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付録1、設定詳細(前編)
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<各キャラクターの詳しい設定>
・ハルカレンディア
名前:Halcalendir
意味は、葉陰(或いは単に陰)の緑。由来は黒い髪と葉色(柳緑色)の瞳から。愛称はハル。
見た目は二十代後半~三十頃。実年齢は四百歳を越えている。エルフ達の中ではやや年若い方。
エルフとしては平均的な身長だが、他種族に比べると高い。野盗の砦においては、ハルカレンディアより背が高いのは、現在はアギレオのみ。物心ついた頃から騎士になるべく鍛えてきたため、逞しい体格の部類。
緩いうねりが出るタイプの癖毛で、伝統的に長髪が多いエルフとしては珍しく、項を覆う程度の短髪。艶のある黒い髪。
瞳は、明るく青みの強い黄緑色。色の和名、柳緑が該当。
エルフ故に男性としてはやや線が細いが中性的な見た目ではなく、印象としては、多少堅物そうながらも中々の色男といった風。
魔大戦で共に騎士と軍人であった両親を亡くし、当時の王子に引き取られ、騎士隊に設立された養育施設で育てられた。
弓の名手であり、その代わり剣を始めとする近接戦の腕は十人並み程度(軍人としての中程度であり、民間人とは比較にならない)に留まる。
若年ながら騎士隊の中でも多勢をまとめる連隊長に就いていたが、野党であったアギレオ達との遭遇をきっかけにこれを降り、境の森の守備を設置し、役目を移した。
見た目よりも雄々しく、精神的に非常に強靱で冷静。礼儀正しく細やかではあるが、色々無頓着な面もある。ごく真面目な性格はエルフの中にあっては目立たない程度であったが、奔放で多様な野盗の砦の中では若干天然と受け取られがち。
境の森を守備する傍ら、伴侶となったアギレオと数十年を共に過ごした。
アギレオの死後も境の森の守備についていたが、あまりに悲しみの深い様を案じ、王都のエルフ達の合議により、王都へと呼び戻される。
短い休養を経て、王宮直属の近衛隊へ任命。
再び主君と国に仕えている。
・アギレオ
名前:Aguileo
鷲を意味するアギラの人名変化で、アギレオ。あえて訳すなら「鷲の男」。男子に勇猛な名をつけるヴァルグ族の習慣から。短い名前なので愛称は特になく、お頭(おかしら)と呼ぶ者が多い。
褐色の肌で頭部には一対の角があり、長く伸びた犬歯は牙を成している。瞳の色は、瞳孔の周りの砂色から、広がる途中で天色に変わる混色。現代ではアースアイと呼ばれる配色。
長身、大柄で筋肉質。見るからに近接戦闘タイプの体型。とびぬけて戦闘に長けており、愛用の武器は一対の曲刀で二刀流だが、近接武器であれば何でも使いこなすほど。
クリッペンヴァルトのある東の大陸から海を隔てた、西の大陸に住む、ヴァルグ族という希少な山岳民族の出身。
流浪と海賊を経て、元海賊であり同じ船に乗り合わせた先代の頭領との縁により、二代目の頭領を務めている。
また、若い頃に、砦に身を寄せていた女性と夫婦になったが、生まれつき病がちで身体の弱かった妻はすぐに亡くなった。
特に人に語ることもないが、バイセクシャルで、悪党には縁の深い色事にも長けている様子。
野盗であった頃、遠征中の国軍を襲い、これが縁でハルカレンディアと知り合う。
敵対者として出会い、奇襲によって敗北したハルカレンディアを虜囚として捕らえ、はじめは彼を逃がさぬようにと近くで暮らす内に、次第に親しくなった。
ハルカレンディアの策により、頭領を務める砦を丸ごと移送することになり、国軍の一部として境の森の守備を長く務めた。
魔物との戦闘で負った傷が原因で頭領を退いた後も、砦のすぐそばでハルカレンディアと暮らし、長生きはしないだろうという本人の予想に反し、老いによってこの世を去った。
・リーとルー
名前:Mondlied(モーントリード) 意味は月の歌。愛称はリー。
狼の祖霊を持つ獣人の男性。ルーの夫。
灰色の髪と琥珀色の瞳を持つ。境の森の砦では、頭領であるアギレオ以外に決まった役職や地位は設置しないが、実質的なナンバー2であり、アギレオの右腕の役割を担う。
どちらかといえば物静かで、親切。
狼の姿での殺傷力を中心とし、人型では汎用的な長剣の使い手。
