35 / 42
第二章 猫カフェ編
スキヤキ始めました!
しおりを挟む
『今日は新メニューのスキヤキが登場する日か! みんな目をドバーンッて飛び出しそうになるくらいウンマイってびっくりするだろうな。ワイバーンが一番人気か?』
「スイ……大袈裟だよう。嬉しいけれど」
『絶対、大人気! 一番ロックバード!』
「ルリまで……嬉しい」
ハクとルリは、自分がお気に入りのスキヤキが一番だと言い合っている。
そんな姿を見るのも何だか嬉しくって照れ臭いや。
『わりぇはどの肉もうんまいっち! 肉最高っちぃぃぃ!』
モチ太がテーブルの上で飛び跳ね暴れ出した。どうも興奮すると飛び跳ねる変な癖が……。まだ僕の頭の上でないだけマシなのかな?
……だけど。
これからそのテーブルでお客様が食べるんだ。テーブルを綺麗にしとかないと。
「モチ太? またヨダレでテーブルが濡れちゃってるから、ちゃん布巾で拭いて綺麗にしてね」
『ワワワッ、ワリェを下等な犬畜生と一緒にすんなっちぃ!! 高貴なるワリェはヨダレなんてたれないっち!』
モチ太がそう言って再び暴れ出すんだけど、それをスイがヒョイっと首根っこを掴み布巾を渡してテーブルを拭かせてくれた。
さすがスイ、モチ太の扱いに慣れている。
「ヒイロおはよー! 今日は新メニューの登場なんだよね! 入り口に新作の宣伝の張り紙しとくね!」
ララがお手製のチラシを持って店に入ってきた。チラシには手書きで書かれた美味しそうなスキヤキの絵が描かれていた。すっごく上手!
「ララおはよー。こんなチラシ作ってくれたの? 嬉しいよう。ありがとう」
「ふふ。だって大人気ヒイロの猫カフェの新メニューだもんね! 外の壁に貼ってくるね」
「ララありがとう」
みんなが新メニューの反応を楽しみに準備を手伝ってくれている。期待値が半端ない!
……これは人気が出なかったらどうしよう。
いや、美味しいって自信はあるんだけれど、こんなにも期待されちゃうと少し不安になっちゃう。
「ヒイロ! もう外に百人も並んでいるよ!」
お店の外で張り紙をしてくれていたララが、店内に戻ってきて興奮気味に教えてくれる。
『おおっ? それは楽しみだなぁ!』
『んっ! ワクワク』
そろそろ開店時間だし、お店をオープンしますか!
「じゃあ! お店開店だね」
『おうよ!』
僕がそういうとスイがドアにかけられたプレートを【オープン】に変えてくれた。
次の瞬間、並んでいたお客様がドバッと入ってきた。
席につき、注文する商品は……
「新メニューのスキヤキをお願い。お肉はそうね今日は贅沢にワイバーンで!」
「俺はスキヤキのロックバード!」
「スキヤキのオーク!」
お客様がそれぞれ好きなお肉をオーダーしてくれる。
テーブルにスキヤキを運びドキドキしながら反応を見ていると……。
「おおおおおっ、おいしーいい! なんて美味しさなの! 野菜にまでワイバーンの肉の旨みが染み込んで……さいっこう! これでこのお値段は破格よ!」
「いやいや! このロックバードの肉プルプルでジューシー……あっさりの中にコクがあってなんて上品なんだ!」
「待て待て! オーク肉だって……なんて柔らかさなんだ! 口の中でほろりとろける! 幸せだぁ」
「「「この値段は安すぎだろ!!」」」
食べたお客様からの興奮した感嘆の声が至る所で湧き上がる。僕はそれが嬉しくってニマニマしている。
ちなみにスキヤキの値段は、ロックバードを選ぶと銀貨一枚、前世の金額だと千円前後。オークを選ぶと銀貨二枚、ワイバーンを選ぶと銀貨五枚。
さすがにワイバーンに関しては高すぎないかなと思ったんだけれど、だって五千円だよ!?
