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第二章 猫カフェ編

新たなる調味料!!

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 今日は新たなる商材を求めて、ルリと一緒に森の探索に来ている。この深淵の森はかなり広くて、まだ僕が行けてない場所がいっぱいある。

『ヒイロ! あそこ見て! 泡がぶくぶく』

 ルリが大きな木の根元を指差す。

「なにあれ?」

 大きな木の周りに水が溜まっていて、そこの水が少しシュワシュワしている。もしかしてあれって……前世の炭酸水じゃ!?

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
【炭酸木】

 流れ出る蜜が炭酸の木
 炭酸の原液
 これを水で割れば炭酸水が完成する
 永遠と蜜が流れ出るので木の周りに炭酸が溜まっていく不思議な木

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 やっぱ! 炭酸水だ。

 僕炭酸は飲んだことがないんだ! よく口の中がシュワシュワするってどんな感覚なんだろうって想像していたなぁ。

「ルリ! これはね、口の中がシュワシュワする炭酸ジュースが作れる元なんだよ」

 僕はルリに近寄り興奮気味に説明する。そんな僕を不思議そうに見るルリ。

『炭酸ジュース? それは美味しいの?』
「うん! 僕もまだ飲んだことはないんだけれど、一度飲むと虜になってハマっちゃうっんだよ!」
『とりこ……ゴクッ』
「この水を持って帰ろ!」
『ん』

 二人でメェメェのミルクを入れている大きな入れ物に炭酸原液を入れていく。
 スイがいっぱいこの大きな入れ物を作ってくれたから、アイテムボックスに十個ほど入ってたんだ。
 次、いつこの場所に来れるか分かんないから、十個全部に炭酸原液を入れて僕たちは帰路についた。


★★★



『おいおいヒイロ? このシュワシュワした水はなんだ?』

 スイが炭酸原液が入った入れ物を興味津々といった感じで覗き込む。

「ふふふ。これはね? 今から不思議なジュースを作るんだ。楽しみにしててね?」
『不思議なジュース? そりゃバチコンっと楽しみだな』
『ん! ワクワク』

 ルリとスイが瞳を輝かせながら僕の作業を見ている。
 内心僕だってワクワクが止まらない。だって初めてのシュワシュワ体験だからね。

 僕はアウルベアからもらったリコリの果実を絞って、リコリソーダを作っていく。
 リコリの果実を絞ると、なんとも言えない甘ーい香りが当たり一面を埋め尽くす。

 リコリの果実に炭酸と水を入れ、それらをよく混ぜ合わせるとリコリソーダの完成!

 どんな味なんだろう……ゴクリッ。
 僕はドキドキしながらそれを口に含んだ。

「!!! なななっ、シュワシュワってこれか!」

 口の中が楽しいよう。少しピリリとした刺激にシュワシュワの感触。
 これは炭酸ジュースにハマる人が続出するの分かる!

『ヒイロずるい! ルリも』
『そうだぜ? 一人でなに楽しんでんだよ。俺にもそのシュワシュワを飲ませてくれよ』
「ふふ! 分かったってば」

 僕は二人にリコリソーダをコップに入れて渡す。

『んん!?』
『なんだっ、これ!? 口の中が弾けて……初めての感覚だぜ!』
『ん! ん!』

 ルリとスイが頬を紅潮させながらグビグビと一気に飲み干し、おかわりとコップを出してきた。
 その気持ち分かるよぅ!
 炭酸ってこんなにも刺激的だったんだ。

『これは酒を炭酸で割ってもうんまそーだな。後で試してみよう』

 スイがお酒を炭酸で割ってみると、楽しそうに話す。確か前世でもお父さんがウイスキーを炭酸で割って飲んでたのを思い出す。
 
 炭酸……これはすごい魅惑的なお水を見つけたのかもしれない。

 もしかしたら……飲んで見たかった憧れの黒い炭酸水、コーラも作れるかもしれない!

「ふふふ」
『ヒイロへん』
『ヒイロはいつも楽しそうだな。見てて俺も楽しくなるぜ?』

 コーラのことを考えてにやけ笑いした僕を見て二人がニコニコと僕をみる。
 なんだか恥ずかしいけれど、僕の頭の中はコーラでいっぱいになっていてそれどころじゃなかった。


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