元は、狼の獣人と人間、二つが寄り添う集落に住んでいたが、ある満月の夜に人狼が人間を襲ったと騒ぎが起こり、人間側から復讐。仲良くしていた人間とすぐに事を構えられない人狼達は大半が殺され、残った者も集落を離れて散り散りに。魔物から二つの集落を守っていた人狼がいなくなり、人間の集落もすぐに滅びたという噂。
生涯を境の森の砦を守ることについやし、クリッペンヴァルト国で(恐らくは世界でも)初めて、エルフ国から騎士の称号を授かった獣人となった。
アギレオとリーに騎士の称号が授与される予定であったが、アギレオは断固として固辞。「お前が受けないのに俺が受けられない」と食い下がったが、砦の名を認めさせるために受けろとアギレオに丸め込まれたという。
名前:Mondblume(モーントブルーメ) 意味は月の花。愛称はルー。
狼の祖霊を持つ獣人の女性。リーの妻。
ルーと同じ灰色の髪と琥珀の瞳。実質ナンバー3に当たるが、むしろ女性陣のまとめ役として動くことが多い。夜行性の獣人と昼行性の人間達の連絡係を担うのも大抵は彼女。
親切ではあるが、どちらかといえばリーよりも激しいタイプ。立ち位置のせいもあり、意識的にお節介に振る舞うことも多々。
狼の姿での殺傷力を大いに生かし、両手に短剣を握る戦闘スタイル。
リーとは幼馴染みで、若い頃に夫婦になり、生まれた集落を去った時も含めて一時も離れたことがない。
元いた集落での事件が、長く寄り添う内に、力で勝る獣人に頼り切るしかなくなった人間達の鬱屈から端を発した闇であることに薄々気づいていた。
表向きにはアギレオとリーが境の森のトップ2として名を馳せたが、少し事情に詳しい者であれば、彼女の多大な功績を知らぬものはいない。
狼の夫婦らしく、リーと共に生涯を送った。
・魔術師レビ
名前:Celebsir(ケレブシア) 意味は銀の川。銀髪が由来。愛称はレビ。
エルフと人間の間に生まれた半エルフ。
癖のない銀髪は白に近く、普段はちょっと雑っぽく(見せたい)上げて結っている。下ろすと胸辺りまである。瞳の色は珊瑚色。
魔術の使い手としてはかなり優秀な部類であり、その研究・研鑽に余念がない。
元はハルカレンディアと同じ王都の出身。
王都と称されるクリッペンヴァルトの森は、原則的にエルフの領域であり、他種族と交わることの少ない彼らは、悪気なくやや排他的。また、様々な面で他種族より優れることもあり、ことに職務等では合理的にエルフ優先になりがち。
エルフ達のエルフ中心思考は種族的特徴だが、であるが故に半エルフであった彼には居心地が良いものではなく、その中で育つ過程ではエルフの悪い面も当然見てきた。
殊の外、魔術に優れるが故に、その実力よりもエルフであるかどうかに左右される王都に嫌気が差したのが切っ掛けとなり出奔、戦力として求められる野盗に身を落とした。
元々、年に似合わぬ優秀な魔術師であったが、ハルカレンディアの留守を預かりに砦に滞在した魔術師メリリエルとの交流から、更にその腕を上げた。
アギレオの死後にハルカレンディアが王都に戻ってからも、砦の魔術師と薬師を数百年つとめた。
ハルカレンディアとの再会がきっかけで王都での仕事に就き、この時をもって、境の森の砦の創設メンバーがすべて砦を去った。
・リュー
名前:Fruhling(フリューリング) 意味は春。春に生まれたことから名付けられた。愛称はリュー。
山猫を祖霊に持つ獣人。
小柄なわけではないのだが、周りがデカいせいで小さく見えがち。
元は山猫の集落で暮らしていたが、付近に人間の集落が築かれると山猫たちは夜な夜な家畜を襲うようになり、反撃を受けて散り散りになった。
嗜虐趣味があるが、基本的には楽天的で前向き。
山猫らしく、失敗等あっても後悔も反省も知らず、砦での生涯を伸び伸びと過ごした。
・山犬たち
ナハト
名前:Nacht(ナハト) 意味は夜。人型でも獣型でも黒い毛並みから。短い名前のため、愛称はない。
山犬を祖霊に持つ獣人。
黒髪に黒い瞳。表情のせいもあって見るからに悪辣そうな鋭い顔。意外にエロ顔。
砦のある山に元から棲む山犬の一族。
先代の頭領である船長が山犬の集落で暮らし始めた時には、そこが山犬の縄張りだったが、人間が増え、出入りするのを煩わしがって次第に山犬達は少し離れた場所に縄張りを移した。
この山犬達には、野盗の砦に混じる者と混じらない者があり、ナハトは単純に前者。また、両者には特にわだかまりはなく交流もある。
露悪的で変態、快楽主義者だが、こう見えてルーに次ぐ実力者であり、どうしても避けられず必要な時は組織的な動きもする。
