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【番外編】お仕事着
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「あ……これ……」
クローゼットを整理していたら、侍女をしていた頃の制服が出てきた。王妃様付きとなる前まで着ていた紺と白のシンプルなエプロンドレスだ。懐かしくなってそれをそっと撫でれば、思い出が色々と蘇ってくるようだった。
「結構可愛いデザインよね……」
鏡で自分の身体に合わせてみせると、なんだかあの頃に戻ったような気がして、ちょっと気分が浮き立つ。もうこの仕事着が着れる立場じゃないので、ますますいつもとは違う自分になったようでドキドキした。
少しだけ……
私は、それを着てみることにした。
中に紺色の前開きのボタンワンピースを着て、その上から真っ白なエプロンを着ける。エプロンの袖にも裾にも適度なフリルが付いていて可愛い。
鏡の前でくるっと回ってみる。
スカートとエプロンが同時ふわりと舞う。
「ふふっ、やっぱり可愛い」
ワンピースの胸元はあの頃に比べ、少しキツくなったものの、概ねそう変わらず着られて嬉しい。実際にこれを着ていた頃は、毎日必死で働いていて、服のデザインなんて気にしたことなんてなかった。
なんだかあまりにもしっくり来るので、誰かに見せたくなってきた。でも、流石に馬鹿にされるかもしれない……こんな風にはしゃいでしまって、三人は引くだろうか。
その時、ある場面を思い出した。
「そういえば、ゼノアはーー」
◆ ◇ ◆
昨晩は夜警担当で朝早くに帰ってきたゼノアは、まだ寝ている。いつも昼過ぎに起きてきて、軽い食事をとってから行動を開始するから、そろそろ起きるはずだ。
私は、かつての侍女服に身を包む。髪型も眼鏡もあの時と同じにした。鏡の前で最後の身だしなみを確認し、厨房に急いだ。厨房に軽食を用意しておいたのだ。それを持って、ゼノアの部屋に向かう。出来るだけ音を立てないよう、ゆっくりと扉を開ける。カーテンは閉められているが、部屋の中は十分明るかった。
ベッドサイドテーブルに軽食を置き、部屋の中を軽く片付ける。疲れて帰ってきたんだろう、ベッドの周りにシャツやズボンが脱ぎ捨てられている。私はそれを畳み、テーブルの上に置いた。
その時、衣擦れの音がして、振り向くと、ゼノアが目を見開いて、こちらを見ていた。
その少し間の抜けた顔が面白くて、私はクスクスと笑った。そして、侍女らしく姿勢正しく立って、挨拶をした。
「おはようございます、ご主人様」
ゼノアは私が挨拶をしても唖然としている。
そして、ぽつりと一言。
「……俺は夢でも見てんのか?」
とうとう私は我慢できなくなって吹き出した。
「もう! 夢じゃないわよ。クローゼットを整理してたら昔の仕事着を見つけてね。……ちょっと、見てもらおうと思ったの」
「そ、そうか……。その……懐かしいな……」
そう言うわりには、あまりこちらに視線を向けてはくれない。もっと喜んでくれるかと思ったのに……
私だけがはしゃいでるようで急に恥ずかしくなってくる。なんでこんなことしちゃったんだろう……。さっさと用事を済ませて出て行こう……
「あのね、これ、私が作ったの。起きてからいつも軽食を食べてるでしょ? だから、作ってみたの。ここに置いておくから、あとで食べてね。じゃあ、私はこれでーー」
少し早口で捲し立てるように言い切る。扉に向かおうと、ゼノアに背を向けると、手首をグッと引かれる。バランスを崩した私はゼノアの膝の上に座るような形になり、ギュッと抱きしめられた。
「なんか、怒ってんのか?」
「……怒ってなんていないわ」
ゼノアは私の機嫌を取るように首筋に顔を埋めて、チュッと大きなリップ音と共にキスを落とした。
「でも、寂しそうな顔してる。気に食わないことがあるなら、ちゃんと言ってくれ」
別にゼノアが悪いわけじゃない。思ったよりも喜んでないから拗ねただけなんて、恥ずかしくて言えない。私はやっとの思いで、一言彼に尋ねた。
「…………この服、どう思った?」
「似合ってるってーー」
「でも! ……全然みてくれなかったじゃない」
ゼノアの動きが止まる。やばい……絶対に引かれた!
