お人好し底辺テイマーがSSSランク聖獣たちともふもふ無双する

大福金

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1巻

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 2 SSSランクフェンリル

 ――我のあるじよ。我に名前をつけよ。
 えっ? 何?
 目の前の魔獣フェンリルは俺に向かって、大きな尻尾を振っていた。まるで喜んでいるように見える。
 何これ。それに、さっきから頭に直接声が聞こえてくる。これはフェンリルの声か?
 ――主? 名前をつけてくれぬのか?
 えっ? なっ名前? 俺が⁉
 ――主以外に誰が居るというのだ? はよう、名前を。
 このフェンリルに? 俺が名前をつけていいの? っていうか名前って?
 うーん……? よく考えろ。フェンリルの大切な名前を俺ごときがつけるんだからな。変な名前をつけて機嫌を損ねられたら、たまったもんじゃない。
 俺はない知恵を絞り、色々と必死に考える。
 綺麗な銀色の美しい毛並み、そして神々こうごうしいこの姿は……本で見惚れたアイツにそっくりだ。
 昔読んだ、の国の魔獣について記述してある本。倭の国とは、俺達の暮らすヴァンシュタイン王国より遥か遠くにある異国のことだ。不思議な言葉、不思議な物がこの国から周辺諸国に多く伝わっている。
 綺麗な絵で魔獣を紹介するその本が俺は大好きで、小さい頃から何度も読み返していた。
 そしていつも、あるページで手が止まるんだ。
 そこには美しいフェンリルの姿が描かれていた。
 その名も【銀狼ぎんろう】。倭の国ではフェンリルを銀狼と呼ぶ。
 初めてその姿を見た時に、あまりの美しさに俺はそのページから目が離せなかった。
 今俺の目の前に、その本そっくりの美しい銀狼がいる。
 決めたぞ、フェンリルこいつの名前は銀狼から『銀』を貰って。……銀太ぎんただ。

「よしっ。お前の名前は銀太だ!」

 そう言うと、物凄い光がフェンリルから放たれた。
 眩い光に包まれ、俺はまぶしくて目が開けられない。


 光がやっと落ち着き、目を開けると、二メートルくらいの大きさになったフェンリル――銀太がお座りしていた。小さくなったのだろうか?

『我をテイム出来るとは、主の魔力は桁違いなんじゃな!』
「えっ、は? テイム? 何で言葉をしゃべっ……⁉」
『我に名をつけ、テイムしたであろ?』

 えっ何で? フェンリルが急に声を出して話し始めた。
 どういうことだ?
 俺がテイムしたって言ってるけど、そもそもテイムした魔獣が話せるようになるなんて聞いたことないし、喋る魔獣を見たことももちろんない。

『主の使つかじゅうとなったからの。人族の言葉が話せるようになったみたいだな』
「そんなこと……あり得るのか?」

 コイツがフェンリルだからか?

『我をテイムしたんじゃろ?』
「そっそれは……本当にしたのか? 俺は半端者のテイマーなんだぞ? それがいきなりフェンリルをテイム出来たって言われても……何でそんなことになったんだ? 意味が分からない」

 困惑する俺を、フェンリルがまじまじと見つめる。

『ふうむ? おおっ、我をテイムしたことにより、我が使えるスキル全てを、主も使えるようになったみたいじゃのう。主はついておる! テイムしても、使い獣のスキルを貰えるかは運次第なのだ。それを全てとは中々……。早う鑑定で我を見てみよ。その方が早い』

 俺がレアスキルの鑑定を使えるようになっただと? テイムしたら使い獣のスキルが貰えるだと?
 それも初耳だぞ。そんなこと学校で教わらなかった。そんなことがあるなら絶対に授業で習うだろ? こんな重要なことをみんなが知らないとかあり得る?
 もしかして、だまされてない? 本当に俺はスキルを取得したのか? 試して何も出なくて恥ずかしい思いするとか、やめてくれよ。
 思考がグルグル巡ったが、結局、実際に試してみないとなんとも言えない。
 だったら……よしやるぞ! 出てきてくれよ?

