騎士団長と秘密のレッスン

はるみさ

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番外編 ウィンタール家の人々(1)

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 今日は公爵家へご挨拶に行く日だ。
 ジル様と馬車に乗って、向かっている。

 ジル様は何も心配することないと言っていたが、本当に大丈夫だろうか。不安で握りしめた拳の中は汗で湿っている。

 ジル様は、お屋敷に近づくにつれ、言葉数が少なく表情が暗くなっていく私に気付き、肩を抱き、手をギュッと握ってくれた。

 「大丈夫だ、マリエル。父上も母上もマリエルに会えることを楽しみにしている」

 「はい……。でも、やっぱり心配で……」

 「それはそうだよな。俺はマリエルのご両親を以前から知っていたが、マリエルは全く知らないんだもんな。緊張するのも無理はない」

 そうなのだ。私は社交界に全く参加していなかったせいもあり、ジル様のご両親について、ほとんど知らない。私の両親や、姉、周囲の人たちに聞くところによると、いつも貴族然とした姿勢を崩さない少し冷たい印象の方のようなのだ。ジル様の話だと私との婚約を大喜びしていると言うが、他の方の話とのギャップがありすぎて、想像がつかない。

 馬車が止まる。

 「着いたな」

 御者の方が扉を開けてくれる。ジル様が先に降り、私に手を差し出す。私はおずおずと手を伸ばし、馬車を降りる。

 さすが、公爵家のお屋敷……立派だ。
 門からお屋敷の玄関扉までもかなり距離がある。

 「行こうか」

 「は、はい!」

 私はジル様の腕に手を絡ませて、向かい歩き出す。先の方に見える扉に目をやると……あれ?

 扉の前に誰か立ってる?
 
 体格の良いおじ様と、細くて背の高い美しいご婦人がこちらを向いて立っている。

 「ジル様……もしかして、あの方たちは……」

 そこでジル様は大きくため息をついた。

 「……うちの両親だ。
 ……くそ! なんで外に立っているんだ?!」

 ジル様が苦虫を噛み潰したような顔をするので、思わず笑ってしまった。

 「私を歓迎してくれてるんですかね?」

 「あぁ……待ちきれなくて出てきてしまったんだろう。
 まったく……子供か」

 さっきまでジル様の両親に会うのが怖くて仕方なかったのに、お二人ともとても可愛らしく見えてきてしまった。

 ようやくご両親の前に辿り着き、私は礼を取る。

 「エルスタイン伯爵家が次女マリエル・エルスタインと申します。本日はお忙しい中、お時間を作っていただき、誠にありがとうございます」

 ジル様のお父様が口を開く。

 「あぁ。私はウィンタール公爵家当主のクリス・ウィンタール、こっちは妻のサラだ」

 「マリエルちゃん、宜しくね!」

 「今日が来るのを心待ちにしていた! さぁ、入ってくれ!!」

 傍にいた執事長のような方が扉を開いた。

 扉を開くと、ずらっと両脇に使用人の方が勢揃いしていた。屋敷の大きさも違うから、当たり前だが、うちの伯爵家とは比べものにならない使用人の数だった。皆、ピシッと同じ角度でお辞儀をしている。流石公爵家……使用人のレベルも高そうだ。

 お義父さまが声を張り上げ、使用人の方々に私を紹介してくれる。

 「こちらはジルベルトと婚約することになったマリエルさんだ。もう皆知っている通り、結婚することもほぼ決まっている。
 今日から公爵家の人間として扱うように。それを軽んじる者がいれば、私が直々に処罰を下すからそのつもりで」

 私は唖然とする。
 今日はご両親に挨拶に来ただけのはずだったのに……ど、どうしてこんなことになってるの?!

 私が固まっていると、隣にお義母様が来て、言った。

 「マリエルちゃん! これでいつでもうちに遊びに来れるわね。毎日ここに泊まってもいいのよ! もう部屋もあるんだし、私達は大歓迎だからね!」

 ん? どういうこと?
 毎日泊まる? ……もう部屋がある??

 私はより一層意味が分からなくなる。情報が処理できず固まっていると、ジル様が助け舟を出してくれた。

 「急にそんな色々と言ったら、マリエルが混乱するでしょう。まずは、応接間でゆっくり話しましょう」

 「それもそうね。じゃあ、行きましょ」

 私達は応接間に移動した。

 「先程は驚かせて悪かったね。マリエルさんが公爵家の人間になることはほぼ確定していることだし、これから頻繁に出入りすることを考えたら、使用人に面通ししておいたほうが良いと思ったんだ」

 確かにジル様と結婚するつもりだから、ほぼ確定というのは間違いない。おそらくジル様が私以外と結婚することはないと宣言したんだろう。そこまでは分かる。
 結婚する前なのに頻繁に出入りする、とはどういうことだろうか? 嫁ぐ前に公爵家夫人の教育でもあるのだろうか….聞いたことはないが。
 どう考えても分からないので、素直に聞くことにした。

 「……ありがとうございます。でも、頻繁に出入りするとはどういうことでしょうか? 嫁入り前の教育などが公爵家にはお有りですか?」

 お義母様がふふふっと笑う。

 「そんなのないわよ」

 「じゃあ、なんで……」

 そこでジル様が口を開いた。

 「あのな……マリエル。

 驚かないで聞いて欲しいんだが……もうマリエルの部屋を屋敷内に作ったんだ」

 「……え?」

 「……待ちきれなくて、作ってしまった」

 ジル様ははにかみながら、私に言う。

 いや……いやいや、おかしいよね?
 ご両親に挨拶に来たのは今日だし、正式な婚約だってこれからだし、結婚式の日取りも決まってないし……なのに、なんで部屋?

