宮に招待し、自分の部屋へ連れて来い』と。」
「なんで、そこでリィナの名前が出てくるのよ?!」
ソフィアは目を丸くして、ジョシュア様に尋ねる。
私も平静ではいられなかった。嫌な汗が出てくる。
リィナが王太子に関わっているなんて思いもしなかった。だって、王太子は攻略対象じゃないのにー
ジョシュア様は淡々と話す。
「それはライルにも分からないんだそうだ。
本当に突然の要求だったらしい。リィナとの関係性を聞いても、とにかく呼べ、の一点張りだったと。」
「そ、それで呼んだんですか?」
動揺して、自分の声が震えているのが分かる。
「あぁ。陛下が許可したらしい。
そして、リィナが王宮に来たその日からアルファ様は頻繁にリィナを自室に呼び、二人きりで多くの時間を過ごした。」
ソフィアが嫌悪感を隠しもせず、眉を顰める。
「何というか…爛れてるわね。」
「あぁ。何をしているかは知らないが、若い男女が二人、部屋の中に閉じこもっているんだ。そのような想像を巡らせる者が殆どだろう。」
前にリィナは『朝まで帰してくれない』と話していたことがあったけど…あれはアルファ様のことだったの?
「最初、ライルはアルファ様がリィナを呼ぶのも数回だろうと思っていたが、アルファ様はどんどんとリィナにのめり込んだ。それにライルは危機感を覚えた。」
ソフィアが口を開く。
「隣国ね?」
ジョシュア様が深く頷いた。
「そうだ。あんなにルルナ姫と仲が良かったにも関わらず、そう時間も経たないうちに、別の令嬢を寵愛していると隣国が聞けば…。」
「隣国は勘繰るでしょうね。他に愛する女性が出来たアルファ様がルルナ姫を邪魔に思って、殺したんじゃないか、と。しかも、事故は我が国からの帰り道で起きてる。馬車に細工をしたと思われてもおかしくないわ。」
ソフィアの言った恐ろしい推測に愕然とする。
「そ、そんなことになったら……!」
ジョシュア様も厳しい表情で答える。
「あぁ、国交強化どころか…国交断絶。
一歩間違えば戦争の可能性もある。
ライルは、アルファ様に訴えた。まだ他の令嬢を側に置くべき時じゃない、と。国交に関わる問題だと何度も伝えたそうだ。
しかし、アルファ様はリィナを手放そうとはしなかった。それどころか、リィナに手を出せば、陛下に言ってお前を追放する、罪状なんていくらでも作れる、とまで言い放ったそうだ。」
信じられない…国を思うライル様にそんな言葉を浴びせるなんて…。私は拳をキュッと握りしめた。
「……酷い。」
「本当だ。これが将来、我が命を託す主君だとはゾッとする。
結局ライルはアルファ様を説得するのを諦めた。そして、隣国とのトラブルを避けるために、自らを隠れ蓑として使うことを提案したのだ。対外的にリィナは自分が執心している令嬢にする、と。」
……ライル様はアルファ様とリィナの自分勝手な関係に利用されただけだったんだ。しかも、自分を犠牲にして、国を守ろうとしていたなんてー。
悔しかった。
リィナの手からライル様を守れなかったことが……。
公務が落ち着き始めたのか、ライル様が学園に来れる日も多くなってきた。
しかし、私たちは以前のように学園内で一緒にいることは無くなった。もう手を繋いで歩くこともないし、一緒に食事を摂ることもない。同じ講義を取っていても離れて座り、廊下で話すことも無い。
学園のみんなは、私がライル様に捨てられたとか、飽きられたんだとか、好きなように陰口を叩いている。
ライル様の隣にはよくリィナやウィルガがいる。楽しそうに話しているわけでもなく、ただ隣にいるだけだが。
それでもリィナは満足そうにライル様の隣を歩いていた。
それを見て、寂しく無い…と言ったら、嘘になる。
正直、同じ学園内にいるのにこの遠すぎる距離感は寂しい。
前は近すぎるくらいだったんだもの。
それでも、耐えられるのは理由があった。
「お嬢様、殿下からお手紙が届いておりましたわ。」
「ありがとう…!」
オルヒから受け取ったのは、ライル様からの手紙だった。
◆ ◇ ◆
私は進級する前日にソフィアとお茶会を予定していた。
約束通りの時間にルデンス公爵邸を訪問し、ソフィアの私室に案内された。
今日は庭の薔薇が綺麗に咲いたから見せたいとソフィアに言われていたので、てっきり庭園で二人お茶をすると思っていたのに。
部屋に入ると、ソフィアが笑顔で迎えてくれる。
「アンナ。来てくれてありがとう!」
「こちらこそお招きありがとう。これ、お土産ね。」
作ってきたシフォンケーキを渡すと、フニャとソフィアの顔が緩む。ソフィアってば、本当にこれが好きなのよね。
「いつもありがとう!食べるのが楽しみだわ!」
「それにしても、今日は庭園でお茶をするんじゃなかったの?薔薇が綺麗に咲いたからって…」
私がそう尋ねると、ソフィアは不満そうに唇を突き出した。
「それがね、急にー」
「私が頼んだんだ。」
声がした方に目を向ければ、ジョシュア様が扉に寄りかかり、こちらを見て微笑んでいた。
「ジョシュア様。」
ジョシュア様はこちらに近づくと、私の髪を一房取り、軽く口づけを落とした。
「やぁ、アンナ。今日も可愛いね。
その花の髪飾りがとてもよく似合っているよ。」
「あ…ありがとうございます。」
私達は、うんざりした顔でそのやりとりを見ていたソフィアに促され、席についた。何故か侍女たちも全員出され、部屋には三人だけだ。
「アンナ、今日はね、お兄様から大切な話があるそうなの。」
「大切な話?」