《鑑定》

 俺がそう口にすると……ヴォン‼
 半透明の板が、音を立てて俺の目の前に出現した。


【聖獣フェンリル】
 名前  銀太
 種族  聖獣
 ランク SSS
 レベル 785
 体力  75560
 攻撃力 84366
 魔力  85695
 幸運  99999
 スキル 全属性魔法 鑑定 隠密 アイテムボックス
 主   ティーゴ


 ほっ本当だ! 主の欄にティーゴって書いてある。やっと魔獣をテイム出来たんだな……嬉しいよ。
 ん?
 SSSランク⁉ 何だこの桁違いのランクは……!
 SSSランクなんて伝説級。さすがフェンリル。
 ははっ、よくこんな強い奴をテイム出来たな。まだ信じられないよ。

『ほう。我は主の初めての使い獣なのだな! 嬉しいの』

 何でそれを⁉ そんなことまで分かるなんて、学校で習わないことばかり起こるな。
 でも今はそれより、嬉しいと言ってもらえたことがこそばゆかった。お礼を言いたいのは俺の方なんだよ。俺みたいな底辺テイマーからしたら感謝しかない。

「銀太、俺なんかの使い獣になってくれてありがとう」
『ふぬ? そんなこと当たり前じゃっ』

 そう言って銀太は大きな尻尾をフリフリする。ああっ、フェンリルって怖いはずなのに、銀太は可愛いな。

『ふむ? もしかして主は、Sランク以上の魔獣に会ったのは我が初めてなのか!』
「そりゃそうだよ。生きてる内にSランクの魔獣や魔物に会うなんて、考えたことないよ。そもそも会ったら、俺死んでるって!」
『ハハッ、主よ? 自分のことを鑑定してみたらどうかの?』

 そうか。自分のことも鑑定出来るんだな。銀太が何を見せたいのかはよく分からないが、やってみよう。

《鑑定》

 名前  ティーゴ
 種族  人族
 ジョブ 魔物使い
 ランク ??
 レベル 35
 体力  1800
 攻撃力 3650
 魔力  99970
 幸運  50
 スキル 全属性魔法 鑑定 アイテムボックス
     Sランク以上の魔獣や魔物をテイム出来る。
     Sランク未満の魔獣や魔物はテイム出来ない。
 使い獣 フェンリル銀太


 えっ……俺のランクの『??』って何?
 ンン⁉
 スキルの欄にある、Sランク以上をテイム出来るって、何? それにSランク未満はテイム出来ないだと⁉
 こんなスキル、聞いたことない。
 あーーっ! だからか! 今まで一匹もテイム出来なかった理由はこれか! そりゃそうだ、Sランク魔獣なんてそうそう出会わねーし、もし出会ってもテイムしようなんてまず思わない。
 俺……無能だと思ってたけど、そうじゃなかったんだな。何だかホッとした。これも銀太のおかげだな。
 しかも俺の魔力数値、おかしくないか? こんな桁、ありえない数値だぞ。他の体力や攻撃力より断然多いし……あっ⁉
 幸運が50しかない⁉
 はぁー……全然ない、ダメじゃん。だからか!
 今までの人生、やけに上手くいかないと思っていたけど、こんなところに理由があったとは……。

『ククッ、自分のことが分かったか? 中々凄いスキル持ちだな、主は』

 そう言って、銀太がでて欲しそうに、俺の手に顔を近付けてきた。何だよ、その可愛い仕草は。お望み通り、俺は銀太のモフモフを堪能して撫でまくった。
 それでふと思った。
 何故SSSランクフェンリルが、Aランクダンジョンなんかに居るんだ?
 もし銀太がダンジョンボスなら、このダンジョンのランクは『A』じゃない。
 もしかして、ここはSSSランクダンジョン? そんなの聞いたことないけど、まず伝説の魔獣フェンリルがダンジョンに居ること自体がおかしいよな。