顔が急に熱くなる。私は彼の腕から抜け出そうとバタバタと暴れた。
「な、何でもないから! 離して!!」
すると、私の後ろからククッと笑い声が聞こえた。
それはどんどん大きくなる。もう、恥ずかしさで逃げたくてたまらないのに、ゼノアは私を逃してはくれなかった。
「ははっ! 可愛い! 可愛いな、クレアは」
「何よ!! 馬鹿にして! もう、はーなーしーてっ!!」
「嫌だ。俺に見てほしかったんだろ? ちゃんと見せてくれよ」
「ゼノアなんて嫌い! はしゃいでこんなの着てるの馬鹿にしてるんでしょ? すぐに部屋に帰って着替えるんーーっ」
その時、髪の毛を結んでいたリボンをスルッと解かれた。視界がぐるっと回って、気付けばベッドに押し倒されていた。
「クレア。素直になろうぜ? この服を着ていた頃と違って、もう俺たちは意地を張り合うような仲じゃないだろ? な?」
熱のこもった愛おしいその視線に私の心は解けていく。
……そっか。あの頃とは違う……素直にならなきゃ。
それでも、やっぱり恥ずかしくて、私は彼から目線を外した。
「……本当はゼノアに喜んで欲しくて……。でも、ゼノアはあんまり嬉しそうじゃなかったし、ちゃんと見てくれないし……。
そう思ったら、一人ではしゃいでるみたいで急に恥ずかしくなった……」
そう言って、伺うようにゼノアの顔を見ると、彼は頬を緩々にしてこちらを見て、笑っていた。
「クレア……お前はなんでこんなにもやることなすこと全てが可愛いんだよ? どれだけ俺を夢中にさせれば気がすむんだ?」
ゼノアは私に深い深いキスをくれた。
急で戸惑ったものの、嬉しくなって彼の首に腕を回してそれに応える。
「……んっ……ふぅ……っ♡」
長いキスの後、顔を離す。私の顔を見て、ゼノアは満足そうに笑った。彼は私の頭を優しく撫でてくれた。
「嬉しかったし、本当は穴が開くほど見つめてたかったよ。
でも、あの頃のクレアが目の前にいるようで我慢できなくなりそうだった」
優しげにそう微笑む姿を見て、私は少し寂しくなった。
「なんで、我慢するの?」
「は?」
もっと、もっと求めて欲しい。どんなに愛してもらっても際限なんてない。ゼノアの想いの全てを受け止めたい。
私はゼノアに手を伸ばした。
「我慢なんてしないで……
あの頃の私にしたかったこと、全部して?」
キスですっかり蕩けた瞳で、そう懇願する。
すると、彼の真っ黒な瞳の奥に熱がどろりと灯った。
「もう、容赦してやんねぇ」
ゼノアは、噛み付くようなキスをくれた。口内を蹂躙するようなそのキスにすっかり翻弄される。時折漏れる私の熱い吐息でさえ、飲みこもうとする彼の独占欲に身体が喜びで震えた。
キスをしながらも、彼の右手が前ボタンを外していく。
私の胸元を露わにした彼は、胸の間に顔を埋めた。谷間にすかさず舌を伸ばし、浮いた汗を舐められる。
「あっ、や……そんなとこ……っ!」
「したかったこと、全部させてくれんだろ?