「あぁ。この間のパーティーで抜けた時に、ライルはアンナに事情を話すと言っただろう?」
…いつからライル様のことをライルって呼ぶようになったのか少し気になる。
「え…あ、はい。……でも、なんでジョシュア様がそれを…。」
「頼まれたんだ、アンナに全てを伝えてほしいって。」
確かにライル様は自分の口からは伝えられないだろうけどって話してた。だから、私はてっきり手紙か何かで来るものかと思っていた。ジョシュア様に協力を仰いでいたなんて。
「これから話すことは、ごく一部の人間しか知らない真実だ。そして、この話は外部に漏れてはいけない話でもある。これを知れば、もしかしたらアンナの身にも危険が及ぶかもしれない。」
「構いません。何も知らない方が私には恐ろしいことです。
でも……。」
私はチラッとソフィアを見る。ソフィアを巻き込みたくないのだ。話を聞くだけでも危ない目に遭う可能性があるなら、ソフィアには退室してほしいと思った。
しかし、ソフィアは毅然と私に言い放った。
「アンナ、無理よ。私はアンナが駄目だと言ってもここに居座るわ。私の知らないところでアンナが危険に晒されるなんて我慢できないもの。」
「ソフィア……。」
「一応、ライルからはソフィアにも話して良いと言われている。あとは二人の気持ち次第だ。」
私とソフィアは視線を合わせた。
ソフィアの瞳には確固たる意思が見えた。
きっと私が何を言っても、ソフィアの気持ちは変わらないだろう…。私はソフィアと二人頷き、ジョシュア様に向かった。
「ジョシュア様、宜しくお願いします。」
「分かった。」
ジョシュア様は手元のお茶を一口飲むと、話し始めた。
「事の始まりは、アルファ様の婚約者である隣国のルルナ姫が亡くなったことだ。姫が亡くなり、アルファ様はほとんど部屋から出て来なくなった。二人も知っている通り、それによりライルが負担する公務が増え、学園にも通えなくなった。それでも、ライルは今は姫を失った悲しみを癒してほしいとアルファ様の仕事を一手に引き受けた。」
ライル様は木の下で膝枕をした時にも話していたっけ。アルファ様が気落ちしているから、自分が頑張らないと…って。
「しかし、ある日、ようやくアルファ様が部屋から出て来たと思ったら、信じられないことを要求した。」
「信じられないこと?」
「あぁ、『リィナ・ターバル男爵令嬢を王宮に招待し、自分の部屋へ連れて来い』と。」
「なんで、そこでリィナの名前が出てくるのよ?!」
ソフィアは目を丸くして、ジョシュア様に尋ねる。
私も平静ではいられなかった。嫌な汗が出てくる。
リィナが王太子に関わっているなんて思いもしなかった。だって、王太子は攻略対象じゃないのにー
ジョシュア様は淡々と話す。
「それはライルにも分からないんだそうだ。
本当に突然の要求だったらしい。リィナとの関係性を聞いても、とにかく呼べ、の一点張りだったと。」
「そ、それで呼んだんですか?」
動揺して、自分の声が震えているのが分かる。
「あぁ。陛下が許可したらしい。
そして、リィナが王宮に来たその日からアルファ様は頻繁にリィナを自室に呼び、二人きりで多くの時間を過ごした。」
ソフィアが嫌悪感を隠しもせず、眉を顰める。
「何というか…爛れてるわね。」
「あぁ。何をしているかは知らないが、若い男女が二人、部屋の中に閉じこもっているんだ。そのような想像を巡らせる者が殆どだろう。」
前にリィナは『朝まで帰してくれない』と話していたことがあったけど…あれはアルファ様のことだったの?
「最初、ライルはアルファ様がリィナを呼ぶのも数回だろうと思っていたが、アルファ様はどんどんとリィナにのめり込んだ。それにライルは危機感を覚えた。」
ソフィアが口を開く。
「隣国ね?」
ジョシュア様が深く頷いた。
「そうだ。あんなにルルナ姫と仲が良かったにも関わらず、そう時間も経たないうちに、別の令嬢を寵愛していると隣国が聞けば…。」
「隣国は勘繰るでしょうね。他に愛する女性が出来たアルファ様がルルナ姫を邪魔に思って、殺したんじゃないか、と。しかも、事故は我が国からの帰り道で起きてる。馬車に細工をしたと思われてもおかしくないわ。」
ソフィアの言った恐ろしい推測に愕然とする。
「そ、そんなことになったら……!」
ジョシュア様も厳しい表情で答える。
「あぁ、国交強化どころか…国交断絶。
一歩間違えば戦争の可能性もある。
ライルは、アルファ様に訴えた。まだ他の令嬢を側に置くべき時じゃない、と。国交に関わる問題だと何度も伝えたそうだ。
しかし、アルファ様はリィナを手放そうとはしなかった。それどころか、リィナに手を出せば、陛下に言ってお前を追放する、罪状なんていくらでも作れる、とまで言い放ったそうだ。」
信じられない…国を思うライル様にそんな言葉を浴びせるなんて…。私は拳をキュッと握りしめた。
「……酷い。」
「本当だ。これが将来、我が命を託す主君だとはゾッとする。
結局ライルはアルファ様を説得するのを諦めた。そして、隣国とのトラブルを避けるために、自らを隠れ蓑として使うことを提案したのだ。対外的にリィナは自分が執心している令嬢にする、と。」
……ライル様はアルファ様とリィナの自分勝手な関係に利用されただけだったんだ。しかも、自分を犠牲にして、国を守ろうとしていたなんてー。
悔しかった。
リィナの手からライル様を守れなかったことが……。
1
お気に入りに追加
497
あなたにおすすめの小説

