お人好し底辺テイマーがSSSランク聖獣たちともふもふ無双する

大福金

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本編 浮島編

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『ってわけなんですよ! それで一緒に冒険の旅に出たわけなんです。海にたどり着くまで、私たちは数多の敵を一緒に倒したり、共に寝て食べてとずっと一緒に楽しい時を過ごしたんです……海についてお別れする時は、本当に悲しかった。もっとずっと一緒に居たかったです。でも私は最強種になるという、ジェラルド様との約束がありましたから、苦渋の決断でした……グス。思い出してもらえて嬉しいです』

 トカはまた泣き出してしまった。パールとの辛かった別れを思い出したんだろう。
 しかし一緒に冒険の旅までした、トカの事忘れるとか……それもまぁパールっぽいんだけど。

 ん? あれ? 
 じゃあトカはパールがテイムしてないんだよな? なんで人語が話せるんだ?

「お前さぁ? 俺達人族の言葉が話せるよな? なんでだ?」

『それはカスパール様が話せた方が便利だと言って、話せるようにしてくれました』

 なるほどな、キューが話せるようになった魔法と一緒か、パールのオリジナル魔法ってやつだよな。

 リヴァイアサンの事を知れば知るほどに、一つだけ気になる疑問が湧いてくる。
 なんでコイツがダンジョンボスなんだ? 
 今の話だと、ダンジョンボスになる要素なんて何処にもなかったぞ?

「なぁトカ? なんでお前はダンジョンボスになったんだ?」

『ダンジョンボス? はて? 何ですかそれは? 私は海で泳いでいましたら、声をかけられまして最強種に勝負を挑まないか? 勝つと一つだけ願いを叶えようと……それをオッケーしたんです。まさか相手がカスパール様だなんて思いもしなかったですが、最強種と言うのは納得です』

「声を? 一体誰が?」
「確かにのう……」

 パールと二人で首を傾げていると

『テッテレー! それはね? もちろんボクっちが呼んだんだよ』

 間抜けな声でダンジョンマスターが再び登場した。

『このダンジョンに登場する魔獣はね? 全てマスターの権限でボスを選ぶことができるんだよ。すごくない?』

「お前がトカを呼んだのか?」

『お前じゃなくってぇボクっちはダンジョンマスターね? マスターでも良いって言ったよね? これはプンオコ案件だよ?』

 しまった。またダンジョンマスターが変な用語を言い出した。ここは素直に謝って話を進めて貰わねーと。

「悪かったよ! 謝るから話を進めてくれねーか? なっ? ダンジョンマスター」

『もう! せっかちだなぁ。そうさボクっちがリヴァイアサンを呼んだのさ。まぁ知り合いってのにはびっくりしたけどね』

「じゃあこのダンジョンはどうなるんだよ? もう戦うなんてできねーぞ? クリアしないと出れないんだろ?」

『まぁね? でもダンジョンキーはボスであるリヴァイアサンが持ってるからね? そのキーを貰ったら出られるよ』

 ダンジョンマスターが少し呆れたように話す。

『じゃあね。今回はあんまり楽しめなかったから、次は頼んだよ?』

 そう言うと、ダンジョンマスターの騒がしい気配が消えた。

「相変わらず変な奴じゃのう。とりあえず何もする事もないし、このダンジョンを出るか」
 
 パールが大きな欠伸をして、ダンジョンを出ようと言い出した。
 さっきまでの感動の対面は何処に行ったんだよ。

「ではの? トカよ。ダンジョンキーをワシに渡してくれ」

 パールがそう言ってトカの前に手を広げて出した。
 トカはそんなパールを見てまた泣きそうな顔をしている。

『渡すと……もうカスパール様に二度と会えないんでしょう?』

 そうか、折角パールに会えたんだもんな。もっと一緒にいたいよな。その気持ちは良く分かる。
 でもどうしたら……? ダンジョンからトカを連れ出すのはきっと無理だし。
 なんか良いアイデア……!?

「あっ!」

「なんじゃ急に大声を出して! びっくりするではないか!」

「パールごめん! 良いことを思いついてさ?」

「良いこと?」

 パールが何を言ってるんじゃ? って顔で俺をみる。ふふふ、そんな顔してられるのも今のうちだけだぞ?

「あのな? 俺はSランク以上をテイムできるだろう? だからな?」

 俺はパールの目を見てニヤリと微笑む。

「なるほどのう! 此奴をお主がテイムすればここから一緒に出られるって事じゃの? ほう……ティーゴにしてはなかなか冴えとるのう」

 何がティーゴにしてはだよ! 褒めるのに一言余計だよ!

「そー言う事!」

 俺たちの話をトカはキョトンと不思議そうに首を傾げて聞いている。

『あのう……?』

「トカよ? よく聞け。お主はワシと一緒にいたいんじゃよの?」

『ハイっ! そうです! 久しぶりに会えたんです離れたくないです』

 トカが瞳を輝かせ、必死に訴えかける。

「なんとそれが可能じゃ!」
『ホントですか!?』
 トカはパールの言葉が嬉しくて、その場をクルクルと回り出した。

「ここにおるティーゴにテイムしてもらったら、一緒にダンジョンを出られるはずじゃ」

 パールがそう言って俺をトカの前に押し出す。
 するとトカは、俺の足にピョンピョンと飛びつき『テイムされます! お願いです! してください!』っと必死におねだりしてきた。

「もちろんそのつもりだから? 落ち着けって」

 こうしてトカという新しい仲間が増えたのだった。
 また個性の強いのが増えたなぁ。
 
 あっそうだ! ティーゴの楽園に戻ったら、祭壇に捧げ物をしてジェラルド様に合わせてあげたら良いんじゃ。

 ふふこれは楽しみが増えてきたぞ。




★★★


 近況報告にも書きましたが3巻の発売が決定しました。10月中旬を予定しております。
 ぜひ手に取っていただけると嬉しいです。


 コメントの返事がかなり遅れていて本当にすみません。本日中に全てのコメントに返信しますので、もう少しお待ちくださいね♡
 皆様のコメントが作者のやる気につながっています。本当にありがとうございます。感謝。









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