呪われ侍女の逆後宮

はるみさ

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8.庭園で

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 結局、この前はあの後も談話室でアレス様と交わってしまった。
 その上、翌日もアレス様が担当の夜だったので、二晩続けてアレス様に抱かれることになったのだ。

 そのせいなのか、なんだかより一層アレス様から向けられる視線は甘いものになった気がする。ゼノアやルゥ君の目を盗んでは、隠れてキスをくれたりするものだから、私はドキドキして仕方ないのだ。
 ついでに、このドキドキは二人にバレたらどうしよう、というドキドキだ……多分。

 好意を持っている……と言われたものの、私はアレス様に恋をしているわけではない。だって、三人ともにドキドキするし、三人とも素敵だなって思うし、三人それぞれ違う良いところがある。
 呪いの影響もあるだろうが……みんなに抱かれたいな、と思う。それはやはり恋をしてないという証拠だろう。

 ただ一方で、彼らがいないと生きていけないと、最近はよく思ってしまう。そう感じるのもきっと呪いのせいで……解呪されたら、こんな思考は消えると信じたい。

 私は、そんなことを思いながら、後宮の隅でイエローベリーを摘んでいた。

 このイエローベリーは、先代の妾の一人が好きだったようで、わざわざ遠方から取り寄せ、この庭園に植えたと聞いた。イエローベリーは、そのまま食べると渋いものの、加熱するとすごく甘くなって美味しい。今日はカミラとそれを使ってタルトを作る予定だ。

 きっとアレス様とゼノアは甘いものが好きだから、喜んでくれるはずだ。ただルゥ君はあまり甘いものが好きではない。

 「ルゥ君には別のお菓子を作ってあげなくちゃね」

 「ほんと?!」

 「きゃあっ!」

 垣根の向かい側から突然出てきたルゥ君に驚いて、私は尻餅をついてしまった。

 「ははっ! クレアったら驚きすぎ! 大丈夫?」

 ルゥ君は、手を差し出して私を立ち上がらせてくれた。
 ヒョイっと垣根を越えて私の方に来ると、お尻についた汚れを叩いてくれる。

 「ありがとう」

 「僕のせいなのに、ありがとうなんて言っちゃうんだから、クレアったら本当にお人好しだよねー。
 ……今もただクレアのお尻を触りたいだけだったりして……」

 ルゥ君はそう言って、スカートの中に手を忍ばせようとした。

 「ちょっ……止めてっ!」

 私は慌ててスカートを押さえ、身体の向きを変える。
 ここは外なのに全く何をやってるんだ、ルゥ君は。

 キッとルゥ君を睨みつけるが、やはり彼にはなんの効果もない。

 「怒った顔も可愛いね、クレア」

 「……っ!! ルゥ君は全然可愛くない!!」

 「ははっ! 僕にそんなことを言うのはクレアだけだよ。
 ほら、ちゃんと、見て? 僕、可愛いでしょ?」

 ルゥ君はそう言うと、大きな目をキラキラとさせて上目遣いで見つめてくる。全くこの子は……

 「はぁ……そんな顔しても、もう可愛く見えないってば。確かに最初に会った時みたいに振る舞ってれば可愛いかもしれないけど、今はそんな雰囲気ないし。
 大体ルゥ君は可愛いと言うよりカッコいいっていう言葉が似合う気がするよ?」

 ルゥ君は私の言葉を受けて、ポカンとしている。

 「……本当に? 本当にそう思うの?
 みんなは僕のこと可愛いって言うよ?」

 「そんなの人それぞれ感じ方が違うから知らないわ。でも、ルゥ君の身長がまだ低いからそう言ってるんじゃないの? あと一、二年してぐっと身長が伸びれば、また評価も変わると思うけど。

 私は一緒に暮らしてみて、ルゥ君は頼り甲斐があるなーってよく思うし、可愛いとは思えないかなぁ。気付くと重い荷物運んでくれてるし、この前も虫をやっつけてくれたじゃない。あと、食の好みとかなんかおじさんっぽいし」

