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本編 燦聖教編

再開

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パールはジャイコブウルフ達を従え、貴族達が住む屋敷近くの広場に集まっていた。

「ようしっ!ジャイコブ達よっ屋敷の何処に獣人奴隷達がおるか分かるの?」

『ジャイジャーイ♪』

バイコーンの背中に乗ったジャイコブウルフ達は任せてくれと言わんばかりにドンッと自分の胸を叩いた。

「では集合場所はここの広場じゃ!獣人を連れこの場所に再び戻って来るのじや。分かったの?」

『ジャイコブ♪』

「よしっでは行けい!」

ジャイ♪ジャイ♪ジャイコブ♪ジャイ♪ジャイ♪ジャイコブ♪

ジャイコブウルフ達は軽快なリズムを口遊みながら進んで行く。

ジャイコブウルフを乗せたバイコーン達は、散り散りになりながら貴族の屋敷へと消えて行った。

「ふむ……このままジャイコブ達に任せて大丈夫そうじゃのう……さて、ワシはどうしようかの?」

パールがステージに戻ろうか?貴族の屋敷に行こうか?っと一人迷っているとパールを呼ぶ声が聞こえる。

『主~~。見っけっ!』

スバルがいつもの小鳥姿に戻ってパールの所に飛んで来た。

「スバル!お主ステージはどうしたのじゃ?」

『ステージはティーゴとハクとロウそれに三号で盛り上がってて、俺はもう出番もないし暇だから主の所に遊びに来た!』

「そうかっステージは盛り上がっておるのか……どんなステージか気になるのう」

『気になるなら空からステージを見るか?』

「ほう……それも良いのう」

スバルがグリフォンの姿に戻り、パールが背中に乗ってステージに向かい飛び立とうとしたその時……!?一番大きな屋敷から魔力が溢れ出した。

「なっ?」

『何だこの凶々しい魔力は?!』

「これは……魔族?!」

(魔族の魔力じゃが……はかなり穢れておる。何じゃこの気持ち悪い魔力は!?)

『主、何か気になる行って見ようぜ!』

「そうじゃのっ!スバル頼んだのじゃ」

『任せとけって』

スバルは凶々しい魔力を放つ一番大きな建物に向かって飛んでいく。
すると近付くに連れ建物の形が鮮明に見えてくる……何と凶々しいオーラを放つその建物の形は、ガドウィンで見た青色の塔にそっくりだった。

「まさかっ貴族の屋敷に紛れて燦聖教の建物があるなんてっ。これは……司祭の屋敷か?」

屋敷は瘴気の結界で覆われていた。

『コレ見た事あるぞ!ティーゴの村近くにあった森で魔族が作ってた結界だ!』

スバルが知ってるとパールに得意げに話す。

「やはり魔族……」

(いったい何が起こってるのじゃ?魔族の結界にしては穢れが酷い)

『主、屋敷の近くに降りるぞ』

スバルが急降下して結界の外に降りた。

「ほう……屋敷全体を魔族の結界で覆っておるのか……こんなもの」

パールがそう言うと目の前に漂っていた濁った空気が一瞬で消えた。

『さっすが主!一瞬だな』

「茶化すでない。ほれっ行くぞ!」

パールとスバルは正面の門から堂々と中に入った。
中に入ると整地された美しい歩道と庭園が広がる。
魔族の結界で覆われてた屋敷とは思えない。

先を歩くと数十匹のジャイコブウルフとバイコーンが倒れていた。
魔族の瘴気に酔い倒れた様だ。

慌ててパールはジャイコブウルフ達の所へと走って行く。

「ジャイコブウルフよっ大丈夫か?」

『ジャイジャーイ……』

「大丈夫余裕じゃと?無理しおってからに。いま楽にしてやるからの」

パールはジャイコブウルフ達の穢れを浄化し回復魔法をかけてやる。

『ジャイジャーイ♪』

ジャイコブウルフ達は元気になった。

ジャイコブ達が襲撃したからこの様な瘴気の結界で対抗したんじゃな。
結界がない今、さて次はどう出てくるかの?

「ほう……ボスの登場かのう?」

屋敷の入り口から穢れを纏った魔族が飛び出て来た。

角を除けば魔族は人とさほど変わらぬ様な姿をしているが……。

その姿は気味が悪い程に異形化していた。
黒ずんだ鈍色にびいろの肌は血管が浮き出ており、目は少し飛び出ている。額には三個もの魔石が埋め込まれてその周りは溶けていた。

その姿をみたパールは固まってしまった。

「なっ……お主はメフィスト?」

パールの前に現れたのは異形化した部下、四天王メフィストの姿だった。

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