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第二十三話
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琴美は衝撃に耐えようと咄嗟に食いしばったが、いつまでも痛みがやって来ないことに安心して、目を開けた。
そこには俊哉の手を強く掴む、律がいた。
「律…さん…。なんで…。」
琴美は呆然とする。律は振り返り、琴美に笑いかけた。その額には汗が滲んでいた。
「琴美を守る役目を俺が誰かに譲るはずないだろう?」
律に手を掴まれて呆然としていた俊哉が手を振り解く。
「ど、ど、どうして…
まだ、今日は帰ってこれないはずじゃ…。」
律は鋭く俊哉を睨みつける。
「その写真に俺と一緒に写ってる女性に、愛する女性のピンチを伝えたらね、さっさと帰るといいってさ。」
「律さん…この人は…?」
「この人は今回俺が接待してた会社の女社長さ。ニューヨークにいる時にお世話になってた人でね、仕事の視察で日本に来たんだ。
ついでにもう結婚して、スペイン人の旦那さんとお子さんもいる。ずっと海外で過ごしてたから、日本人より距離感が近いんだ。軽いハグなんか当たり前さ。
…どう信じられない?」
律はニッと笑う。
琴美はそれに笑顔で返す。
「勿論信じるに決まってます。
最初から疑いもしてませんよ。」
「琴美ならそう言ってくれると思った。」
それを悔しそうに見つめる俊哉。
律は俊哉に向き直って言う。
「話は全部、近藤から聞いた。
…近藤はお前に愛されたかっただけだと泣いてたぞ。妊娠したのも…嘘じゃないそうだ。嘘の録音に協力したことも認めた。」
俊哉は固く口を閉じる。
琴美は俊哉を見つめ、優しい声で語りかけた。
「俊哉、今までありがとう。でも、どうやっても私達はやり直せない。
…これ以上、貴方を嫌いにさせないで。
私達の三年間を嫌な思い出にさせないで。
自分を愛してくれる人を…大切にしてあげて。」
俊哉は唇を強く噛み締める。律も口を開いた。
「菊池…今ならまだ俺も深くは追求しないでやる。
でも、これ以上、琴美に何かするつもりなら、容赦しない。法的措置も含めて、全力で対抗させてもらう。」
俊哉は、ぐっ…と掌を固く握る。
三人の間に沈黙が流れる。
俊哉は無言でカフェを出て行った。
◆ ◇ ◆
琴美と律は二人で家に帰って来ていた。
「改めて…おかえりなさい、律さん。」
琴美は律と自分の分、湯呑みをテーブルの上に置いて、ソファに座った。
「ただいま。琴美。」
律は琴美をギュッと抱き寄せる。
「…本当に無事で良かった…。」
絞り出すように呟かれた律のその言葉でいかに心配してくれていたのかが、琴美には十分すぎるほど伝わった。
「はい…。
律さんが離れていても守ってくれたおかげです。」
「いや、俺だけじゃない。海斗や琴美の会社の人達が協力してくれたおかげだろ。離れてた俺にできることはそう多くない。」
「そんなこと言って。
…わざわざ身辺警護まで雇ってたくせに。」
律は目を丸くして、琴美の顔を見つめる。
「気付いてたのか…?」
琴美はフフッと笑う。
「気付いたのは今日ですけどね。
会社前に俊哉がいて、私達のやり取りを耳を澄ませて聞いてるような人がいたから。もしかして…って。だから、タクシーには乗らずに会社近くのカフェで話を聞くことにしたんです。そしたら、その人は少し遅れてカフェに入って来たから、そこで確信しました。」
「ははっ。琴美、そんなところは鋭いんだ。新しい発見だな。
そう。個人向けのボディガードを雇ったんだ。でも、琴美が菊地の話を聞くならそれでも良いと思った。だから、ボディガードには琴美に直接危害を及ぼすようなら、出て守ってくれと依頼した。」
「俊哉の話を聞いても良いと思ったのは、私を信じてくれたから、ですよね?」
「あぁ。琴美なら俺を信じてくれると思った。菊地から話をされたって痛くも痒くもない。全部嘘だし。