獣人の変身能力を生かしながら汎用的な長剣を使う一般的なスタイルが主だが、気が多い性格もあり、鉤爪や戦斧なども気分によって使い分ける。
彼なりに面白おかしく、砦での生涯を過ごした。
ベル
名前:Schnabel(シュナーベル) 意味はくちばし。獣型の鼻先だけ毛色が白い姿から。愛称はベル。
以前に砦があった場所の近くに山犬の集落があった縁で、砦に参入していた若手の一人。
ハルカレンディアが砦の虜囚であった頃の出来事から、密かに思いを寄せ、幾人かには見破られていたが、当のハルカレンディアには生涯気づかれることなく、想いも成就することはなかった。
普通に山犬の女性と結婚し、子を成した。
その他の山犬たち
砦には山犬の獣人が多く、元は腕を磨くためであったり、好奇心で野盗の砦に加わっていた。
谷のエルフ達との最後の戦いでその多くが戦死したが、この頃には砦も野盗ではなく国境守備をつとめるれっきとした国軍であったため、元の集落からも多くの人手が寄越され、そのまま砦の面子になったものもいた。
・狐の獣人たち
フラン
名前:Flamme(フランメ) 意味は炎。人型、獣型、ともに赤みの強い毛色から。愛称はフラン。
砦に三人いる狐の獣人の一人。メルの弟。
口数は多くないが、陽気な性格。時々悪乗りしがち。リューと気が合っていた。
谷のエルフ達との戦いで、魔術で足を負傷し、倒木をかわせず深手を負った。この傷が元で戦死。
メル
名前:Dammerung(デンメルンク) 意味は夕暮れ。美しい夕暮れに生まれたため。愛称はメル。
狐の獣人の一人。フランの兄。
口数が少なく、やや皮肉を好む傾向がある。フランよりも慎重で強か。
掴み所がない面があり、あまり仲間意識等もないかと思われたが、妻と、その子供達と生涯砦で過ごしただけでなく、戦いで人手の減った砦のために、散り散りになった昔の仲間を探せないかと色々手を尽くした。
リーベ
名前:Liebe(リーベ) 意味は愛。両親は生まれた時から彼女の誕生を心待ちにしていたそう。短い名前のため愛称はなし。
ルーと共に獣人達の食事を作ったり生活部分の多くを支える。
夫と子供達と共に、生涯を砦で過ごした。
・鹿の獣人たち
ヴィルベルヴィント
名前:Wirbelwind 意味はつむじ風。足が速い。
再登場の頃には愛称がついていると思われるが、本編中には描かれない。多分、ヴィルかヴィントなのでは…(ベルがもういるから)
ヴィルベルヴィント達には、衣食住の内、住に注力する習慣があり、道の整備の他、架橋などのかなり貴重な技術を有する。
集落を追われた自分たちを快く受け入れた砦への礼として、砦内のインフラ強化をもたらし、これがヒントとなって、アギレオとリー、ハルカレンディアと強力して、砦を軍事を中心とした街へ発展させた。
・人間たち
ダイナ(Dina)
生まれた村で、ある出来事から人を殺め、処刑されるより噂の鬼にでも食われた方がマシと、かつての砦を目指した。命は救われ、むろん他に行くところはなく、砦で生涯を過ごした。
誰とも連れ添う気はなかったが、戦闘の多い砦には男性が集まりがちで、独り身の女性は内輪もめの原因になりやすいからとアギレオに頼まれ、砦の面子と夫婦になっている。それなりには仲も良い。
料理が好き。谷のエルフ達との争いが終わって内外から人の出入りが増えた砦では、評判の食堂で忙しなく腕を振るっていた。
ミーナ(Mina)
砦で生まれた女性。事実上生まれつきの野盗でありながら、理由ありで砦に身を寄せる者達ともまた違う、屈託のない性格。
子供の頃に砦のある山に捨てられた若者と恋に落ち、夫婦になった。
裁縫が得意で、晩年砦に洋裁店を開いた。この店内の正面の壁には、エルフ語で書かれた紙が誇らしげに貼り出されており、エルフ語が読める者であれば、「店主のミーナに裁縫を教わり、衣類の作成技術を会得したことを深く感謝する」という丁寧な文面と、ハルカレンディアの署名が知れる。
その他にも、砦の生活を担う人間達が多数おり、また後には発展に大きく寄与した。
・コウ
鉱人。名前を持たない種族であるため、コウと呼ばれている。喋るのも少し苦手。
灰色を帯びた肌色をしており、体毛はない。瑠璃紺色の瞳。
故郷の山がドワーフによって掘り尽くされ、住めなくなった。お詫びとしてドワーフから金属加工の術を教わり、通常は鉱石を加工しない鉱人の中では珍しく、石や金属から道具等を作り出すことができる。
他の種族にはあまり関心がなく、個人的な動機以外では敵にも味方にもならない。
