お人好し底辺テイマーがSSSランク聖獣たちともふもふ無双する

大福金

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本編 燦聖教編

浄化

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「なっ!人が必死に歩いてるのにっ何で笑うんだよっ」

「じゃって……ぷぷっその足に付けとる車輪っ…ぶふぉ外せば良かろう?」

パールは笑いが堪えられず、まともに話せない。

ティーゴは口を尖らせ少し恥ずかしそうに答えた。

「この車輪……鍵が掛かってて、鍵がないと外せないんだよ。鍵はハクかロウのどっちかが持ってて……いきなりスバルに連れて来られるし」

そんな二人のやり取りを見てメフィストは驚きが隠せない。
それもその筈、突然目の前に現れた少年は魔王と対等に話しているのだから。

目をパチクリとさせ二人を見ていたメフィストに、ティーゴは近寄ると額に埋め込まれていた魔石を優しく撫でた。

「もう大丈夫だからな?痛かったよな」

優しくティーゴが撫でると、魔石は浄化され黒く濁っていた色が美しい輝きを取り戻す。

「あっ……ああ?何が起こって?」

「もう大丈夫だろ?」

ティーゴはメフィストの顔を覗き込むとニカッと笑った。

その笑顔がメフィストには神々しく見え、虹色の衣装が輝きを増した様にさえ思った。

「———ああっ天使様とは貴方の事か……」
(ベリアルが天使にあったと言ってたが本当にいたんだな。天使グッズという物も沢山集めていた、また見せて貰おう)

「はっ?なっ?何を言いだすんだっ!天使じゃなくて、俺はティーゴだ。よろしくな?」

「……ティーゴ様……助けて頂きありがとうございます」

メフィストはティーゴの前に跪き涙ながらにお礼を言った。

「その姿は流石にちょっと気味が悪かろう、リザレクトで傷を治してやる」

パールは魔石を額から取り出し回復魔法をかけた。
すると溶けた顔は元通りなり、鈍色にくすんでいた肌も透き通った白い肌へと戻った。汚く濁った色の腰まである長い髪は、輝き艶のある美しい藍色の髪に変化した。

「元の姿は綺麗な人だったんだな、ビックリしたよ」

「人じゃなくて魔族じゃ、此奴は四天王の一人じゃよ!」

「へあっ?!魔族だったのかっ」

道理で人ならぬ美しさな訳だ。魔族って綺麗な奴が多いな。パールだって恐ろしい美形、よく考えたら俺の周り綺麗な顔のやつばっかだな……俺以外。くそう。

などとティーゴが少しいじけそうになった時、背後からパタパタッと足音がしメフィストに抱きついた。

「リュカ!ルイ!」

岩の影に隠れこちらの様子を必死に伺ってた獣人の子供達が、変化したメフィストの姿を見て、いてもたっても居られずティーゴ達の所まで走って来た。

「お兄ちゃん!元に戻ったの?」
「何で?もう痛くないの?」

リュカとルイがメフィストの体を撫で確認する。

「ああ……もう大丈夫だ。こちらの天使様が治して下さったんだ」

メフィストは横に立つティーゴを見る。

「ティーゴな?」

「ありがとうございますっ」
「ありがとうございます!」

リュカとルイはティーゴに頭を下げた。

「ちょっ頭を上げてくれっ」

ティーゴが頭を上げてと言うが獣人の子供達は断固として上げようとしない。

「兄ちゃんは僕達を守るためにこんなに酷い目にあったんだっふううっ」

「グスッ……ずっと痛い事されて……死ぬんじゃないかと思っ……怖かった。ううっ」

リュカとルイの大きな瞳からポロポロと涙がとめどなく流れていく。だがふわふわした尻尾はブンブンっと激しく動いている。

嬉しくて泣いてるのが分かる。

そんな二人の姿を見てティーゴはかがみ込み、泣いている二人の頭をそっと撫でた。そして首にはめられている隷属の首輪を触り外した。

「えっ……?」
「首輪……」

首輪が外れた驚きに、思わず下げていた頭を上げティーゴを見る二人。

「もうこれで大丈夫だ」

再びニカッと笑うティーゴ。

「あああっありがとうっ」
「ううっ……」

驚きで一瞬止まった涙がまた溢れ出る。それを見ていたメフィストがティーゴに近寄り再び跪き頭を下げた。

「ティーゴ様!ありがとうございますっリュカとルイまで助けて頂きっ本当にっふうっ」

メフィストもまた涙が止まらない。

そんな姿をみたパールはやれやれと少し眉尻を下げくしゃりと笑う。

「泣いてる場合じゃないぞ?今からする事はいっぱいあるんじゃぞ」

そう言いながらもパールはメフィスト達を優しく見守っていた。
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