ただ心配だったのは琴美に危害を及ぼさないかどうか、だった。だから、ボディガードを雇ったんだ。」
「ありがとうございます。そこまでしてくれて。」
「琴美を守るためならお金なんて惜しくない。
琴美は…俺の唯一だから。こんなに愛せるのは琴美だけだよ。」
「…私も、こんなに愛せるのは律さんだけです。」
二人はゆっくりと口付けをした。
まだ気になることはあるけれど、そんなのは後でいい…と琴美は思う。今はただ律の温もりを確かめたかった。
律も同じだ。全身くまなく琴美の無事を確かめて、もう一度深く自分を刻みつけたかった。
律の舌が琴美の口内に侵入し、その柔らかい舌を絡め取る。琴美は目を瞑って、律の味を確かめる。律の唾液が琴美に浸透していくのを感じる。それは媚薬のように琴美の身体を熱くさせた。
琴美は律の頭に手を伸ばし、そのサラサラとした黒髪に指を差し込む。律の髪の毛の先まで全て愛おしかった。
律の唇は徐々に下がっていく。首筋に顔を埋めると、そこに強く吸い付き、所有印を刻む。その独占欲さえ嬉しくて、琴美は小さく声を漏らす。
律は琴美の甘い声を聞いて、薄く笑い、唇を舐める。その仕草は獲物を前にした野獣のようだった。普段あんなに優しくて温厚な律が欲望を瞳に宿し、琴美を見つめる。雄の本能を感じ取った琴美の身体は蜜口を濡らし、身体を捧げる準備をする。
律はスルスルと琴美の服や下着を脱がせ、あっと言う間に産まれたままの姿にした。その間に律も自分の衣服もすべて脱ぎ捨てている。恥ずかしさに琴美が胸や秘部を手で覆い、身を捩る。
「…琴美、綺麗だ。頭の先から足の先まで、全て…」
「恥ずかしい、よ。そんなに…見ないで。」
琴美は見られているだけなのに、子宮が疼いているのが分かった。蜜口は先程から涎を垂らし、律を欲しがっている。部屋に香り立つ匂いから、律にもそれが分かっていた。
律は琴美と距離を詰めて、キスをする。その間に手は蜜口へ伸びた。そこは軽く触っただけでもピチャっと音を立てて、律の指を飲み込んだ。やっと、律に触ってもらえる…琴美の蜜口からはより愛液を溢れさせたが、律は浅く挿入し、入口付近を軽く刺激するだけだ。琴美は思うような刺激が得られず、目を潤ませ、律に訴えた。
「やぁ…っ!
…早くぅ、奥までぇ…。」
律は微笑みながら、琴美の顔をじっと見つめる。
「フフッ。ごめんね。
ねぇ…琴美。昨日も俺を思い出して、慰めてた?」
「…っ!」
琴美は口を噤んだ。律の言う通りだったからだ。
この間、琴美は律と電話を繋げて、自慰をした時から毎日のように律と電話が終わった後に寂しくて自分を慰めていた。そのたびに律の指が…律のものが恋しくて仕方なかった。
目を泳がせる琴美を見て、律は満足そうに笑う。
「図星、なんだ。本当に琴美は可愛い。
俺のためにほぐしておいたんだね。
えらい、えらいよ。琴美はいい子だ。」
そう言いながら、琴美の顔中にキスを降らせた。
琴美はそのキスを受けながら、ぼんやりした頭で不安に思ってたことを聞いてみた。
「…ぁん…っ。律さんは私がえっちになっても…
…その…嫌いに、ならない?」
琴美は律と付き合い始めてからというもの、律に抱かれることを想像しただけで身体を濡らすようになったし、先日からは自慰までするようになってしまった。その身体の変化に琴美は少し不安を感じていた。
律は琴美の瞼に優しくキスを落とす。
「琴美、それは愚問というものだよ。」
琴美の耳元に唇を寄せ、律は囁いた。
「…だって、琴美をそうさせてるのは俺なんだから。」
そう言うと、蜜口に添えていた指をグッと奥へ挿しこんだ。
「あぁんっ!!」
琴美はあられもない声を上げる。
律の指は止まらない。指が琴美の弱いところを擦り上げるたびに琴美の嬌声と水音が室内に響く。
「琴美…いくらでも乱れていいんだよ…。
どんな琴美でも…愛してる。琴美の全部を見せて。」
「はぁ…ああぁんっ!」
琴美は律が与えてくれる全ての刺激に酔いしれた。律の指が琴美の秘芽と中を絶えず蹂躙する。
「やっ、あっ、あ、あ、はぁんっ!イっちゃう!」
