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本編 燦聖教編

王城に行くか。

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「むう?街が少し殺気だっておる。どうしたんじゃ?」

「確かに何か様子が変だ」

俺とパールは王都にある一番広い広場を、王城に向かう為に歩いているんだけど、何だか広場にいる人達の様子が少し変だ。
騒ついているというか、少し落ち着きがないというか……。

今回のパールの姿は猫、その横を小さなスバルに、獣人化した銀太が歩いている。
コンちゃんは俺が抱っこしている。

残りのメンバーはお留守番だ。
まぁ……殆どのやつが気持ち良さそうに昼寝してたってのもあるけどな。
俺とパールだけで王城に行こうとしてたんだけど、銀太達三匹がそれに気付き後を追って来たので連れて来た。

『主!あそこっ!魔獣達が積み上げられておる』

銀太が人集りが出来ている場所をさす。
そこは広場の端で、魔獣達の死骸が無造作に置かれ山の様に積み上がっていた。

「何があったんだ?王都に魔獣の死骸?」

「近くに行って見るのじゃ」

俺達は魔獣に集まる人集りを避けながら一番前に辿りついた。

「この魔獣は……」
「うむ。魔獣兵器じゃの」

並べられた魔獣達の額には、魔石が埋め込まれ少し異形化していた。

「燦聖教のやつ一体何がしたいんだ?」

自分達で作った魔獣兵器を、こんな目立つところに置くなんて意味がわからない。
俺は何でこんな事になったの知りたくて、魔獣に集まっていた街の人に声をかけた。

「あの……すみません何があったんですか?」

「あんた!知らないのかい?」

エプロン姿のおばさんがびっくりした後不思議そうに俺を見る。

そんな顔されても……異空間にいたから知らないんだよ。なんて言えるわけないしな。

「……はい。教えてもらって良いですか?」

おばさんは少し深妙な表情をした後。

「実はね?王城にいきなり魔獣が現れたんだよ!それもAランク魔獣ばかり、それを勇者様達が颯爽と現れて全て退治してくれたんだよ!ココにいる魔獣はその時に討伐された魔獣達だよ」

勇者が?勇者って闘技場にいた奴らだろ?アイツらがそんな事本当にするのか?
パールもその話を聞き首を傾げている。

だよな。どう考えてもおかしいよな。

「ティーゴとりあえず王城に向かうか?」
「だな。」

俺は教えてくれたおばさんにお辞儀をしその場を後にした。


「パール王城に行くのは良いんだけど……本当にやるのか?」

俺はパールと決めた作戦の再確認をするが、パールはすでにやる気満々だ。
はぁ……今回の作戦はというか、いつもの正面突破なんだけど流石に王城に乗り込むのは少し勇気がいる。

「もちろん!さあ行くのじゃ!」

パールは尻尾をフリフリ前を歩く。

王城に着くと入り口の門は閉ざされ、その周りを多くの兵士がウロウロと歩いている。
それを見たパールは「あやつら邪魔じゃのう……」と呟くと。

門をうろうろしていた兵士たちを全て眠らせた。

「これで騒がれず中に入れるのじゃ」

パールは閉ざされた門を魔法で壊して中に入って行く。

「ティーゴ早く後をついて来るのじゃ!」

………やっぱりこのパーターンだよね。

「はいはい!ちょっと待ってくれ」

俺はパールの後を必死に追いかける。

パールは王城の中を知っているかの様に進んでいく。

「パール?すごい勢いで勢いで走ってるけど、燦聖教のボスの居場所が分かるのか?」

「この城の最上階から凶々しい魔力を感じる。そこにおるのが燦聖教を纏めている奴じゃろう」

王城に入ってすぐにパールは燦聖教の黒幕ボスの場所を突き止めていたのか。さすがパールだ。

王城の中に入ると黒いマントを羽織った者達で溢れ返っていた。
猫と一緒に走る俺に気付き振り返る者もいるが、後を追っては来ない。
何でだろう?普通なら追いかけて来るよな?

不思議に思いながらも俺とパールは王城を上の階へと駆け上がって行く。

三階に上がった時。

「あーーーーー!!お前は闘技場にいた魔族!」

突然魔族と声をかけられた。

振り返ると、真っ青になりながら震える黒マント姿の男が立っていた。

こんなやつ知らないぞ?
もしかして闘技場の闘いの時に俺の事見てたのかな?

男が叫んだので続々と黒マント達が集まってくる。

「ジーク司祭!どうされたんですか?」

「ままっ!魔族が現れたんだっ」

一番騒がしく叫んでいる男はジーク司祭というらしい。
司祭と名乗っているから燦聖教の中でも偉いやつなんだろうな。

さてとこの集まってきた燦聖教の奴らをどうするかな?





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