だけれど、それでも安いとララが言うのでこの値段に設定した。
本当に大丈夫? 高すぎて文句言われたりしない?
そんな僕の心配はどこへやら、開店するとこの値段でも安いって言ってくれるお客様ばかりだった。
ララ疑ってごめんね。
新作のスキヤキは僕の想像以上に大好評だった。
★★★
来月に2巻が発売します!早く書影を見ていただきたいくらいにめっちゃ可愛いんです!
早くみなさまにお届けしたいです♡
詳しい情報はまた告知していきますね。
「スイ……大袈裟だよう。嬉しいけれど」
『絶対、大人気! 一番ロックバード!』
「ルリまで……嬉しい」
ハクとルリは、自分がお気に入りのスキヤキが一番だと言い合っている。
そんな姿を見るのも何だか嬉しくって照れ臭いや。
『わりぇはどの肉もうんまいっち! 肉最高っちぃぃぃ!』
モチ太がテーブルの上で飛び跳ね暴れ出した。どうも興奮すると飛び跳ねる変な癖が……。まだ僕の頭の上でないだけマシなのかな?
……だけど。
これからそのテーブルでお客様が食べるんだ。テーブルを綺麗にしとかないと。
「モチ太? またヨダレでテーブルが濡れちゃってるから、ちゃん布巾で拭いて綺麗にしてね」
『ワワワッ、ワリェを下等な犬畜生と一緒にすんなっちぃ!! 高貴なるワリェはヨダレなんてたれないっち!』
モチ太がそう言って再び暴れ出すんだけど、それをスイがヒョイっと首根っこを掴み布巾を渡してテーブルを拭かせてくれた。
さすがスイ、モチ太の扱いに慣れている。
「ヒイロおはよー! 今日は新メニューの登場なんだよね! 入り口に新作の宣伝の張り紙しとくね!」
ララがお手製のチラシを持って店に入ってきた。チラシには手書きで書かれた美味しそうなスキヤキの絵が描かれていた。すっごく上手!
「ララおはよー。こんなチラシ作ってくれたの? 嬉しいよう。ありがとう」
「ふふ。だって大人気ヒイロの猫カフェの新メニューだもんね! 外の壁に貼ってくるね」
「ララありがとう」
みんなが新メニューの反応を楽しみに準備を手伝ってくれている。期待値が半端ない!
……これは人気が出なかったらどうしよう。
いや、美味しいって自信はあるんだけれど、こんなにも期待されちゃうと少し不安になっちゃう。
「ヒイロ! もう外に百人も並んでいるよ!」
お店の外で張り紙をしてくれていたララが、店内に戻ってきて興奮気味に教えてくれる。
『おおっ? それは楽しみだなぁ!』
『んっ! ワクワク』
そろそろ開店時間だし、お店をオープンしますか!
「じゃあ! お店開店だね」
『おうよ!』
僕がそういうとスイがドアにかけられたプレートを【オープン】に変えてくれた。
次の瞬間、並んでいたお客様がドバッと入ってきた。
席につき、注文する商品は……
「新メニューのスキヤキをお願い。お肉はそうね今日は贅沢にワイバーンで!」
「俺はスキヤキのロックバード!」
「スキヤキのオーク!」
お客様がそれぞれ好きなお肉をオーダーしてくれる。
テーブルにスキヤキを運びドキドキしながら反応を見ていると……。
「おおおおおっ、おいしーいい! なんて美味しさなの! 野菜にまでワイバーンの肉の旨みが染み込んで……さいっこう! これでこのお値段は破格よ!」
「いやいや! このロックバードの肉プルプルでジューシー……あっさりの中にコクがあってなんて上品なんだ!」
「待て待て! オーク肉だって……なんて柔らかさなんだ! 口の中でほろりとろける! 幸せだぁ」
「「「この値段は安すぎだろ!!」」」
食べたお客様からの興奮した感嘆の声が至る所で湧き上がる。僕はそれが嬉しくってニマニマしている。
ちなみにスキヤキの値段は、ロックバードを選ぶと銀貨一枚、前世の金額だと千円前後。オークを選ぶと銀貨二枚、ワイバーンを選ぶと銀貨五枚。
さすがにワイバーンに関しては高すぎないかなと思ったんだけれど、だって五千円だよ!?