 「ちょっと! おじさんは言い過ぎでしょ!」

 「ふふっ。それに力も強いしさ。普通にカッコいいと思うわ」

 「あ、クレアがそう思うのは、僕がクレアを抱いてる時にカッコいいからじゃない? 僕ってセクシーだから♪」

 「な、なに昼間からふざけたこと言ってるのよ!?
 もう! 邪魔だから、あっち行ってよ!! 大体、訓練所に行かなくていいわけ?!」

 「今日は休みなの。だから、クレアといたいな」

 「私はベリー摘みで忙しいの」

 「あっ、そ。じゃあ、勝手にヤるからどうぞご勝手に」

 「え、やるってーー」

 ルゥ君はバサッと私のスカートを捲って、中に入ってきた。

 「やっ! な、何してんのよっ?!」

 ルゥ君は私の問いに答えず、股に顔を埋めた。

 彼の高い鼻が、丁度私のイイところに当たる。

 「あ……っ♡や、めてよぉ……!」

 ルゥ君は私の下着をずらして、秘芽を舐り始めた。

 私が何度懇願しても、ルゥ君はやめてくれない。
 逃げ出せばいいのに、私の身体を何回も抱いた彼が与えてくれる刺激は的確で、その気持ちよさに脚に力が入らない。

 秘芽から与えられる刺激が全身に広がり、身体を熱くする。

 でも、ここは外だ。こんなところで行為に及ぶわけにはいかない。私は自分を律するため、グッと唇を噛んだ。

 「ルゥくんっ! 出てーー」

 「あ、お嬢様! そちらにいらっしゃいましたか。」

 カミラが私の姿を見つけて、こちらに歩いて来た。

 まずい……!!こんなところを見られたら、ルゥ君だけではなく私まで変態扱いされてしまう。

 私は慌ててスカートを整えた。……ルゥ君を中に入れたまま。

 カミラはニコニコと向かいの垣根から私に話しかけてくる。カミラからは私の上半身しか見えていないはずだ。私がじっとしていれば、大丈夫……!

 ルゥ君も見つかったらまずいと思ったのか、動かないでいてくれている。彼の息が蜜口付近に当たるのを我慢さえすれば良い。

 私は笑顔を貼り付けて、カミラに笑い掛けた。

 「ど、どうしたの? カミラ。
 イエローベリーは私が摘んでいくわよ?」

 「それが夕食の材料を一つ買い忘れていて。
 少し買い物に出て来てもいいでしょうか?」

 ここで一緒にベリー摘みでもすると言われたらどうしようかと思ったが、その心配はなさそうだ。私はフッと力を抜いた。

 そのせいか、蜜口からツゥー…と愛液が腿をつたって流れた。
 私はそれをごまかすように思わず大きな声で答える。

 「も、もちろん! 何の問題もないわ!!」

 その時、スカートの中にいたルゥ君が腿につたった愛液を下から掬い上げるように舐めとった。そして、なんと……秘芽への愛撫を再開しはじめた!

 この状況で何を考えているの?!

 私は必死に声を抑える。

 カミラは困ったように考え込んでいる。

 「本当ですか? なんだか具合が悪そうに見えますが……あと、後宮内にルゥシャ様がいらっしゃたと思うのですが、見当たらないんです」

 ルゥ君がペロンと大きく蜜口を舐める。

 「ルッ……ルゥ君? さっき見たから大丈夫……ぅ。
 すぐ……近くに居ると思うわ……ぁっ」

 「お嬢様? ……本当に大丈夫ですか?」

 「え、えぇ……っ。ほんとっ……大丈夫だから」

 ペロペロペロペロ……

 ルゥ君は、犬のように夢中で舐めている。

 「いや、ちょっと顔が赤いんじゃないですか?
 少し休んだ方がいいんじゃ……」

 カミラがこちらに近づこうとするのを、私は両手を前に出して、制止した。こんなのがバレたら恥ずかしくて死んじゃう……!!