・ハルカレンディア
名前:Halcalendir
意味は、葉陰(或いは単に陰)の緑。由来は黒い髪と葉色(柳緑色)の瞳から。愛称はハル。
見た目は二十代後半~三十頃。実年齢は四百歳を越えている。エルフ達の中ではやや年若い方。
エルフとしては平均的な身長だが、他種族に比べると高い。野盗の砦においては、ハルカレンディアより背が高いのは、現在はアギレオのみ。物心ついた頃から騎士になるべく鍛えてきたため、逞しい体格の部類。
緩いうねりが出るタイプの癖毛で、伝統的に長髪が多いエルフとしては珍しく、項を覆う程度の短髪。艶のある黒い髪。
瞳は、明るく青みの強い黄緑色。色の和名、柳緑が該当。
エルフ故に男性としてはやや線が細いが中性的な見た目ではなく、印象としては、多少堅物そうながらも中々の色男といった風。
魔大戦で共に騎士と軍人であった両親を亡くし、当時の王子に引き取られ、騎士隊に設立された養育施設で育てられた。
弓の名手であり、その代わり剣を始めとする近接戦の腕は十人並み程度(軍人としての中程度であり、民間人とは比較にならない)に留まる。
若年ながら騎士隊の中でも多勢をまとめる連隊長に就いていたが、野党であったアギレオ達との遭遇をきっかけにこれを降り、境の森の守備を設置し、役目を移した。
見た目よりも雄々しく、精神的に非常に強靱で冷静。礼儀正しく細やかではあるが、色々無頓着な面もある。ごく真面目な性格はエルフの中にあっては目立たない程度であったが、奔放で多様な野盗の砦の中では若干天然と受け取られがち。
境の森を守備する傍ら、伴侶となったアギレオと数十年を共に過ごした。
アギレオの死後も境の森の守備についていたが、あまりに悲しみの深い様を案じ、王都のエルフ達の合議により、王都へと呼び戻される。
短い休養を経て、王宮直属の近衛隊へ任命。
再び主君と国に仕えている。
・アギレオ
名前:Aguileo
鷲を意味するアギラの人名変化で、アギレオ。あえて訳すなら「鷲の男」。男子に勇猛な名をつけるヴァルグ族の習慣から。短い名前なので愛称は特になく、お頭(おかしら)と呼ぶ者が多い。
褐色の肌で頭部には一対の角があり、長く伸びた犬歯は牙を成している。瞳の色は、瞳孔の周りの砂色から、広がる途中で天色に変わる混色。現代ではアースアイと呼ばれる配色。
長身、大柄で筋肉質。見るからに近接戦闘タイプの体型。とびぬけて戦闘に長けており、愛用の武器は一対の曲刀で二刀流だが、近接武器であれば何でも使いこなすほど。
クリッペンヴァルトのある東の大陸から海を隔てた、西の大陸に住む、ヴァルグ族という希少な山岳民族の出身。
流浪と海賊を経て、元海賊であり同じ船に乗り合わせた先代の頭領との縁により、二代目の頭領を務めている。
また、若い頃に、砦に身を寄せていた女性と夫婦になったが、生まれつき病がちで身体の弱かった妻はすぐに亡くなった。
特に人に語ることもないが、バイセクシャルで、悪党には縁の深い色事にも長けている様子。
野盗であった頃、遠征中の国軍を襲い、これが縁でハルカレンディアと知り合う。
敵対者として出会い、奇襲によって敗北したハルカレンディアを虜囚として捕らえ、はじめは彼を逃がさぬようにと近くで暮らす内に、次第に親しくなった。
ハルカレンディアの策により、頭領を務める砦を丸ごと移送することになり、国軍の一部として境の森の守備を長く務めた。
魔物との戦闘で負った傷が原因で頭領を退いた後も、砦のすぐそばでハルカレンディアと暮らし、長生きはしないだろうという本人の予想に反し、老いによってこの世を去った。
・リーとルー
名前:Mondlied(モーントリード) 意味は月の歌。愛称はリー。
狼の祖霊を持つ獣人の男性。ルーの夫。
灰色の髪と琥珀色の瞳を持つ。境の森の砦では、頭領であるアギレオ以外に決まった役職や地位は設置しないが、実質的なナンバー2であり、アギレオの右腕の役割を担う。
どちらかといえば物静かで、親切。
狼の姿での殺傷力を中心とし、人型では汎用的な長剣の使い手。
元は、狼の獣人と人間、二つが寄り添う集落に住んでいたが、ある満月の夜に人狼が人間を襲ったと騒ぎが起こり、人間側から復讐。仲良くしていた人間とすぐに事を構えられない人狼達は大半が殺され、残った者も集落を離れて散り散りに。魔物から二つの集落を守っていた人狼がいなくなり、人間の集落もすぐに滅びたという噂。
生涯を境の森の砦を守ることについやし、クリッペンヴァルト国で(恐らくは世界でも)初めて、エルフ国から騎士の称号を授かった獣人となった。