 「は、早くないですか?」

 「別に作ることには変わらないんだから、早くても構わないだろう? そうしたら、毎日マリエルと一緒に帰って来て、毎日一緒に寝れる」

 ジル様はとても満足そうに微笑む。
 この人は両親の前で何を言っているのかと思い、ジル様のご両親を伺うと、お二人ともうんうん、と首を縦に振っている。……援軍は期待できそうにない。

 「いつから作ってたんですか?」

 「王都に戻ってきてすぐだ。マリエルとの未来を想像しないと、おかしくなってしまいそうだったから……」

 思ったより切ない理由だった。そう言われては怒れなくなってしまう。

 「分かりました。心配かけた私のせいですね。
 ありがとうございます。嬉しいです。あとで見せていただけますか?」

 「あぁ!! フィリップやシルヴィにもマリエルの好みを聞いて、家具や壁紙を選んだんだ。きっと喜んでもらえると思う!」

 ジル様は破顔した。
 その姿を見て、お義母様は少し寂しそうに笑う。

 「本当にマリエルちゃんの前ではこの子は変わるのね……。
 マリエルちゃん、本当にありがとう。
 貴女に会っていなかったら、この子は……こんな風に笑うことも出来なかったでしょう。私のせいで」

 俯くお義母様の肩をお義父様は抱く。
 どういうことかと思い、私はジル様を見る。
 ジル様は困ったように微笑んだ。

 「マリエルには話しただろう。俺がこの公爵家でどう扱われていたか……。そんな時にマリエルと出会い、どう変わったのか」

 私は頷く。

 「王都に帰ってきてから、当時のことを両親と話したんだ。

 マリエルがこの公爵家の人間になるなら、このままじゃダメだと思った。我が公爵家にとって、強いことが重要なのは勝手だが、それをマリエルに押し付けてほしくなかった」

 お義父様が眉を下げて、話す。

 「言い訳になってしまうが、マリエルさんには私達がどういう思いでジルベルトに接していたか、聞いてもらった方がいいだろう。聞いてくれるか?」

 私も気にはなっていた。身体が小さいと言うだけで、何故そんなにジルベルト様が疎まれたのか。私は頷いた。

 お義母様は前を向いて話し始めた。

 「……私から話させて。

 私はね、元々侯爵家の令嬢だったの。そんな私がクリスの婚約者として選ばれたのは、病気一つしたことのない身体の丈夫さと、乗馬の腕が人より優れていたからなの。
 私が嫁いだ時に言われたわ。『強い子を産め。貴女を選んだのは強い身体とその乗馬の腕があるからだ』と。それを私は当たり前に受け入れたわ。それが私の使命だと思った。

 けれど、私は強い子を産むどころか、なかなか子を授かることが出来なかったの。毎日のように義父母に詰られたわ。クリスは私を大切にしてくれていたけれど、クリスには見えないところで私はどんどんと追い詰められていった。自分自身がひどく使い物にならない無価値な者に思えたわ」

 それは辛そう。私もなかなか妊娠出来ずに、ジル様のご両親に陰で詰られたら、耐えられるか分からない。

 「もう離縁を考えるしかないのかと思い始めた矢先……結婚から五年が経っていたわ。ようやくジルベルトを妊娠したの。これでようやく毎日責められる日々から解放されると思った。

 でも、いざ出産してみたら、ジルベルトはとても小さくてね。よく熱を出すし、上手くお乳も飲めない子だった。全然大きくならなかったの。

 私は再び責められたわ。『歳取って産むから』『こんな弱い子が公爵家の子なんて』と。
 なんで、と思った。
 ようやく救われたと思ったのに、再び、あの日々が始まると思ったら辛くて堪らなかった。私はジルベルトの顔を見るのが日に日に耐えられなくなっていったわ」

 お義母様の瞳には涙が滲んでいる。

 「次の子が私を救ってくれると思うことでしか頑張れなかった。それから、暫くしてトリスタンを妊娠してることが分かったの。私はジルベルトの世話なんて一切せずに毎日祈りながら、トリスタンの出産まで過ごしたわ。

 産まれてきたトリスタンは健康そのものだった。身体も大きく、よくお乳を飲んだし、熱なんてほとんど出さない、よく笑う子だった。またトリスタンは王家にも通じるお義父様の金髪を受け継いだ子だった。この子こそが真の公爵家の跡継ぎだ!とお義父様は言ったわ」