「なぁ銀太? このダンジョンはAランクだろ? 何でSSSランクのお前が現れたんだ? どー考えてもおかしくないか?」
『うむ? いやっ……そっ、それはだの? 主の魔力を感知してだの?』

 銀太は俺の質問に、瞳を左右に動かしあからさまに動揺する。『だの』って、どんな語尾だよ。
 魔獣の癖に、することは妙に人族っぽいな、コイツ。ランクが高いと知能も高いっていうから、それで人族っぽくなるのかな。

「俺の魔力を感知した? どういうことだ?」
『我の友達がだな? いつも自慢するからの? 我もだな、そのう……使い獣に憧れっ……ゲフンゲフン。我を使役出来る者を探しておったら……主を見つけたのじゃ』

 銀太の話を要約すると、友達の【グリフォンのスバル】が過去にテイムされ、名前を貰ったことや使役されていた時の素晴らしさを毎回自慢してくるという。
 話を聞いている内に銀太は羨ましくなり、自分を使役出来る魔力が高い奴をずっと探していたらしい。
 SSSランクフェンリルをテイムするとなると、相当な魔力量を持った者でないと無理らしく、該当する人物を必死に探していたら、俺の魔力を感知した。そこで無理矢理ダンジョンに転移してきたせいで……空間が歪んで床が崩れて、あんなことになったと。
 何だコイツ⁉ 使役されるのが羨ましいとか……テイムして欲しくて探して回るとか、普通魔獣が考えるか?
 本当に魔獣か?
 かなり人族みたいな性格なんだが?
 高位魔獣になるとみんなそうなのか?
 魔獣の口から『自慢』とか……『羨ましい』とか、そんな言葉が出てくるとは思わなくて。
 SSSランク魔獣なのに、『可愛い』と思ってしまった。

「あはははははっ」
『なっ、なんじゃっ! 我は真剣に話をしておったのに! それを笑うとは!』

 銀太には悪いが、久しぶりに声を出して笑った気がする。

「ふははははっ! ありがとうな銀太。よろしくな」
『ぬう……何故笑われておるのか納得いかぬが、よろしくなのだ』

 文句を言いながらも、銀太は大きな尻尾をブンブン振って嬉しそうだ。あまりの可愛さに、俺は銀太を抱きしめた。銀太の毛はモフモフで、離れ難いと思ったのは秘密だ。

『主? 今からどーする? 何がしたいのだ?』

 尻尾をご機嫌に動かしながら、銀太が聞いてくる。
 銀太め。何だその尻尾の動きは、本当可愛いな。

「ちなみになんだけど、銀太はこの場所が何処だか分かるか?」
『……うむ? このダンジョンのボス部屋だな』

 なるほどな。ボス部屋かぁ。
 !!!!

「はぁぁ? ボス部屋だと⁉」

 いやいやいやあり得ない。ここがボス部屋なら、ボスは何処だよ⁉ 俺達、ずっとのんびり話をしていたぞ? 何でそんなスキだらけの俺達をダンジョンボスは襲ってこないんだ?

「ボスは何処だ?」
『んん? ボスならそこの端っこに座っておるぞ?』

 銀太が指す部屋の端っこを見たら……ガタガタと小刻みに震え、小さく体育座りしてるオーガキングが三匹居た。
 オーガキング達も、突然現れたSSSランクフェンリルにどう対応したら良いのか分からないみたいだ。出来ることなら今すぐ逃げ出したいが、ボス部屋だから無理ってところだな。
 ブッ……! 何これ⁉
 ダンジョンボスは銀太が怖いのか。笑えてきて、思わず噴き出してしまった。