俺はずっとこのボタンを外して、無駄に大きくなってくここに顔を埋めたいと思ってた」
彼はエプロンを下にずらし、無理矢理私の乳房を取り出した。彼の手の中で自在に形を変える。谷間や頂の近くを掠めるものの、頂だけは触っても舐めてももらえない。
「ゼノ……いぢわるしちゃ嫌……」
「じゃあ、お願いして? いつも真面目なクレアに、エロいこと言わせたかったんだ」
「……さ、触って」
「どこを? 触るだけでいいのか?」
「私のおっぱい……。乳首を……触って、舐めて……齧って♡」
「了解」
ゼノアが胸に顔を近づける。私の頂は期待で卑猥にも勃ち上がっていた。
「はあぁんっ♡」
彼は優しく私の頂を齧った。甘噛みされて、私の子宮はカアっと熱くなる。そこからペロペロチュパチュパと容赦なく弄られ、私は呆気なくイってしまった。
しかし、休む間のなく、ベッドの上でくったりする私をゼノアはベッドの脇に座らせた。私の前にゼノアが足を開いて、座る。
何も言われなかったけれど、私は彼の下着をずらし、その大きな陰茎を取り出した。すぐにでも私の中に挿れられるくらい、それは硬く勃ち上がっていた。
そこにソッと舌を伸ばそうとするが、それを止められる。
私が彼を見上げて、首を傾げると、ゼノアはニッと笑って、私の胸を指さした。
「今日はこっちが良い。
唾液垂らして……その間で擦って」
「……わ、わかった」
私は彼の陰茎に身体を寄せる。唾液を垂らし、それを彼のものに纏わせた。胸を下から持ち上げ、陰茎を包み込む。
挟んで、上下に動かせば、彼が嬉しそうに笑いながら、私を見下げた。胸の間からピョコンと顔を出す彼の先っぽが可愛くて、そこに舌を這わせれば、彼からは熱い吐息が漏れる。
胸が熱い……気持ち良い……
ゼノアは私の頭を撫でてくれる。
もっと喜んでほしくて、もっと気持ちよくなってほしくて……一緒に気持ちよくなりたくて、私はより激しく陰茎を擦った。
「あ……っ、クレア……っ」
その声を聞いて、私は先端を口で覆った。
口の中にビュルビュルと勢いよく白濁が吐き出される。
……同時に私もこっそり達してしまった。
口に含んだ白濁をどうしたものかと上目遣いで、彼を見ると、彼はなんとも妖艶な顔をして舌を舐めた。
「……クレア、口開けて?」
彼に見せつけるように口を開いた。私の口内は彼の白濁に犯されている。彼が興奮しているのは、陰茎が勃ち上がる様子からわかった。彼の目は、より私に何かを求めているように見える。
私は口を閉じ、それ味わうように咀嚼してから、喉に絡まるそれを無理矢理飲み込んだ。空っぽになった口内を再び開けて見せると、彼は満足そうに笑い、私に言った。
「……変態」
「仕事着の私にこんなことをさせたかったなんて、そっちの方が変態じゃない?」
「はっ……否定できないな。
でも、やりたいことはまだ終わってないんだけど?」
「うん……ゼノの好きにして」
ゼノアは私を立たせると壁際に追い詰めた。私の両手を片手で掴むと、頭の上で壁に押し付けた。そして、スカートの中に手を忍ばすと、性急に私の愛液でドロドロになった下着を片足から引き抜いた。
「濡れすぎ。それに、すげー匂い……興奮する」
耳元でそう呟かれれば、私はまた愛液を滴らせた。
「あっ♡もうっ……ゼノ、早くぅ! 奥が切ないの」
「俺も痛いくらいだよ」
ゼノアは片手で私の左足を持ち上げると、陰茎をズッと挿れてくる。
「あぁんっ♡」
もうそれだけで気持ちいいのに、彼は容赦なくズンズンと私を貫いた。何度も何度も。
制服は乱れ、あの頃の何も知らなかった自分が犯されているようで興奮した。
私は潮を吹き、床を盛大に濡らすが、ゼノアは抽送をやめようとしなかった。
「あっ♡♡はぁん♡は♡♡♡ゼノっ♡ゼノぉ♡♡♡」
「はっ……信じらんねぇなっ。あの真面目なクレアがこんなに俺のでヨガってるなんて」
「あっ♡らって、気持ち良いっ♡♡ゼノっ、すき♡♡♡」
「こんなに、乱れてっ。
好きなのは、俺のちんぽじゃねぇのかよっ?!」
ズブっとより深く腰を打ち付けられれば、いとも容易く私はイく。
「あ゛ぁーっ♡♡♡」
「あ?」
さっきの答えを求められてる……
「あっ♡ちんぽもっ♡♡ゼノも♡♡好きぃ♡♡だいしゅき♡♡♡ひっ♡♡♡はぁんっ♡♡♡」
「ぅ……イくぞ」
ビュルビューッ!!