 ジル様は硬い表情をして聞いている。私の手を強く握る。嫡男として産まれたのに、誰にも認められなかったなんて……。もうこの世にはいないというお義祖父様を思って、私は内心腹を立てた。

 「家族みんながトリスタンを可愛がった。ジルベルトもお腹を痛めて産んだことには変わりないのに……私たちはジルベルトの存在を忘れたように過ごしてしまった」

 お義母様は目に涙を溜め、俯く。床にポツッと涙が落ちる。お義父様は、そのお義母様の背中をさすると、眉を顰め、口を開いた。

 「私もジルベルトを目にすると、辛そうにするサラを見ていることが出来ず……同じようにジルベルトを蔑ろにした。
 しかし、私の両親が亡くなり、ジルベルトが騎士団長に就任すると、今度は昔のことを忘れたようにやはりジルベルトこそが公爵家の跡取りだと思った。

 ……全く恥ずかしい限りだ」

 お義父様は、ため息を吐いた。

 「ジルベルトはこんなに……私達よりも強く立派に育ってくれた。それはマリエルさんをはじめ周りの人たちが助けてくれたからだ。

 改めて礼を言わせてもらいたい」

 「い、いえ! 私は何も!!」

 そう言う私の瞳を見つめて、ジル様は言う。

 「いや。マリエルがいなかったら、俺はこうしてここにはいないだろう。マリエルの存在があったから、十年前も、今回も魔獣討伐から無事に帰ってこれたんだ」

 お義父様も大きく頷いた。

 「今回、私たちは……ジルベルトからマリエルさんと婚約、結婚したいと聞いて、自分たちが昔した仕打ちを忘れ、喜んだ。トリスタンを無理矢理誰かと婚約させることもできるが……本人は結婚をする気がすっかりないからな。ジルベルトは唯一の希望だった。

 だが、ジルベルトからマリエルさんの報告を受けた時に言われたんだ。公爵家のこだわりを押し付けるな、それをマリエルさんに求めるな、と。それが了承出来ないのなら公爵家を出て行く覚悟もしている、とまで言われた」

 驚いた。自分を蔑ろにした両親と当時のことを振り返りながら話すのは辛かっただろうに……私のためにそこまでしてくれたんだと思ったら、じんわりと胸が温かくなった。それに爵位を捨てるようなことを言うなんて。

 「ジル様……公爵家を出て行くなんて……
 そんなことまで言ったんですか?」

 「あぁ。俺は子供が欲しいから、マリエルと結婚するわけじゃないからな。俺自身にマリエルが必要なんだ。

 それに、俺が左腕を失いかけた時、言ってくれただろう? 爵位なんていらない、俺と生きていきたいと。
 俺も同じだ。マリエルさえいてくれればいい」

 「……ジル様」

 確かに私も強い子を求められているのに、子供が出来なかったらどうしようと不安に思ってはいた。

 そこで、お義母様が口を開く。

 「私も自分があんなに辛かったのに、ジルベルトやトリスタンのお嫁さんに当たり前のように同じ仕打ちをするところだった。産まれた時にその子が強くなるかなんて分からないのにね」

 ジル様が頷く。

 「俺はマリエルが居たから、強くなりたいと思えた。要するに本当に守りたいものを見つけられるかどうかなんだと思う」

 お義母さまは私に笑いかけてくれた。

 「マリエルちゃん、安心してね。
 子供が出来てもその子になにかを強要するつもりはないし、仮に子供が出来なくても離縁を迫ることはないわ。ジルベルトには他の誰でもなく、貴女が必要なの。子供が出来なければ、分家から養子を取ってもいいし、一応トリスタンもいるしね」

 私はジル様の深い愛情を感じて、胸がいっぱいになった。私が結婚してからも辛い思いをしないように、ここまで心を砕いてくれるなんて……

 「ジル様……ありがとうございます。
 私のことを考えて、そこまでご両親と話し合って下さるなんて……本当に感動しました。
 でも、私も公爵家の後継を作ることがいかに大切なことかは理解しているつもりです。私も早めにジル様やご両親に安心してもらえるよう、しっかりと頑張りますね!」

 ジル様はそれを聞いて、すごく良い笑顔をした。

 「その言葉を聞けて、良かった。
 早めに部屋を作った甲斐があったな」

 「え?」

 お義父様も言う。

 「いくら泊まっても私達は構わないからね」

 「え、あの……」

 お義母様まで言う。

 「えぇ! もう自分の家だと思って頂戴ね!
 あ、私たちの寝室は、二人の寝室とは離れてるから、安心して?思いきり……ね♪」

 ……え、この人たち、思いきり後継を期待してるよね? ジル様は私といたいだけなんだろうけど、なんだか嵌められた気がするのは……気のせい……?

 「は、はい。頑張り……ます。
 よろしく、お願いします……」

 お義父様とお義母様が微笑む様は、やはりジル様とよく似ていた。


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