アギレオとリーに騎士の称号が授与される予定であったが、アギレオは断固として固辞。「お前が受けないのに俺が受けられない」と食い下がったが、砦の名を認めさせるために受けろとアギレオに丸め込まれたという。
名前:Mondblume(モーントブルーメ) 意味は月の花。愛称はルー。
狼の祖霊を持つ獣人の女性。リーの妻。
ルーと同じ灰色の髪と琥珀の瞳。実質ナンバー3に当たるが、むしろ女性陣のまとめ役として動くことが多い。夜行性の獣人と昼行性の人間達の連絡係を担うのも大抵は彼女。
親切ではあるが、どちらかといえばリーよりも激しいタイプ。立ち位置のせいもあり、意識的にお節介に振る舞うことも多々。
狼の姿での殺傷力を大いに生かし、両手に短剣を握る戦闘スタイル。
リーとは幼馴染みで、若い頃に夫婦になり、生まれた集落を去った時も含めて一時も離れたことがない。
元いた集落での事件が、長く寄り添う内に、力で勝る獣人に頼り切るしかなくなった人間達の鬱屈から端を発した闇であることに薄々気づいていた。
表向きにはアギレオとリーが境の森のトップ2として名を馳せたが、少し事情に詳しい者であれば、彼女の多大な功績を知らぬものはいない。
狼の夫婦らしく、リーと共に生涯を送った。
・魔術師レビ
名前:Celebsir(ケレブシア) 意味は銀の川。銀髪が由来。愛称はレビ。
エルフと人間の間に生まれた半エルフ。
癖のない銀髪は白に近く、普段はちょっと雑っぽく(見せたい)上げて結っている。下ろすと胸辺りまである。瞳の色は珊瑚色。
魔術の使い手としてはかなり優秀な部類であり、その研究・研鑽に余念がない。
元はハルカレンディアと同じ王都の出身。
王都と称されるクリッペンヴァルトの森は、原則的にエルフの領域であり、他種族と交わることの少ない彼らは、悪気なくやや排他的。また、様々な面で他種族より優れることもあり、ことに職務等では合理的にエルフ優先になりがち。
エルフ達のエルフ中心思考は種族的特徴だが、であるが故に半エルフであった彼には居心地が良いものではなく、その中で育つ過程ではエルフの悪い面も当然見てきた。
殊の外、魔術に優れるが故に、その実力よりもエルフであるかどうかに左右される王都に嫌気が差したのが切っ掛けとなり出奔、戦力として求められる野盗に身を落とした。
元々、年に似合わぬ優秀な魔術師であったが、ハルカレンディアの留守を預かりに砦に滞在した魔術師メリリエルとの交流から、更にその腕を上げた。
アギレオの死後にハルカレンディアが王都に戻ってからも、砦の魔術師と薬師を数百年つとめた。
ハルカレンディアとの再会がきっかけで王都での仕事に就き、この時をもって、境の森の砦の創設メンバーがすべて砦を去った。
・リュー
名前:Fruhling(フリューリング) 意味は春。春に生まれたことから名付けられた。愛称はリュー。
山猫を祖霊に持つ獣人。
小柄なわけではないのだが、周りがデカいせいで小さく見えがち。
元は山猫の集落で暮らしていたが、付近に人間の集落が築かれると山猫たちは夜な夜な家畜を襲うようになり、反撃を受けて散り散りになった。
嗜虐趣味があるが、基本的には楽天的で前向き。
山猫らしく、失敗等あっても後悔も反省も知らず、砦での生涯を伸び伸びと過ごした。
・山犬たち
ナハト
名前:Nacht(ナハト) 意味は夜。人型でも獣型でも黒い毛並みから。短い名前のため、愛称はない。
山犬を祖霊に持つ獣人。
黒髪に黒い瞳。表情のせいもあって見るからに悪辣そうな鋭い顔。意外にエロ顔。
砦のある山に元から棲む山犬の一族。
先代の頭領である船長が山犬の集落で暮らし始めた時には、そこが山犬の縄張りだったが、人間が増え、出入りするのを煩わしがって次第に山犬達は少し離れた場所に縄張りを移した。
この山犬達には、野盗の砦に混じる者と混じらない者があり、ナハトは単純に前者。また、両者には特にわだかまりはなく交流もある。
露悪的で変態、快楽主義者だが、こう見えてルーに次ぐ実力者であり、どうしても避けられず必要な時は組織的な動きもする。
獣人の変身能力を生かしながら汎用的な長剣を使う一般的なスタイルが主だが、気が多い性格もあり、鉤爪や戦斧なども気分によって使い分ける。
彼なりに面白おかしく、砦での生涯を過ごした。
ベル
名前:Schnabel(シュナーベル) 意味はくちばし。獣型の鼻先だけ毛色が白い姿から。愛称はベル。