働かなくていいなんて最高!貴族夫人の自由気ままな生活
ゆる
恋愛
前世では、仕事に追われる日々を送り、恋愛とは無縁のまま亡くなった私。
「今度こそ、のんびり優雅に暮らしたい!」
そう願って転生した先は、なんと貴族令嬢!
そして迎えた結婚式――そこで前世の記憶が蘇る。
「ちょっと待って、前世で恋人もできなかった私が結婚!?!??」
しかも相手は名門貴族の旦那様。
「君は何もしなくていい。すべて自由に過ごせばいい」と言われ、夢の“働かなくていい貴族夫人ライフ”を満喫するつもりだったのに――。
◆メイドの待遇改善を提案したら、旦那様が即採用!
◆夫の仕事を手伝ったら、持ち前の簿記と珠算スキルで屋敷の経理が超効率化!
◆商人たちに簿記を教えていたら、商業界で話題になりギルドの顧問に!?
「あれ? なんで私、働いてるの!?!??」
そんな中、旦那様から突然の告白――
「実は、君を妻にしたのは政略結婚のためではない。ずっと、君を想い続けていた」
えっ、旦那様、まさかの溺愛系でした!?
「自由を与えることでそばにいてもらう」つもりだった旦那様と、
「働かない貴族夫人」になりたかったはずの私。
お互いの本当の気持ちに気づいたとき、
気づけば 最強夫婦 になっていました――!
のんびり暮らすつもりが、商業界のキーパーソンになってしまった貴族夫人の、成長と溺愛の物語!