だけれど、それでも安いとララが言うのでこの値段に設定した。
本当に大丈夫? 高すぎて文句言われたりしない?
そんな僕の心配はどこへやら、開店するとこの値段でも安いって言ってくれるお客様ばかりだった。
ララ疑ってごめんね。
新作のスキヤキは僕の想像以上に大好評だった。
★★★
来月に2巻が発売します!早く書影を見ていただきたいくらいにめっちゃ可愛いんです!
早くみなさまにお届けしたいです♡
詳しい情報はまた告知していきますね。
69
お気に入りに追加
3,096
あなたにおすすめの小説
辺境伯家ののんびり発明家 ~異世界でマイペースに魔道具開発を楽しむ日々~
雪月 夜狐
ファンタジー
壮年まで生きた前世の記憶を持ちながら、気がつくと辺境伯家の三男坊として5歳の姿で異世界に転生していたエルヴィン。彼はもともと物作りが大好きな性格で、前世の知識とこの世界の魔道具技術を組み合わせて、次々とユニークな発明を生み出していく。
辺境の地で、家族や使用人たちに役立つ便利な道具や、妹のための可愛いおもちゃ、さらには人々の生活を豊かにする新しい魔道具を作り上げていくエルヴィン。やがてその才能は周囲の人々にも認められ、彼は王都や商会での取引を通じて新しい人々と出会い、仲間とともに成長していく。
しかし、彼の心にはただの「発明家」以上の夢があった。この世界で、誰も見たことがないような道具を作り、貴族としての責任を果たしながら、人々に笑顔と便利さを届けたい——そんな野望が、彼を新たな冒険へと誘う。
他作品の詳細はこちら:
『転生特典:錬金術師スキルを習得しました!』
【https://www.alphapolis.co.jp/novel/297545791/906915890】
『テイマーのんびり生活!スライムと始めるVRMMOスローライフ』 【https://www.alphapolis.co.jp/novel/297545791/515916186】
『ゆるり冒険VR日和 ~のんびり異世界と現実のあいだで~』
【https://www.alphapolis.co.jp/novel/297545791/166917524】
王女の中身は元自衛官だったので、継母に追放されたけど思い通りになりません
きぬがやあきら
恋愛
「妻はお妃様一人とお約束されたそうですが、今でもまだ同じことが言えますか?」
「正直なところ、不安を感じている」
久方ぶりに招かれた故郷、セレンティア城の月光満ちる庭園で、アシュレイは信じ難い光景を目撃するーー
激闘の末、王座に就いたアルダシールと結ばれた、元セレンティア王国の王女アシュレイ。
アラウァリア国では、新政権を勝ち取ったアシュレイを国母と崇めてくれる国民も多い。だが、結婚から2年、未だ後継ぎに恵まれないアルダシールに側室を推す声も上がり始める。そんな頃、弟シュナイゼルから結婚式の招待が舞い込んだ。
第2幕、連載開始しました!