その白濁の熱さに身が焼かれそうだった……
もう何度イったかわからない私は、ぐたっと彼に身体を預けた。
「もぉ……むりぃ……。ひゃっ!!」
しかし、ゼノアは私の右足まで持ち上げた。バランスを崩しそうになった私は、彼の首に腕を回した。両足を持ち上げられた状態で私は落ちないようにしがみついた。重いはずなのに、ゼノアは陰茎を私に突き刺したまま、また下から揺さぶった。
「したかったこと、全部……な?」
「え……? あぁっ♡♡♡」
結局、私はその姿のままドロドロに抱き潰され、いかにゼノアが以前から私に劣情を抱いていたか、思い知った。
……もう制服なんて着てやらない!!
と、その時に決めたのに、その三ヶ月後にはまた制服を着て、彼の上で私は乱れていたのだった。
◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆
話の流れで入れられなかったゼノア分ですf^_^;)
また気が向いたら、平和な番外編が書きたいと思います。本編では名前だけ登場の副団長目線とか…アレス、ルゥ、ゼノ目線の話とか。その時はまた宜しくお願いします(^^)
最後までお付き合いいただき、ありがとうございました!!
クローゼットを整理していたら、侍女をしていた頃の制服が出てきた。王妃様付きとなる前まで着ていた紺と白のシンプルなエプロンドレスだ。懐かしくなってそれをそっと撫でれば、思い出が色々と蘇ってくるようだった。
「結構可愛いデザインよね……」
鏡で自分の身体に合わせてみせると、なんだかあの頃に戻ったような気がして、ちょっと気分が浮き立つ。もうこの仕事着が着れる立場じゃないので、ますますいつもとは違う自分になったようでドキドキした。
少しだけ……
私は、それを着てみることにした。
中に紺色の前開きのボタンワンピースを着て、その上から真っ白なエプロンを着ける。エプロンの袖にも裾にも適度なフリルが付いていて可愛い。
鏡の前でくるっと回ってみる。
スカートとエプロンが同時ふわりと舞う。
「ふふっ、やっぱり可愛い」
ワンピースの胸元はあの頃に比べ、少しキツくなったものの、概ねそう変わらず着られて嬉しい。実際にこれを着ていた頃は、毎日必死で働いていて、服のデザインなんて気にしたことなんてなかった。
なんだかあまりにもしっくり来るので、誰かに見せたくなってきた。でも、流石に馬鹿にされるかもしれない……こんな風にはしゃいでしまって、三人は引くだろうか。
その時、ある場面を思い出した。
「そういえば、ゼノアはーー」
◆ ◇ ◆
昨晩は夜警担当で朝早くに帰ってきたゼノアは、まだ寝ている。いつも昼過ぎに起きてきて、軽い食事をとってから行動を開始するから、そろそろ起きるはずだ。
私は、かつての侍女服に身を包む。髪型も眼鏡もあの時と同じにした。鏡の前で最後の身だしなみを確認し、厨房に急いだ。厨房に軽食を用意しておいたのだ。それを持って、ゼノアの部屋に向かう。出来るだけ音を立てないよう、ゆっくりと扉を開ける。カーテンは閉められているが、部屋の中は十分明るかった。
ベッドサイドテーブルに軽食を置き、部屋の中を軽く片付ける。疲れて帰ってきたんだろう、ベッドの周りにシャツやズボンが脱ぎ捨てられている。私はそれを畳み、テーブルの上に置いた。
その時、衣擦れの音がして、振り向くと、ゼノアが目を見開いて、こちらを見ていた。
その少し間の抜けた顔が面白くて、私はクスクスと笑った。そして、侍女らしく姿勢正しく立って、挨拶をした。
「おはようございます、ご主人様」
ゼノアは私が挨拶をしても唖然としている。
そして、ぽつりと一言。
「……俺は夢でも見てんのか?」
とうとう私は我慢できなくなって吹き出した。
「もう! 夢じゃないわよ。クローゼットを整理してたら昔の仕事着を見つけてね。……ちょっと、見てもらおうと思ったの」
「そ、そうか……。その……懐かしいな……」
そう言うわりには、あまりこちらに視線を向けてはくれない。もっと喜んでくれるかと思ったのに……