「イけ。」
次の瞬間、琴美の蜜口からはプシャプシャと愛液が飛び散る。琴美は快感に身体を震わせている。律がそっと琴美のウエストに手を添える。
「ひゃあん…っ!」
それさえも今の琴美には十分な刺激だった。
律は血管の浮き出たそれにゴムを装着し、琴美の秘裂に優しく馴染ませる。
「あっ…は…んぅ…っ!」
イったばかりで身体は辛いはずなのに、琴美は思わず腰を揺らす。
「琴美…愛してる。大好きだよ。
…俺の、俺だけの琴美だ…。」
律はゆっくりと琴美の中に侵入していく。
「んんっ…!」
久しぶりに迎え入れる律の陰茎はやはり大きかった。けれど、琴美は嬉々として受け入れる。一番奥まで律を感じたかった。
ようやく律の陰茎が奥に到着する。琴美の膣壁は律の陰茎をぎゅうぎゅうと締め付ける。律も琴美もじっと動かない。
「はぁ…琴美の中…気持ち良すぎ…。」
「ん、ふぅ…。律…さんの、いっぱいで…嬉しい。
あ…はぁ…。ずっと…ずっと繋がってたい、よ。」
琴美の中で律のがまた大きくなる。
「琴美…っ!」
律が琴美の名前を叫び、グッと奥に陰茎を擦りつけたと思ったら、素早く腰を振り始めた。大きな快楽の波が再び琴美を襲う。
「ひゃ…あ、あ、あぁっ!!はぁ…あんっ!」
律は腰を振りながらも、琴美の胸を揉む。乳頭に指をグッと突き立てられれば、琴美の身体は大きくしなる。
「ひゃっ…あ、あ。りつっ…りつぅ!!」
「琴美!ことみっ…好きだ…っ!!」
律は余裕なく琴美の名前を叫ぶと、二人は同時に大きな快楽の波に飲み込まれた。
琴美は息を乱し、呆然とする。律も琴美の肩に顔を埋めるようにすると、その首筋にキスを落とした。
「琴美…好きだ。
…愛しすぎて、おかしくなってしまいそうだよ。
こんなに可愛くて、綺麗で、優しくて、賢くて、料理も上手で、頑張り屋さんで…俺の好みにエロくて。
…もう一生、琴美しか欲しくない。琴美が側にいてくれればいい。」
そう言って律は琴美をギュウッと抱きしめた。琴美は随分過分な評価だと少し困ったように隠れて笑った。律の頭を優しく撫でる。
「ずっと側にいますよ。律さんの側に、ずっと。」
「琴美…。」
その夜、二人は何度も愛を確かめ合った。
そこには俊哉の手を強く掴む、律がいた。
「律…さん…。なんで…。」
琴美は呆然とする。律は振り返り、琴美に笑いかけた。その額には汗が滲んでいた。
「琴美を守る役目を俺が誰かに譲るはずないだろう?」
律に手を掴まれて呆然としていた俊哉が手を振り解く。
「ど、ど、どうして…
まだ、今日は帰ってこれないはずじゃ…。」
律は鋭く俊哉を睨みつける。
「その写真に俺と一緒に写ってる女性に、愛する女性のピンチを伝えたらね、さっさと帰るといいってさ。」
「律さん…この人は…?」
「この人は今回俺が接待してた会社の女社長さ。ニューヨークにいる時にお世話になってた人でね、仕事の視察で日本に来たんだ。
ついでにもう結婚して、スペイン人の旦那さんとお子さんもいる。ずっと海外で過ごしてたから、日本人より距離感が近いんだ。軽いハグなんか当たり前さ。
…どう信じられない?」
律はニッと笑う。
琴美はそれに笑顔で返す。
「勿論信じるに決まってます。
最初から疑いもしてませんよ。」
「琴美ならそう言ってくれると思った。」
それを悔しそうに見つめる俊哉。
律は俊哉に向き直って言う。
「話は全部、近藤から聞いた。
…近藤はお前に愛されたかっただけだと泣いてたぞ。妊娠したのも…嘘じゃないそうだ。嘘の録音に協力したことも認めた。」
俊哉は固く口を閉じる。
琴美は俊哉を見つめ、優しい声で語りかけた。
「俊哉、今までありがとう。でも、どうやっても私達はやり直せない。
…これ以上、貴方を嫌いにさせないで。
私達の三年間を嫌な思い出にさせないで。
自分を愛してくれる人を…大切にしてあげて。」
俊哉は唇を強く噛み締める。律も口を開いた。
「菊池…今ならまだ俺も深くは追求しないでやる。
でも、これ以上、琴美に何かするつもりなら、容赦しない。法的措置も含めて、全力で対抗させてもらう。」
