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本編 浮島編
移住しちゃう?
しおりを挟む「なっ? 浮島ごと異空間に引っ越したいじゃと?」
「そうなんだ……そんな事って出来るのか?」
俺はロック達を連れ異空間を出てると、移住の相談をするためにパールを探した。
だけど何処にも居なくて、必死に探し回った結果、船の上に立つパールを見つけ今に至る。
「なんで浮島ごとなんじゃ? 鳥人族のみ異空間に来るとかじゃダメなのか?」
「それはだな。大賢者カスパール様に作って頂いた、自分たちの大切な場所を手放す訳には行かないんだと」
「ぬっ……! 鳥人どもめ……そんな事気にしおってからに……」
パールは腹まである長い顎髭を触りながら、口元がにまにまと緩んでいる。
ククッあの顔は嬉しいんだろうな。
まぁそりゃそうだよな、自分が作った物を大切にして貰えてるんだからな。
「まぁワシからすれば簡単な事じゃ」
「そうなのか?!」
「うむ……ちぃとティーゴの力を借りるがのう」
「ええっ?! 俺?」
★★★
「よし……浮島フロッティに居た鳥人たちは、みな異空間に行ったの」
「はいっ! 私とロックで確認しましたので間違いないです」
パールの質問に鷹の王が頬を赤らめ答える。鳥人達は皆パールを見る時、同じような顔をしている。興奮と嬉しいが入り交じっているというか……みんな銀太みたいにジッポが見える。鳥人なんだけどな。
「さてとじゃ……浮島フロッティをティーゴのアイテムボックスに入れて異空間に持っていくか」
なるほどな、俺のアイテムボックスにな入れてか……ん?
「はぁぁぁぁぁ!? 何言ってるんだよパール。こんな大きなの入る訳ないだろ!? 島だぞ!?」
「今さら何を言うておるんじゃ? ティーゴのアイテムボックスは無限の大きさじゃろーて!」
「えっ? そうなのか? 俺のアイテムボックスって無限なのか」
「そうじゃよ! ワシより大きなアイテムボックスの容量を持つ奴なんて初めて出会ったわ」
しっ知らなかった……俺いつのまにそんなに容量がデカくなったんだ? これってやっぱり創造神様の加護を貰って人族じゃなくなったからか? 今更ながら恐ろしいな加護の力。
「分かったらアイテムボックスを開けろ」
「開けろってどうしたら良いんだよ」
「いつも、アイテムボックスに何か入れとるじゃろうて? それと同じで浮島フロッティを入れるイメージをしたら開くじゃろうよ」
あっそうか、デカいから考えちゃったけどいつも通りで良いのか。
「分かったよ」
「よし! では少しティーゴから別れてと……」
返事を返すと、パールが俺から離れ高い場所に飛んで行く。それとは逆に俺の体も空中に浮いて浮島から離れ行く。
「ってええええええーーー!?」
ちょっと待ってくれ! 浮島フロッティが空中に浮かんだ俺に向かって飛んで来た!? ぶつかるって! 潰される?!
「わさあかわたっ!?」
あれ?! ぶつからない? 浮島フロッティが消えた?
「よし、異空間に移動するのじゃ」
いつの間にか俺の横にふわふわとパールが浮かんでいた。えっもうアイテムボックスに入ったの?
★★★
「よし! この場所でアイテムボックスから浮島フロッティを出すのじゃ」
異空間に戻ると、広場の上空に出せと言うので本当に出せるのか半信半疑なんだが、いつもの感じで肉を出すように、出してみる。
「うわっ!?」
「ほう……なかなか絶景じゃのう」
目を細め空を見上げるパールの瞳には、広間の上空にふわふわと浮かぶ浮島フロッティが写りこんでいた。
ピコン
異空間レベルアップの上限に達成しました。
異空間Lv3
「んっ?」
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