私だけがはしゃいでるようで急に恥ずかしくなってくる。なんでこんなことしちゃったんだろう……。さっさと用事を済ませて出て行こう……
「あのね、これ、私が作ったの。起きてからいつも軽食を食べてるでしょ? だから、作ってみたの。ここに置いておくから、あとで食べてね。じゃあ、私はこれでーー」
少し早口で捲し立てるように言い切る。扉に向かおうと、ゼノアに背を向けると、手首をグッと引かれる。バランスを崩した私はゼノアの膝の上に座るような形になり、ギュッと抱きしめられた。
「なんか、怒ってんのか?」
「……怒ってなんていないわ」
ゼノアは私の機嫌を取るように首筋に顔を埋めて、チュッと大きなリップ音と共にキスを落とした。
「でも、寂しそうな顔してる。気に食わないことがあるなら、ちゃんと言ってくれ」
別にゼノアが悪いわけじゃない。思ったよりも喜んでないから拗ねただけなんて、恥ずかしくて言えない。私はやっとの思いで、一言彼に尋ねた。
「…………この服、どう思った?」
「似合ってるってーー」
「でも! ……全然みてくれなかったじゃない」
ゼノアの動きが止まる。やばい……絶対に引かれた!
顔が急に熱くなる。私は彼の腕から抜け出そうとバタバタと暴れた。
「な、何でもないから! 離して!!」
すると、私の後ろからククッと笑い声が聞こえた。
それはどんどん大きくなる。もう、恥ずかしさで逃げたくてたまらないのに、ゼノアは私を逃してはくれなかった。
「ははっ! 可愛い! 可愛いな、クレアは」
「何よ!! 馬鹿にして! もう、はーなーしーてっ!!」
「嫌だ。俺に見てほしかったんだろ? ちゃんと見せてくれよ」
「ゼノアなんて嫌い! はしゃいでこんなの着てるの馬鹿にしてるんでしょ? すぐに部屋に帰って着替えるんーーっ」
その時、髪の毛を結んでいたリボンをスルッと解かれた。視界がぐるっと回って、気付けばベッドに押し倒されていた。
「クレア。素直になろうぜ? この服を着ていた頃と違って、もう俺たちは意地を張り合うような仲じゃないだろ? な?」
熱のこもった愛おしいその視線に私の心は解けていく。
……そっか。あの頃とは違う……素直にならなきゃ。
それでも、やっぱり恥ずかしくて、私は彼から目線を外した。
「……本当はゼノアに喜んで欲しくて……。でも、ゼノアはあんまり嬉しそうじゃなかったし、ちゃんと見てくれないし……。
そう思ったら、一人ではしゃいでるみたいで急に恥ずかしくなった……」
そう言って、伺うようにゼノアの顔を見ると、彼は頬を緩々にしてこちらを見て、笑っていた。
「クレア……お前はなんでこんなにもやることなすこと全てが可愛いんだよ? どれだけ俺を夢中にさせれば気がすむんだ?」
ゼノアは私に深い深いキスをくれた。
急で戸惑ったものの、嬉しくなって彼の首に腕を回してそれに応える。
「……んっ……ふぅ……っ♡」
長いキスの後、顔を離す。私の顔を見て、ゼノアは満足そうに笑った。彼は私の頭を優しく撫でてくれた。
「嬉しかったし、本当は穴が開くほど見つめてたかったよ。
でも、あの頃のクレアが目の前にいるようで我慢できなくなりそうだった」
優しげにそう微笑む姿を見て、私は少し寂しくなった。
「なんで、我慢するの?」
「は?」
もっと、もっと求めて欲しい。どんなに愛してもらっても際限なんてない。ゼノアの想いの全てを受け止めたい。
私はゼノアに手を伸ばした。
「我慢なんてしないで……
あの頃の私にしたかったこと、全部して?」
キスですっかり蕩けた瞳で、そう懇願する。
すると、彼の真っ黒な瞳の奥に熱がどろりと灯った。
「もう、容赦してやんねぇ」
ゼノアは、噛み付くようなキスをくれた。口内を蹂躙するようなそのキスにすっかり翻弄される。時折漏れる私の熱い吐息でさえ、飲みこもうとする彼の独占欲に身体が喜びで震えた。
キスをしながらも、彼の右手が前ボタンを外していく。
私の胸元を露わにした彼は、胸の間に顔を埋めた。谷間にすかさず舌を伸ばし、浮いた汗を舐められる。
「あっ、や……そんなとこ……っ!」
「したかったこと、全部させてくれんだろ?