俊哉は、ぐっ…と掌を固く握る。
三人の間に沈黙が流れる。
俊哉は無言でカフェを出て行った。
◆ ◇ ◆
琴美と律は二人で家に帰って来ていた。
「改めて…おかえりなさい、律さん。」
琴美は律と自分の分、湯呑みをテーブルの上に置いて、ソファに座った。
「ただいま。琴美。」
律は琴美をギュッと抱き寄せる。
「…本当に無事で良かった…。」
絞り出すように呟かれた律のその言葉でいかに心配してくれていたのかが、琴美には十分すぎるほど伝わった。
「はい…。
律さんが離れていても守ってくれたおかげです。」
「いや、俺だけじゃない。海斗や琴美の会社の人達が協力してくれたおかげだろ。離れてた俺にできることはそう多くない。」
「そんなこと言って。
…わざわざ身辺警護まで雇ってたくせに。」
律は目を丸くして、琴美の顔を見つめる。
「気付いてたのか…?」
琴美はフフッと笑う。
「気付いたのは今日ですけどね。
会社前に俊哉がいて、私達のやり取りを耳を澄ませて聞いてるような人がいたから。もしかして…って。だから、タクシーには乗らずに会社近くのカフェで話を聞くことにしたんです。そしたら、その人は少し遅れてカフェに入って来たから、そこで確信しました。」
「ははっ。琴美、そんなところは鋭いんだ。新しい発見だな。
そう。個人向けのボディガードを雇ったんだ。でも、琴美が菊地の話を聞くならそれでも良いと思った。だから、ボディガードには琴美に直接危害を及ぼすようなら、出て守ってくれと依頼した。」
「俊哉の話を聞いても良いと思ったのは、私を信じてくれたから、ですよね?」
「あぁ。琴美なら俺を信じてくれると思った。菊地から話をされたって痛くも痒くもない。全部嘘だし。
ただ心配だったのは琴美に危害を及ぼさないかどうか、だった。だから、ボディガードを雇ったんだ。」
「ありがとうございます。そこまでしてくれて。」
「琴美を守るためならお金なんて惜しくない。
琴美は…俺の唯一だから。こんなに愛せるのは琴美だけだよ。」
「…私も、こんなに愛せるのは律さんだけです。」
二人はゆっくりと口付けをした。
まだ気になることはあるけれど、そんなのは後でいい…と琴美は思う。今はただ律の温もりを確かめたかった。
律も同じだ。全身くまなく琴美の無事を確かめて、もう一度深く自分を刻みつけたかった。
律の舌が琴美の口内に侵入し、その柔らかい舌を絡め取る。琴美は目を瞑って、律の味を確かめる。律の唾液が琴美に浸透していくのを感じる。それは媚薬のように琴美の身体を熱くさせた。
琴美は律の頭に手を伸ばし、そのサラサラとした黒髪に指を差し込む。律の髪の毛の先まで全て愛おしかった。
律の唇は徐々に下がっていく。首筋に顔を埋めると、そこに強く吸い付き、所有印を刻む。その独占欲さえ嬉しくて、琴美は小さく声を漏らす。
律は琴美の甘い声を聞いて、薄く笑い、唇を舐める。その仕草は獲物を前にした野獣のようだった。普段あんなに優しくて温厚な律が欲望を瞳に宿し、琴美を見つめる。雄の本能を感じ取った琴美の身体は蜜口を濡らし、身体を捧げる準備をする。
律はスルスルと琴美の服や下着を脱がせ、あっと言う間に産まれたままの姿にした。その間に律も自分の衣服もすべて脱ぎ捨てている。恥ずかしさに琴美が胸や秘部を手で覆い、身を捩る。
「…琴美、綺麗だ。頭の先から足の先まで、全て…」
「恥ずかしい、よ。そんなに…見ないで。」
琴美は見られているだけなのに、子宮が疼いているのが分かった。蜜口は先程から涎を垂らし、律を欲しがっている。部屋に香り立つ匂いから、律にもそれが分かっていた。
律は琴美と距離を詰めて、キスをする。その間に手は蜜口へ伸びた。そこは軽く触っただけでもピチャっと音を立てて、律の指を飲み込んだ。やっと、律に触ってもらえる…琴美の蜜口からはより愛液を溢れさせたが、律は浅く挿入し、入口付近を軽く刺激するだけだ。琴美は思うような刺激が得られず、目を潤ませ、律に訴えた。
「やぁ…っ!