以前に砦があった場所の近くに山犬の集落があった縁で、砦に参入していた若手の一人。
ハルカレンディアが砦の虜囚であった頃の出来事から、密かに思いを寄せ、幾人かには見破られていたが、当のハルカレンディアには生涯気づかれることなく、想いも成就することはなかった。
普通に山犬の女性と結婚し、子を成した。
その他の山犬たち
砦には山犬の獣人が多く、元は腕を磨くためであったり、好奇心で野盗の砦に加わっていた。
谷のエルフ達との最後の戦いでその多くが戦死したが、この頃には砦も野盗ではなく国境守備をつとめるれっきとした国軍であったため、元の集落からも多くの人手が寄越され、そのまま砦の面子になったものもいた。
・狐の獣人たち
フラン
名前:Flamme(フランメ) 意味は炎。人型、獣型、ともに赤みの強い毛色から。愛称はフラン。
砦に三人いる狐の獣人の一人。メルの弟。
口数は多くないが、陽気な性格。時々悪乗りしがち。リューと気が合っていた。
谷のエルフ達との戦いで、魔術で足を負傷し、倒木をかわせず深手を負った。この傷が元で戦死。
メル
名前:Dammerung(デンメルンク) 意味は夕暮れ。美しい夕暮れに生まれたため。愛称はメル。
狐の獣人の一人。フランの兄。
口数が少なく、やや皮肉を好む傾向がある。フランよりも慎重で強か。
掴み所がない面があり、あまり仲間意識等もないかと思われたが、妻と、その子供達と生涯砦で過ごしただけでなく、戦いで人手の減った砦のために、散り散りになった昔の仲間を探せないかと色々手を尽くした。
リーベ
名前:Liebe(リーベ) 意味は愛。両親は生まれた時から彼女の誕生を心待ちにしていたそう。短い名前のため愛称はなし。
ルーと共に獣人達の食事を作ったり生活部分の多くを支える。
夫と子供達と共に、生涯を砦で過ごした。
・鹿の獣人たち
ヴィルベルヴィント
名前:Wirbelwind 意味はつむじ風。足が速い。
再登場の頃には愛称がついていると思われるが、本編中には描かれない。多分、ヴィルかヴィントなのでは…(ベルがもういるから)
ヴィルベルヴィント達には、衣食住の内、住に注力する習慣があり、道の整備の他、架橋などのかなり貴重な技術を有する。
集落を追われた自分たちを快く受け入れた砦への礼として、砦内のインフラ強化をもたらし、これがヒントとなって、アギレオとリー、ハルカレンディアと強力して、砦を軍事を中心とした街へ発展させた。
・人間たち
ダイナ(Dina)
生まれた村で、ある出来事から人を殺め、処刑されるより噂の鬼にでも食われた方がマシと、かつての砦を目指した。命は救われ、むろん他に行くところはなく、砦で生涯を過ごした。
誰とも連れ添う気はなかったが、戦闘の多い砦には男性が集まりがちで、独り身の女性は内輪もめの原因になりやすいからとアギレオに頼まれ、砦の面子と夫婦になっている。それなりには仲も良い。
料理が好き。谷のエルフ達との争いが終わって内外から人の出入りが増えた砦では、評判の食堂で忙しなく腕を振るっていた。
ミーナ(Mina)
砦で生まれた女性。事実上生まれつきの野盗でありながら、理由ありで砦に身を寄せる者達ともまた違う、屈託のない性格。
子供の頃に砦のある山に捨てられた若者と恋に落ち、夫婦になった。
裁縫が得意で、晩年砦に洋裁店を開いた。この店内の正面の壁には、エルフ語で書かれた紙が誇らしげに貼り出されており、エルフ語が読める者であれば、「店主のミーナに裁縫を教わり、衣類の作成技術を会得したことを深く感謝する」という丁寧な文面と、ハルカレンディアの署名が知れる。
その他にも、砦の生活を担う人間達が多数おり、また後には発展に大きく寄与した。
・コウ
鉱人。名前を持たない種族であるため、コウと呼ばれている。喋るのも少し苦手。
灰色を帯びた肌色をしており、体毛はない。瑠璃紺色の瞳。
故郷の山がドワーフによって掘り尽くされ、住めなくなった。お詫びとしてドワーフから金属加工の術を教わり、通常は鉱石を加工しない鉱人の中では珍しく、石や金属から道具等を作り出すことができる。
他の種族にはあまり関心がなく、個人的な動機以外では敵にも味方にもならない。
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資格は小型船舶操縦士免許、海上特殊無線技士免許、潜水士免許などの資格があれば役に立つ。
漁師の仕事は、自然を相手にする厳しさもあるが大きなやりがいがある。