『どうするのだ? ダンジョンをクリアしたいのか?』

 銀太が俺に問いかけた。そんなの、答えは一つだ。

「クリアしたい! 俺の実績になるからな」

 ダンジョンは、最下層の奥の部屋にある魔核を取ったらクリア出来る。
 奥の部屋に行くには、ボスを倒してカギを奪わないといけない。

「クリアするにはボスが持ってるカギが必要だ」
『ふうむ。カギか?』

 銀太はそう言いながら、チラリとオーガキングを見る。
 震え上がるオーガキングは目が合うと、慌ててカギを自ら差し出してきた。
 これではどう見ても銀太の手下だ。

『カギを貰ったの。行くか?』
「SSSランク……スゲエ」

 呆気なくダンジョンクリアしちゃったよ。クリアって言っていいのか疑問だが、いいんだよな? あまりにも楽勝ルート過ぎて、クリアした実感が全くない。
 オーガキングから貰ったカギで扉を開け、俺達は奥の部屋に入る。
 中央の石碑の上に置かれている魔核を取る時、まれに宝箱が落ちてくることがある。
 それをかすかに期待しながら、俺はダンジョンの魔核を取った。

【ダンジョンクリア * ティーゴ】

 よしっ! 俺の名前が初めて刻まれた。いつもガストンだったから羨ましかったんだよな。
 ガシャン‼
 突然上から何かが落ちてきた。宝箱だ。やった! レアアイテムが入っていたらいいんだけど。でも俺、運がないからな……。

「銀太。宝箱開けてみて」
『我が? 分かったのだ!』

 銀太が鼻先で器用に宝箱を開けた。すると中に入っていたのは……金貨千枚と剣だった。俺は早速剣を鑑定する。


【名工ドランが作った魔法剣】
 ランク S
     魔法を纏うことが出来る。
 攻撃力 +1500


「やったー‼ 銀太すげえ、最高だよ、金貨千枚だぁ! 剣もすげえ……強運だな」

 むっふーっ、と銀太の鼻息が首元にかかる。

『そっ、そうかの? 我、凄いかの?』

 銀太は褒められて嬉しいのか、ちょっと誇らしげに座る。その姿が可愛くて、俺は銀太を撫でまくる。
 SSSランクで凄い魔獣なのに人間臭くて、俺はもう銀太のことが大好きになっていた。


 閑話 深緑の牙――ガストンの焦燥

 はっ、はあっ、はあっ……。

「ここまで来れば大丈夫か?」

 俺――ガストンは近くの岩に手をついた。ティーゴを囮にし、俺達は力の限り走って逃げた。そしてようやく一息つく。
 何だったんだ、あれは? 俺は夢でも見たのか? フェンリルが出てきた。Aランクダンジョンにだ! あり得ない、見間違いだったのか?

「助かって良かった……」
「本当にな、死ぬかと思ったよ」
「ティーゴのおかげで助かった」
「最後に役に立ってくれたな!」

 フェンリルが後を追ってきていないことを確認し、俺達はホッと安堵した。
 少しはティーゴのことを可哀想だと思うよ。
 でもな! 俺達のパーティに二年も入れてやってたんだ。有難く思え。
 多少役に立つが、よええ奴は俺達のパーティにはいらねーんだよ。次はもっと強い使える奴を探さないとな。

「おいっ、ここが何階層なのか分かるか?」

 俺はエリック達に聞いてみるも――。

「「分からないよー」」

 間抜けな返事が返ってくるだけだった。
 はぁ? いきなりどうしたんだ。

「だって、ダンジョンを調べるとかは、ティーゴが全てしてくれてたから……」
「そうだよな。分からないな!」
「それよりお腹減った。ご飯にしない?」

 なっ、何だ? コイツ等の危機感のなさは……。
 それに分からないなら、何で自分達で調べようとしないんだ? もうティーゴはいないんだぞ?
 俺が怪訝けげんに思っているのに気付かないのか、メリーが呑気な発言を繰り返す。

「ガストン! リーダーでしょう? 何かご飯作ってよ」

 だから何を言ってるんだ? 食料だって、あとどれくらい保つか分からないんだ。しかもほとんどの食材はティーゴが持っていた。そのリュックはティーゴと一緒に置いてきちまった。
 俺達が持っているのは、携帯食の干し肉くらいだ。お前等、自分達が置かれているこの状況がどんなにヤバいか分かってるのか?
 今は飯より、脱出のために一刻を争う時だろ?

「とりあえず上がれる所まで上がらないか? 食料だっていつまで保つか分からないからな!」
「えー……! 疲れたなぁ。ねぇティーゴ。いつものリラックスティー頂戴ちょうだい。あっ? いないんだった」

 またメリーのままが始まった。いつもはティーゴが上手く相手してくれるんだが、アイツはいないしな。

「とりあえず! オアシススペースまでは休憩なしだ! 文句は言わせねぇからな!」
「「「はーい」」」

 三人は嫌々返事をして歩き出す。
 クソッ。何で俺がこんな場所をウロウロしなくちゃいけないんだよ。
 ここが何階層かも分からない。未知なるダンジョンへの不安と恐怖に気付かないようにして、俺はダンジョンを歩いて行く。


 3 Aランクダンジョン攻略

 うわーっ! ドキドキする。
【Aランクダンジョン】クリアかぁ。
 俺と銀太は、円状に輝くクリアワープポイントの上に、足を踏み入れる。
 すると、眩い光が俺達を包み、すぐにダンジョンの外に出た。
 俺達がクリアポイントから現れると、Aランクダンジョンの警備隊の人達がザワザワし出した。
 クリアポイントは入り口から近いので、今からダンジョンに潜ろうとしていた冒険者達も俺を見て驚いている。

「クリアだ!」
「オオー! すげぇな!」
「俺達もクリア目指すぞー!」

 冒険者達は口々に俺をたたえてくれ、盛り上がっている。
 そんな中、知っている警備隊の一人が話しかけてきた。

「おい! ティーゴじゃねーか。クリアしたのかおめでとう! ガストン達他のメンバーは何処だ?」
「…………俺だけだ」
「えっ? どういうことだ!」

 警備隊の奴が不審がっている。ダンジョンで捨てられたとか言いたくないが、話さないとな。

「俺はガストン達に麻痺の魔法をかけられて、囮にされダンジョン内で捨てられたんだよ」
「なっ⁉ 囮だと? そんな……」
『本当だ、奴等は主を我の前に放り出して逃げて行きおった!』

 俺の後ろから銀太が出てきて、怒りをあらわにして話し出した。
 警備隊の奴が、目をまん丸にしてびっくりしている。

「しゃしゃっ喋った!」
「「あわっフェッフフッフェンリル⁉」」

 みんなダンジョンクリアに興奮して、銀太が俺の後ろに居ることに気付いてなかったみたいだな。

「ヤバイヤバイ! 何でこんな所に伝説の魔獣フェンリルが⁉」
「――終わった。こんな所で死にたくなかった」

 冒険者達や警備隊は、初めて銀太の存在に気付いて、大パニックにおちいった。
 うん。気持ちは分かる。俺もそうだったから。

「ティーゴ、何ジッとしてんだよ! 早く離れろ! すぐ後ろにフェンリルが居るんだぞ、逃げろ!」

 みんなが俺を心配して逃げろと言ってくれるが。

「あの、落ち着いてくれ! 信じられないかもしれないが。コイツは……このフェンリルは俺の使い獣だ」
「……なっ? ティーゴ? えっ?」

 俺はみんなに信じてもらうために銀太に抱きつく。

「「「ギャッ!」」」

 それを見た冒険者達や警備隊は、俺が殺されると思い、声を詰まらせる。

「殺され…………ん?」

 尻尾を大きく振り、俺に撫でられまくって喜んでる銀太を見て、みんな固まっている。

「「「「うそだろ?」」」」


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