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第二章 猫カフェ編

スキヤキ始めました!

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『今日は新メニューのスキヤキが登場する日か! みんな目をドバーンッて飛び出しそうになるくらいウンマイってびっくりするだろうな。ワイバーンが一番人気か?』

「スイ……大袈裟だよう。嬉しいけれど」

『絶対、大人気! 一番ロックバード!』

「ルリまで……嬉しい」

 ハクとルリは、自分がお気に入りのスキヤキが一番だと言い合っている。
 そんな姿を見るのも何だか嬉しくって照れ臭いや。

『わりぇはどの肉もうんまいっち! 肉最高っちぃぃぃ!』

 モチ太がテーブルの上で飛び跳ね暴れ出した。どうも興奮すると飛び跳ねる変な癖が……。まだ僕の頭の上でないだけマシなのかな?
 ……だけど。
 これからそのテーブルでお客様が食べるんだ。テーブルを綺麗にしとかないと。

「モチ太? またヨダレでテーブルが濡れちゃってるから、ちゃん布巾で拭いて綺麗にしてね」
『ワワワッ、ワリェを下等な犬畜生と一緒にすんなっちぃ!! 高貴なるワリェはヨダレなんてたれないっち!』

 モチ太がそう言って再び暴れ出すんだけど、それをスイがヒョイっと首根っこを掴み布巾を渡してテーブルを拭かせてくれた。
 さすがスイ、モチ太の扱いに慣れている。

「ヒイロおはよー! 今日は新メニューの登場なんだよね! 入り口に新作の宣伝の張り紙しとくね!」

 ララがお手製のチラシを持って店に入ってきた。チラシには手書きで書かれた美味しそうなスキヤキの絵が描かれていた。すっごく上手!

「ララおはよー。こんなチラシ作ってくれたの? 嬉しいよう。ありがとう」

「ふふ。だって大人気ヒイロの猫カフェの新メニューだもんね! 外の壁に貼ってくるね」

「ララありがとう」

 みんなが新メニューの反応を楽しみに準備を手伝ってくれている。期待値が半端ない!
 ……これは人気が出なかったらどうしよう。

 いや、美味しいって自信はあるんだけれど、こんなにも期待されちゃうと少し不安になっちゃう。

「ヒイロ! もう外に百人も並んでいるよ!」

 お店の外で張り紙をしてくれていたララが、店内に戻ってきて興奮気味に教えてくれる。

『おおっ? それは楽しみだなぁ!』
『んっ! ワクワク』

 そろそろ開店時間だし、お店をオープンしますか!

「じゃあ! お店開店だね」

『おうよ!』

 僕がそういうとスイがドアにかけられたプレートを【オープン】に変えてくれた。
 次の瞬間、並んでいたお客様がドバッと入ってきた。
 席につき、注文する商品は……

「新メニューのスキヤキをお願い。お肉はそうね今日は贅沢にワイバーンで!」
「俺はスキヤキのロックバード!」
「スキヤキのオーク!」

 お客様がそれぞれ好きなお肉をオーダーしてくれる。

 テーブルにスキヤキを運びドキドキしながら反応を見ていると……。

「おおおおおっ、おいしーいい! なんて美味しさなの! 野菜にまでワイバーンの肉の旨みが染み込んで……さいっこう! これでこのお値段は破格よ!」
「いやいや! このロックバードの肉プルプルでジューシー……あっさりの中にコクがあってなんて上品なんだ!」
「待て待て! オーク肉だって……なんて柔らかさなんだ! 口の中でほろりとろける! 幸せだぁ」

「「「この値段は安すぎだろ!!」」」

 食べたお客様からの興奮した感嘆の声が至る所で湧き上がる。僕はそれが嬉しくってニマニマしている。

 ちなみにスキヤキの値段は、ロックバードを選ぶと銀貨一枚、前世の金額だと千円前後。オークを選ぶと銀貨二枚、ワイバーンを選ぶと銀貨五枚。
 さすがにワイバーンに関しては高すぎないかなと思ったんだけれど、だって五千円だよ!?
 だけれど、それでも安いとララが言うのでこの値段に設定した。
 本当に大丈夫? 高すぎて文句言われたりしない?

 そんな僕の心配はどこへやら、開店するとこの値段でも安いって言ってくれるお客様ばかりだった。
 ララ疑ってごめんね。

 新作のスキヤキは僕の想像以上に大好評だった。


★★★


来月に2巻が発売します!早く書影を見ていただきたいくらいにめっちゃ可愛いんです!
早くみなさまにお届けしたいです♡
詳しい情報はまた告知していきますね。

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