食の提供は人々の毎日の食卓に新鮮な海の幸を届ける重要な役割を担っているのだ。
地域との連携も必要である。
沿岸漁業では地域社会との結びつきが強く、地元のイベントにも関わってくる。
この物語の主人公は極楽翔太。18歳。
翔太は来年4月から地元で漁師となり働くことが決まっている。
もう一人の主人公は木下英二。28歳。
地元で料理旅館を経営するオーナー。
翔太がアルバイトしている地元のガソリンスタンドで英二と偶然あったのだ。
この物語の始まりである。
この物語はフィクションです。
この物語に出てくる団体名や個人名など同じであってもまったく関係ありません。
伝説のS級おじさん、俺の「匂い」がないと発狂して国を滅ぼすらしいい
マンスーン
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ギルドの事務職員・三上薫は、ある日、ギルドロビーで発作を起こしかけていた英雄ガルド・ベルンシュタインから抱きしめられ、首筋を猛烈に吸引。「見つけた……俺の酸素……!」と叫び、離れなくなってしまう。
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上司、快楽に沈むまで
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完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。
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真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。
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その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。
「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」
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拒むことも、許すこともできないまま、
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言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。
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支配する側だったはずの男が、
支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。
上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。
秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。
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従僕に溺愛されて逃げられない
大の字だい
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〈従僕攻め×強気受け〉のラブコメ主従BL!
俺様気質で傲慢、まるで王様のような大学生・煌。
その傍らには、当然のようにリンがいる。
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高校卒業間近に受けた突然の告白を、煌は「犬として立派になれば考える」とはぐらかした。
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当たり前の存在だったはずなのに、最近どうも心臓がおかしい。
居なくなると落ち着かない自分が、どうしても許せない。
さらに現れた上級生の熱烈なアプローチに、リンの嫉妬は抑えきれず――。
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従僕の溺愛からは、絶対に逃げられない。
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