お気に入り登録してくださった皆様、ありがとうございます! 心より御礼申し上げます。
以下、1章のあらすじです。
アシュレイは前世の記憶を持つ、セレンティア王国の皇女だった。後ろ盾もなく、継母である王妃に体よく追い出されてしまう。
表向きは外交の駒として、アラウァリア王国へ嫁ぐ形だが、国王は御年50歳で既に18人もの妃を持っている。
常に不遇の扱いを受けて、我慢の限界だったアシュレイは、大胆な計画を企てた。
それは輿入れの道中を、自ら雇った盗賊に襲撃させるもの。
サバイバルの知識もあるし、宝飾品を処分して生き抜けば、残りの人生を自由に謳歌できると踏んでいた。
しかし、輿入れ当日アシュレイを攫い出したのは、アラウァリアの第一王子・アルダシール。
盗賊団と共謀し、晴れて自由の身を望んでいたのに、アルダシールはアシュレイを手放してはくれず……。
アシュレイは自由と幸福を手に入れられるのか?
異世界着ぐるみ転生
こまちゃも
ファンタジー
旧題:着ぐるみ転生
どこにでもいる、普通のOLだった。
会社と部屋を往復する毎日。趣味と言えば、十年以上続けているRPGオンラインゲーム。
ある日気が付くと、森の中だった。
誘拐?ちょっと待て、何この全身モフモフ!
自分の姿が、ゲームで使っていたアバター・・・二足歩行の巨大猫になっていた。
幸い、ゲームで培ったスキルや能力はそのまま。使っていたアイテムバッグも中身入り!
冒険者?そんな怖い事はしません!
目指せ、自給自足!
*小説家になろう様でも掲載中です
解呪の魔法しか使えないからとSランクパーティーから追放された俺は、呪いをかけられていた美少女ドラゴンを拾って最強へと至る
早見羽流
ファンタジー
「ロイ・クノール。お前はもう用無しだ」
解呪の魔法しか使えない初心者冒険者の俺は、呪いの宝箱を解呪した途端にSランクパーティーから追放され、ダンジョンの最深部へと蹴り落とされてしまう。
そこで出会ったのは封印された邪龍。解呪の能力を使って邪龍の封印を解くと、なんとそいつは美少女の姿になり、契約を結んで欲しいと頼んできた。
彼女は元は世界を守護する守護龍で、英雄や女神の陰謀によって邪龍に堕とされ封印されていたという。契約を結んだ俺は彼女を救うため、守護龍を封印し世界を牛耳っている女神や英雄の血を引く王家に立ち向かうことを誓ったのだった。
(1話2500字程度、1章まで完結保証です)
家ごと異世界ライフ
ねむたん
ファンタジー
突然、自宅ごと異世界の森へと転移してしまった高校生・紬。電気や水道が使える不思議な家を拠点に、自給自足の生活を始める彼女は、個性豊かな住人たちや妖精たちと出会い、少しずつ村を発展させていく。温泉の発見や宿屋の建築、そして寡黙なドワーフとのほのかな絆――未知の世界で織りなす、笑いと癒しのスローライフファンタジー!
【完結】伴侶がいるので、溺愛ご遠慮いたします
*
BL
3歳のノィユが、カビの生えてないご飯を求めて結ばれることになったのは、北の最果ての領主のおじいちゃん……え、おじいちゃん……!?
しあわせの絶頂にいるのを知らない王子たちが吃驚して憐れんで溺愛してくれそうなのですが、結構です!
めちゃくちゃかっこよくて可愛い伴侶がいますので!
本編完結しました!
時々おまけを更新しています。
プラス的 異世界の過ごし方
seo
ファンタジー
日本で普通に働いていたわたしは、気がつくと異世界のもうすぐ5歳の幼女だった。田舎の山小屋みたいなところに引っ越してきた。そこがおさめる領地らしい。伯爵令嬢らしいのだが、わたしの多少の知識で知る貴族とはかなり違う。あれ、ひょっとして、うちって貧乏なの? まあ、家族が仲良しみたいだし、楽しければいっか。
呑気で細かいことは気にしない、めんどくさがりズボラ女子が、神様から授けられるギフト「+」に助けられながら、楽しんで生活していきます。
乙女ゲーの脇役家族ということには気づかずに……。
#不定期更新 #物語の進み具合のんびり
#カクヨムさんでも掲載しています
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。