 「なんっでもないの……!カミラは、早く行って……」

 スカートの中の馬鹿犬は、秘芽に鼻を押し付けて、蜜口の中に舌を侵入させようとしていた。

 私は懇願するようにカミラを見つめた。

 「……そうですか? 具合が悪ければお休みになってくださいね」

 「ぅん……っ」

 ……もう今にも気を抜いたらイってしまいそうで、足を震わせながらも私はなんとか返事をした。

 カミラは困った顔をしていたが、私の必死さが伝わったのか、すんなり去っていった。……もしかしたら、何かしていることはバレたかもしれないが、見られなかっただけまだ良かった……と思いたい。

 カミラが行くと、ルゥ君がパサっとスカートの中から出てきた。

 「ぷはぁ……暑かったぁー」

 支えをなくした私はその場にぺしゃんと座り込んだ。
 私の顔を見下ろして、ルゥ君はニヤッと笑った。

 「クレア、めっちゃエロい顔してる」

 「ルゥ……くん……っ!」

 腹立たしい!! でもーー

 中途半端に舐められたせいで、ルゥ君が欲しくて、身体が疼いている。

 愛液なのか、ルゥ君の唾液なのか……私は内腿をぐっしょり濡らしていた。

 「やばいよ、その顔。完全に発情してんじゃん。
 ねぇ……クレア。もう我慢できないんじゃない?」

 その通りだった。
 でも、言葉に出すのが恥ずかしいし、悔しい私は、ただコクンと小さく頷くだけだ。

 「素直で宜しい。じゃ、そこで四つん這いになって。
 クレアが大好きな僕のおちんちん、挿れてあげる」

 そう言って、ルゥ君はペロッと唇を舐め、ベルトを外し始めた。

 外でこんな獣みたいなこと……と頭の片隅では確かに思う。
 けれど、ルゥ君の舌技によって高められた身体は素直で……私はすんなりとルゥ君にお尻を向けた。

 四つん這いになり、スカートを捲る。下着はいつの間にかルゥ君によって取り払われていたらしく、風が私の蜜口を直接撫でていく。

 もう我慢できなかった。私は涙目でルゥ君に訴えた。

 「お願い……るぅくん。きて……♡」

 「こんなエロい女、僕、見たことないな……!」

 ルゥ君は、秘芽を掠めるように腿の間を出し入れし、陰茎を湿らすと、腰を掴んで今度は確実に蜜口から侵入し、一気に奥まで叩きつけた。

 「ああぁんっっ♡♡」

 ギリギリでお預けをされていた私の身体は簡単に絶頂を迎えた。
 奥で一旦止めたルゥ君は、クスクスと笑った。

 「もうイっちゃったの? クレアったら感じすぎ。
 でも、僕にも付き合ってよね。」

 ルゥ君はそう言うと、抽送を開始した。
 頭がチカチカとして、何も考えられない。

 この時の私は、完全にここが外で、まだ明るい時間だということなんて気にならなかった。寧ろそれはルゥ君の交わりを楽しむための一つのスパイスだった。

 いつもと違う開放感で、私はより愛液を垂れ流し、悦びの声を上げた。

 「ひゃぁっ♡ルゥくんっ♡♡あん♡あぁっ♡」

 「あぁ、いい。クレアも、気持ちいいだろっ?
 僕のちんぽが好きなんだろ?!」

 パンパンパン!

 ルゥ君と私がぶつかり、音が鳴る。溢れすぎた愛液は、突かれる度に地面に飛び散った。

 「うんっ♡好きなのっ♡ルゥ君の大人ちんぽ、すきっ♡♡」

 「はっ!ほんとに……クレアは、エロくて可愛いな……っ!」

 可愛い……なんて言われて、ただのリップサービスだと分かっていても、嬉しくなって、子宮が反応してしまう。私が締めたのが伝わったのか、ルゥ君の陰茎が一段と大きくなった気がした。

 「あぁ♡ルゥくぅん♡♡」

 ルゥ君は私を後ろから強く抱く。激しく私を壊す勢いで突くその腰使いは、本当に獣が交わっているようだ。でも、その荒々しさにキュンとしてしまう。

 いつも演技ばかりのルゥ君が本当に私を求めてくれてるようで……

 「クレア……っ、一緒にイこ?」

 「うんっ♡嬉しい♡♡一緒に……っ♡
 ルゥくんと一緒にイきたいのっ♡♡」

 「あぁ、一緒だ……。ずっと、ね……っ。」

 「はぁんっ♡♡♡」

 ビュッビュルー!

 私とルゥ君は……一緒にイった。

 ルゥ君が強く私を抱きしめながら、子宮に精液を流し込む。ドクドクと陰茎が熱く動いているのが分かる。イったばかりの身体にはそれさえも大きな刺激で、細かな嬌声が上がってしまう。

 ルゥ君は私から陰茎を引き抜いた。それと同時にどろっと精液が出てきて、私のスカートと地面を汚した。

 力の入らない私はそのまま柔らかな芝生に倒れ込んだ。ルゥ君は持っていたハンカチで、私の蜜口を優しく拭う。スカートまで直してくれる。

 私はルゥ君にお礼を言った。

 「ん……ありがと……」

 「こんなところで犯されといて、ありがとうなんて……本当にお人好し過ぎて呆れるよ。」

 そうは言うが、ルゥ君はすごく優しく私を見つめてくれる。
 なんだか、とても穏やかな表情をしている。

 ……そんなに、スッキリしたのだろうか。
 まだ、こちらは身体の熱がおさまらなくて、起き上がれないと言うのに。

 私がルゥ君を見つめていると、またルゥ君はクスクスと笑い出した。何がそんなに面白いのだろうか。私は思わず顔を顰めた。

 「本当にクレアって面白いな。……可愛い」

 ルゥ君が……おかしくなった。私は唖然とする。

 だって、ルゥ君はそんな人じゃない。いつも行為が終わると、綺麗に色んなことを整えてから、「楽しかったよ」と一言だけ言って、部屋を出て行く。私の隣で寝たこともないし、行為の時に大きく自分の衣服を乱したこともなければ、キスしたこともない。そういうあっさりした人だ。

 可愛いなんて、行為を盛り上げるために口にしても、終わった後に微笑みながら言ったりしない。私はますます眉間の皺を深くした。

 「ルゥ君……具合でも悪いの……?」

 「全く……。クレアは分かってないんだから……っと」

 「えっ?!」

 私はルゥ君に抱き上げられていた。
 自分より背の高い私を抱き上げちゃうなんてすごい……
 十四歳と言えども、さすが騎士だ。

 「可愛くて夜まで我慢できない。今から部屋に篭るよ」

 「えぇ?!」

 今日の夜担当は確かにルゥ君だが、こんな昼間から私をベッドに縛りつけようと言うのか……!私は抗議をしようと口を開いたがーー

 「黙って」

 私の文句はルゥ君の口に吸い込まれた。

 「……っん……はぁ……♡」

 落ち着いてきていた身体にまた火をつけられる。

 「今日は素肌で、熱を分かち合お?」

 ……私はその誘惑に勝てず、ルゥ君と今度は全てをさらけ出して、身体を重ねた。初めて全身で感じるルゥ君の肌はどこもすべすべで、気持ちよくて、私は夢中で身体を絡ませてしまった。
 
 ルゥ君は途中、私が気を失ったタイミングで部屋を出て行った。
 そして、次に目を覚ました時にこう言った。

 「カミラさんには体調が悪いって伝えておいたよ。今日は僕が担当だし、看病するって話してあるから大丈夫♪思う存分、二人の時間を楽しもう?」と。

 結局、私はルゥ君が持ってきてくれたカミラ特製のお粥だけ食べて、その後も行為に溺れた。

 そして、翌日、ルゥ君は初めて私の隣で朝を迎えたのだった。
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