女子高生がポッキーゲームをするとこうなります

壬玄風

文字の大きさ
上 下
1 / 1

11月11日 ポッキー

しおりを挟む
荻山秋菜です。

今日は学校で一番小さな部室の中で真理乃と二人きり。
つまり逢引きです。

「違います。部員二人しかいないからです」
「それはそうと真理乃」
「なんですか先輩」

真理乃は不機嫌そうに私のほうを見ている。
どうせろくなことじゃないとでも思っているのだろう。

「お菓子食べる?」
「ポッキー以外なら」
「なんでポッキーってわかったの?」
「どうせポッキーの日だからポッキーゲームをしようなんて先輩の浅慮な企みに気づかないわけがありません」

どうやら読まれていたらしい。

「ばれちゃあ仕方あるまい……それじゃ第一回戦はじめましょう」
「はぁ、結局やるんですね」

やらない理由がわからない私はバッグからポッキーの箱を取り出そうとして……

「あ、あれ?」

ない。ポッキーがない。
どうやらどこかに置き忘れたらしい。

「危うく恥ずかしい茶番に付き合わされるところでした」

と、ポッキーがないことを察した真理乃が残念がっていることに気づいた私は素晴らしいことを思いつきつい叫んでしまった。

「エア!」
「……どうしたんですか急に」
「そうよ、エアポッキーならできるじゃない」
「何を言ってるんですか」
「それじゃ始めるよ」
「もう勝手にしてください」

私はエアポッキーを加えると瞬時に食べ尽くした。
二人の唇は接触して、それからしばらくの間エアポッキーを味わう。

「エアポッキーは真理乃の唇の味がする」
「これじゃもうただのキスじゃないですか。だいたいよくポッキーの日って言いますけど本当はポッキー&プリッツの日なんですよ」

真理乃はそう言うとバッグからプリッツの箱を取り出して机の上に立てた。

「ちゃっかり用意してんじゃん」
「先輩が忘れてくる可能性を考慮して正解でした」
「それじゃ第二回戦はエアプリッツで勝負ね」
「だからなんでエア……」
「嫌なの?」
「別にいいですけど」



ポッキーとかプリッツとかそっちのけで真理乃の唇とか舌とかを味わった私は、さすがにもう当分キスしなくていいかなあなんて思うことは絶対にありえなかった。

「結局真理乃だってポッキーゲームにかこつけてキスしたいだけだったわね」
「そんなことないですよ」
「えっ?」

やおら立ち上がった真理乃はスカートをすとんと落とした。

「もうキスだけじゃ我慢できそうにないです」
「待ってここ学校……」
「私とイチャつくためだけに部活立ち上げた先輩が言いますか」
「ふたりきりになる場所が欲しかっただけで、別にえっちなことするつもりじゃなかったんだけど」
「説得力ないですね」

私の手は真理乃の制服を脱がせていたせいで信じてもらえない。
けど別にもうどうでもいい。真理乃と愛し合う以上に必要なことなんて何一つあるわけがないのだから。
しおりを挟む
感想 0

この作品の感想を投稿する

あなたにおすすめの小説

アイドルグループの裏の顔 新人アイドルの洗礼

甲乙夫
恋愛
清純な新人アイドルが、先輩アイドルから、強引に性的な責めを受ける話です。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

憧れの先輩とイケナイ状況に!?

暗黒神ゼブラ
恋愛
今日私は憧れの先輩とご飯を食べに行くことになっちゃった!?

身体だけの関係です‐原田巴について‐

みのりすい
恋愛
原田巴は高校一年生。(ボクっ子) 彼女には昔から尊敬している10歳年上の従姉がいた。 ある日巴は酒に酔ったお姉ちゃんに身体を奪われる。 その日から、仲の良かった二人の秒針は狂っていく。 毎日19時ごろ更新予定 「身体だけの関係です 三崎早月について」と同一世界観です。また、1~2話はそちらにも投稿しています。今回分けることにしましたため重複しています。ご迷惑をおかけします。 良ければそちらもお読みください。 身体だけの関係です‐三崎早月について‐ https://www.alphapolis.co.jp/novel/711270795/500699060

落ち込んでいたら綺麗なお姉さんにナンパされてお持ち帰りされた話

水無瀬雨音
恋愛
実家の花屋で働く璃子。落ち込んでいたら綺麗なお姉さんに花束をプレゼントされ……? 恋の始まりの話。

高身長 × 低身長カップルの日常

吉武 止少
恋愛
高身長がコンプレックスな女の子セイと、身長が低いことを気にしている悠。 でこぼこカップルのほんわか日常的なお話。

淫らに、咲き乱れる

あるまん
恋愛
軽蔑してた、筈なのに。

久しぶりに帰省したら私のことが大好きな従妹と姫はじめしちゃった件

楠富 つかさ
恋愛
久しぶりに帰省したら私のことが大好きな従妹と姫はじめしちゃうし、なんなら恋人にもなるし、果てには彼女のために職場まで変える。まぁ、愛の力って偉大だよね。 ※この物語はフィクションであり実在の地名は登場しますが、人物・団体とは関係ありません。

処理中です...