俺はずっとこのボタンを外して、無駄に大きくなってくここに顔を埋めたいと思ってた」
彼はエプロンを下にずらし、無理矢理私の乳房を取り出した。彼の手の中で自在に形を変える。谷間や頂の近くを掠めるものの、頂だけは触っても舐めてももらえない。
「ゼノ……いぢわるしちゃ嫌……」
「じゃあ、お願いして? いつも真面目なクレアに、エロいこと言わせたかったんだ」
「……さ、触って」
「どこを? 触るだけでいいのか?」
「私のおっぱい……。乳首を……触って、舐めて……齧って♡」
「了解」
ゼノアが胸に顔を近づける。私の頂は期待で卑猥にも勃ち上がっていた。
「はあぁんっ♡」
彼は優しく私の頂を齧った。甘噛みされて、私の子宮はカアっと熱くなる。そこからペロペロチュパチュパと容赦なく弄られ、私は呆気なくイってしまった。
しかし、休む間のなく、ベッドの上でくったりする私をゼノアはベッドの脇に座らせた。私の前にゼノアが足を開いて、座る。
何も言われなかったけれど、私は彼の下着をずらし、その大きな陰茎を取り出した。すぐにでも私の中に挿れられるくらい、それは硬く勃ち上がっていた。
そこにソッと舌を伸ばそうとするが、それを止められる。
私が彼を見上げて、首を傾げると、ゼノアはニッと笑って、私の胸を指さした。
「今日はこっちが良い。
唾液垂らして……その間で擦って」
「……わ、わかった」
私は彼の陰茎に身体を寄せる。唾液を垂らし、それを彼のものに纏わせた。胸を下から持ち上げ、陰茎を包み込む。
挟んで、上下に動かせば、彼が嬉しそうに笑いながら、私を見下げた。胸の間からピョコンと顔を出す彼の先っぽが可愛くて、そこに舌を這わせれば、彼からは熱い吐息が漏れる。
胸が熱い……気持ち良い……
ゼノアは私の頭を撫でてくれる。
もっと喜んでほしくて、もっと気持ちよくなってほしくて……一緒に気持ちよくなりたくて、私はより激しく陰茎を擦った。
「あ……っ、クレア……っ」
その声を聞いて、私は先端を口で覆った。
口の中にビュルビュルと勢いよく白濁が吐き出される。
……同時に私もこっそり達してしまった。
口に含んだ白濁をどうしたものかと上目遣いで、彼を見ると、彼はなんとも妖艶な顔をして舌を舐めた。
「……クレア、口開けて?」
彼に見せつけるように口を開いた。私の口内は彼の白濁に犯されている。彼が興奮しているのは、陰茎が勃ち上がる様子からわかった。彼の目は、より私に何かを求めているように見える。
私は口を閉じ、それ味わうように咀嚼してから、喉に絡まるそれを無理矢理飲み込んだ。空っぽになった口内を再び開けて見せると、彼は満足そうに笑い、私に言った。
「……変態」
「仕事着の私にこんなことをさせたかったなんて、そっちの方が変態じゃない?」
「はっ……否定できないな。
でも、やりたいことはまだ終わってないんだけど?」
「うん……ゼノの好きにして」
ゼノアは私を立たせると壁際に追い詰めた。私の両手を片手で掴むと、頭の上で壁に押し付けた。そして、スカートの中に手を忍ばすと、性急に私の愛液でドロドロになった下着を片足から引き抜いた。
「濡れすぎ。それに、すげー匂い……興奮する」
耳元でそう呟かれれば、私はまた愛液を滴らせた。
「あっ♡もうっ……ゼノ、早くぅ! 奥が切ないの」
「俺も痛いくらいだよ」
ゼノアは片手で私の左足を持ち上げると、陰茎をズッと挿れてくる。
「あぁんっ♡」
もうそれだけで気持ちいいのに、彼は容赦なくズンズンと私を貫いた。何度も何度も。