【完結】【35万pt感謝】転生したらお飾りにもならない王妃のようなので自由にやらせていただきます
宇水涼麻
恋愛
王妃レイジーナは出産を期に入れ替わった。現世の知識と前世の記憶を持ったレイジーナは王子を産む道具である現状の脱却に奮闘する。
さらには息子に殺される運命から逃れられるのか。
中世ヨーロッパ風異世界転生。

〘完〙前世を思い出したら悪役皇太子妃に転生してました!皇太子妃なんて罰ゲームでしかないので円満離婚をご所望です
hanakuro
恋愛
物語の始まりは、ガイアール帝国の皇太子と隣国カラマノ王国の王女との結婚式が行われためでたい日。
夫婦となった皇太子マリオンと皇太子妃エルメが初夜を迎えた時、エルメは前世を思い出す。
自著小説『悪役皇太子妃はただ皇太子の愛が欲しかっただけ・・』の悪役皇太子妃エルメに転生していることに気付く。何とか初夜から逃げ出し、混乱する頭を整理するエルメ。
すると皇太子の愛をいずれ現れる癒やしの乙女に奪われた自分が乙女に嫌がらせをして、それを知った皇太子に離婚され、追放されるというバッドエンドが待ち受けていることに気付く。
訪れる自分の未来を悟ったエルメの中にある想いが芽生える。
円満離婚して、示談金いっぱい貰って、市井でのんびり悠々自適に暮らそうと・・
しかし、エルメの思惑とは違い皇太子からは溺愛され、やがて現れた癒やしの乙女からは・・・
はたしてエルメは円満離婚して、のんびりハッピースローライフを送ることができるのか!?

【完結】美しい人。
❄️冬は つとめて
恋愛
「あなたが、ウイリアム兄様の婚約者? 」
「わたくし、カミーユと言いますの。ねえ、あなたがウイリアム兄様の婚約者で、間違いないかしら。」
「ねえ、返事は。」
「はい。私、ウイリアム様と婚約しています ナンシー。ナンシー・ヘルシンキ伯爵令嬢です。」
彼女の前に現れたのは、とても美しい人でした。
拝啓、許婚様。私は貴方のことが大嫌いでした
結城芙由奈@2/28コミカライズ発売
恋愛
【ある日僕の元に許婚から恋文ではなく、婚約破棄の手紙が届けられた】
僕には子供の頃から決められている許婚がいた。けれどお互い特に相手のことが好きと言うわけでもなく、月に2度の『デート』と言う名目の顔合わせをするだけの間柄だった。そんなある日僕の元に許婚から手紙が届いた。そこに記されていた内容は婚約破棄を告げる内容だった。あまりにも理不尽な内容に不服を抱いた僕は、逆に彼女を遣り込める計画を立てて許婚の元へ向かった――。
※他サイトでも投稿中

婚約者を奪い返そうとしたらいきなり溺愛されました
宵闇 月
恋愛
異世界に転生したらスマホゲームの悪役令嬢でした。
しかも前世の推し且つ今世の婚約者は既にヒロインに攻略された後でした。
断罪まであと一年と少し。
だったら断罪回避より今から全力で奪い返してみせますわ。
と意気込んだはいいけど
あれ?
婚約者様の様子がおかしいのだけど…
※ 4/26
内容とタイトルが合ってないない気がするのでタイトル変更しました。

悪役令嬢ですが、当て馬なんて奉仕活動はいたしませんので、どうぞあしからず!
たぬきち25番
恋愛
気が付くと私は、ゲームの中の悪役令嬢フォルトナに転生していた。自分は、婚約者のルジェク王子殿下と、ヒロインのクレアを邪魔する悪役令嬢。そして、ふと気が付いた。私は今、強大な権力と、惚れ惚れするほどの美貌と身体、そして、かなり出来の良い頭を持っていた。王子も確かにカッコイイけど、この世界には他にもカッコイイ男性はいる、王子はヒロインにお任せします。え? 当て馬がいないと物語が進まない? ごめんなさい、王子殿下、私、自分のことを優先させて頂きまぁ~す♡
※マルチエンディングです!!
コルネリウス(兄)&ルジェク(王子)好きなエンディングをお迎えください m(_ _)m
2024.11.14アイク(誰?)ルートをスタートいたしました。
楽しんで頂けると幸いです。

一番悪いのは誰
jun
恋愛
結婚式翌日から屋敷に帰れなかったファビオ。
ようやく帰れたのは三か月後。
愛する妻のローラにやっと会えると早る気持ちを抑えて家路を急いだ。
出迎えないローラを探そうとすると、執事が言った、
「ローラ様は先日亡くなられました」と。
何故ローラは死んだのは、帰れなかったファビオのせいなのか、それとも・・・
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる