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本編 燦聖教編
闘い!?その②
しおりを挟む目の前に立つタケシって男が俺を睨み攻撃するタイミングを見計らってる。
俺も剣を両手に持って構えないとな。これであってるのか?
この剣は魔法剣なんだよな?剣に魔法の威力があったとしても、それって魔法を使った事にはならないよな?
まぁ使い方が分からないんだけど……。
などと考えてたら神眼が発動し教えてくれた。
ピコン!
剣に魔力を通すだけ!それで魔法剣の完成です。
なんだ!魔力を剣に……か!こうか?
すると俺の剣がとんでもない長さになった。元の五倍はあるんじゃねーか?
「わっ?!」
突然剣が長くなり思わず声がでる。それは相手も一緒だったみたいで驚き後退りする。
「なっ!お前何したんだよ!」
魔力を通したとかなんて言ったら、五月蝿く文句を言いそうだったので、それと無く理由を付けた。
「何も?これがこの剣の本来の姿だ!」
俺は魔力で増大した長さ六メートルはある剣を軽々と持ち、余裕を見せる。
実際は重さは変わってないんだけどな?
「なっ……あんなバカデケエ剣を軽々と持って!何だあいつ!本当に俺達と同じ人族か?もしかして魔族とかじゃ……魔族はヤベエってジークが言ってた!戦うならまだレベル上げが必要だって……」
タケシと言う男がぶつぶつと何か独り言を言い出した。
闘わないのか?
「おいっ?」
俺は聖剣タケシを呼ぶつもりで、剣を軽く振った。
ズドォォォォォォォォォォォォンッ‼︎
「へぁ?」
剣を振った風圧で聖剣タケシが立つ後ろの壁に、大穴が空いた。
タケシは運良く左腕が軽く擦れただけだった。
「あっわあわっ……おまっ…」
聖剣タケシがプルプルと俺を見て震えている。なんかゴメン……あんなに威力があるなんて知らなかったんだ。
「いやっはは……」
俺は頭に右手を置きその場を和ますつもりで笑った。
「ヒッヒィィィーッ!」
それ見た聖剣タケシが余計に顔を青褪めた。
なんだよ人が笑って怖がるとか失礼なやつだな。
「やべえ…アイツやべえよ…この場面であんな顔で笑ってやがる。やっぱり魔族なんだ!俺をどう殺そうか考えてニヤついてるんだ!」
タケシはぶつぶつと何か独り言を言いながら、後ろに後退りして行く。
何だよ?まだ何もしてないだろ?
「なぁ?どーしたんだよ?闘わないのか?」
俺は精一杯の笑顔で笑いかけた。
「イャァァァァァァ!!殺さないでっ!こんな所で死にたくない!」
聖剣タケシは走って舞台から転げる様に降りると急いで自分達の控え室に帰って行った。
「えっ何これ……」
俺はどうしたら良いのか分からず闘技場の舞台にポツンとただずんでいた。
ふと聖剣タケシが立っていた場所を見ると大きな水溜まりが出来ていた。
……それが何かは敢えて言わないでおこう。
俺の横で同じ様に呆然と立っている審判の肩を叩いた。
すると我に返ったのか、やっと声を上げた。
「しっ勝者ティーゴ!!」
審判の声と共にシンッと静まり返っていた会場からは一斉に大ブーイングの嵐。
このパターン前の試合と一緒じゃねーか!
ちょっと違うのはブーイングの中に聖剣タケシの文句の声がチラホラと聞こえてくるくらいか?
チラリと二階会場を見るとパール達が楽しそうにしていた。良いなぁ、俺も早く混ざりたい。
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