制服は乱れ、あの頃の何も知らなかった自分が犯されているようで興奮した。
私は潮を吹き、床を盛大に濡らすが、ゼノアは抽送をやめようとしなかった。
「あっ♡♡はぁん♡は♡♡♡ゼノっ♡ゼノぉ♡♡♡」
「はっ……信じらんねぇなっ。あの真面目なクレアがこんなに俺のでヨガってるなんて」
「あっ♡らって、気持ち良いっ♡♡ゼノっ、すき♡♡♡」
「こんなに、乱れてっ。
好きなのは、俺のちんぽじゃねぇのかよっ?!」
ズブっとより深く腰を打ち付けられれば、いとも容易く私はイく。
「あ゛ぁーっ♡♡♡」
「あ?」
さっきの答えを求められてる……
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ビュルビューッ!!
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もう何度イったかわからない私は、ぐたっと彼に身体を預けた。
「もぉ……むりぃ……。ひゃっ!!」
しかし、ゼノアは私の右足まで持ち上げた。バランスを崩しそうになった私は、彼の首に腕を回した。両足を持ち上げられた状態で私は落ちないようにしがみついた。重いはずなのに、ゼノアは陰茎を私に突き刺したまま、また下から揺さぶった。
「したかったこと、全部……な?」
「え……? あぁっ♡♡♡」
結局、私はその姿のままドロドロに抱き潰され、いかにゼノアが以前から私に劣情を抱いていたか、思い知った。
……もう制服なんて着てやらない!!
と、その時に決めたのに、その三ヶ月後にはまた制服を着て、彼の上で私は乱れていたのだった。
◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆
話の流れで入れられなかったゼノア分ですf^_^;)
また気が向いたら、平和な番外編が書きたいと思います。本編では名前だけ登場の副団長目線とか…アレス、ルゥ、ゼノ目線の話とか。その時はまた宜しくお願いします(^^)
最後までお付き合いいただき、ありがとうございました!!
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※感想やコメントは受け付けることができません。
メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。
楽しんでいただけたら嬉しく思います。
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最初は誰か1人と最終的に結ばれるのかなぁと思ってましたが、読み進めていくうちにそれぞれと仲が深まるエピソードが増えて、皆で幸せになれる結末ってあるのかな?自分じゃ思いつかないなってハラハラしながら最後まで読んでしまいました。
なるほどこうおさめたかー!!と、作者様の手腕に納得のハッピーエンドで面白かったです。後日談やそれぞれ視点も楽しみですー!
感想ありがとうございます♪
初のハーレム物で試行錯誤でしたが、なんとかまとまってよかったです……!一気読み、ありがとうございましたー!
完結ありがとうございました!
途中何度もハラハラしていましたが
ハッピーエンドで、良かったです!
愛され主人公、ばんざーい!!
感想ありがとうございます(^^)
無事に完結できて良かったですヽ(´▽`)/
最後までお読みいただきありがとうございました!!
感想ありがとうございます!
一気読みしていただけたなんて嬉しいです(^^)