お人好し底辺テイマーがSSSランク聖獣たちともふもふ無双する

大福金

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本編 浮島編

善悪分かる門

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「すげぇ……」

 思わず声が漏れる。

 パール達が作った【善悪分かる門】は凄い門だった。名前はアレだけどな?
 まずこの門を人が通りすぎると、音がなる。キラリンかブブーッのどちらかの効果音。
 この音も初め聞いた時は思わず吹いた。
 キラリンの音が鳴ると善人、ブブーッの音が鳴ると悪人と言う、分かりやすい仕組み。
 さらにそれだけじゃなく、門の横に付けられた四角い画面に、名前やどんな事をしたのかなどの情報が、全て記載されている。

 どーやったらこんな凄い物を、短時間で作れるのか、ホントに不思議だ。
 この門を全ての街の入り口に設置したら、悪人は街に入れない。めちゃくちゃ画期的なアイテムだよな。
 この情報が出回ったとしたら、どの国も喉から手が出る程に欲しいだろうな。

 俺が一人関心している間にも、次々に門を通って行くレミアール王国の人達。

 ブブーッ!

「ほう……お主は国を略奪時に何人も殺しそれを楽しんでおったか……オーちゃんコヤツはAじゃ」

『はいっ!』

 パールが指示すると、オーちゃんは男を掴み上げて、Aと張り紙されている大きな檻に放り投げる。
 もうすでにこの大きな檻には百人くらい入っている。そろそろ人でいっぱいになりそうだ。

 どうやらパールは悪い事をしたレベルによってA.B.Cと分けているようで、いつの間にかリィモやカリンも船から降りてその作業を手伝ってくれている。

 Aがクソ悪い
 Bがまぁまぁ悪い
 Cがちと悪い

 パールに聞くと教えてくれた。なんだよ、ちと悪いって。
 作られた檻を見ると圧倒的にAが多くてBとCはガラガラだ。

 善人の方も人は多くて、今の所善人と悪人の数は半々って感じかな?

 キラリン

「おおっ?! お主は前国王か」

「「「こっ国王様?!」」」

 えっなんだって? 今、門を通ったボロボロの服を来た男性が前国王? そんな威厳は全く感じられないが。

 どうやらこの場にいたレミアールの人達も変わり果てた王の姿を見て絶句している。

「亡くなったと聞いてました」

 テンサがそう口を開くと。

「生きておられたんですね!」
「良かった……」
「どうしてこんなお姿に」

 善人の方から声があがる、中には泣いている人もいるほどに。

「情けない話ですが、私がこのレミアール王国の前国王、シヴァ・レミアールです。この国に巣食う膿を出して頂きありがとうございます」

 ざわめきの中、前国王が自分の名を名乗りパールに頭を下げた。

「前国王ともあろう男がなんでそんな姿をしておるんじゃ?」

「私達は、あの宰相オルクスがこの国に来るまでは、魔導具を使って美味しい野菜を作るなど国が潤う魔導具作りしかしてきませんでした。それが……私がバカだったから」

 どうやら前国王様は上手いこと宰相オルクスに騙され、気が付いた時には国を乗っ取られかけ、殺されかけたんだとか。
 どうにか王妃と王子や王女を隣国に逃し、自分は国民の行く末が心配で、残っていたんだと話してくれた。「なにも出来なかった」と泣きながら。

 オルクスがこの国にこなければ、幸せな国だったんじゃないか! なんて事してくれたんだよ。

 善人と悪人関係なく、レミアール王国の人達が皆黙り込み、ただ静かに前国王の話を真剣に聞いていた。
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