…早くぅ、奥までぇ…。」
律は微笑みながら、琴美の顔をじっと見つめる。
「フフッ。ごめんね。
ねぇ…琴美。昨日も俺を思い出して、慰めてた?」
「…っ!」
琴美は口を噤んだ。律の言う通りだったからだ。
この間、琴美は律と電話を繋げて、自慰をした時から毎日のように律と電話が終わった後に寂しくて自分を慰めていた。そのたびに律の指が…律のものが恋しくて仕方なかった。
目を泳がせる琴美を見て、律は満足そうに笑う。
「図星、なんだ。本当に琴美は可愛い。
俺のためにほぐしておいたんだね。
えらい、えらいよ。琴美はいい子だ。」
そう言いながら、琴美の顔中にキスを降らせた。
琴美はそのキスを受けながら、ぼんやりした頭で不安に思ってたことを聞いてみた。
「…ぁん…っ。律さんは私がえっちになっても…
…その…嫌いに、ならない?」
琴美は律と付き合い始めてからというもの、律に抱かれることを想像しただけで身体を濡らすようになったし、先日からは自慰までするようになってしまった。その身体の変化に琴美は少し不安を感じていた。
律は琴美の瞼に優しくキスを落とす。
「琴美、それは愚問というものだよ。」
琴美の耳元に唇を寄せ、律は囁いた。
「…だって、琴美をそうさせてるのは俺なんだから。」
そう言うと、蜜口に添えていた指をグッと奥へ挿しこんだ。
「あぁんっ!!」
琴美はあられもない声を上げる。
律の指は止まらない。指が琴美の弱いところを擦り上げるたびに琴美の嬌声と水音が室内に響く。
「琴美…いくらでも乱れていいんだよ…。
どんな琴美でも…愛してる。琴美の全部を見せて。」
「はぁ…ああぁんっ!」
琴美は律が与えてくれる全ての刺激に酔いしれた。律の指が琴美の秘芽と中を絶えず蹂躙する。
「やっ、あっ、あ、あ、はぁんっ!イっちゃう!」
「イけ。」
次の瞬間、琴美の蜜口からはプシャプシャと愛液が飛び散る。琴美は快感に身体を震わせている。律がそっと琴美のウエストに手を添える。
「ひゃあん…っ!」
それさえも今の琴美には十分な刺激だった。
律は血管の浮き出たそれにゴムを装着し、琴美の秘裂に優しく馴染ませる。
「あっ…は…んぅ…っ!」
イったばかりで身体は辛いはずなのに、琴美は思わず腰を揺らす。
「琴美…愛してる。大好きだよ。
…俺の、俺だけの琴美だ…。」
律はゆっくりと琴美の中に侵入していく。
「んんっ…!」
久しぶりに迎え入れる律の陰茎はやはり大きかった。けれど、琴美は嬉々として受け入れる。一番奥まで律を感じたかった。
ようやく律の陰茎が奥に到着する。琴美の膣壁は律の陰茎をぎゅうぎゅうと締め付ける。律も琴美もじっと動かない。
「はぁ…琴美の中…気持ち良すぎ…。」
「ん、ふぅ…。律…さんの、いっぱいで…嬉しい。
あ…はぁ…。ずっと…ずっと繋がってたい、よ。」
琴美の中で律のがまた大きくなる。
「琴美…っ!」
律が琴美の名前を叫び、グッと奥に陰茎を擦りつけたと思ったら、素早く腰を振り始めた。大きな快楽の波が再び琴美を襲う。
「ひゃ…あ、あ、あぁっ!!はぁ…あんっ!」
律は腰を振りながらも、琴美の胸を揉む。乳頭に指をグッと突き立てられれば、琴美の身体は大きくしなる。
「ひゃっ…あ、あ。りつっ…りつぅ!!」
「琴美!ことみっ…好きだ…っ!!」
律は余裕なく琴美の名前を叫ぶと、二人は同時に大きな快楽の波に飲み込まれた。
琴美は息を乱し、呆然とする。律も琴美の肩に顔を埋めるようにすると、その首筋にキスを落とした。
「琴美…好きだ。
…愛しすぎて、おかしくなってしまいそうだよ。
こんなに可愛くて、綺麗で、優しくて、賢くて、料理も上手で、頑張り屋さんで…俺の好みにエロくて。
…もう一生、琴美しか欲しくない。琴美が側にいてくれればいい。」
そう言って律は琴美をギュウッと抱きしめた。琴美は随分過分な評価だと少し困ったように隠れて笑った。律の頭を優しく撫でる。
「ずっと側にいますよ。律さんの側に、ずっと。」
「琴美…。」
その夜、二人は何度も愛を確かめ合った。
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